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魔術師団の見学へ!
性根を叩き直す方法
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「そ、そうだ!決闘!私が決闘をして公爵令嬢に勝ちましたら、全てお許しいただけますか!?」
えっ。この人、どこまで私に無礼なのかしら。私は気にしないけれど、気にする人にそんな事を言えば、あなた絶対にただじゃ済まないわよ?私がまだ幼い子供だからと舐められているのかしらね?
―ウィステリアの名を持つ私を?
私を侮辱するのは公爵家を侮辱するのと同じ。
ああええ、いいわ、私がその腐った性根を叩き直してあげる。
ふふっ、よくも私の家族を蔑ろにしてくれたわね?
「おだまりになって? まだ話の途中よ」
「もっ、もし私が平民に暴力を振るっていたことにお怒りでしても、貴族社会ではこんなの日常茶番飯です…!貴族は下の身分の者なら何をしても許されるのですからね!ですから―」
「私の言葉が聞こえなかったのかしら?ならもう一度言ってあげる。今すぐにだまりなさい」
「っ…」
私がそう言えば口を噤むのに、平民には暴力……皆同じ人間なのにね。
貴族なら当たり前?日常茶番飯?何をしても良いって?
知らないわよそんなの。どうして私が間違った認識を気にしなければならないの?
貴族は民の上に立つものであるけれど、民を支えなければいけない立場でもある。そんなことも知らないで貴族を語らないでほしい。
さあどうしてくれようか。
正直に言って、決闘をすれば確実に私は勝てる。魔力は見る限り少なそうで、実力もなさそうなのだ。どうして団長職に就けたのか不思議に思えるくらいに弱い。ただ、私がこのまま決闘で勝ってもこの腐った性根は変わらないだろう。
公爵家の権力で脅す?…いいや、今回は自分の手で解決したい。 ならどうすれば…
ああそうだ、この方法なら性根を叩き直すのに丁度いい。
「そうね…決闘に負けた人は、勝った人の願いを1つだけ叶えなければいけないというのはどうかしら?」
「!いいんですか!?ははっ、私が勝っても恨まないでくださいね。当然のことですから」
ふぅん?随分と余裕そうね?何か策でもあるのかしら。
「アイシャーナ様!巻き込まれていな…って、完全に巻き込まれているじゃないですか!どうしてこんな状況になっているんです!?」
おや、フォード先生のお出ましだわ。
確かにフォード先生がこう言うのも無理はない。
私はいつの間にか元の姿に戻っていて、メイエド魔術師団長はその私の前でニヤニヤ笑い、近くには顔の一部が焦げてしまっている男の子が倒れている。おまけにこの人だかりの数を見れば、誰だって驚く。
「フォード先生!今、くさった性根を叩き直そうとしているところなんです!」
「なっ、アイシャ―ナ様を本気で怒らせている!?何をしでかしたんですかヘインツ・メイエド!この方を本気で怒らせると大変なことに…!」
「えっ? そこは私を心配するべきじゃないかしら?」
話の流れ的にそうだったはずよ?
「......大丈夫ですか?」
「ええもちろん!」
「でしょうね…」
まあ先生、そこは演技をしてでも安心した素振りを見せてくれればいいのに。そうは思ったけれど、私は心優しい教え子だから指摘しないでおく。
「あっ、そうだわ。フォード先生、私とメイエド魔術師団長の決闘のルールを決めてくれませんか?」
「決闘…?アイシャーナ様がヘインツ・メイエドと…?いやいや、勝負にならないでしょう」
「でも、勝った人は負けた人に一回だけ好きなように命令出来るんですよ。ふふふっ、どれだけ人柄が変わるのか楽しみですね」
「…確かにヘインツ・メイエドの今までの行いは相当悪かったですが、今は少しだけ可哀想に思えますね」
ん? 先生が自分で解決したかったのかしら?
「フォード先生がやってもいいですよ」
「遠慮しておきます」
そんなに即答されてしまってはさすがの私でも傷つ…きはしないわね。
「だったら問題ないですよね。では決闘を初めましょうか!」
メイエド魔術師団長に踏みつけられていた男の子はこっそり治癒しておいたから、明日の朝までに傷は消えているはずだ。後は他の人に任せていても大丈夫だろう。
「…僕では止められませんからね」
流石フォード先生、よく私のことを分かっているわ。
この決闘を止めようとする人がいれば、私はきっとすぐ魔法を使ってでも、絶対に邪魔をさせないはずだから。
えっ。この人、どこまで私に無礼なのかしら。私は気にしないけれど、気にする人にそんな事を言えば、あなた絶対にただじゃ済まないわよ?私がまだ幼い子供だからと舐められているのかしらね?
