愛と呼ばないで

アリス

文字の大きさ
上 下
1 / 3
第一話:伯爵家令嬢の展望

私の名はイリア・フォンターナ。伯爵家令嬢です。

しおりを挟む
んぁ゛…はぁはぁ。ぁあ゛…~~ッ!?♡
ビクッビクンッ!!
震える四肢と廃墟のようなボロ小屋に閉じ込められたレモンイエローのシニヨン──後ろで編み込みお団子に纏めた髪型 ──の琥珀色の切れ長の瞳…白磁の肌にほんのり朱が指した16歳前後にしか見えない貴族のご令嬢──…、育ての良さが滲み出た肌のきめ細かさと傷一つない綺麗な肌。身長は158㎝体重48㎏バストはC68㎝ヒップは66㎝とやや薄いがすらりとした体型スタイルは十分に男心を擽る魅惑のボディーである。
粗末なベッドとも呼べない藁が敷き詰められた寝床の上で破落戸ならずものに複数出口は塞がれ今犯されているのは…この地の領主の娘、イリア・フォンターナ伯爵家令嬢…「領主」にとっては三女の美少女然としたは今23歳だ。
快楽に溺れ色に染まり性癖をに謳歌する…怠惰の代表格のような“行かず後家”は恍惚な大輪の花のような笑顔を向けるのはこの“スラム街”の住人だ。

 「…ッ、は!お嬢ちゃん良いところのお嬢ちゃんだろ?♡ダメだろ、こんなトコにノコノコ入って来ちゃったら♪」

ボサボサ髪のくすんだ茶髪の肩までの長髪、前髪に隠れたギラギラした獣欲の宿る獣の眼はまるでイリアを小馬鹿にするような蔑んだもの。

ジュプッ、グプッ、ズプズプッ、ジュプッ、パンパンパンッ!!

湿った水音に震える膣肉の蠢きにとろん、と蕩けた男はニヤニヤと嗤いピストンを続ける。

 「…ん゛はぁ゛あ゛あ゛~~~ッ!!?♡♡だって気持ちいい…のですもの…っ!♡あんっ、あんあんあん…はぁはぁ。ぁ゛、……♡」

快楽に溶けた若い少女のような甘い高音…、淫行に溺れ淫らに花拓く様は男冥利に尽きるだろう。
…自分の拙いテクでここまで乱れてくれるのだ、しかも領主の娘…この街の住人からして滅多にお目に掛けられない雲の上の存在、高嶺の花だ。
そうでなくともである<代表>と避妊具&避妊魔法なしの種付けセックスをしている…それはとても官能的で厭らしい男子憧れのシチュエーション。
きゅうきゅうと締め付けるおまんこの快感に男はくぐもった吐息を溢す。

 「…ッ、はぁ。たまんねぇなぁ~♪流石は貴族のお嬢ちゃんまんこだ♡」
ズッ、ズチュッ、グプッ、ズッ、ズッ、ズズーーッ、パンッ、パンパンッ、ジュプッ、グチャグチャッ、グポッ、パンパンッ、パンッ、ズプズプッ、ジュプッ、グプッ、ズプズプッ、ジュプッ、パンパンパンッ!!
正常位から騎乗位、騎乗位から背面座位…そして──


 「…ッ、射精る──ッ!!」
 「んぁ゛…ほぁ゛ぁあ゛あ゛あ゛~~っ!!♡」
ドクッ、ドクドクッ、ドビュッ、ドプュッドプュッ、ドクッドクンッ!!
プシッ、プシプシッ、プシュップシュッ、プシャァア~~~ッツ!!

