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入れ替わってる!?……いやいや冗談抜きで
8 ☆
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「………へぇ~」
自分の顔がニヤリと妙な笑い方をしたかと思えば、グッと前に出て来た。
っ!?
「あんた、自分が嫌いなんだ?
それとも女の自分が嫌い?」
「……そうだよ、オレは女の自分が嫌いだ!
男だったらよかったのにって、何回も思ったよ」
「へぇー、じゃあさ」
いつの間にか追い詰められて、反対側にあるソファーに引っかかって座った。
更に、上から亜貴が乗って来た。
!?
「な、なんだよ」
「男のお楽しみ、してみる?」
!?!?
「ちょ、なんでズボン……!」
「いやー、自分のことって見るの限界あるし?
ちょっと興味あるっていうか……」
「いや、答えになってないから!
やめ……っ!?」
「ほら、男っぽいっても、見たくは無いんじゃね?
自分の顔でも見て落ち着いてれば?」
そういって、顔を近づける亜貴。
まっすぐ、俺の目を見ている。
「もしくは、好きな人のことでも考えたら?」
「っ!?!?」
途端に頭に武田先輩が浮かんだ。
顔が、熱くなる。
ヤダ!
武田先輩にはこんなとこ、絶対見られたくない。
知られたくない。
「何っ……あっ……ちょ……やめ……あ……!」
「ヤバ、ホモになった気分」
視線を下に移して、色気ある顔でニヤリと笑う。
や、やめろ……
オレの顔で、オレの身体で……!
そんなこと……するなぁあああ!!!
…………
…………………
「はっ、はぁっ、はっ……!」
腕で顔を隠して、呼吸を整える。
顔が熱い。
恥ずい。
「あんま喘ぐなよ。
なんか、自分の声だし、聞いてて恥ずかしい」
「ティッシュティッシュ……」と、亜貴はまた余裕の表情でオレを無視する。
「……ざけんなよ」
「なに?」
「ふざけんなって言ってんだよ!
どんな怨みがあんのか知らねーけど!
人を弄ぶのも大概にしろ!!」
「おーコワッ。
オレの声って案外迫力あんのな。
別に入れたんじゃないんだし、よかったろ?
どうよ、男の初体験は」
「はぁ!?」
こいつ……ホントに思考が腐ってる!!
睨み付けると、亜貴は腕を組んでニヤリと笑った。
「それに、ヤられてる時のあんた、超エロい顔してたぞ?」
………!?
「……ぃだ」
「ん……?」
「大っ嫌いだ!!どっか行っちまえ!!」
最低!ホントありえない!
「入れ替わってるとかもうどうだっていい!
顔も見たく無い!
消えろバカ!エロガキ!バカ!!」
「…………」
ありったけの汚い言葉……っても同じような言葉になってしまったけど。
今頭に浮かんだ全力の言葉を、亜貴にぶつけた。
ポカンとして、亜貴はオレを見ている。
こんだけ叫んで、何にも応えてないのかよ……。
ホント、ムカつく。
チャイムが鳴った。
授業の終わりを告げるチャイムだ。
「……じゃ、俺教室戻るから。
あんたはもう少し休んで行けば?」
「っ………」
そう言って、平然と制服を着始める。
「あんたも、俺の代わりに授業出ろよ?
そんで、放課後になったら、また話聞いてやるよ。じゃあな」
「…………バカヤロー」
扉が閉まったところで、唇を噛み締めたが、堪えきれずに涙が浮かんだ。
ホント、最悪だ。
なんで、こんなヤツと入れ替わったんだよ。
今日は厄日だ。
自分の顔がニヤリと妙な笑い方をしたかと思えば、グッと前に出て来た。
っ!?
「あんた、自分が嫌いなんだ?
それとも女の自分が嫌い?」
「……そうだよ、オレは女の自分が嫌いだ!
男だったらよかったのにって、何回も思ったよ」
「へぇー、じゃあさ」
いつの間にか追い詰められて、反対側にあるソファーに引っかかって座った。
更に、上から亜貴が乗って来た。
!?
「な、なんだよ」
「男のお楽しみ、してみる?」
!?!?
「ちょ、なんでズボン……!」
「いやー、自分のことって見るの限界あるし?
ちょっと興味あるっていうか……」
「いや、答えになってないから!
やめ……っ!?」
「ほら、男っぽいっても、見たくは無いんじゃね?
自分の顔でも見て落ち着いてれば?」
そういって、顔を近づける亜貴。
まっすぐ、俺の目を見ている。
「もしくは、好きな人のことでも考えたら?」
「っ!?!?」
途端に頭に武田先輩が浮かんだ。
顔が、熱くなる。
ヤダ!
武田先輩にはこんなとこ、絶対見られたくない。
知られたくない。
「何っ……あっ……ちょ……やめ……あ……!」
「ヤバ、ホモになった気分」
視線を下に移して、色気ある顔でニヤリと笑う。
や、やめろ……
オレの顔で、オレの身体で……!
そんなこと……するなぁあああ!!!
…………
…………………
「はっ、はぁっ、はっ……!」
腕で顔を隠して、呼吸を整える。
顔が熱い。
恥ずい。
「あんま喘ぐなよ。
なんか、自分の声だし、聞いてて恥ずかしい」
「ティッシュティッシュ……」と、亜貴はまた余裕の表情でオレを無視する。
「……ざけんなよ」
「なに?」
「ふざけんなって言ってんだよ!
どんな怨みがあんのか知らねーけど!
人を弄ぶのも大概にしろ!!」
「おーコワッ。
オレの声って案外迫力あんのな。
別に入れたんじゃないんだし、よかったろ?
どうよ、男の初体験は」
「はぁ!?」
こいつ……ホントに思考が腐ってる!!
睨み付けると、亜貴は腕を組んでニヤリと笑った。
「それに、ヤられてる時のあんた、超エロい顔してたぞ?」
………!?
「……ぃだ」
「ん……?」
「大っ嫌いだ!!どっか行っちまえ!!」
最低!ホントありえない!
「入れ替わってるとかもうどうだっていい!
顔も見たく無い!
消えろバカ!エロガキ!バカ!!」
「…………」
ありったけの汚い言葉……っても同じような言葉になってしまったけど。
今頭に浮かんだ全力の言葉を、亜貴にぶつけた。
ポカンとして、亜貴はオレを見ている。
こんだけ叫んで、何にも応えてないのかよ……。
ホント、ムカつく。
チャイムが鳴った。
授業の終わりを告げるチャイムだ。
「……じゃ、俺教室戻るから。
あんたはもう少し休んで行けば?」
「っ………」
そう言って、平然と制服を着始める。
「あんたも、俺の代わりに授業出ろよ?
そんで、放課後になったら、また話聞いてやるよ。じゃあな」
「…………バカヤロー」
扉が閉まったところで、唇を噛み締めたが、堪えきれずに涙が浮かんだ。
ホント、最悪だ。
なんで、こんなヤツと入れ替わったんだよ。
今日は厄日だ。
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