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08.生徒会副会長は不遜に釘を打つ
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生徒会行事の1つに、新入生オリエンテーションというものがある。
これは普通の高校でもよく見る、新入生が学校に慣れる為に行われる全校行事だ。
最近は例年、校内に学校に纏わるクイズを配置して巡るもので、新入生同士の仲間意識と上級生による学園案内を兼ねた内容となっていた。
「ただ例年思うのは、5月末という開催日は遅すぎないか?」
普通、大型連休の前にすべきだと思うのだが、と校内の見回り歩く幹春は首を傾げる。
「まぁうちの場合は、全員が寮生ですからね。寮内での交友関係を築いて、ある程度慣れてから上級生との交流に進むんでしょう」
傍らの日下部は、掲示板のプリントの傾きを直しながら答えた。
まぁ確かに、寮という特殊でいて生活に密着した環境があるのだから、それに慣れるのが先かと幹春は2年前を思い出す。
中学3年の中盤で、都会人からの洗礼を受けた幹春は、父親の斜め上の勧めにより鶯実に入った。
ただでさえ同世代の人間に対して苦手意識を持っている上に、長い間1人暮らしだったもので、突然始まった寮生活はそれはもう大変だった。
自分が変わっているという自覚はあったので、なるべく浮かない様に、周囲に合わせ様と始終ビクビクしていた覚えがある。
その上、七三(ダサ)メガネで今とは違い身長も低かった。入学当初は160㎝少しだったはずだ。中学3年後期から高2に掛けて、15㎝以上伸びた。言わずもがな、食生活の変化によるものだろう。飽食万歳である。
それはともかく、体格も小さく、大浴場や食堂といった人の多い場所も嫌がり、常に周囲を窺っていた幹春がこの学園に馴染めたのは、ルームメイトであった上総のおかげに他ならない。
即行で幹春が田舎者である事を察知し、遠慮なくガンガン距離を縮められた。上総は他にも友人を作るのが早く、それとなくフォローをしてくれるので幹春も何とか同級生の間には溶け込めた。ある一定のラインまでだが。
「今年も風紀は校内警備だから、配置を考えないとな」
「大体は組みましたので、あとで確認してください」
「さすが、仕事が早いな」
風紀委員の仕事は、校内の秩序を守り荒事を治める事だ。
なので、こういった全校生徒が参加する行事となると、大体は問題を起こす生徒がいないか、また何か危ない事は起きていないかなどの警備となる。簡単に言えば、学園内の警察的な役割だ。
「東海林先輩!」
呼ばれて振り向けば、見覚えのある生徒が3人並んでいた。襟元のバッチを見れば、Ⅲが2人にⅡが1人。
「お前達は…」
確か、生徒会長である新北の親衛隊だ。
新北の親衛隊は皆、見目も良い上に何かしらの役職に就く優秀な生徒が多い。だからこそ、あのカリスマ性に魅かれるのかもしれない。
真ん中の生徒がガシッと幹春の手を掴む。畑仕事などした事が無いであろう、柔い手だなと思う間に生徒の顔が間近に迫っていた。
「僕達、東海林くんを応援していますから!!」
「…は?」
それだけ言うと、3人の生徒達は足早に去って行った。
「…何の応援ですか?」
「俺が聞きたい」
新北の親衛隊に応援される覚えのある事など、思いつかない。強いて言うなら生徒会主催イベントの警備か?
首を捻りながらも特別棟の施錠の確認も済み、本校舎に戻ろうとした所に前から歩いて来た男に名を呼ばれた。
「西条」
今度はよく知っている相手、生徒会副会長の西条だ。
幹春のダサメガネとは違い、銀縁のスタイリッシュな眼鏡を掛け、美形と冷然とした雰囲気に磨きを掛けている。
「話があります。来てください」
顎で方向を示す西条の不遜な態度に、呼ばれた幹春ではなく、日下部が前に出た。
「不躾にも程がありますよ、西条。
話なら私が代わりに聞きます」
「日下部に話しても仕方ないでしょう。
…風紀の会長と副会長は不仲っていう噂は嘘だったんですか」
「どこから出た噂ですか」
「この間、辞める辞めないとの口論をしていたと聞きましたが」
先日の風紀委員室でのやり取りが、どこから漏れたのか。ギクリとした幹春だったが、日下部はむしろ静かに、鼻で笑った。
「口論するほど、仲は良くないですが、仕事はお互い割り切ってちゃんとやっているので、不仲ではありません」
(ええっ!?日下部と俺って仲良くないんだ!!)