―ウィステリアの名を持つ私を?
私を侮辱するのは公爵家を侮辱するのと同じ。
ああええ、いいわ、私がその腐った性根を叩き直してあげる。
ふふっ、よくも私の家族を蔑ろにしてくれたわね?
「おだまりになって? まだ話の途中よ」
「もっ、もし私が平民に暴力を振るっていたことにお怒りでしても、貴族社会ではこんなの日常茶番飯です…!貴族は下の身分の者なら何をしても許されるのですからね!ですから―」
「私の言葉が聞こえなかったのかしら?ならもう一度言ってあげる。今すぐにだまりなさい」
「っ…」
私がそう言えば口を噤むのに、平民には暴力……皆同じ人間なのにね。
貴族なら当たり前?日常茶番飯?何をしても良いって?
知らないわよそんなの。どうして私が間違った認識を気にしなければならないの?
貴族は民の上に立つものであるけれど、民を支えなければいけない立場でもある。そんなことも知らないで貴族を語らないでほしい。
さあどうしてくれようか。
正直に言って、決闘をすれば確実に私は勝てる。魔力は見る限り少なそうで、実力もなさそうなのだ。どうして団長職に就けたのか不思議に思えるくらいに弱い。ただ、私がこのまま決闘で勝ってもこの腐った性根は変わらないだろう。
公爵家の権力で脅す?…いいや、今回は自分の手で解決したい。 ならどうすれば…
ああそうだ、この方法なら性根を叩き直すのに丁度いい。
「そうね…決闘に負けた人は、勝った人の願いを1つだけ叶えなければいけないというのはどうかしら?」
「!いいんですか!?ははっ、私が勝っても恨まないでくださいね。当然のことですから」
ふぅん?随分と余裕そうね?何か策でもあるのかしら。
「アイシャーナ様!巻き込まれていな…って、完全に巻き込まれているじゃないですか!どうしてこんな状況になっているんです!?」
おや、フォード先生のお出ましだわ。
確かにフォード先生がこう言うのも無理はない。
私はいつの間にか元の姿に戻っていて、メイエド魔術師団長はその私の前でニヤニヤ笑い、近くには顔の一部が焦げてしまっている男の子が倒れている。おまけにこの人だかりの数を見れば、誰だって驚く。
「フォード先生!今、くさった性根を叩き直そうとしているところなんです!」
「なっ、アイシャ―ナ様を本気で怒らせている!?何をしでかしたんですかヘインツ・メイエド!この方を本気で怒らせると大変なことに…!」
「えっ? そこは私を心配するべきじゃないかしら?」
話の流れ的にそうだったはずよ?
「......大丈夫ですか?」
「ええもちろん!」
「でしょうね…」
まあ先生、そこは演技をしてでも安心した素振りを見せてくれればいいのに。そうは思ったけれど、私は心優しい教え子だから指摘しないでおく。
「あっ、そうだわ。フォード先生、私とメイエド魔術師団長の決闘のルールを決めてくれませんか?」
「決闘…?アイシャーナ様がヘインツ・メイエドと…?いやいや、勝負にならないでしょう」
「でも、勝った人は負けた人に一回だけ好きなように命令出来るんですよ。ふふふっ、どれだけ人柄が変わるのか楽しみですね」
「…確かにヘインツ・メイエドの今までの行いは相当悪かったですが、今は少しだけ可哀想に思えますね」
ん? 先生が自分で解決したかったのかしら?
「フォード先生がやってもいいですよ」
「遠慮しておきます」
そんなに即答されてしまってはさすがの私でも傷つ…きはしないわね。
「だったら問題ないですよね。では決闘を初めましょうか!」
メイエド魔術師団長に踏みつけられていた男の子はこっそり治癒しておいたから、明日の朝までに傷は消えているはずだ。後は他の人に任せていても大丈夫だろう。
「…僕では止められませんからね」
流石フォード先生、よく私のことを分かっているわ。
この決闘を止めようとする人がいれば、私はきっとすぐ魔法を使ってでも、絶対に邪魔をさせないはずだから。
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