お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

天野 奏

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65.ハジメテの子作り

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 フッと、彼が顔を離すと、ほんの少し動きが早くなった。
 薄く開いたまぶたから覗く彼の黒い瞳が、切なげに私を見つめて。

 それにまたキュンと胸が痛みを上げると、同じく下腹部も快感に震えをあげた。

「っ……出すよ…結奈…っ」

「あぁ…シン…!また……」


 イく…!


 その感覚と、同時だった。

 熱いものが、何度も打ち付けるように、身体の奥深く、子宮口へと流れ込んで来たのを感じて。

 ギュッと、彼にしがみつき、2つの快感の並に耐える。

「あっ…あ…あぁ……」

「っ…はぁ…結奈……」

  余裕の無い、彼の吐息。

 彼はグッと私を抱き締めたまま、何度も強く刺激を送り、私の鎖骨に身を寄せる。

 私はその彼を抱き寄せ、彼を支えに身体を起こしていた。

 気を抜くと快感に負けて倒れてしまいそうなくらい、ビクビクとよろけてしまうからだ。

 途端に、自己嫌悪と、達成感が心を満たす。

 とうとう本当の、子作りをしてしまった。

 こんな風に、抱き合いながら。
 たった数日、ほんの少し関係を持った男の人と…。

 それがとても許されないことのはずなのに。

 社会的に白い目で見られるような、悪いことのはず、なのに。


 ……なんて、幸せなのだろう?


「はっ……は……」

 彼の脈と共に身体を震わす私を、少し落ち着いたらしい彼はまた宥めるように首筋へとキスをする。

 抱き付いたままの身体を少し離すと、彼はそっと私のうなじへ手を伸ばし、唇へキスをする。

 何度も、何度も。


「ん…シン……」

「……好きだよ」

 擦れるような、少しでも物音がすれば消え入りそうな、小さな彼の囁き。

「っ!……ん……」

 押し倒されて、また私が下になってしまって。

 いつもよりも熱烈なキスに、頭がボーッとして。

 彼から注がれる愛が、身体を満たしていくのが分かる。

 私とのセックスが、と分かってるはずなのに、好きと言われる度、僅かに高揚する。

 それもきっと、彼のテクニックの1つなのだろう。

 だって今の私は、こんなにも満たされている。
 
「…シン……」

 またキスがしたい、そう思って身体を引き寄せるも、彼は頬に汗を垂らしながら、目を伏せた。

「…ごめんな」

「え?」

「全然

「えっ???」

 そう言われて、ハッと気づく。
 私のナカにいる彼は、縮むどころかむしろ、また大きくなっている!

「…注ぎ足りない。
もう一回するよ」

「えっ…あっ!し、シンっ…!!ああん!」

 律動に合わせて、ベッドが大きく軋む。

 イッたばかりの身体は、早々にビクビクと震えてまたイッてしまった。

「はっ…あぁ…シン…ま、待って…まだっ…あっ!」

 待ってと言って、彼がちゃんと聞いてくれたことなんて少ないというのに。

 当たり前のように必死に声を上げても、ハッキリと言葉にはならなくて。

 まるで赤ん坊のような甘ったるい声が自分から漏れて、彼に手を伸ばした。

「っ…これじゃ……今日だけで、妊娠しそうだな……?
結奈…っ」

 快感に溺れている私を見下ろしてフッと笑みを浮かべる彼は、余裕の無い声で、探るようにまたキスをする。

 気持ち良すぎて、おかしくなりそう。

 ナカに注がれたものが、トロリと溢れていくのを感じた。


 私のハジメテの子作りセックスは、まさかの2連続スタートとなったのでした。


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