お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

天野 奏

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6.犯される…!

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「や……んっ!」

  やめて、と言う暇を与えられぬまま、唇にまたキスが飛んでくる。
ヌルヌルと唇を押し付けられては、背筋が震え上がって止まらない。

  確かに、子作りを頼んだけれど……!
  こういうものは、ちゃんとした綺麗な場所で……丁寧な形でやるものがセオリーではないの!?

「はぁはぁ……結奈ちゃん……」
「ん……っ……んん……!!」

  彼の吐息が熱くて、臭う。
  肩を押しても、ビクともしない。
  確かに、合意の上ではある。
  元々は私が出した条件ではあるし、私が拒むのはおかしいのかもしれない……でも……!

  視線を外せば、誰かの嘔吐物らしきものが足元に散らかっていた。
  それに気づいて、またゾクゾクと悪寒が走る。

  汚い……!

  僅かに抵抗するも、押している筈の手が、スカートの中に入ってきて、太ももをさすった。
  また背筋に、鳥肌が立つ。

  嫌……!
  初めては……もっと、ちゃんと……!

  互いの唇から、ネチャネチャと耳障りな音が聴こえて、また嗚咽しそうになるも、相手は止めようとしない。

「結奈ちゃん……大丈夫。ちゃんと子作りするからね……!」
「ん!いやっんん……!」

  強引で、力が強くて、全力で押しても、ビクともしない……

  男子と女子で体力テストのランク基準に差があるのが、昔から疑問だった。
  でも、今になってようやく気付いた。
  女性は、男性に力で勝てない。

  目の前の彼は、卑しい笑みを浮かべて、私のシャツに手を伸ばした。
  呼吸がやけに荒く、最初に挨拶した時とはまるで別人のように欲に塗れているように思えた。

「一緒にいっぱい、エッチしようね?」
「ひっ……いやぁ……っ」

  自分がいつの間にか、泣きじゃくっていることに気づいた。
  
  迂闊だった。
  何も分かっていなかった。
  誠実な人なんて、もしかしたらいないのかもしれない。
  これが本当の、男の人の姿……
  私が望んだことの、結果。

  男性は、とても怖い……
  この人に、犯されてしまう…!

  視線を外していた彼の隙を見て逃れようと身体を横に逃がすも、シャツを外しながらすぐに雪崩れてきて、また壁に押さえつけられる。

  彼の汗が、頬のすぐ横を流れた。
  彼の呼吸がまた、口元に近づき、吹きかけられる。

「いゃ…っ……助けて……」

  誰か、誰でもいいから…!
  
  そんな儚い願いを、震える声で小さく絞り出すも、彼の荒い息でかき消されていく。

  ギュッと、目を閉じると、涙が頬を溢れて、流れていった。

 「何してんの」

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