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第二章:花に酔うのか、月に酔うのか…
オスカー・ハリオストロ公爵
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その名は先日アラン様から聞かされた人物名である。
この国デスタエント王国の宰相の名。
四大公爵家の一つ【ハリオストロ】は代々宰相を務めあげアラン・バランドールを始め多くの軍閥の雄としても知られた人物だ。
…シャイナの“血縁上の父”でもある御仁である。
すらりと真っ直ぐ伸びた185㎝の痩身麗躯。金髪碧眼の長髪。がっしりした体躯と威厳溢れる顏は今や崩れており困ったような八の字でぐずぐずと泣きべそを掻いているのは──公爵邸の公爵夫妻の寝室、である。
天井から垂らされた鎖で四肢を拘束され妻よりの“折檻”を受けているのが──オスカー・ハリオストロ公爵だなんて。
誰も思わないだろう。
「…あなた?どうしてこうなっているのか、分かっているでしょう…ッ?!(怒)」
「は、はひぃぃぃ゛~~ッ!!♡」
バシッ!バシッ!バシンッ!!
たおやかにうなじを滑る銀髪、藍色の瞳の美女━━メテオラ・ハリオストロ公爵夫人(38)はこの全裸で縛られ天井から垂らされた鎖に四肢を拘束され妻の振るう乗馬鞭の味を知りに知りきった玄人──ドM公爵を冷たい眼差しで睥睨して。
「…私の大事な侍女、ダリアに手を出されただけでも腸が煮え繰り返る思いだと言うのに…ッ!この上子まで設けた…ですって!?
……。
…道理で真面目清楚で撫子な私の推し──こほん。…あの子が私に黙って公爵邸を去る筈だわ。…私は気にしないのに、あの子は気にする。……ほんと、真面目なのも珠に傷だわ」
「…だっ、だってぇ~~メティたんがずぅ~~っとダリアの事ばかり話すからぁ~~!!(泣)たまにはぼくちんの事も相手に──」
「だまらっしゃい!!」
バシンッ!!
「あふんっ!♡さ、最高ぅぅ~~っ!!♡ハアハア」
…公爵、最愛の妻の乗馬鞭で悦んでいる場合ではないぞ。
「…その上あの子の忘れ形見で愛しくて愛しくて堪らない虹色薔薇をこの公爵家に養女として招こうと接触を図ろうとした──そう、私はアラン・バランドールから聞いているのだけど?状況証拠次第ではあなたとの離婚も視野にいれますわね♪(^_^)」
「…!?な、何故それを……ッ!?」
…ほら、公爵、破滅は向こうからやってくるぞ。
どうする?公爵。
メテオラ・ハリオストロ公爵夫人──旧姓メテオラ・ヴィ・アルスダートは隣国アルスダート帝国の第一王女だった姫君の名前である。
人間至上主義の強いデスタエント王国、“人種の坩堝”とされるアルスダート帝国。
国の規模としては帝国に軍配が上がる。
デスタエント王国もまた大国に位置するが──帝国に比べるとその規模は大体半分程度。
選民思想の傾向が強いデスタエントと完全実力主義の資本主義社会アルスダート帝国。
比べるべくもなく文化的・文明的にも優れているのは帝国である。
凡そシャイナが華桜で行っていた“食の革命”も既に2000年前に履修済み。
王国は未だ移動は馬車か馬。対して帝国は1000年前には既に魔導列車や魔導車、魔導バスが綺麗に塗装された遊歩道を走っていた…。
王国はかなり遅れている(帝国基準だと大概の国が遅れている事になるが)。
因みに“虹色薔薇”とはこの世界の摩訶不思議植物──攻略難易度SS級のダンジョン、【薔薇庭園】の際奥100層最終ボス部屋の丘高くに咲く虹色に輝く薔薇の事である。
魔植物であり、エリクシールの材料でもあり1株で2つしか花を咲かせない稀少価値が漠上がりな花。この花一つでデスタエント王国が買えちゃう幻の花…いや、高ランク冒険者ならば薔薇庭園の際奥にも容易く潜れるが…前述の通り見付けても採れるのは1つか2つの花。
今帝国ですらもどうにか栽培出来ないかと帝国内ですら日夜苦戦をしている魔植物だ。
何せ魔植物。加えてエリクシールの材料の一つでもあり、その生育には古竜の魔石を毎日要求してくる燃費の悪さ…いや、魔力を枯渇すると忽ちに萎れてくるのだ。
何とか2株から10株にまで増やしたのだ。
(当初は100株までに増えたがストレスで一気にごそっと減った)
このままこの花の研究と繁殖を農林水産省は一丸となって今尚取り組んでいる。
その稀少性とストレスに弱い繊細さで付いた花言葉は“高嶺の花”・“孤高の主”。
高魔力を好み年中花を咲かせる魔植物だが、屋内なら室温25℃を維持しないといけない。屋外の場合は直射日光には気を付けつつ(屋根を設置するとか)風通しの良い所を好む。