鶯実において【委員会】は勉学と同じ位重要な位置であり、そこで2年も一緒にやってきた間柄なので、幹春の中では『委員会で一番仲が良い人』。心の【仲の良い人ランク】では5位以内に入っていたのに。
日下部が自らランク外に出てしまうとなると、幹春が学園内で仲の良い人が5人にも満たない事になってしまう。こうなったらもう、下級生で部下の卯木をランクインさせる事も考えなければ。
「あなたが生徒会副会長ではなく、個人として個人の東海林に用があると言うのなら席を外しますが?」
「いや、個人としてではありません。…仕方ないですね、お前にも聞かせておいた方が良さそうです」
内心めちゃくちゃショックを受けた幹春を置いて、2人の間で日下部の同席が決まっていた。
すぐそばにあった教室に3人で入る。
「単刀直入に訊きます。
東海林、あなた直人からの交流の誘いを断ったそうですね」
「は?」
てっきり生徒会関連の問題かと思ったが、またしても転校生の話か。関わりたくないと思っているのに、どうしてこうも向こうからやって来てしまうのだろう、と幹春はうんざりした。
「どうなんです?」
答えない幹春に焦れた西条に促され、事実を答える。
「交流の誘いをされた覚えは無いが、仲良くする気は無いとは言った」
「せっかく心優しい直人が誘ってくれたと言うのに、何て言い草ですか」
責められた所で、幹春は中央を優しいとも思わないし、仲良くしたいとも思わないので仕方がない。しかし次に続けられた西条の言葉に、瞠目した。
「そもそも、自分の立場を考えて言ってください。
あなたは風紀委員長なんですよ?それが一介の転校生に悪感情があると公言するなんて、周りへの影響を考えなかったんですか?」
確かに、あの時は突然の中央の登場で驚きもあったし、そんな事は一切考えずに、グイグイ来る中央にとにかく拒否をした。
言われてみれば、【役付】が一生徒に拒否感を出すというのは、周りの生徒への影響も十分に考えられる。
「あ…」
それで新北の親衛隊か!
先ほどの出来事と結びつき、ようやく合点が行った。
なるほど、生徒会や中央の取り巻きと化している縦野達の親衛隊からしてみれば、中央はジャマで仕方がない存在だ。その中央に対し、「仲良くする気が無い」と言った幹春の存在は、言わば『アンチ中央』を公言した者とされたのか。
中央の事は確かに好きではないが、自らのコンプレックスの占める割合も高いので、あまり周囲に言いまわりたい話ではない。また、風紀委員長という役職として、特定の生徒を個人的な感情でどうこうするのは問題だ。
が。
「立場どうこう言うのは、お前達にこそ言える事じゃないのか?」
それだけは言っておきたかった。
中央のどこがどう気に入ったのかは知らないが、初っ端から特別扱いして周囲を煽っているのは、生徒会執行部にこそ言える事だ。
「私たちは、理事長からの指示もあり、善意で直人の世話をしていると言ったでしょう。
あなたの私情と一緒にしないでください」
どう見ても私情で囲っているのに、いけしゃあしゃあとのたまう西条に、しかし幹春も私情が大半を占める分言い返せない。
「とにかく、役付として直人への反感を周囲に触れ回るのは止めてください」
それだけを言うと、西条は幹春の返事も聞かず、教室を後にした。
残された幹春は、一つため息を吐き、業務を完了させる為に風紀委員室へと向かおうと腰を上げた。
「東海林、一つ聞いても良いですか?」
今まで黙って西条と幹春の話を聞いていた日下部が口を開いた。
「中央君の、何が気に入らないんですか?」
ここで、「別に気に入らない訳じゃない」と言うのは簡単だ。以前と同じ様に「制約違反が目に余るだけだ」とか言ってしまえば、日下部もそれ以上追及しては来ないだろう。
だが、先日の風紀委員室で辞める辞めないで言い争った時と同じ目を、日下部がしていたから。
