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第一章:引きこもりたいから引きこもる。何が悪い?
人間付き合いが、嫌なだけで=家事スキルが皆無と言う訳ではない。
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あれから。
ただの洞窟だった初期位置を…改装した。めちゃくちゃ。
6畳一間。隣はキッチン、その隣は浴室、トイレ、洗面所…と。
広々としたベランダ窓付き(ベランダの外はこのダンジョンの外の景色を切り取っている)に、大きな薄型テレビ。
5TBはあるハードディスクPC…ゲーム用のパソコンは日本のネットと繋がっている──どう言う理屈かは不明だけど。
「マスター、ご飯です?」
「うん…もうすぐ出来上がるから皿出して」
「あいっ!」
身長140㎝の黒髪黒目の私と身長125㎝の黒猫…、猫耳少年──黒髪に青色の大きな眼の美少年…少年は魔物 だ。
暗殺猫と言われる一見猫獣人と見間違うが──その性質はとっても危険。
猫獣人は“人間”をたべないが、暗殺猫は魔物なので──“人間”は補食対象である。
見た目は愛らしいが…人間の容姿に猫耳と尻尾が生え、爪が鋭い。
猫獣人は人間と変わらずコミュニケーションも取れるが、暗殺猫は『ニンゲンクウ!』か『ウマソウダ』としか言わない。
…それはダンジョンだろうと、森の中だろうと変わらない。
幾ら美形でも──補食対象としか見られないのだ…。
加えて雄個体と雌個体…どちらも“人間のみ”を付け狙う異常種族──
「うん!」
「…ふふ、かわいい」
…因みに、“ダンジョンマスター”となった凛音はその時点で「人間」ではなく“ダンジョンマスター”と言う別種族になったから召喚された彼は凛音を補食対象とはしないのだ。
名付けた為か…暗殺猫の少年──、キロタは凛音が料理した人間が食べるような食事も普通に食べれるようになった。
「…さあ、キロタ食べよう。」
「あいっ!」
いただきます。合掌。
ちゃぶ台の上広げられた二人分の食事…肉じゃが、鶏の唐揚げ、沢庵、豆腐の味噌汁、甘納豆、ご飯、緑茶。林檎。
…どれも手作りだ。(林檎と沢庵は切って皿に出しただけだが)
凛音の料理の腕前は彼女の母親と祖母の手解きによるものだ。
「引きこもりニート生活」を推奨・希望する凛音には喫緊の技術である。
料理・洗濯・掃除──これらを僅か8歳で習得した。
序でに言うならCOOKPADに載る様々なレシピ…それの再現も。兄と兄のお友達(私はハーレムだと断じて認めないが)に貪り食われる前に自室の専用冷蔵庫に確保して内鍵をしてから食べたものである。
何やら私の自室から美味しい匂いがする、と寄って来ても…鉄壁の防御を突破された事は一度もなかった。
第一“あいつら”が居るから私は部屋から一歩も出れないんだ。
兄のお友達ならお友達らしく兄につるめよ。私を巻き込むでない。
なーにが“将来姉妹になるのだから仲良くしましょうねー?”だ。不愉快だ。貴様等なんぞとは永遠に“姉妹”になるわけなどないだろうが。赤の他人。
厚かましくも傲岸無知なその化けの皮──兄さんの前でバラしましょうか?
と
言ったらば。
『──ぅひぃ…っ!?ご、ごめんなさい…っ!**には黙ってて…!!』
…怯え平伏していたな、確か。
そんなに気にする事でもないだろうに。…パッドを5枚重ねてその“体たらく”なのが。大体曲がりなりにも兄さんの幼馴染みなんだし…小町さん。
そこは察していたと思うよ?…小町さん。
…まあ、生徒会長さんは巨乳で大和撫子タイプだったから。──彼我の戦力差を察しての涙ぐましい努力であったのだろう…。
「…はぅう~~!!美味しいですぅ…っ!♡」
うん、猫ちゃんかわいい。
強くてかわいい護衛は最高である。
「そう…良かった。うん、美味しい」
はぐはぐパクパクもぐもぐ…。
美味しいご飯にかわいい同居人…箸は止まらない。
怪しいウサギのぬいぐるみの言葉に一も二もなく頷いた凛音だけど…。
──だけど。家族との食事を囲む時間は…嫌いではなかった。
──あのハーレム要員二人が居なければ。
凛音は…お一人様を満喫できる子である。
カラオケも映画も遊園地も…一人で楽しめるタイプだ。
だから──反対に“強制参加”される運動会や球技大会は大っ嫌いであった。
序でに毎年冬になる遣らされる体育の授業の、マラソンも。
…林間学校だって個人で予約して個人でキャンプしたい。それか家族だけで、とか。
こんなご時世──赤の他人なんぞ信用できるもんか。
家族至上主義。親が死ぬまでは自宅に籠って…それから先はボッチに生きる、と。
齢14歳の少女が決意するに至ったのは…別に「何か」劇的で痛烈で愉快な出来事が遇った、とかでは決してない。
凛音は「人付き合い」は面倒だが、駅の改札前で小銭をぶちまけた老人の小銭を拾い集めて持ち主の老人に返すくらいの思いやりはある。
…反対に見ず知らずの他人の飼い猫を探して欲しいと、頼まれても秒で断るが。
凛音は時間の掛かる「親切」はしないが、時間の掛からない偽善は大好きだ。…まあ、積極的には遣ろうとはしないが。
