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プロローグ
始まり
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「……ふぇ、おぎゃー……」
……んー、うるさいなぁ…。
もっと寝かせてよ…。
「おぎゃぁー、おぎゃぁー」
……赤ちゃんの声……?
うちに赤ちゃんなんていないはずだけど…?
ちょっと気になるし、見てみようかな。
よいしょっ…って、あれ?体があんまり動かせない。
起き上がろうとしたのに…目も開けられない。
…っていうか、泣いてるのって…私?!
私なの?!
自分の存在を一生懸命主張するかのように、力いっぱい元気に産声をあげてる赤ちゃんが私…?
…どういうこと?!
え、意味わかんないよ!
何がどうしてこうなった?
「ふえぇぇ」
…あ。
これと似たような状況を、私は見たことがある。
まさかとは思うけど、でも他に思いつかないし…。
もしかして私…転生しちゃったんじゃ…?
…あ、ありえない…。
――――――――――――――――――――――
……とまぁ、こんな感じで混乱してたのが1週間前の私。
あ、申し遅れました。
私の名前は暁月湊。
女なんだけど、湊ってちょっと男っぽいよね?
それに加え、私はスポーツやってたからメンズっぽいベリーショートで背も高く、顔も中性的で服装もパンツがメインの男っぽい服装ばっかりだったから、よく男に間違われた。
自分で言うのもなんだけど、そこそこのイケメンだったと思う。
女なのに女の子に告白されたり逆ナンされたり…まあ、結構モテてた。…女の子限定で。
…なんか悲しい…。
転生したっぽいから名前も見た目も変わるんだろうけどね…あはは。
それはそうと、私の記憶があるのは高校の卒業式の日まで。
うちの高校はゆる~い学校で、制服は男子も女子も上は全く同じ、下だけ一応スカートとズボンに分かれていた。
でも、女子が絶対スカート履かなきゃいけない…みたいな決まりはなかったので、私はいつも男子スタイルだった。
ま、普通の女子はスカート履いてたけど…。
私は卒業式の日に初めて知ったんだけど、制服のネクタイを交換すると結ばれる、みたいな風習があったらしく、卒業式の前後は女子に追いかけられて必死に逃げた記憶がある。
私が女だからか女子の行動が男子に対するよりも大胆で、あの日の女子達の目はハンターかと思うほど怖かった。
その次の日からのことは全く思い出せないので、多分私は卒業式の日に死んだんじゃないかなと思っている。
まぁそもそも死んでないかもしれないが、まぁ転生する時って大体元の体は既に亡くなってるし、あんまり期待はできないよね…。
お母さんとお父さんにお別れはできたのかな。
…親より先に死んじゃうなんて。
親不孝者でごめんね…。
……さて、落ち込んでばかりもいられない。
最初に意識が覚醒した時は何も分からなくてパニックになってそのまま寝ちゃったけれど、さすがに一週間も経てば少し状況が分かってきた。
目もぼやーっとだけど見えるようになってきて、周りの様子を窺うこともできたので、そろそろこの数日間で分かったことをまとめたいと思う。
まず、この家は多分豪邸で、お金持ちだと思う。
使用人っぽい人たちが何人もいるし、部屋は広いし、家具は意匠が凝らしてある高そうなものばかり。
ホテルのスイートルームみたいだな、などと考えてしまうような豪華なお部屋。
こんなお部屋が家の中に何部屋もあるんだから、どう考えてもお金持ちだ。
次に、言葉。
何を言ってるのかさっぱり分からない。
日本語でもないし英語でもない。
なので、少なくともここは日本じゃないし、英語圏の国でもないと思う。
そして、髪と瞳の色。
私を抱き抱えてる母親らしき方の髪は、色素の薄い金色。
これはまだいい。
見たことあるし。
…けど、瞳の薄ピンク色は…。
その後に現れて私の頭を撫でてすぐに去っていった、恐らく父親であろう人の髪は青みがかった銀色で、瞳も同じ色。
…おおう…。
そしてとどめとばかりに、使用人たちの色とりどりの髪と瞳。
ハハッ…カラフルデイイデスネ!
最初はカラコン入れて髪染めてるんだと思おうとしたけど、流石に無理がある。
最後に、魔法。
信じがたいことに、お母様は魔法を使っていらっしゃった。
私はこの目で、はっきりと見てしまったのだ。
…最初は、窓だった。
誰も触っていないのに、お母様が窓に指を向けたのと同時に窓が開いたのだ。
…まぁでも、偶然だろうと。
そう思ってた時期が私にもありました。
お母様が何か呟いて指先から小さい火を出し、いくつものろうそくに向かって同時に火を飛ばしているところを見るまではね!
こんなの見たらもう偶然だなんて思えない。
それと、私のお母様もお父様もものすごい美人さんだった。
この分だと、私も美人になりそうだ。
いや、ここでの美人の基準がどうなのか分からないからあれだけど、日本の基準で言ったら芸能界でも一二を争うような感じだった。
お母様が金髪と薄ピンクの瞳、お父様が青銀の髪と瞳なら、私の髪と瞳の色はどうなるんだろう?