「自分のやりたい様にやってる所」
それだけを言って、日下部に背を向けて風紀委員室へ向かった。
◇◇◇◇◇◇◇
「う~ん、生徒会のどの口がっつー話は置いといて、そもそもその話、どっから漏れたの?」
ザクジュワッと、肉汁溢れるとんかつに齧り付きながら、上総は幹春の話に問いで返した。幹春のストレスにより、添えられたキャベツの千切りは山盛りだ。
「どこから、とは?」
「いやだって、ミッキーが転校生と仲良くする気が無いって言ったのって、人気の無い校舎裏じゃん?その場にいたのって、他は執行部と俺しかいないじゃん。それを何で西条どころか、新北の親衛隊までが知ってる訳?」
親衛隊にまで知られてしまっているなら、その後は学園中に広まる事は目に見えているが、まず、その親衛隊にどうやって漏れたのかだ。
もちろん上総は言っていない。
執行部の2人を思い浮かべるが、確かにおしゃべりなキャラではあるが、転校生に不利になる様な話を触れ回るだろうか?
何と言っても、幹春は学園の秩序を守る風紀委員長という【役付】だ。
この学園の事を理解しているなら、【役付】を敵に回す行為は、自殺行為だ。
(理解しているなら…な)
「どこかに人が潜んでいたなら、気付けると思うんだけど…ハッ!まさか盗聴!?」
「うん、なんで気付けるのかっての置いといて、ミッキーってたまにポンコツになるよな」
騒ぎはまだまだ大きくなりそうだな、と思った上総の予想は、翌日現実のものとなった。
これは普通の高校でもよく見る、新入生が学校に慣れる為に行われる全校行事だ。
最近は例年、校内に学校に纏わるクイズを配置して巡るもので、新入生同士の仲間意識と上級生による学園案内を兼ねた内容となっていた。
「ただ例年思うのは、5月末という開催日は遅すぎないか?」
普通、大型連休の前にすべきだと思うのだが、と校内の見回り歩く幹春は首を傾げる。
「まぁうちの場合は、全員が寮生ですからね。寮内での交友関係を築いて、ある程度慣れてから上級生との交流に進むんでしょう」
傍らの日下部は、掲示板のプリントの傾きを直しながら答えた。
まぁ確かに、寮という特殊でいて生活に密着した環境があるのだから、それに慣れるのが先かと幹春は2年前を思い出す。
中学3年の中盤で、都会人からの洗礼を受けた幹春は、父親の斜め上の勧めにより鶯実に入った。
ただでさえ同世代の人間に対して苦手意識を持っている上に、長い間1人暮らしだったもので、突然始まった寮生活はそれはもう大変だった。
自分が変わっているという自覚はあったので、なるべく浮かない様に、周囲に合わせ様と始終ビクビクしていた覚えがある。
その上、七三(ダサ)メガネで今とは違い身長も低かった。入学当初は160㎝少しだったはずだ。中学3年後期から高2に掛けて、15㎝以上伸びた。言わずもがな、食生活の変化によるものだろう。飽食万歳である。
それはともかく、体格も小さく、大浴場や食堂といった人の多い場所も嫌がり、常に周囲を窺っていた幹春がこの学園に馴染めたのは、ルームメイトであった上総のおかげに他ならない。
即行で幹春が田舎者である事を察知し、遠慮なくガンガン距離を縮められた。上総は他にも友人を作るのが早く、それとなくフォローをしてくれるので幹春も何とか同級生の間には溶け込めた。ある一定のラインまでだが。
「今年も風紀は校内警備だから、配置を考えないとな」
「大体は組みましたので、あとで確認してください」
「さすが、仕事が早いな」
風紀委員の仕事は、校内の秩序を守り荒事を治める事だ。
なので、こういった全校生徒が参加する行事となると、大体は問題を起こす生徒がいないか、また何か危ない事は起きていないかなどの警備となる。簡単に言えば、学園内の警察的な役割だ。
「東海林先輩!」
