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16.濡れて、感じて
しおりを挟む「はっ…はっ…はぁ…はぁ……っ」
ただキスをされて、胸を触られただけだというのに、羞恥と共に何処知れぬ高揚が湧き立ち、顔を離した時には既に酸素を取り込むことが精一杯になっていた。
その様を、胸から手を離した彼はほとんど息を乱す事なく静止し、黒い瞳で真上から見下ろし続けているので、たまらなくなって顔を横に逸らした。
筋の通った腕が、枕元にハッキリと見えた。
またそれに、息を呑む。
男の人に、こんな風に包まれている──意識した途端、また胸がギュッと熱くなった。
なんなのだろう、この感覚は。
「……セックスで大事なのは、前戯だ。
あんたみたいな処女が急に入れられても痛いだけ。
でも」
「っ…いやっ…!」
急に太ももに手を触れられて、ビクッと身体を萎縮させた。
それは既に予測されていたかのように、彼は視線を逸らす私の背後に並ぶように横になり、いつの間にか首の下に腕を通してホールドされ、隙間なく密着している。
逃げる事は許すまいというかのように。
「あ…あっ……!」
後ろから肩にキスをされ、更には耳をしゃぶるように口に含まれ、身体を捩って抵抗すると、意識から外れた下半身にある手が、隙を突くように間をすり抜け、自分でも触ったことのない茂みの中へと指を這わせた。
「…感じれば感じるほど、ここが濡れて、受け入れの体制が整ってくる」
「んっ…いや…あ……」
「嫌?
もう既に身体はちゃんと準備してるだろ」
触れられる指の感触で、自分のアソコがどうなってるかが嫌でも伝わってくる。
触られたくない、知られたくない。
自分の意思で子作りしに来たのに、こんなことをされて、この人にまんまと身体を支配されてるなんて。
コレは私の意思じゃない。
それでも、この人の動作一つ一つに、感じさせられて、その度に蜜が漏れ出してしまう。
「ちゃんと濡れてる。
あんたは敏感に俺を感じてると思うけど?」
「んぁ…っ!」
思わず、口を両手で塞いでしまった。
彼の舌が、掻き分けた髪の間から私の首筋を舐め上げたのだ。
「……違うの?」
彼の確認するような吐息が、耳を熱くする。
顔は見えない、のに、きっとあの無表情な顔で私を見ているのだろうと分かってしまう。
あぁ…感じてる。
既に全身が、彼の次の行動を期待してしまっている。
彼はきっと、セックスが上手い。
首の皮一枚になった理性の奥で、この人をもっと感じたいと疼いている。
彼に身を委ねれば、きっとすぐ、私の目標は達成されるのだろう。
彼がその気であるならば。
でも、その前に──
彼の手に自分の掌を重ねた。
「違って、ないです。
あなたを、もっと感じたい。
もっと、あなたのこと、知りたくなりました」
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