愛と呼ばないで

アリス

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第一話:伯爵家令嬢の展望

お宅の聖女、娼婦になっているけど「教会には戻らない」とか言って居座っているの、何とかしてくれない?

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さらさらとウェーブ懸かった白銀の髪は右へ左へと揺れて濡れた汗が陽光に照らされてキラキラと輝いていた。

 「…んぉ゛”…っ!?♡ぁ゛…ぁあ゛~~♪あんっ。あんあんっ、んぁ゛ああ゛~~~ッ!!♡」
ビクッビクンッ!!
プシッ、プシプシッ、プシュップシュッ、プシャァア~~~ッツ!!

潮吹き果てる華奢な体躯の14歳の少女──いや、“聖女”は青空の空の下「スラム街」の中央、住人からは“広場”や“公園”と呼ばれ親しまれている『噴水広場』は今は枯れ果ててしまった井戸…と言う設定で実際はだだっ広いだけの何もない所。
そこでは「娼婦」となった聖女が今日何度めかの嬌声を上げて恍惚な表情を浮かべている。
……。
…これではただの女である、聖女ではなく。
先日イリアが辺境伯と異例のスピード結婚したのは記憶に新しい。
だが、彼女──聖女、アリシア・アバランチは聖女になった瞬間に洗礼名グリザイア灰色を教皇より賜った。アリシア・アバランチ改め“アリシア・グリザイア”──灰色を冠するのは生命いのちと岸辺の神キシアの加護を得た。
…魔法属性としては光・闇・空間。
光は回復魔法の最高峰、リィンカーネーションまで修得しており、闇は中級の魂の堕落カース・ド・ゴッヘェルまでを網羅。空間によってはイリアの無限収納インベントリまでは行かないが東京ドーム2個分──この世界風に言い直すならごく一般的な子爵家の屋敷丸々ぐらいだろうか──を収納出来るアイテムボックスを持ち、直線に20㎞までなら瞬間移動テレポート出来る。
教会の神像前で祈れば魔力0で何処にでも転移可能なほどアリシアの信仰心は篤い。…篤い筈なのに貞操観念はどうかしている。

そんなキシア神は男神だ。
灰色の髪に生命いのちの象徴ともされる黄金の瞳をしたそれはそれはもう精悍な顔立ちに2mもの高身長、ほどよく鍛えられた身体、声は張りがあるテノールボイスの外見は30歳前後の人間の男性…美丈夫である。
肌は象牙色で衣は昔の漢服…黒地に金縁チャイナドレスに白のズボン、左手には櫂を、右手には植物の種を持った男神は病院を運営する教会にとってはなくてはならない存在、信仰だ。
キシア神は人間のみならず地上に生きる全ての生命いのちの父にして魂の行き着く果て──彼岸の舟守と言う側面も持つ。
多くの生命の父でありながら、魂を彼岸へと橋渡しする舟守。
…行き着く“果て”に魂を導く存在。

 「…ん゛ほぉ゛お゛お゛お゛お゛ううう゛~~~ッ!!?♡♡」
ビクッビクンッ!!
プシッ、プシプシッ、プシュップシュッ、プシャァア~~~ッツ!!
ドクッ、ドクドクッ、ドビュッ、ドプュッドプュッ、ドクッドクン──ッ!!
ドクッ、ドクドクッ、ドビュッ、ドプュッドプュッ、ドクッドクン──ッ!!
ビュッ、ビュクッ、ビュバババァア──ッツ!!
ビュッ、ビュクッ、ビュバババァア──ッツ!!
ビュルッ、ビュッ、ビュビュゥ~~ッ、ビュクッビュクンッ!!
ビュルッ、ビュッ、ビュビュゥ~~ッ、ビュクッビュクンッ!!
ビュルッ、ビュッ、ビュビュゥ~~ッ、ビュクッビュクンッ!!
……。

 「…ぁあ゛~~ッ!?♡はぁはぁ。…んん゛ーーッ!!♡真っ白…私…ぁあ゛~~ッ♪あはっ♪あははっ、うふふふふっ!!♡」
前も後ろも可憐な唇すらも男の肉棒を咥えた淫乱聖女。
ドクッ、ドクドクッ…と放たれた客の子種を恍惚とした瞳で受け止めている変態──いや、性女は立派に「スラム街」の娼婦として馴染んでいる。…事が教会でも少し問題となっていた、いやだってこの国…成人は男女の別なく16歳だ。
聖女…アリシアは14歳。未成年である。
この世界では前世日本ほど未成年の“売春行為”にそこまで規制がある訳でもない。(無論無理矢理…だとか家族を人質に強引に…でもなければ)
…全ての弱者を救うのは難しく困難だ。
それはこの世界に魔物やダンジョン、果ては盗賊等の犯罪者が街の外一歩出れば普通に蔓延っているからだ。
魔法があり、魔力があって普通に戦う術がなければ厳しい世界。