…獣のような唸り、それはまるで男の“絶対に孕ませよう”とする雄の本能に身震いするほどの快感をイリアにもたらした。
深く情熱的なストローク、ギラついた眼が好色に歪む…元冒険者の破落戸に女性向けの男娼はその雄の本能のままにイリアの膣内なかに子種を全て余さずドクドクと注いだ。

 「…ぁ゛ぁあ゛~~ッ♪♡孕むぅう゛~~…ッ♡孕んじゃいますぅう~~♡♡」
 「…ッ、はっ!お嬢ちゃん好き者だねぇ~♪お前覚悟しろよ?ここにいる全員でお前が監禁するからなッ!♡」
 「…!!ッ!?ぁ゛…ぁあ゛~~…ッ?!♡そ、そんにゃ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛~~~!?!?♡♡」
男の下卑た笑み、堕ちたメスを小馬鹿にしたような眼…、向けられる厭らしくも熱い視線が突き刺さる。

…この区画、エフィロンの街の『スラム街』は見た目は昔からある古き良きスラム街?だが、文字通りの意味を持つ『スラム街』はもう見る影もない。
この地区は出入口は一つしかなく、“地区丸ごと”花街の一つ。

コンセプトは“退廃したスラム街で忘れられない一時を…”で、ここで働く娼婦も男娼も週休二日制でである。
人によっては録画OKとか孕ませ妊娠可や複数プレイ希望…とか働く側も訪れる客側も“受付”で都度契約書にサインしてから入街するのだ。
それが決まりである。

 「…精液いっぱぁ~~い♪うふ♡うふふふふっ♡」
恍惚そうに微笑んできゅっと逞しい男の剛直を締め付けて中出しされる快楽に酔いしれる。
 「…ッ、ハアハア。お嬢ちゃんのまんこ…熱いな…ッ!♡根こそぎ搾り取られそうだ…♪クククッ。」
 「…ッ、ああ。アナルマンコも最高だぞ。…こんなアナルマンコ俺は初めてだぜ…ッ!♪」
 「…ハアハア、喉奥に精液流し込むと気持ちいいんだよな~っ!♡ふぅー、ふぅー…、」
どろどろとしたゼリー状の精液がイリアの膣内なかもアナルも口内すらも 覆い尽くし快感を与え合った。
……。

 
前世、私はOLだった。お堅い事務員。週休三日で月35万円も口座に振り込まれる生活…それはもう充実していた。

──そう、それが例えお一人様でも。

前世の私の人生は順風満帆であった…恋人は居なかったけど。学生時代はそれなりにお付き合いしていたけれど。
卒業と同時に自然消滅…進学を機に別れたり…と。まあ、そう言う事である。
21歳で就職する頃には恋人よりも仕事が恋人だった。
…後唯一の趣味とも言えるのがオンラインゲーム、所謂MMORPGを好んで遊んでいた。
前世の私はファンタジー世界での生産を主に楽しんでいた。
ゲームの中なら例え100個ハンバーグを作っても腐ることはないのだ。
採算度外視で頭空っぽにして好きなだけ作って、素材が減ったら森やダンジョンに潜って採取したり戦闘したり。
…“作ること”その物が楽しいのであって数はどうだって良いのだ。
あんなスピードで複雑な行程が要りそうな料理…現実だととても無理である。
秒で完成する…レトルトか!
…。
……こほんっ。

そんな細やかで小さな幸せを噛み締めていた──が、まあ信号無視したトラックに轢かれてあっさり死んだ。
…突然の心肺停止で運転手が気を失った事による歩道侵入だ、と私は死後も少し俯瞰して現世を見れていた…。
そこで知った事だ。
なら仕方ないな、とこれからどうしようか?と思っていたら・・・いつの間にか真っ暗な所から光の世界に出た。
──そう、私“イリア・フォンターナ”の誕生である。

…前世の記憶があるからと言って私の生活は変わらない。

この世界に名前はない。前世で言うところの惑星名…,は青雲星ブループラネット
この世界、魔法も錬金術もある世界で人々は日夜魔物と戦っている。
文明レベルは中世ヨーロッパ風の街並みは西側の国に
。大正時代の日本のような街や国は東国にある。

イリアが産まれたのはエルラド王国のフォンターナ伯爵家領都エフィリアの領主邸だ。そこからこの街エフィロンは魔導列車で2駅分ほどの距離に在る。

ここはイリアに与えられた“実験都市”だ。
領都には領主夫妻…イリアの両親が執務を行っており、兄のアルベルトは王立学園を首席で飛び級卒業してからは王城の宰相府直轄文官室に宰相補佐として出仕している。
父はまだまだ健在だ、兄が跡継ぎとして本領を発揮するのはまだまだ先である。
長期休暇や土日を利用して領主教育も施されてきた兄アルベルトはとても身内贔屓を無しにしても王国随一と言える。人一倍知識欲が強いので意見を求められる事も多いようだ。

