お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

天野 奏

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20.処女喪失

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「待って…あっ…っ!」

「待てない」

  そう一言で打ち切られ、グッと身体を貫かれる。

  圧迫感。

  その言葉に尽きる。

  彼の身体の一部が、少しずつ、ゆっくりと、私の中を満たしていく。

  彼の言う通り、指とは比べものにならない質量感だ。

  「あっ…あぁ…ああ…はっ…はぁ…」

  いくら身体を捻っても、彼の腕に手を伸ばしても、ゆっくりと胎内に進行してくるのが分かる。

  足を開いてしまっているこの状況では、何の抵抗も無駄だと悟った。

  完全に屈服させられている。

  ズズ…ズズズ…と、一瞬ほんの少し戻るかと思えば、また掘り進むように動きを始める。

  熱い。

  痛み、というより、熱がアソコから溢れかえるようだ。
  これはきっと、私のものだけではない。
  摩擦から来るだけではない。

  彼の熱……

「はぁ……狭っ…」
「あっ…」

  彼の指先を必死に握り返していると、彼の顔が首筋に落ちてきて、それにすら身体が反応して声が漏れる。

「……痛む?」

「っ…分からないです、熱くて…あ!」

  彼が話し掛けてきたことに油断していると、またズンと突き上げられた。
  また更に奥へ、彼が入ってくる。

「…あんたのナカ、すげぇ締め付けてくる」

「あ…」

  ギュッと両腕で抱き締められたと思えば、彼の唇が耳に吐息を吐き出す。

「油断すると

「んっ…!」

  まるでキスをするように、耳朶を甘噛みされて、身体がゾクゾクと震えだす。

  耳は卑怯だ。

 「はっ…はぁ…」

  ジュル…ピチャ……

  彼の呼吸も、彼の唇から発する水音も、直に聞こえてきて。

  それが何故か、異様に高揚させる。

に、俺がいるの、分かる?」

「あ……」

  茂みの近くまで降りた手に下腹部を撫でると、彼が顔を離した。
 下腹部に意識が集中するも、彼の真剣に見下ろす瞳から目を逸らせない。

「あんたの胎内ナカ
つまり身体の中。
あんたと俺は今、繋がってる」

「あっ…あぁ…」

  ゆっくりと彼が前後に揺れる。
  質量が身体を押し上げる。

  繋がっているのは身体の一部のはずなのに、おかしい。

  まるでそれが別の生き物のようだ。

  私の知らない生き物が、身体のナカを占領している。


  これが、男の人。


  見つめる彼は、その黒い瞳を色っぽく細めて、顔を近付ける。

「このまま…本能のままにキモチイイコトをする。
それがセックス。
あんたは知らない男に犯されてるのを、ただ感じていればいいよ」

「あん…っ……!」

  まだあるのか、と思えるほど、今度はグッと強く奥へと進撃を始めた為、声が漏れてしまった。


  犯されて…?


「はぁんっ!」

  身体が仰け反る。

  また軽く引き抜かれたソレが、彼の巧みな腰使いで奥へと押し込まれたのだ。

  身体を逃がそうとする私に、彼はまた一層顔を近づけ、私の頬を撫でた。

  その表情が、今日見たことないくらい優しげで、かつ切なげで。

  キスされると、何故か思った。

「…これで全部入ったよ。
処女喪失おめでとう」
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