…つまり、メテオラは“推し”の忘れ形見〝シャイナ〟を本人以上に“推すべき存在”…虹色薔薇のように気軽に触れてはいけない存在…そのように見ているのだ。
「…有罪☆あなたとは離婚します。良・い・で・す・わ・ね・?」
「…!?そ、そんなぁ~~ッ!?(泣)」
公爵(40)に突き付けられた三下り半──つまりは“離婚宣言”。
実に手際良く既に署名捺印済みの離婚証明書、嫡男と次男の親権譲渡書、慰謝料請求書、独身時代のメテオラの持参金の返還手続き、領土割譲諸々。
淀みなくスラスラと書き連ねたメテオラは最後に未だ縛られ吊るされたままの元夫に一瞥して夫婦の寝室を飛び出した。
「……。さようなら」
「メティたん…メティたん…ッ!?」
オスカーとメテオラの結婚は政略結婚だ。
元々帝国内でも女傑として知られた第一王女メテオラと隣国デスタエント王国の宰相家の嫡男だったオスカー。
二人の婚姻は国益にも敵っていた為、またその当時はオスカーがこんなにもドMで救いようがないメテオラ至上主義でヤンデレ変態…だとは露知らず。
見てくれは真面だった…と言うか好みだったので。メテオラは了承したのだ。
それがまさか最愛の“推し”──侍女のダリア失踪と死。齎された情報はどれも最悪なものばかり。シャイナの誕生に辺境の村での生活、飢饉…疫病。“口減らし”で女衒に売られたと言うシャイナのその後…どれも胸糞悪い話だ。
──全て“過去の事”だ。
オスカーの嫉妬に暴走に気付かずにいた己の罪だ──。
「…私が…あんな男と結婚なんかするから…っ!」
最愛の“推し”を──理解者を亡くしてしまったのだ。
一夫多妻も一妻多夫も認められる世界だ、ダリアが一度でもメテオラに相談して居たなら。
きっとメテオラは認めていた。オスカーがメテオラ至上主義ならメテオラは推し至上主義…、ダリア至上主義の理解者なのだから。
だが、やはり真面目が服を着て歩いているダリアだからこそ──メテオラは“推し”ていたのだ。
そんな融通が効かない所も“萌えポイント”だ、当然である。
性質が悪いのは“本気で”オスカーはダリアに惚れていた…無論、構ってくれないメテオラに反抗するつもりでメテオラの最も大事な侍女を本気で口説いて本気で惚れさせ或いは惚れて身体を繋げた時でさえもダリアから『抱いて下さい』と言わせたのは人たらしで女誑しのオスカーである。決して無理矢理でもなく、脅迫でもない。…ただ純粋な愛の元にシャイナは出来たのだ。
…思い悩んだダリアは一人身一つで公爵邸を去る──ああ、後悔しても償いきれない。
誰よりも“推し”を見詰め誰よりも“推し”を愛していたのに──…!!
「…ごめん…ごめんなさい…っ!ダリア…ああ、私の最愛の“推し”……ッ!!
──せめて、せめて…貴女様の“忘れ形見”だけでもあの男から引き剥がすわ!」
推しの忘れ形見──“シャイナ”を養女に…ですって?認められるか。認められてたまるか…っ!
幸いにしてシャイナ自身強靭な精神力持ちで魔法や錬金術に精通していると言う。
…あの結界は正直メテオラでも突破出来そうにない。
それに──娼婦の生活をそれなりに楽しんでいるようだし、彼女自身今更貴族になるつもりはないようで…そこは安心出来る要素だ。
身勝手な男の勝手な嫉妬で出来た…、なんてあの子には知って欲しくない。
「…アラン、シャイナの事はどう?」
「どう、とは?」
「結婚相手にはどう、と意味よ。」
「……。」
「……。」
「…悪くない、と思いますよ」
「…確か一度客として抱いたのよね?」
「はい」
……。
「…そんな穢れなき眼で言わないでくれる?」
「?」
「…………はぁ、もう良いわ。それでシャイナは貴方の好みに合致する?」
「はい。シャイナ嬢は日々イキイキとしておられて…私はまた彼女に逢いたい、逢って今度こそ誰にも抱かせない、抱かれないようにこの腕にいつまでも閉じ込めたい。」
「…お、おぅ。」
メテオラ、側近のあまりの饒舌っぷりに若干退いた。
この国デスタエント王国の宰相の名。
四大公爵家の一つ【ハリオストロ】は代々宰相を務めあげアラン・バランドールを始め多くの軍閥の雄としても知られた人物だ。
…シャイナの“血縁上の父”でもある御仁である。
すらりと真っ直ぐ伸びた185㎝の痩身麗躯。金髪碧眼の長髪。がっしりした体躯と威厳溢れる顏は今や崩れており困ったような八の字でぐずぐずと泣きべそを掻いているのは──公爵邸の公爵夫妻の寝室、である。
天井から垂らされた鎖で四肢を拘束され妻よりの“折檻”を受けているのが──オスカー・ハリオストロ公爵だなんて。
誰も思わないだろう。
「…あなた?どうしてこうなっているのか、分かっているでしょう…ッ?!(怒)」
「は、はひぃぃぃ゛~~ッ!!♡」
バシッ!バシッ!バシンッ!!
