お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

天野 奏

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63.彼の上に跨って

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「ど、どうすればいいの?」

「…腰振って。好きに動いていいから」

「でも…シン…熱が……あ!」

「俺が動かなきゃ平気だろ?」

 フッと笑う彼は、私の太ももを撫でた。

 彼の身体の一部を取り込んで、一つになっているのを実感している私は、ただこの状況ですら脈打つほどに感じてしまっているのに。

 どうしてこんなことになってしまったのだろう?

 彼の綺麗に割れた腹筋が眼下にあって。

 そのさらに私寄りはまさに見たことない光景になっている。

 どこに手をついていいのかも、わからない。

 まるで馬の手綱を握る時のように、身体の預け方がイマイチわからないのだ。

「……言っとくけど、今日は“付けてない”から」

「っ…うん、分かって、る」

 身体の中にあるソレは、この前とは感じが違う。

 うまくは言えないが、生き物が身体を貫いているようだと、そう感じさせるのだ。

 だから余計に困ってしまう。

 この熱くて脈打ち、膣内にいる生き物を、どう動けば気持ちよく出来るのか。


 でも…彼と性行為をして子供を作ると条件を出したのは私なのだから。

 これは、本来私が動くべきところなのだろう。

 彼にしてもらってばかりではダメなのだ。

 私が…私の意思で、求めなければ……!

 きっと、いつも彼がする様に、出し入れをすれば…

「んっ……!」

 彼に負担がかからないように彼の腹筋に手を添えて、そっと腰を上げてみる。

 クチャ…と、私のナカから彼が抜けていくのが分かる。

 ゆっくり腰を上げていくも、彼のソレはまだまだ深くまで存在を示してくる。

 大きすぎ…

「っ…!」

 彼の視線を感じて、羞恥にすぐ腰を戻してしまったが。

「あっ……」

 身体の中のソレが、体重の勢いでグッと奥に押し付けられて、ビクッと身体が快感に震えた。

 何より、自身の圧があるからか、いつにも増して深く、奥へと、彼を受け入れている。

 なにこれ…こんな…いっぱい動いたら…っ!

「あっ…!」

「トロすぎ。
手伝ってやるよ」

 見かねた彼に腰を掴まれたと思えば、またゆっくり途中まで抜いたというのに、今度はもっと素早く戻されてしまった。

 しかし、それがまた、ズンと快感を吹き出し、身体が震えた。

「んんっ!?」

「…抜き過ぎても完全に抜けたら意味ないから。
腰上げんなら、このくらい…」

「んっ!ぁ…っ!」

 ほんの少し力を入れられただけなのに、身体を指示された通りに上下すると、いつも彼がしてくれるような快感が襲って来て、ピクピクと電気が走る。

 こんなの、続けてたら、すぐイッちゃう…!

「はぁ…も…もう…無理……」

 この前と違って、今は昼間なのだ。
 彼の表情が、ハッキリ見える。

 いつものように澄ました顔で、私のこの羞恥な姿を見ている彼に、何も思わないわけない。

 イきそうになる自分を、その理性が留めている。

 彼を気持ちよくする為の行為なのに、こうも自分が感じてしまっていては…!

「あっ…あっ!?」
「この方がいいか?」

 腰を持たれたまま、彼に対して前後に動く。

 腰を擦り付けているかのような動きがあまりにも恥ずかしいが……

「あんん!あっ!あぁ…!」

 何これ……!

 そんなに出し入れは激しくないのに…

 奥をグリグリされてるみたいで…凄く気持ちいい…!

「……ここだな」

「んんっ!ぁあ……」

 ビクビクと身体が何度も痙攣する。

 お腹の中のシンが、ピクリと熱く動くの何度も感じた。

 シンも、これが気持ちいいんだ。

 そう考えたら、頭の奥がジンジンする。

「あっ…あぁ……シン……っ」

 気付けば、シンの補助無しで腰を振っていた。

 キュンキュンと子宮が騒ぐ中で、フッと彼は笑った。

「っ…すげぇ締まるな。
自分で腰振って…そんなに気持ちいいか」

「だって…!
シンも…気持ちよくなって欲しいから…!」


 彼の肌をスーッと撫でて、いつも彼がする様に、彼に覆い被さる。

「はぁ…はぁ…気持ちよくなってますか…?」

「っ……」

 髪をわけ、彼に自分からキスをする。

 出来ることなら、なんでもしたい。

 彼がいつもしてくれるみたいに、彼を感じさせたい。
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