 「…はぁんっ!?♡は゛…ぁぁ…ぁあ゛~~ッ♪あんっ!♡あんあんっ!♡ふぁ…ぁあ゛~~ッ?!♡おちんぽしゅ゛ぎぃ゛い゛い゛~~~ッ!!♡」
パンパンパンパンパンッ!!
 「…はっ!そんなに良いか!?え゛え゛━━ッ!?ご両親に申し訳ないとは思わねぇのか…ッ!♡」
 「ん゛ぉ゛ぉお゛お゛お゛お゛お゛ぅう゛~~~っ゛!!♡」
ビクッビクンッ!!
プシッ、プシプシッ、プシュップシュッ、プシャァア~~~ッツ!!

…男娼の言葉攻めと荒々しいピストンに本気イキする憐れで愚かな美少女…いや、今は淑女の仮面を地の果てに投げ棄ててただただ快楽に溺れ堕落するメスでしかない。

…ここにいる男娼や娼婦は給与+歩合制だ。基本給+指名料で15日〆で月〆、翌月25日払い。年二回のボーナスもある。
商業ギルドのギルドカードに直接振り込まれるので防犯の意味でも鉄壁。

…他にもこのスラム街の地下には地上と見間違うほどの地下都市が形成されている。
外の時間や季節天候と連動した幻影魔法ファンタズムを常時発生させる魔道具、幻影石で地上と変わらない風景の再現、火魔法と光魔法の合わせ技で昼は人工太陽が頭上を照らし、夜は幻影石で月と星空の幻影を。
地下都市は全て魔道具と魔石で暮らせるように全てが自動化されている。アパートにマンション、最新鋭の病院や治療院、学校や銀行、行政府、各種ギルド、商会の建物や施設、教会や公園、賭博場カジノや闘技場まである。
無論、レストランや食堂、酒場やバーもあるので本当に“ちょっとした”街なのである。
…地下でありながら魔導列車も走っているので、今尚開拓は続いている。
この地下都市は“いざ”と言う時の避難所でありながら、影の修練場所ともなっている。
闘技場の魔物は全てダンジョンから転送されている。
イリア自身はダンジョンマスターではなく、そのダンジョンマスターと私的に“業務提携”しているだけだ。
定期的に闘技場で魔物を転送する代わりにダンジョンの宣伝を頼まれた。
出来たばかりのダンジョンはやはり他の名の知れたダンジョンと顧客冒険者を食い合うらしく、適度に流入するようイリアが訪れた時相談を持ち掛けられた。
…それからの付き合い。もう13年になる。
13年前、このエフィロンの街と森の途中に突然湧いた真新しいダンジョン<青の洞窟>。そのダンジョンマスターウラノスは水色の長髪、切れ長のコバルトブルーの瞳、180㎝と長身と甘いマスクは何処ぞの王族かと言うほど王者の迫力がある20代の美青年だ。
彼はイリアと同じく前世持ちで、なんと××会社の社長だった…!
その会社はイリアも良く知る日本を代表する会社だった。

 「…あはっ♪…これ【鑑定】──うふふっ♡孕んでるわ…私の要望通り、ね♪」

【鑑定】
==================
名前:イリア・フォンターナ 年齢:23 性別:女
状態:妊娠初期/軽度の疲労/快楽
==================

この世界魔法があるのだ、妊娠も高魔力保有者には結婚初夜のその日に孕む妻も珍しくもないのである。子種、卵子すらも魔力で保管が可能で妻となった女性は自分のタイミングで好きに子を成す事が可能だ。
魔力なしでも避妊魔法や避妊薬、避妊具…の何れかを選択出来るのでこの世界は前世より“不幸な暴力”による妊娠・中絶は少ない。

 「…そうか。それは良かったな!♡」
 「…んぅ゛…はぁはぁ。あんっ♡うふふっ♪…産まれた子供は私生児で平民の子…はぁ~♡だけど…あんっ♡」

…まだ繋がっていたイリアと破落戸の一人、スキンヘッドの筋肉質な大男マキシムはニヒルな笑みが良く似合うワイルドな伊達男。
…これで4人の妻の旦那で10人の子の父でもある。
ぐちゃぐちゃと抽挿されながら吐息を溢す。