“そうすることでしか生きられない”人が居るのも事実。

…それをイリアは“区画ごと娼館化”することで彼彼女達を救った。
地下都市を築く計画プロジェクトを立ち上げて人を…大工や鍛治職人、魔術師、錬金術師達を動員し恐ろしく広いイリアの空間魔法の恩恵に与った元スラム街の住人達は今や国王も注目する一大観光地の従業員だ。
勿論娼館自体は今尚鋭意営業中である。

…聖女の客層は多岐に渡る。
それこそ教会で施術を受けた元患者から商会の幹部やら下っ端から強欲貴族や貴族子息まで多岐に渡る。

 「…ッ、へっ♪聖女とは言え所詮はメス犬だな!♡」
 「おい、聖女…何気失ってやがる!?」
バシンッ!!♡
 「……んぉ゛ッ!?♡はっ、はっ、はぁっ…♪も、申し訳…──~~~ッ!!?♡♡」
ビクッビクンッ!!
プシッ、プシプシッ、プシュップシュッ、プシャァア~~~ッツ!!

身長140㎝しかない聖女アリシアの元の身分は“平民”だ。それ故に認められた“副業”。(貴族令嬢だったならば認められなかった)
…花の乙女である筈の彼女は純潔である事を良しとせず(?)今日もまた多くの剛直子羊を救っているのだ。…たぶん。きっと恐らく。

…14歳でこの乱れっぷり。正に100年に1人の逸材だ。
尚、「スラム街」の娼婦/男娼は今殆んどの住人と外からの流入で入れ替えが激しい、激戦区だ。王都に次いで二位を誇る売り上げを叩き出しているのだから凄いものがある。
(元々の住人は地下都市で店を持ったり冒険者や商人に復帰したり畑を耕している)

白濁にまみれウェーブ懸かった腰まである白銀の髪も可愛い造りの顔も華奢な身体全部に男達の精を受けて微笑みを絶やさないのは正に地上に舞い降りた天使…いや、性女に相応しい姿だ。頭の天辺から足の爪先まで精液塗れの淫乱少女。
まるでシャワーの如く頭の上から掛けられた蒸せ返るほどの据えた精液の匂いにうっとり笑んでイッて魅せる様は真に迫っている。

 「…んぁ゛…ぁあ゛~~ッ♪♪うふ、うふふふ…♡聖女アリシアはぁ…お客様の…んん゛ーーッ!!♡だ、大事な…お精子で…はぁはぁ。あんっ!♡孕みましたぁあ゛~~ッ!!♡」
ドクッ、ドクドクッ、ドビュッ、ドプュッドプュッ、ドクッドクンッ!!
 「…おらっ!まんこ締めろ…っ!♡」
バシンッ♡
 「…~~~ッ!!?♡♡」
ビクッビクンッ!!
プシッ、プシプシッ、プシュップシュッ、プシャァア~~~ッツ!!

筋骨隆々な現役上級冒険者のパーティーが今アリシアのお客様相手だ。
ドクドクと竿が律動して熱い熱い血潮の滾りを注がれては果て、尻を打たれただけでも果てる未成年少女…。
命の危険と常にある冒険者にとって娼館はなくてはならない存在だ。
冒険者によっては婚姻する事も子を持つ事もなく亡くなる事はザラではない。
その為生前娼婦や奴隷の女相手に子を残す生存本能のようなものが自ずとある。
どちらも金が掛かるが、恋人も婚約者も居ない多くの独り身には必要な措置と言えた。
産まれた子供は生前に親である冒険者の遺産を引き継ぐ(冒険者には身寄りの居ない者も少なくない)。
家族がいる者にとっても例え娼婦や奴隷が産んだ子供でも“弟子として”引き取り育てる事で死後創造神の御元で全ての罪を洗い流し天国へ逝けるのだと民間神話で伝わっている。
それは田舎な村ほど顕著で教会もない小さな集落なら尚更その傾向は強い…。
…誰も彼も命の価値が軽い世界、一人でも多く次代を残さなければ種が滅んでしまうと一種強迫観念染みた思想が色濃く根付いているのも事実である。

 「…はっ!淫乱聖女が…ッ!♡」
 「孕め!孕め孕め…っ!♡」
パンッ、パンパンパンッ!!
ぐちゃぐちゃの膣内なかはもう何十発と男の精を受け止め許容範囲を越えた精液が結合部からダラダラと垂れて剥き出しの土の上を白く汚していた。
据えた精液の匂いに混ざる秋桜コスモスの花のような芳しい香り…それは聖女の神聖な魔力から香っている“魂の香り”だ。
力が強い聖女(或いは聖人)ほど澄んだ良い匂いがして、未熟な者ほど匂いは弱い。
(※破門されるほど不信心者は反対にとても臭い匂い…,ラフレシアやドブの匂いがするのだとか)

 「…聖女アリシアを返せって言われても。私にはどうしようも出来ませんわここの者ほど悲壮感も借金もない聖女が今尚従業員として身を粉にして働いておりますのよ?私、とても止められそうにありませんわ」
 「…ッ、ですが…!」
対面に座る司祭服の男…彼は聖女アリシアの側付きでもある。
 「…第一どうして彼女はあそこまで淫乱なんですの?」
 「…!?」
 「彼女毎日一番最初の客には処女膜を再生してその日の“一番客”に捧げている上に妊娠&ボテ腹セックスも嬉々として請けるし接客態度は驚異のお客様満足度200%とか……正直SAN値正気度が異常よ。どうなっているの?」
 「…そ、……いや、その~~……本当で?」

“─…お宅の聖女淫乱過ぎない?”