あくまでも進路方向上に偶然、たまたま遭遇した時に気が向いた時だけ、だ。
ただの洞窟だった初期位置を…改装した。めちゃくちゃ。
6畳一間。隣はキッチン、その隣は浴室、トイレ、洗面所…と。
広々としたベランダ窓付き(ベランダの外はこのダンジョンの外の景色を切り取っている)に、大きな薄型テレビ。
5TBはあるハードディスクPC…ゲーム用のパソコンは日本のネットと繋がっている──どう言う理屈かは不明だけど。
「マスター、ご飯です?」
「うん…もうすぐ出来上がるから皿出して」
「あいっ!」
身長140㎝の黒髪黒目の私と身長125㎝の黒猫…、猫耳少年──黒髪に青色の大きな眼の美少年…少年は魔物 だ。
暗殺猫と言われる一見猫獣人と見間違うが──その性質はとっても危険。
猫獣人は“人間”をたべないが、暗殺猫は魔物なので──“人間”は補食対象である。
見た目は愛らしいが…人間の容姿に猫耳と尻尾が生え、爪が鋭い。
猫獣人は人間と変わらずコミュニケーションも取れるが、暗殺猫は『ニンゲンクウ!』か『ウマソウダ』としか言わない。
…それはダンジョンだろうと、森の中だろうと変わらない。
幾ら美形でも──補食対象としか見られないのだ…。
加えて雄個体と雌個体…どちらも“人間のみ”を付け狙う異常種族──
「うん!」
「…ふふ、かわいい」
…因みに、“ダンジョンマスター”となった凛音はその時点で「人間」ではなく“ダンジョンマスター”と言う別種族になったから召喚された彼は凛音を補食対象とはしないのだ。
名付けた為か…暗殺猫の少年──、キロタは凛音が料理した人間が食べるような食事も普通に食べれるようになった。
「…さあ、キロタ食べよう。」
「あいっ!」
いただきます。合掌。
ちゃぶ台の上広げられた二人分の食事…肉じゃが、鶏の唐揚げ、沢庵、豆腐の味噌汁、甘納豆、ご飯、緑茶。林檎。
…どれも手作りだ。(林檎と沢庵は切って皿に出しただけだが)
凛音の料理の腕前は彼女の母親と祖母の手解きによるものだ。
「引きこもりニート生活」を推奨・希望する凛音には喫緊の技術である。
料理・洗濯・掃除──これらを僅か8歳で習得した。
序でに言うならCOOKPADに載る様々なレシピ…それの再現も。兄と兄のお友達(私はハーレムだと断じて認めないが)に貪り食われる前に自室の専用冷蔵庫に確保して内鍵をしてから食べたものである。
何やら私の自室から美味しい匂いがする、と寄って来ても…鉄壁の防御を突破された事は一度もなかった。
第一“あいつら”が居るから私は部屋から一歩も出れないんだ。
兄のお友達ならお友達らしく兄につるめよ。私を巻き込むでない。
なーにが“将来姉妹になるのだから仲良くしましょうねー?”だ。不愉快だ。貴様等なんぞとは永遠に“姉妹”になるわけなどないだろうが。赤の他人。
厚かましくも傲岸無知なその化けの皮──兄さんの前でバラしましょうか?
と
言ったらば。
『──ぅひぃ…っ!?ご、ごめんなさい…っ!**には黙ってて…!!』
…怯え平伏していたな、確か。
そんなに気にする事でもないだろうに。…パッドを5枚重ねてその“体たらく”なのが。大体曲がりなりにも兄さんの幼馴染みなんだし…小町さん。
そこは察していたと思うよ?…小町さん。
…まあ、生徒会長さんは巨乳で大和撫子タイプだったから。──彼我の戦力差を察しての涙ぐましい努力であったのだろう…。
「…はぅう~~!!美味しいですぅ…っ!♡」
うん、猫ちゃんかわいい。
強くてかわいい護衛は最高である。
「そう…良かった。うん、美味しい」
はぐはぐパクパクもぐもぐ…。
美味しいご飯にかわいい同居人…箸は止まらない。
怪しいウサギのぬいぐるみの言葉に一も二もなく頷いた凛音だけど…。
──だけど。家族との食事を囲む時間は…嫌いではなかった。
──あのハーレム要員二人が居なければ。
凛音は…お一人様を満喫できる子である。
カラオケも映画も遊園地も…一人で楽しめるタイプだ。
だから──反対に“強制参加”される運動会や球技大会は大っ嫌いであった。
序でに毎年冬になる遣らされる体育の授業の、マラソンも。
…林間学校だって個人で予約して個人でキャンプしたい。それか家族だけで、とか。
こんなご時世──赤の他人なんぞ信用できるもんか。
家族至上主義。親が死ぬまでは自宅に籠って…それから先はボッチに生きる、と。
齢14歳の少女が決意するに至ったのは…別に「何か」劇的で痛烈で愉快な出来事が遇った、とかでは決してない。
凛音は「人付き合い」は面倒だが、駅の改札前で小銭をぶちまけた老人の小銭を拾い集めて持ち主の老人に返すくらいの思いやりはある。
…反対に見ず知らずの他人の飼い猫を探して欲しいと、頼まれても秒で断るが。
凛音は時間の掛かる「親切」はしないが、時間の掛からない偽善は大好きだ。…まあ、積極的には遣ろうとはしないが。
あくまでも進路方向上に偶然、たまたま遭遇した時に気が向いた時だけ、だ。
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