〝──…誰とも分からない男の子を孕んだ──…。〟
その事がまた新たな快感となってイリアの脳を幸せに蕩かせる。

品行方正、文武両道、容姿端麗。
だが、そんなイリアに唯一欠点があるとするなら──…それは“淫乱”である。
性癖は年上男性に思いっきり性的に貪られたい、複数人に種付けされたい…前世結局その“妊娠”よりもそれによっての性病を恐れていたイリア…結局転生し今日こんにちに至るまでそのレイプ願望とも破滅願望とも取れる性癖は満たされる事がなかった…今は王立学園もとっくに卒業しており、心ゆくまで朝から晩まで快楽漬けの毎日。
…この“ちょっと”特殊な都市構造と言い、表の街の長閑な雰囲気からは想像出来ないほどのほのぼの感。
一歩スラム街の区画から外に出れば昔懐かしい田舎の街並みが広がっている。
結界と防音防臭魔法が掛けられているこのスラム街。
それ以外はあまり変えず地元住民の街としてそのまま機能している。
昔ながらの飲食店や住居、酒場や公園。
空間魔法で地下都市は拡がっているのだ。
閉塞感も感じないように直接外の空気を結界石から転送している。
全ての住居に風呂トイレキッチンは最低でも付属している。
地下都市“イーシス”は王も注目しており、このイリアの施策は今王都でも検討中である。
空間魔法の新たな可能性と、人工太陽を可能とする混合魔法の応用の自由度が認められフォンターナ伯爵家令嬢とは別に爵位を戴いている。
それが“レンブル子爵”。
ただ、統治を…と言われてもこの街自体伯爵家の跡継ぎではない娘の為に領主が与えた自宅だ。
なので運営は基本伯爵領で鍛えた文官や執政官に全て任せている。時々イリアが目を通して不正がないかをチェックして他は全て民に任せているのだ。運営から流通に至るまで全て。
「レンブル子爵」としての唯一の領地は地下都市イーシスぐらいなものだ。
そこは総合遊興地としても知られちょっとした一大ブームとなっている。
最近は闘技場の他に遊園地が建てられ、花街としての表の“スラム街”が霞むほど人気となりつつある。
盗賊も魔物も来れない、何故なら結界に弾かれるからだ。
それは聖女や聖人が張った結界に由るもの。
“悪意ある存在”を弾く結界は無色透明で街や人に危害を加えようとする存在モノは一度たりとて侵入を許した事はない。

“実験都市”の名の通り、ここの都市機構。法は王国法に準じたものに従い秩序は保たれている。
後独自な法律ものとしては『スラム街』以外での過度な露出は禁止、『スラム街』の従業員は地下都市に住居を持つこと。(これはどちらかと言うと男娼や娼婦を心ない悪漢から護る為のものだ)

地下都市には病院があって病気や怪我の治療だけではなく娼館で働く男娼や娼婦の相談や愚痴を聞いたり…所謂メンタルケアを行うカウンセラーが“専属”で着けられている。
(回復魔法が使える優秀な治癒術師ヒーラーや薬師が詰め掛けている)
それもまたイリアの鶴の一声で決まった。
彼等は娼婦や男娼だけではなく娼館で働く下男や下女、警備員…掃除婦/掃除夫、専属料理人、寮長等のメンタルケアも積極的に行ってくれる非常に人の良い人達だ。
……。


 「…ッ、はぁはぁはぁんっ~~♪最高ぉ…~。」
上も下もどろどろでぐずぐずなイリア。
とても幸せそうに逞しい男娼の腕の中淫らに咲き乱れていた。
その姿はフォンターナ伯爵家令嬢としても“レンブル子爵”としても思わず目を疑うほど淫乱で妖艶だ。
この道ない彼等をそのまま花街としてボロボロな廃墟そのものような建物の外観や内装の住居の裏手に転移陣があって客は男娼や娼婦をとならそのまま一緒に地下都市の娼館の一室に転移する。
そこで“改めて”セックスに乗じても良いし、風呂にで汗を流すのでもいい。
此方から酒や食料を手に『スラム街』の方で摂っても構わない。(そこは個人の自由だ)