暗に目で訴えるイリアに司祭は上手く二の句が告げないようだ。無理もない。
14歳と言う若さ、未成年で聖女と名高いアリシア…それを、それだけでも一見の価値あり、と戦闘を生業とする冒険者や傭兵、軍人のみならず利に敏い商人や貴族までも彼女会いたさに連日聖女は指名されている。
…お陰様でこの“スラム街”は連日聖女目当てのお客様で満員御礼だ。
彼女の向こう10年は予約でいっぱいだ、正直オーナーであるイリアは右手団扇で笑いが止まらない。
…………イリアが言うのも何だが…この世界わりと変態or痴女が多いと思う。

 「…と、言うか。止める筈の司祭あなたが聖女をいの一番で処女膜を破く一番槍に名乗り挙げて……聖神教会は一体全体どうなっているの?風紀が乱れているのではなくて??」
 「その節は大変気持ち良かったです!自分は聖女様の処女はじめてを貰えた幸運に日々創造神に感謝の祈りを捧げております!!」
…いや、知らんがな。
 「いや、知らんがな」
 「…?はて?」
司祭のキョトン顔…イラッと来たので思わず反射でバシンッと平手打ちを噛ましたイリア。

 「…ハアハア♡も、もっと…強く打ってくれ…ッ!♡」
 「……ひぃぃぃっ!!?」
……ダメだ、司祭コイツも変態だった…。聖女と同じく。
…トゥンク♡
30歳過ぎのオッサンのトゥンク♡ほど気持ち悪いものはない。
ゾゾゾゾ~~ッ!!
…あまりの不快感と嫌悪感で総毛立って思わずイリアは後退った。



 「と、兎に角!“引き取って”くれるならせめて向こう10年分の指名料と身請け代、耳を揃えて今すぐ払って下さいませ!…“何もない”のでは話になりませんわ。そもそも彼女のを認めたのは教会側そちらでしょう?オーナーのわたくしとましては一番の稼ぎ頭である聖女…、アリシアさんをそうおいそれと返せって言われたからと言って簡単に返却…、クビには出来ませんわ?」
 「…ッ、な、なら…せめて聖女としての務めを…!」
 「それもアリシアさん個人の裁量で任されている筈ですが?“後続を”との話なら今、そちらには10人の聖女見習いがいらっしゃるとか。……アリシアさん一人に拘る明確な理由、あるので?」
…聖女アリシアが“聖女”として啓示を受けたのは彼女がまだ8歳の頃。
不治の病とされた白血病に倒れた母を聖女の能力ちからで完治させたのが聖女覚醒の瞬間だ。
それから半ば引き離す形で両親から浚うように教会に引き取られた(強制連行)アリシアと教会側に信頼関係等ある筈がない。寧ろ教会側の人間はアリシアの中では完全に敵視している。
…アリシアの教育に教会側の人間ではなく、〝色欲の魔女アスモデウス〟と二つ名で呼ばれたS級冒険者に指名依頼で“家庭教師”としてあれこれと公私に渡って面倒を見ていた。(場合によってはアリシアと両親を面会させたりまだ幼い彼女には“両親の愛が必要”と教皇を脅し…、説得したのもイリアだ)

…まだ幼い8歳の子供に酷な事をする。
聖神教会が彼女にしたこと…それは誘拐に他ならない。
…アリシアは一度でもそれを望んだか?
答えは否である。
幼い子供にとって愛してくれる両親の元以外大事にしたい居場所なんてない。
……。

6年前、時空の裂け目から“魔族”を名乗る異界の侵略者と半ば強制的に世界は戦争状態となった。
(とは言っても見た目からして異形な侵略者、各国一丸となってこれと戦った訳だが…)
戦いは熾烈を極めのちに〝異界事変〟と呼ばれた変事でイリアは冒険者ランクを二階級上げたのは記憶に新しい。
多くの冒険者、多くの傭兵、多くの連合軍、多くの魔道具や魔法、魔術が飛び交う戦場でイリア自身も大切な戦友を亡くしたあの日を…。

 「…誰もが傷付いているのです、私はただ──」
 「あなた個人のエゴはあの子には無関係でしょう?先ず我々“大人”が苦労を買ってでもするべきですわ。…それを恥知らずにも幼児おさなごに背負わせる等──恥を知りなさいな」
静かな声が、目が、瞳の温度が冷たく司祭を突き刺した。
…あの辛くも哀しい戦場を忘れたくて──いや、淫乱なのは元からだった──イリアはこのスラム街に入り浸るのだろう。…たぶん、きっと。恐らく。
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