お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

天野 奏

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26.本気でしたよ!

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「えっと…シンさん…?」
「待たない」

  羽毛布団がガサガサと音を漏らす。
  言葉を遮った彼は、堰を切ったように背中へとキスを落としていく。

  リップ音と共に軽く肌を吸われる感触がして、その度にビクッと反応する。

  そしてその間も、胸への刺激は止めようとしない。
  触れるか触れないか、ギリギリのところで指を掠められ、全神経が集中し過敏になってしまっておるかのようだ。
  ほんの少しいい所に当たると、ゾクゾクと身体が快感に震えてしまう。

「あ……」
「あんたが昨夜、どう感じたか言うまで、止めない」
「だめ…っ」

  そんなの、恥ずかしい…!

  そう思いつつ、止めて欲しく無い。
  もう既に、心の半分以上に気持ち良さが優っていて。

「はぁ…はぁ……あぁん…」

  彼の舌が、背中を舐め上げた。
  また、変な声が漏れてしまった。

「結奈…」

  名前を呼ばれて浅い呼吸のまま少し振り返ると、彼は黒い瞳を細めていた。

「これだけ拒否が弱いと、男は勘違いするぞ。
嫌なら相応に動けよ」
「ち、ちがっ…!」

  あなたのそれが全部気持ちよくて、とは言えなくて、眉間にシワがよる。
  目を泳がせてどう説明しようか迷っていると、彼は唇にキスを落とした。

「もういい。
忘れろ」
「はんっ…!」

  また深く、キスが返ってくる。
  少し強引で、屈服させられる。

「はぁっ、はっ、はぁ…っ」
「はっ…」

  鼻を擦るようにジッと見つめられ、いつの間にか指が絡め取られ、切なげに目を細めている彼に、ドキッとしてしまった。

「シンさ…っ」
「……はぁ」

  質問は受け付けないとばかりに、彼は一度また私の唇を塞ぎ、色っぽい吐息を漏らした後首筋にキスをし始めた。

  

  また何も考えられなくなりそうだ。


  このまま、2回目もしてしまうのだろうか?

  2回もナカに出されたら…すぐ妊娠するのだろうか?

  それだけで目標達成ではあるが…

  こんな、悲しそうな彼に抱かれて、応えられてなくて、本当にいいのだろうか…!

  ふと、ベッド下のゴミ箱が目に付いた。
  ティッシュに包まれた、カラフルな何か…!

「あっ!!ま、待って…!」
「やだ」

  一言で打ち切られ、また上から押さえつけられる。
  初めて見る、不満げな表情に、一瞬ドキッとする。
  
「今更逃げんな」
「ち、違うんです!あっ!」

  カプッと、首元を噛まれる。
  彼はネコ科の動物なのではないかと、ふと思ってしまった。

「止めない」
「んっ!違っ…アレです!」

  必死に指先をゴミ箱へ向ける。
  彼もようやく顔を放し、眉間にシワを寄せながら指差す先に目をやった。

「何?」
「あの…ゴミ箱の…ピンクのヤツって…!」

  彼の眉間から、シワが消え、やはり予想通りの返事が返ってきた。

「ゴムだけど」
「も、もしかして昨日…避妊、したんですか…?」

  彼はまた、「あー…」と小さく声を漏らした。

「した」
「ですよね…!あぁ~…!」

  全く気付かなかった。

  そうですよね、普通しますよね…!

  子作りして欲しい、なんて言われて、将来ある大学生がハイわかりましたしましょう、なんて本当にあるわけないものね…!?

  でも、いつの間に!?
  あの暗がりの中で、そんな瞬間的に付けられるものなの…!?

  そしてイクと言ったあの後の刺激…あれはゴム越しだったってこと…?
あんなに、分かるものなの…!?

  顔を赤くして顔を背けているのを、ただ上から見下ろしていた彼は、軽く首を傾げた。

「本気で中出し、されたかったの?」
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