イリアの脳内が思春期の男子高校生並みの残念な頭で〝貴族として〟はどうなのか?と思わないでもない。
が、実際

男娼・娼婦双方共に契約の際に魔法契約までするのはこの『スラム街』だけだ。

国内の様々な施策の影響でここ50年ほどはガリガリにやつれた浮浪児は見掛けていない。

 「…お嬢ちゃん好き者だねぇ~?♡」
 「…うふふっ♪──で・も、お好きでしょう~?♡」
ニヤリと笑うイリアに彼等は「諾」と頷いた。
…まあ、そうだろう。
この『スラム街』は花街の中でもマニアック部類…主にスラム街の破落戸に犯される恐怖と快感、或いは逆にホームレス少女(娼婦)に襲い掛かる興奮や臨場感を味わえる“区画毎一つの娼館”…、等王国どころかこの世界初である。
やはり長年「娼館」とはと言う固定観念があるようで…。

区画毎に〝コンセプト〟を決めて街毎考え自体なかったのだ。
対するイリアは江戸時代の〝吉原〟を参考に区画毎娼館にしてみた。
外観や内装は“古き良きスラム街”だが、地下都市イーシスの『娼館・ユートピア』直通の転移陣があったり、スラム街全体を包み込むような結界が張られたりスラム街からの喧騒や臭気、家屋の一つ一つにとしか住民は意識が向かないようになっている。(結界はとても便利)

 「ああ、じゃあな。二度と来るんじゃねぇよ♪」
 「このくらいで勘弁にしちゃる」
 「暫く休ましてやろう、感謝しろよ~?♪ww」
 「おまんこ洗って出直して来るんだな!」
……。

因みに『スラム街』は基本タメ口だ。
最初の「契約書」の時ぐらいだ、男娼・娼婦が敬語で客に話すのは。
(中にはマキシムのように終始態度が変わらずの男娼や娼婦もいるが)
 


 「~~~ッ♪♪ふふっ幸せな一時でした…♡」
恍惚と幸せいっぱいの笑みで終わったプレイに思い馳せる。

浄化魔法一つで身の清潔を保つ。
それは生活魔法に分類され浄化ピュアの他に着火ライター放水ウォーター乾燥ドライ光明ライトとありそれらは庶民でも使える魔法だ。(※魔力ゼロでも魔道具に魔石をぶつけ扱う事が出来る)

因みに魔法属性は火水土風時空間光闇の八属性、
魔術なら基本四属性(火水土風)に加え腐食・呪い・魅了・再生・死の五属性。
・[呪術]魔術から発生した呪い属性を特化させた新魔術。
・[呪法]闇属性魔法で魔術の呪い属性魔術を再現しようとした邪法。
精霊魔法は妖精や精霊と契約してその妖精や精霊が扱う魔法を己の魔力と引き換えに行使する。
精霊術は妖精や精霊を直接召喚して行使する。
前者より後者の方が威力は高く範囲は広範囲。
応用が効くのは前者。

イリアはこの精霊魔法と精霊術以外は学生時代に修めてある。
当然そのメリットとデメリットもしっかり把握して。
魔法は早口、呪文短縮、無詠唱…と力ある言葉の詠唱を短縮するスキルがあるので、何度も呪文を覚えイメージを固め発動させる…。
魔術は魔術陣と力ある言葉を正しく覚え素早く描かなければ発動しない。
威力も範囲も発動期間すら自由自在に術者の好きに出来るため魔法をある一定の水準を極めないと簡単な魔術陣すら描けない。
呪術は魔術の『呪い』属性を特化させたものであり、書き込む力ある言葉の多さや複雑さをより簡易で短時間に発動できるように進化させた。
魔法・魔術両方を一定水準満たし尚且つ魔術陣への応用力・発想力が要る。