あんなに色とりどりだとちょっとわくわくするね。
というわけで、結論。
これは単なる転生ではなく……異世界転生でした。
……んー、うるさいなぁ…。
もっと寝かせてよ…。
「おぎゃぁー、おぎゃぁー」
……赤ちゃんの声……?
うちに赤ちゃんなんていないはずだけど…?
ちょっと気になるし、見てみようかな。
よいしょっ…って、あれ?体があんまり動かせない。
起き上がろうとしたのに…目も開けられない。
…っていうか、泣いてるのって…私?!
私なの?!
自分の存在を一生懸命主張するかのように、力いっぱい元気に産声をあげてる赤ちゃんが私…?
…どういうこと?!
え、意味わかんないよ!
何がどうしてこうなった?
「ふえぇぇ」
…あ。
これと似たような状況を、私は見たことがある。
まさかとは思うけど、でも他に思いつかないし…。
もしかして私…転生しちゃったんじゃ…?
…あ、ありえない…。
――――――――――――――――――――――
……とまぁ、こんな感じで混乱してたのが1週間前の私。
あ、申し遅れました。
私の名前は暁月湊。
女なんだけど、湊ってちょっと男っぽいよね?
それに加え、私はスポーツやってたからメンズっぽいベリーショートで背も高く、顔も中性的で服装もパンツがメインの男っぽい服装ばっかりだったから、よく男に間違われた。
自分で言うのもなんだけど、そこそこのイケメンだったと思う。
女なのに女の子に告白されたり逆ナンされたり…まあ、結構モテてた。…女の子限定で。
…なんか悲しい…。
転生したっぽいから名前も見た目も変わるんだろうけどね…あはは。
それはそうと、私の記憶があるのは高校の卒業式の日まで。
うちの高校はゆる~い学校で、制服は男子も女子も上は全く同じ、下だけ一応スカートとズボンに分かれていた。
でも、女子が絶対スカート履かなきゃいけない…みたいな決まりはなかったので、私はいつも男子スタイルだった。
ま、普通の女子はスカート履いてたけど…。
私は卒業式の日に初めて知ったんだけど、制服のネクタイを交換すると結ばれる、みたいな風習があったらしく、卒業式の前後は女子に追いかけられて必死に逃げた記憶がある。
私が女だからか女子の行動が男子に対するよりも大胆で、あの日の女子達の目はハンターかと思うほど怖かった。
その次の日からのことは全く思い出せないので、多分私は卒業式の日に死んだんじゃないかなと思っている。
まぁそもそも死んでないかもしれないが、まぁ転生する時って大体元の体は既に亡くなってるし、あんまり期待はできないよね…。
お母さんとお父さんにお別れはできたのかな。
…親より先に死んじゃうなんて。
親不孝者でごめんね…。
……さて、落ち込んでばかりもいられない。
最初に意識が覚醒した時は何も分からなくてパニックになってそのまま寝ちゃったけれど、さすがに一週間も経てば少し状況が分かってきた。
目もぼやーっとだけど見えるようになってきて、周りの様子を窺うこともできたので、そろそろこの数日間で分かったことをまとめたいと思う。
まず、この家は多分豪邸で、お金持ちだと思う。
使用人っぽい人たちが何人もいるし、部屋は広いし、家具は意匠が凝らしてある高そうなものばかり。
ホテルのスイートルームみたいだな、などと考えてしまうような豪華なお部屋。
こんなお部屋が家の中に何部屋もあるんだから、どう考えてもお金持ちだ。
次に、言葉。
何を言ってるのかさっぱり分からない。
日本語でもないし英語でもない。
なので、少なくともここは日本じゃないし、英語圏の国でもないと思う。
そして、髪と瞳の色。
私を抱き抱えてる母親らしき方の髪は、色素の薄い金色。
これはまだいい。
見たことあるし。
…けど、瞳の薄ピンク色は…。
その後に現れて私の頭を撫でてすぐに去っていった、恐らく父親であろう人の髪は青みがかった銀色で、瞳も同じ色。
…おおう…。
そしてとどめとばかりに、使用人たちの色とりどりの髪と瞳。
ハハッ…カラフルデイイデスネ!
最初はカラコン入れて髪染めてるんだと思おうとしたけど、流石に無理がある。
最後に、魔法。
信じがたいことに、お母様は魔法を使っていらっしゃった。
私はこの目で、はっきりと見てしまったのだ。
…最初は、窓だった。
誰も触っていないのに、お母様が窓に指を向けたのと同時に窓が開いたのだ。
…まぁでも、偶然だろうと。
そう思ってた時期が私にもありました。
お母様が何か呟いて指先から小さい火を出し、いくつものろうそくに向かって同時に火を飛ばしているところを見るまではね!
こんなの見たらもう偶然だなんて思えない。
それと、私のお母様もお父様もものすごい美人さんだった。
この分だと、私も美人になりそうだ。
いや、ここでの美人の基準がどうなのか分からないからあれだけど、日本の基準で言ったら芸能界でも一二を争うような感じだった。
お母様が金髪と薄ピンクの瞳、お父様が青銀の髪と瞳なら、私の髪と瞳の色はどうなるんだろう?
あんなに色とりどりだとちょっとわくわくするね。
というわけで、結論。
これは単なる転生ではなく……異世界転生でした。
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