たおやかにうなじを滑る銀髪、藍色の瞳の美女━━メテオラ・ハリオストロ公爵夫人(38)はこの全裸で縛られ天井から垂らされた鎖に四肢を拘束され妻の振るう乗馬鞭の味を知りに知りきった玄人──ドM公爵を冷たい眼差しで睥睨して。
「…私の大事な侍女、ダリアに手を出されただけでも腸が煮え繰り返る思いだと言うのに…ッ!この上子まで設けた…ですって!?
……。
…道理で真面目清楚で撫子な私の推し──こほん。…あの子が私に黙って公爵邸を去る筈だわ。…私は気にしないのに、あの子は気にする。……ほんと、真面目なのも珠に傷だわ」
「…だっ、だってぇ~~メティたんがずぅ~~っとダリアの事ばかり話すからぁ~~!!(泣)たまにはぼくちんの事も相手に──」
「だまらっしゃい!!」
バシンッ!!
「あふんっ!♡さ、最高ぅぅ~~っ!!♡ハアハア」
…公爵、最愛の妻の乗馬鞭で悦んでいる場合ではないぞ。
「…その上あの子の忘れ形見で愛しくて愛しくて堪らない虹色薔薇をこの公爵家に養女として招こうと接触を図ろうとした──そう、私はアラン・バランドールから聞いているのだけど?状況証拠次第ではあなたとの離婚も視野にいれますわね♪(^_^)」
「…!?な、何故それを……ッ!?」
…ほら、公爵、破滅は向こうからやってくるぞ。
どうする?公爵。
メテオラ・ハリオストロ公爵夫人──旧姓メテオラ・ヴィ・アルスダートは隣国アルスダート帝国の第一王女だった姫君の名前である。
人間至上主義の強いデスタエント王国、“人種の坩堝”とされるアルスダート帝国。
国の規模としては帝国に軍配が上がる。
デスタエント王国もまた大国に位置するが──帝国に比べるとその規模は大体半分程度。
選民思想の傾向が強いデスタエントと完全実力主義の資本主義社会アルスダート帝国。
比べるべくもなく文化的・文明的にも優れているのは帝国である。
凡そシャイナが華桜で行っていた“食の革命”も既に2000年前に履修済み。
王国は未だ移動は馬車か馬。対して帝国は1000年前には既に魔導列車や魔導車、魔導バスが綺麗に塗装された遊歩道を走っていた…。
王国はかなり遅れている(帝国基準だと大概の国が遅れている事になるが)。
因みに“虹色薔薇”とはこの世界の摩訶不思議植物──攻略難易度SS級のダンジョン、【薔薇庭園】の際奥100層最終ボス部屋の丘高くに咲く虹色に輝く薔薇の事である。
魔植物であり、エリクシールの材料でもあり1株で2つしか花を咲かせない稀少価値が漠上がりな花。この花一つでデスタエント王国が買えちゃう幻の花…いや、高ランク冒険者ならば薔薇庭園の際奥にも容易く潜れるが…前述の通り見付けても採れるのは1つか2つの花。
今帝国ですらもどうにか栽培出来ないかと帝国内ですら日夜苦戦をしている魔植物だ。
何せ魔植物。加えてエリクシールの材料の一つでもあり、その生育には古竜の魔石を毎日要求してくる燃費の悪さ…いや、魔力を枯渇すると忽ちに萎れてくるのだ。
何とか2株から10株にまで増やしたのだ。
(当初は100株までに増えたがストレスで一気にごそっと減った)
このままこの花の研究と繁殖を農林水産省は一丸となって今尚取り組んでいる。
その稀少性とストレスに弱い繊細さで付いた花言葉は“高嶺の花”・“孤高の主”。
高魔力を好み年中花を咲かせる魔植物だが、屋内なら室温25℃を維持しないといけない。屋外の場合は直射日光には気を付けつつ(屋根を設置するとか)風通しの良い所を好む。
…つまり、メテオラは“推し”の忘れ形見〝シャイナ〟を本人以上に“推すべき存在”…虹色薔薇のように気軽に触れてはいけない存在…そのように見ているのだ。
「…有罪☆あなたとは離婚します。良・い・で・す・わ・ね・?」
「…!?そ、そんなぁ~~ッ!?(泣)」
