お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

天野 奏

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64.好き、だから

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「あー…少し

「えっ…あっ!」

 また腰を持たれたと思えば、急にガンッと刺激が走る。

「あっ…あぁ…あっ待っ…あっあぁっ!」

 急に強くなる快感に、抑えも効かず。

「あぁぁんっ…はっ…!!」

 止まらない彼からの快感の並にギュッと身体を絡めると、私の意思は関係なしに、大きく身体が震えれば、彼は動きを止めて何度も痙攣する私を抱きしめた。

「はぁ…はぁ…ぁあ…ん…」

「っ……イけたな」
 
 ぐったりと彼の枕元へ雪崩れる私に、彼は労わるかのように首筋へキスをする。

 そのキスがとても、胸を擽る。

 「でもまだ…私はシンをイかせて上げられてないのに…っ」
「……可愛いこと言うな?」
「え……?」

 シンが…可愛いって……?

 彼は私を起こさせて、合わせるように自分の身体も起こした。

「結奈……」

 彼の指が、私の頬を撫で、そっとキスをする。

 蕩けるような優しいキスに、繋がっていることを忘れてしまいそうだ。

 それを主張するかのように、彼のソレが私の中でドクンドクンと脈を打つ。

 いつもよりも近くにそれを感じてしまう。

 この体勢だと私の方が少し高くて、見上げる彼の首筋や肩に腕を回すのが精一杯だ。

 その分彼は私の背中へその大きく熱い手のひらを滑らせ、優しく包み込んでくれた。

 あぁこの感じ…凄く…安心して……

「…好きだよ」

「え?……っあ!」

 自然と目を合わせキスを終えたと思えば、ゆらゆらと腰を揺らし、奥深くを攻め始めた彼は、首筋へ顔を埋めた。

「…結奈とのセックス。
クセになる」

 好きって…そう言うこと…!

「あっあっあっシンっ!」

 私も好き…そう言いたかったのだけど。
 彼に胸の先を吸われて、刺激にギュッと抱きついてしまった。

 いつもより緩やかに、だけど確実に。
 子宮口を突くかのようにグイグイと押し込まれて。

 自分の甘味な声と、ベッドの軋む音が耳に響く。
 それに合わせるように私と彼の肌と肌がパンパンと軽やかに音を刻む。

 動きは大きくないハズなのに、だ。

 彼への身体の負担という意味では、そこまで酷い運動をしているわけではない。

 私の意を汲み取ってくれているのだとしたら、間違いなく好ましいものだろう。

 それなのに、ずっと良いところを強く擦り付けられて、身体が何度も快感に声をあげてしまうのだ。

 それはやはり、この抱き合う姿勢だからこそなのだろうか?

 守りが全部突破されて、このアカの他人に今にも侵略されようとしている。

 それが気持ちいいだなんて…おかしな話なのに。

 彼と1つになる事が、この上なく……幸せだと感じているなんて。

 これが性行為なんだ。

 シンが以前言っていた、キモチイイコト。

 私達は快感を共有して、子作りしているんだ。

「はっ…はっ……っ」

 耳元に僅かに届く彼の吐息。

 首に手を回して顔を合わせると、彼にまた自分からキスをした。

「んっ…シン…!」

 無意識に、彼を求めるように舌を絡ませると、彼はしっかり応じてくれた。

 それがまたキュンとして、声が漏れ息が乱れる。

「っ…ん……はっ……っ」
「はぁん…ん…んんぁ……あん……っ!」

 耳の奥まで熱く溶けてしまいそう。

「シン……っ」
 
 彼の名前を呼ぶだけで、胸が熱くなる。
 
 彼の広い背中へ腕を回し、身体全身で抱き込む。

 私の身体を、彼に委ねる。

 こうして頭では考えていられるのに、身体はもう、繰り返される快感に理性を失なっていたのだ。

 こんなに気持ち良くしてくれる彼には、もっと気持ちよくなって欲しい。


 シンの子供を…孕みたい、と。

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