修得難易度【極】までは魔法が一般大学を三年で卒業、魔術が東大を二年で卒業、呪術が大学院を僅か三年で卒業するほど難しい。
大概が修得難易度【上】が今の王立学園『魔法科』の卒業生の限界だ。
王国では上中下までしか見掛けないのは殊更にここが平和であるからだ。
肥沃な大地に、海川山鉱山。ダンジョンも幾つか保有しており、魔法をそこまで必要な魔物モンスターはそんなに居ない。
…と言うか、あまり強力過ぎる魔法/魔術は獲物を無駄に傷付ける。
なのでそこまで強力な魔法は必要ない。

【ダンジョン】…それは古の時代から存在するとされる“試し”の場だ。
この世界には魔法がある。
空気中には魔素マナ…魔力の源たる要素が揺蕩っている。
ふわふわとしたタンポポの綿毛のような八色の小さな光の玉…これをえる者と視えない者が居て前者は魔術の素質があって後者は魔法の素質がある。
魔術師ソーサラーは派生で錬金術師アルケミストに転職したりもするのでこの『魔素』が重要となってくる。

通常は魔術師+細工師→錬金術師となる。

この行程をいきなり錬金術師…、今は魔導塔所属魔道具製作室在籍魔術師として席を置いているイリアは魔導塔期待のエースである。
魔導塔は国営の魔法使いマジシャン魔術師ソーサラーの相互助施設。国が認めた魔法使い&魔術師の研究所であり、寝床である。
 研究バカの彼等は良く寝食を忘れて研究に没頭する事があるので魔導塔の中には彼等専用の社宅があり、共用部分の食堂では専属の料理人が就いており、彼等研究バカの各部屋付きの護衛兼従者が栄養面も考えて食堂に勝手にメニューをオーダーするので度々言い合いになっている。
(それは一種の風物詩となっている)
…?イリアにも当然専用の部屋があるが、社宅よりも専用の屋敷(持ち家)があるので業務が終われば転移魔法で即帰宅している。

 「…お嬢様、紅茶のお代わりをお持ち致しました。」
 「…?ミーシャ……?!!?お、お方様…!?ど、どどどどうして此方に──…ッ?!
…ハッ!?ま、まさか…わたくしに逢いに…!?」
 「…イリア、変わりないようだな。」
…お方様、これ見よがしに溜め息を吐かれるとは──私を試しておいでですね?
ロマンスグレーの短髪、撫で付けた前髪から覗く怜悧なアイスブルーの切れ長の瞳、深く刻まれた左頬から鼻筋までに刃傷痕。面長の輪郭に年相応皺枯れた面立ちの美丈夫。

 「お方様…私は何時だって貴方様のお側に仕えとう御座いますわ。お慕い申し上げているのです…」
両手を組んで上目遣いで見上げるイリアは正に“恋する乙女”だ。
…ただ、彼女が23歳の経産婦でなければそれは様になっていたであろう。
目の前に突っ立っている美丈夫──王国軍総司令、アルネスト・フォン・ファントムペイン辺境伯卿。
この王国の軍総司令でありながら、魔の森含む西の辺境を守護するゴルゴンゾーラ大陸の雄。
王国の西に位置するその広大な森林地帯…魔の森は文字通り魔物モンスターの楽園だ。
それは前世日本で言うなら鹿児島県から青森県の一帯まで丸々飲み込むほど広大だ。
…どうやら、この中央に魔王種サタン級オーガの最終進化系、鬼王オーガロードが棲み着いたようだ。
…その鬼王は今の所人間の街を脅かすとか攻め落とそうとかはしないので今は放置している。

 「…はぁ。本当に…このは……。儂のような年寄りと番たいなどと…本気で言うのだから困ったものだ。…そなたはこの顔が怖くないのか?」
 「凛々しいと私は常々思っておりますわ!♡」
 「…そ、そうか///い、いや…なら、この年まで誰とも関係を持った事などないのだぞ?…あ、いや娼館(閨教育で)は一度利用したことがあるが、そ」
 「寧ろご褒美ですわ!!」
…吠えられた。