公爵(40)に突き付けられた三下り半──つまりは“離婚宣言”。
実に手際良く既に署名捺印済みの離婚証明書、嫡男と次男の親権譲渡書、慰謝料請求書、独身時代のメテオラの持参金の返還手続き、領土割譲諸々。
淀みなくスラスラと書き連ねたメテオラは最後に未だ縛られ吊るされたままの元夫に一瞥して夫婦の寝室を飛び出した。
「……。さようなら」
「メティたん…メティたん…ッ!?」
オスカーとメテオラの結婚は政略結婚だ。
元々帝国内でも女傑として知られた第一王女メテオラと隣国デスタエント王国の宰相家の嫡男だったオスカー。
二人の婚姻は国益にも敵っていた為、またその当時はオスカーがこんなにもドMで救いようがないメテオラ至上主義でヤンデレ変態…だとは露知らず。
見てくれは真面だった…と言うか好みだったので。メテオラは了承したのだ。
それがまさか最愛の“推し”──侍女のダリア失踪と死。齎された情報はどれも最悪なものばかり。シャイナの誕生に辺境の村での生活、飢饉…疫病。“口減らし”で女衒に売られたと言うシャイナのその後…どれも胸糞悪い話だ。
──全て“過去の事”だ。
オスカーの嫉妬に暴走に気付かずにいた己の罪だ──。
「…私が…あんな男と結婚なんかするから…っ!」
最愛の“推し”を──理解者を亡くしてしまったのだ。
一夫多妻も一妻多夫も認められる世界だ、ダリアが一度でもメテオラに相談して居たなら。
きっとメテオラは認めていた。オスカーがメテオラ至上主義ならメテオラは推し至上主義…、ダリア至上主義の理解者なのだから。
だが、やはり真面目が服を着て歩いているダリアだからこそ──メテオラは“推し”ていたのだ。
そんな融通が効かない所も“萌えポイント”だ、当然である。
性質が悪いのは“本気で”オスカーはダリアに惚れていた…無論、構ってくれないメテオラに反抗するつもりでメテオラの最も大事な侍女を本気で口説いて本気で惚れさせ或いは惚れて身体を繋げた時でさえもダリアから『抱いて下さい』と言わせたのは人たらしで女誑しのオスカーである。決して無理矢理でもなく、脅迫でもない。…ただ純粋な愛の元にシャイナは出来たのだ。
…思い悩んだダリアは一人身一つで公爵邸を去る──ああ、後悔しても償いきれない。
誰よりも“推し”を見詰め誰よりも“推し”を愛していたのに──…!!
「…ごめん…ごめんなさい…っ!ダリア…ああ、私の最愛の“推し”……ッ!!
──せめて、せめて…貴女様の“忘れ形見”だけでもあの男から引き剥がすわ!」
推しの忘れ形見──“シャイナ”を養女に…ですって?認められるか。認められてたまるか…っ!
幸いにしてシャイナ自身強靭な精神力持ちで魔法や錬金術に精通していると言う。
…あの結界は正直メテオラでも突破出来そうにない。
それに──娼婦の生活をそれなりに楽しんでいるようだし、彼女自身今更貴族になるつもりはないようで…そこは安心出来る要素だ。
身勝手な男の勝手な嫉妬で出来た…、なんてあの子には知って欲しくない。
「…アラン、シャイナの事はどう?」
「どう、とは?」
「結婚相手にはどう、と意味よ。」
「……。」
「……。」
「…悪くない、と思いますよ」
「…確か一度客として抱いたのよね?」
「はい」
……。
「…そんな穢れなき眼で言わないでくれる?」
「?」
「…………はぁ、もう良いわ。それでシャイナは貴方の好みに合致する?」
「はい。シャイナ嬢は日々イキイキとしておられて…私はまた彼女に逢いたい、逢って今度こそ誰にも抱かせない、抱かれないようにこの腕にいつまでも閉じ込めたい。」
「…お、おぅ。」
メテオラ、側近のあまりの饒舌っぷりに若干退いた。
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