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プロローグ[はじまりの終わり。]
怠惰な「彼」のはじまり
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とある少年は流されるように生きいた。
ほんの少しの“妥協”と“諦念”、それと僅かな諦め。
人付き合いは広く浅く薄く。
大きく踏み込む事もなければ踏み込ませる事もない。
…ただ、そんな少年には一人だけそんな少年の心の奥深くに根付く少年が居た。
〝親友〟とも呼べるその幼馴染は産まれた瞬間から同じベッドルーム、同じ病院で産まれ隣同士で同じタイミング泣いた。
成長するにつれ少年は見目麗しい美少年へと変貌を遂げた。少年の幼馴染もまた厳つい精悍な面立ちの「男」へと成長する。
周囲はそんな少年を放って置かず常に話の中心に少年とその傍らに幼馴染は居た。
少年の心の内を知るのは幼馴染の男だけ。
群がる異性の醜い本性…透けて見える醜悪さに反吐が出る。
何一つ心躍ることはなかった。
化粧と香水のキツイ女を少年が好きだと言った事など一度たりとてない。
…なのに。
何故?彼女達は揃いも揃って同じように毳毳しい厚化粧で最早掛け過ぎで香水臭い悪臭を周囲に撒き散らし往来を堂々と歩けるのか。
……。
…考えても分からなかった。
何が目的なのか?
“美形”と囃し立てる自分の気を惹くため…?
だったら半分は成功だ。マイナス方面だが。
匂いがキツイのも、化粧が厚いのも自分は嫌いだ。後似合いもしない流行りの服を身に纏った性格ブスの自称“美少女”も大嫌い。
男の前では聖母を装って女の前では醜悪な本性を表す二面性、その落差が少年の異性への幻想を打ち砕け結果となる。
…ああ、所詮人間なんてこんなもんか、と。
落胆したのは何時だっただろうか・・・。
「……オレの願いは||」
“ない”。
叶えたい願いなんて|||。
見透かすように“神”は問うた。
||||本当に?||
!?
オレには…時枷叶に叶えたい願いなんてない||そう口にしようとして。
何故か幼馴染の少年の顔が…散らついた。
『叶ッ!!危ない…ッ!?クソッ|||』
常にない親友の切羽詰まった焦りの表情……ああ、それをさせているのはオレなんだ。
何故だか胸が張り裂けそうに切なくて…苦しい。
||…後に関東大震災と呼ばれるその震災の日オレは飛んできた煉瓦塀に頭を圧し潰されて死んだ。
親友は…アイツは|||なんて言おうとしたのだろう?
悪態を付いた後アイツ何か言って||||ああ、そうか。
「神様、ありました。オレの願い…オレの願いは||||もう一度アイツに会いたい。」
|||相分かった。其方の願いを叶えよう。但し何事も等価交換。条件がある。||良いな?|||
「ああ、うん。良いよ…それでもう一度アイツに会えるなら」
“……時枷叶の報酬は後払い…か、まあ時間はまだたっぷりとあるんだ。ゆっくり決めるのも良かろう”
…光の向こう最後に神の呟きが聞こえた気がした||。
______
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ほんの少しの“妥協”と“諦念”、それと僅かな諦め。
人付き合いは広く浅く薄く。
大きく踏み込む事もなければ踏み込ませる事もない。
…ただ、そんな少年には一人だけそんな少年の心の奥深くに根付く少年が居た。
〝親友〟とも呼べるその幼馴染は産まれた瞬間から同じベッドルーム、同じ病院で産まれ隣同士で同じタイミング泣いた。
成長するにつれ少年は見目麗しい美少年へと変貌を遂げた。少年の幼馴染もまた厳つい精悍な面立ちの「男」へと成長する。
周囲はそんな少年を放って置かず常に話の中心に少年とその傍らに幼馴染は居た。
少年の心の内を知るのは幼馴染の男だけ。
群がる異性の醜い本性…透けて見える醜悪さに反吐が出る。
何一つ心躍ることはなかった。
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…なのに。
何故?彼女達は揃いも揃って同じように毳毳しい厚化粧で最早掛け過ぎで香水臭い悪臭を周囲に撒き散らし往来を堂々と歩けるのか。
……。
…考えても分からなかった。
何が目的なのか?
“美形”と囃し立てる自分の気を惹くため…?
だったら半分は成功だ。マイナス方面だが。
匂いがキツイのも、化粧が厚いのも自分は嫌いだ。後似合いもしない流行りの服を身に纏った性格ブスの自称“美少女”も大嫌い。
男の前では聖母を装って女の前では醜悪な本性を表す二面性、その落差が少年の異性への幻想を打ち砕け結果となる。
…ああ、所詮人間なんてこんなもんか、と。
落胆したのは何時だっただろうか・・・。
「……オレの願いは||」
“ない”。
叶えたい願いなんて|||。
見透かすように“神”は問うた。
||||本当に?||
!?
オレには…時枷叶に叶えたい願いなんてない||そう口にしようとして。
何故か幼馴染の少年の顔が…散らついた。
『叶ッ!!危ない…ッ!?クソッ|||』
常にない親友の切羽詰まった焦りの表情……ああ、それをさせているのはオレなんだ。
何故だか胸が張り裂けそうに切なくて…苦しい。
||…後に関東大震災と呼ばれるその震災の日オレは飛んできた煉瓦塀に頭を圧し潰されて死んだ。
親友は…アイツは|||なんて言おうとしたのだろう?
悪態を付いた後アイツ何か言って||||ああ、そうか。
「神様、ありました。オレの願い…オレの願いは||||もう一度アイツに会いたい。」
|||相分かった。其方の願いを叶えよう。但し何事も等価交換。条件がある。||良いな?|||
「ああ、うん。良いよ…それでもう一度アイツに会えるなら」
“……時枷叶の報酬は後払い…か、まあ時間はまだたっぷりとあるんだ。ゆっくり決めるのも良かろう”
…光の向こう最後に神の呟きが聞こえた気がした||。
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