 「…そ、そうか…。」
 「…寧ろ私の方こそ申し訳ないですわ。」
 「…?」
 「その…、『スラム街』の男娼との私生児を作り続けているのです…それはお方様御存知でしょう?」
上目遣いで叱られる幼子のように頼りない沈んだ表情で瞳を揺らすイリア。
…イリアは淫乱でどうしようもない阿波擦れだ。
それは変わらない純然たる事実。
…いくら立派に公職に就いて居ても。
溜まったストレスや性欲を発散するのにそんじょそこらの貴族の男では
それは彼女自身最も気を付けている部分だ。
“年上男性複数に無理矢理種付けされる”性癖を持つイリアとてやはり実家(フォンターナ伯爵家)の名を地に落とす事は出来ない。
軽々にそんな事は出来ない、貴族の男…それも“年上”となると多くの夫人やその子等に恨まれてしまう。
だからと言って民に手を出すのはやはり“違う”。
──元々が借金や病気怪我でいつの頃か“住み着いた”元は流浪の難民…彼等が居た“スラム街”丸々を
そこにはたっぷりとイリアの性癖を満たせる空間…区画に作り替えた。

『スラム街』に当然の如く存在していた闇ギルド、所謂“裏組織”の頭目ドンと直接サシで話し合い(拳と拳をぶつけ合う)と(性的にも)語らいじっくりたっぷりねっとりと商談根回ししたものだ。
その当時イリアは10歳、裏組織闇ギルド『闇鴉ダークレイヴン』の頭目ギデオン・レイヴは34歳だった。
…彼等は今地下都市『イーシス』の賭博場と闘技場の専属警備員だ。
(時折娼館ユートピアにも男娼或いは娼婦として働いてもいる短期アルバイト)

 「……知っている。だが、それはお前の趣味なのだろう?皆私生児として分別ある良い子達ではないか。…儂は気にせんよ」
 「…!お方様…っ?!」
淫乱でどうしようもない阿波擦れ…今このお腹には父親不明の子を宿している淑女にあるまじき性癖の権化。
非常識が服を着て歩いているような“乙女”ではない、淫乱娘ビッチに──

 「…思えばずっとそなたにはずっと求婚されていたな。」
 「……はい」
ぎゅっと抱き締められる。
その鍛え抜かれた雄々しくも武人らしい筋骨隆々とした分厚い胸板に頬を寄せた。
…ドキドキとどうしようもなく胸が高鳴って思考が纏まらない。
これは夢だろうか?
こんな…こんな都合の良い──

 「8歳の頃からずっと…儂はあの当時本気にはせなんだ。」
 「…それは、その…申し訳なく……ぁ♡」
チュッ。
軽くリップ音を立てて触れていた唇の感触がすぐに離れた…。
 
 「分かっている。そなたが子供心で言っているのでないことは」
 「……お方様」
8歳の頃、イリアは初めて王都で見掛けたアルネストの事を見ていた、一目惚れしていたのだ。
それは一貫性のものではなく…『スラム街』で性癖を満たす日々の中どうしても拭いきれない…初恋はずっと今もイリアの胸の中光輝いているのだ。
…好きな男性の子供を宿したい、そう思うのに求めているのは複数の年上男性との刹那的で退廃的な関係。
後腐れなく、繋がりを孕む背徳の悦びに覚醒めざめたイリアにとってアルネストは今も大事で大切な人。

 「イリア・フォンターナ伯爵家令嬢」
 「…ッ、はい」
跪いて手の甲にキスを落とすアルネストに柄にもなく乙女な反応で応えるイリア。

 「儂と──いや、アルネスト・フォン・ファントムペインと結婚して欲しい、そなたを愛している。」
 「…よ、喜んで…!♡」
……ん?結婚…結婚…ッ!?!?
 「ああ、長らく待たせるからイリアが他に向くのだろう?」
 「…え゛っ!?ち、違うのですが…っ!」
 「案ずるな、儂はそなたの趣味を理解しておる。…もう儂以外の子を孕まんよう張り合うとしよう。」
 「…ふぇ…っ?!///」
色気溢れるテノールボイスに下腹部が疼く。
ドキドキが止まらない、どうしよう──愛のあるプロポーズに婚約婚姻をいきなり〝結婚〟。
それもずっと恋い焦がれた初恋の年上男性…今58歳の大人の色香たっぷりのニヒルな笑みがイリアの目を惹き付けて止まないのだ。
────





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

シチュボ(女性向け)

身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。 アドリブ、改変、なんでもOKです。 他人を害することだけはお止め下さい。 使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。 Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

処理中です...