呼ばれて振り向けば、見覚えのある生徒が3人並んでいた。襟元のバッチを見れば、Ⅲが2人にⅡが1人。
「お前達は…」
確か、生徒会長である新北の親衛隊だ。
新北の親衛隊は皆、見目も良い上に何かしらの役職に就く優秀な生徒が多い。だからこそ、あのカリスマ性に魅かれるのかもしれない。
真ん中の生徒がガシッと幹春の手を掴む。畑仕事などした事が無いであろう、柔い手だなと思う間に生徒の顔が間近に迫っていた。
「僕達、東海林くんを応援していますから!!」
「…は?」
それだけ言うと、3人の生徒達は足早に去って行った。
「…何の応援ですか?」
「俺が聞きたい」
新北の親衛隊に応援される覚えのある事など、思いつかない。強いて言うなら生徒会主催イベントの警備か?
首を捻りながらも特別棟の施錠の確認も済み、本校舎に戻ろうとした所に前から歩いて来た男に名を呼ばれた。
「西条」
今度はよく知っている相手、生徒会副会長の西条だ。
幹春のダサメガネとは違い、銀縁のスタイリッシュな眼鏡を掛け、美形と冷然とした雰囲気に磨きを掛けている。
「話があります。来てください」
顎で方向を示す西条の不遜な態度に、呼ばれた幹春ではなく、日下部が前に出た。
「不躾にも程がありますよ、西条。
話なら私が代わりに聞きます」
「日下部に話しても仕方ないでしょう。
…風紀の会長と副会長は不仲っていう噂は嘘だったんですか」
「どこから出た噂ですか」
「この間、辞める辞めないとの口論をしていたと聞きましたが」
先日の風紀委員室でのやり取りが、どこから漏れたのか。ギクリとした幹春だったが、日下部はむしろ静かに、鼻で笑った。
「口論するほど、仲は良くないですが、仕事はお互い割り切ってちゃんとやっているので、不仲ではありません」
(ええっ!?日下部と俺って仲良くないんだ!!)
鶯実において【委員会】は勉学と同じ位重要な位置であり、そこで2年も一緒にやってきた間柄なので、幹春の中では『委員会で一番仲が良い人』。心の【仲の良い人ランク】では5位以内に入っていたのに。
日下部が自らランク外に出てしまうとなると、幹春が学園内で仲の良い人が5人にも満たない事になってしまう。こうなったらもう、下級生で部下の卯木をランクインさせる事も考えなければ。
「あなたが生徒会副会長ではなく、個人として個人の東海林に用があると言うのなら席を外しますが?」
「いや、個人としてではありません。…仕方ないですね、お前にも聞かせておいた方が良さそうです」
内心めちゃくちゃショックを受けた幹春を置いて、2人の間で日下部の同席が決まっていた。
すぐそばにあった教室に3人で入る。
「単刀直入に訊きます。
東海林、あなた直人からの交流の誘いを断ったそうですね」
「は?」
てっきり生徒会関連の問題かと思ったが、またしても転校生の話か。関わりたくないと思っているのに、どうしてこうも向こうからやって来てしまうのだろう、と幹春はうんざりした。
「どうなんです?」
答えない幹春に焦れた西条に促され、事実を答える。
「交流の誘いをされた覚えは無いが、仲良くする気は無いとは言った」
「せっかく心優しい直人が誘ってくれたと言うのに、何て言い草ですか」
責められた所で、幹春は中央を優しいとも思わないし、仲良くしたいとも思わないので仕方がない。しかし次に続けられた西条の言葉に、瞠目した。
「そもそも、自分の立場を考えて言ってください。
あなたは風紀委員長なんですよ?それが一介の転校生に悪感情があると公言するなんて、周りへの影響を考えなかったんですか?」
確かに、あの時は突然の中央の登場で驚きもあったし、そんな事は一切考えずに、グイグイ来る中央にとにかく拒否をした。
言われてみれば、【役付】が一生徒に拒否感を出すというのは、周りの生徒への影響も十分に考えられる。
「あ…」
それで新北の親衛隊か!
