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第一章:引きこもりたいから引きこもる。何が悪い?
ウサギは言いました。
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「ダンジョンマスターになってくれない?」
「うん、いいよー」
…目の前のウサギのぬいぐるみは…もふもふの白い毛と赤目がかわいい。
ウサギは此方を見てそう言うものだから…私もそう答えた。
「…じゃ、召喚するよ?」
「うん」
頷く。
足元に広がるのは…魔方陣。
五亡星を象った金色の魔方陣…それは淡く光り、私を包む──
あり得ない現実が…、事象が「私」をここじゃない何処かへと連れていく──
天籠凛音──それが私の名前だ。4人家族の長女。…二つ上の兄はリア充エロゲー主人公みたいな奴だ。幼馴染みの女の子と高校で知り合った生徒会長(女子)と三角関係だとか。
…正直妹の私を巻き込むな、寄るな、知るか。兄の好物なんて知ってどうする?…手料理を振る舞いたい…??肉じゃがが好きだよ。……他には?はあ?図々しい。出てけ!ここは私の家だ…!!
…はっ!?
…兄の女の事を思い出してしまっていた。
……。
両親はごく普通の、会社員と専業主婦。家族仲は良好だが…私に友達を作れ、と要求するのが少々鬱陶し──それさえなければ不平不満とかは一切ない。
……。
ボッチで何が悪い?
友達なんかはまやかしだ…!
学校を卒業すればその後の人生にあまり関わって来ない──赤の他人。
…表面上の付き合いだけなら、ネットゲームの中で限定の“フレンド”だけで十分である。
オフトン最強、ゴロゴロ。
万年床で畳の上が私の定位置。
…。
「…ぉおっ!?こ、ここが…異世界……?」
「そそー。ボクはナビ。この洞窟がキミの新たな住み家であり、迷宮核がキミの心臓だよ。…大事にしなよ~?」
「ん。…本当に…異世界転生?転移?しちゃった…。」
上を見ても下を見ても右を見ても左を見ても──灰色一色のじめっとした雰囲気の洞窟…だが、妙に明るいのは迷宮核が仄かに乳白色に光り輝いているからだろう…。
ぺたぺたと乳白色の卵型の迷宮核に触れる…。
「初回サービスで三千万ポイントダンジョンポイントあげるね~。内装や階層をどうするのかも…迷宮核に触れればカタログでリストに出てくるから。」
ダンジョンの目的は侵入者(冒険者)の排除・撃退、抹殺。
…それから可能であれば【街】を形成して人間に迫害された稀少種族を住まわせること。
……逢わなくていい?
「いいよー。
代わりに魔物でも派遣すれば」
…なら、いいけど。
…それから。色々と聞いて。そう、ゲームと変わらない、と。
私は理解した──
「うん、いいよー」
…目の前のウサギのぬいぐるみは…もふもふの白い毛と赤目がかわいい。
ウサギは此方を見てそう言うものだから…私もそう答えた。
「…じゃ、召喚するよ?」
「うん」
頷く。
足元に広がるのは…魔方陣。
五亡星を象った金色の魔方陣…それは淡く光り、私を包む──
あり得ない現実が…、事象が「私」をここじゃない何処かへと連れていく──
天籠凛音──それが私の名前だ。4人家族の長女。…二つ上の兄はリア充エロゲー主人公みたいな奴だ。幼馴染みの女の子と高校で知り合った生徒会長(女子)と三角関係だとか。
…正直妹の私を巻き込むな、寄るな、知るか。兄の好物なんて知ってどうする?…手料理を振る舞いたい…??肉じゃがが好きだよ。……他には?はあ?図々しい。出てけ!ここは私の家だ…!!
…はっ!?
…兄の女の事を思い出してしまっていた。
……。
両親はごく普通の、会社員と専業主婦。家族仲は良好だが…私に友達を作れ、と要求するのが少々鬱陶し──それさえなければ不平不満とかは一切ない。
……。
ボッチで何が悪い?
友達なんかはまやかしだ…!
学校を卒業すればその後の人生にあまり関わって来ない──赤の他人。
…表面上の付き合いだけなら、ネットゲームの中で限定の“フレンド”だけで十分である。
オフトン最強、ゴロゴロ。
万年床で畳の上が私の定位置。
…。
「…ぉおっ!?こ、ここが…異世界……?」
「そそー。ボクはナビ。この洞窟がキミの新たな住み家であり、迷宮核がキミの心臓だよ。…大事にしなよ~?」
「ん。…本当に…異世界転生?転移?しちゃった…。」
上を見ても下を見ても右を見ても左を見ても──灰色一色のじめっとした雰囲気の洞窟…だが、妙に明るいのは迷宮核が仄かに乳白色に光り輝いているからだろう…。
ぺたぺたと乳白色の卵型の迷宮核に触れる…。
「初回サービスで三千万ポイントダンジョンポイントあげるね~。内装や階層をどうするのかも…迷宮核に触れればカタログでリストに出てくるから。」
ダンジョンの目的は侵入者(冒険者)の排除・撃退、抹殺。
…それから可能であれば【街】を形成して人間に迫害された稀少種族を住まわせること。
……逢わなくていい?
「いいよー。
代わりに魔物でも派遣すれば」
…なら、いいけど。
…それから。色々と聞いて。そう、ゲームと変わらない、と。
私は理解した──
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