お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

天野 奏

文字の大きさ
上 下
17 / 104

16.濡れて、感じて

しおりを挟む

「はっ…はっ…はぁ…はぁ……っ」

  ただキスをされて、胸を触られただけだというのに、羞恥と共に何処知れぬ高揚が湧き立ち、顔を離した時には既に酸素を取り込むことが精一杯になっていた。

  その様を、胸から手を離した彼はほとんど息を乱す事なく静止し、黒い瞳で真上から見下ろし続けているので、たまらなくなって顔を横に逸らした。
  
  筋の通った腕が、枕元にハッキリと見えた。
  またそれに、息を呑む。
  男の人に、こんな風に包まれている──意識した途端、また胸がギュッと熱くなった。

  なんなのだろう、この感覚は。

「……セックスで大事なのは、前戯だ。
あんたみたいな処女が急に入れられても痛いだけ。
でも」
「っ…いやっ…!」

  急に太ももに手を触れられて、ビクッと身体を萎縮させた。
  それは既に予測されていたかのように、彼は視線を逸らす私の背後に並ぶように横になり、いつの間にか首の下に腕を通してホールドされ、隙間なく密着している。

  逃げる事は許すまいというかのように。

「あ…あっ……!」

  後ろから肩にキスをされ、更には耳をしゃぶるように口に含まれ、身体を捩って抵抗すると、意識から外れた下半身にある手が、隙を突くように間をすり抜け、自分でも触ったことのない茂みの中へと指を這わせた。

「…感じれば感じるほど、ここが濡れて、受け入れの体制が整ってくる」
「んっ…いや…あ……」
「嫌?
もう既に身体はちゃんと準備してるだろ」

  触れられる指の感触で、自分のアソコがどうなってるかが嫌でも伝わってくる。

  触られたくない、知られたくない。

  自分の意思で子作りしに来たのに、こんなことをされて、この人にまんまと身体を支配されてるなんて。

  は私の意思じゃない。
 
  それでも、この人の動作一つ一つに、感じさせられて、その度に蜜が漏れ出してしまう。

「ちゃんと濡れてる。
あんたは敏感に俺を感じてると思うけど?」
「んぁ…っ!」

  思わず、口を両手で塞いでしまった。
  彼の舌が、掻き分けた髪の間から私の首筋を舐め上げたのだ。

「……違うの?」

  彼の確認するような吐息が、耳を熱くする。

顔は見えない、のに、きっとあの無表情な顔で私を見ているのだろうと分かってしまう。


  あぁ…感じてる。


  既に全身が、彼の次の行動を期待してしまっている。

  彼はきっと、セックスが上手い。

  首の皮一枚になった理性の奥で、この人をもっと感じたいと疼いている。

  彼に身を委ねれば、きっとすぐ、私の目標は達成されるのだろう。

  彼がその気であるならば。


  でも、その前に──


  彼の手に自分の掌を重ねた。

「違って、ないです。
あなたを、もっと感じたい。
もっと、あなたのこと、知りたくなりました」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...