先ほどの出来事と結びつき、ようやく合点が行った。
なるほど、生徒会や中央の取り巻きと化している縦野達の親衛隊からしてみれば、中央はジャマで仕方がない存在だ。その中央に対し、「仲良くする気が無い」と言った幹春の存在は、言わば『アンチ中央』を公言した者とされたのか。
中央の事は確かに好きではないが、自らのコンプレックスの占める割合も高いので、あまり周囲に言いまわりたい話ではない。また、風紀委員長という役職として、特定の生徒を個人的な感情でどうこうするのは問題だ。
が。
「立場どうこう言うのは、お前達にこそ言える事じゃないのか?」
それだけは言っておきたかった。
中央のどこがどう気に入ったのかは知らないが、初っ端から特別扱いして周囲を煽っているのは、生徒会執行部にこそ言える事だ。
「私たちは、理事長からの指示もあり、善意で直人の世話をしていると言ったでしょう。
あなたの私情と一緒にしないでください」
どう見ても私情で囲っているのに、いけしゃあしゃあとのたまう西条に、しかし幹春も私情が大半を占める分言い返せない。
「とにかく、役付として直人への反感を周囲に触れ回るのは止めてください」
それだけを言うと、西条は幹春の返事も聞かず、教室を後にした。
残された幹春は、一つため息を吐き、業務を完了させる為に風紀委員室へと向かおうと腰を上げた。
「東海林、一つ聞いても良いですか?」
今まで黙って西条と幹春の話を聞いていた日下部が口を開いた。
「中央君の、何が気に入らないんですか?」
ここで、「別に気に入らない訳じゃない」と言うのは簡単だ。以前と同じ様に「制約違反が目に余るだけだ」とか言ってしまえば、日下部もそれ以上追及しては来ないだろう。
だが、先日の風紀委員室で辞める辞めないで言い争った時と同じ目を、日下部がしていたから。
「自分のやりたい様にやってる所」
それだけを言って、日下部に背を向けて風紀委員室へ向かった。
◇◇◇◇◇◇◇
「う~ん、生徒会のどの口がっつー話は置いといて、そもそもその話、どっから漏れたの?」
ザクジュワッと、肉汁溢れるとんかつに齧り付きながら、上総は幹春の話に問いで返した。幹春のストレスにより、添えられたキャベツの千切りは山盛りだ。
「どこから、とは?」
「いやだって、ミッキーが転校生と仲良くする気が無いって言ったのって、人気の無い校舎裏じゃん?その場にいたのって、他は執行部と俺しかいないじゃん。それを何で西条どころか、新北の親衛隊までが知ってる訳?」
親衛隊にまで知られてしまっているなら、その後は学園中に広まる事は目に見えているが、まず、その親衛隊にどうやって漏れたのかだ。
もちろん上総は言っていない。
執行部の2人を思い浮かべるが、確かにおしゃべりなキャラではあるが、転校生に不利になる様な話を触れ回るだろうか?
何と言っても、幹春は学園の秩序を守る風紀委員長という【役付】だ。
この学園の事を理解しているなら、【役付】を敵に回す行為は、自殺行為だ。
(理解しているなら…な)
「どこかに人が潜んでいたなら、気付けると思うんだけど…ハッ!まさか盗聴!?」
「うん、なんで気付けるのかっての置いといて、ミッキーってたまにポンコツになるよな」
騒ぎはまだまだ大きくなりそうだな、と思った上総の予想は、翌日現実のものとなった。
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