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2.コトの発端はお決まりの
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始まりは、急遽寿退社することになった先輩を送る会として開かれた、私にとって実質2回目の飲み会だった。
あの日も私はことごとくダメ出しを食らっていて、正直かなり沈んでいた。
「三谷さん、大丈夫?」
「うー……すみません城島さん。
私なんかが城島さんの後を引き継げる訳無いです。
毎日ミスばかりだし杉村部長には怒鳴られてばかりで……」
「うん、かなり酔ってるね」
当然だが、城島さんの抜ける穴を埋めるのは新人でミスばかりの私ではない。
そこは城島さんと同じくベテランの武田さんがしてくれることになっているし、補えるところを私を含む新入社員達で分担することになっただけだ。
それでも私は、城島さんがいなくなることにかなりのショックを感じていた。
城島さんは唯一私を擁護してくれる、いわゆる助け舟だった。
ベテランである上に品があり優しくて、誰もが憧れる理想の女性だった。
もちろんミスに関しては厳しい指摘をするが、それは杉村部長とは違って怒り任せではない。
杉村部長が私にだけ異常にキツく当たるのは別な理由もあるのだろうが……。
とにかく、この日の私は人生2回目の飲酒にしてヤケ酒状態で、完全に狂ってしまっていた。
杉村部長と離れた席なのをいいことに、つい城島さんに愚痴をこぼしてしまっていた。
「城島さんがいなくなったら、私どうやって仕事すればいいんですかぁ……」
「あらあら」
クスッと笑う城島さんに対して、グスンと鼻をすすり、テーブルに突っ伏したところまでは覚えている。
その後は、夢を見た。
夢というか、あれは記憶だったけど。
ただでさえ人気のある杉村部長に、惹かれなかったと言われれば嘘になる。
でも、その幻想から完全に目を覚ますことになったのは、退社後、忘れ物を取りに戻った時だった。
『ん……ふ……』
オフィスのコピー機に寄りかかるように重なる、2つの影。
それは、まさしくその日も私をこっ酷く叱った杉村部長と、もうすぐ結婚するはずの城島さんだったのだ。
あの日も私はことごとくダメ出しを食らっていて、正直かなり沈んでいた。
「三谷さん、大丈夫?」
「うー……すみません城島さん。
私なんかが城島さんの後を引き継げる訳無いです。
毎日ミスばかりだし杉村部長には怒鳴られてばかりで……」
「うん、かなり酔ってるね」
当然だが、城島さんの抜ける穴を埋めるのは新人でミスばかりの私ではない。
そこは城島さんと同じくベテランの武田さんがしてくれることになっているし、補えるところを私を含む新入社員達で分担することになっただけだ。
それでも私は、城島さんがいなくなることにかなりのショックを感じていた。
城島さんは唯一私を擁護してくれる、いわゆる助け舟だった。
ベテランである上に品があり優しくて、誰もが憧れる理想の女性だった。
もちろんミスに関しては厳しい指摘をするが、それは杉村部長とは違って怒り任せではない。
杉村部長が私にだけ異常にキツく当たるのは別な理由もあるのだろうが……。
とにかく、この日の私は人生2回目の飲酒にしてヤケ酒状態で、完全に狂ってしまっていた。
杉村部長と離れた席なのをいいことに、つい城島さんに愚痴をこぼしてしまっていた。
「城島さんがいなくなったら、私どうやって仕事すればいいんですかぁ……」
「あらあら」
クスッと笑う城島さんに対して、グスンと鼻をすすり、テーブルに突っ伏したところまでは覚えている。
その後は、夢を見た。
夢というか、あれは記憶だったけど。
ただでさえ人気のある杉村部長に、惹かれなかったと言われれば嘘になる。
でも、その幻想から完全に目を覚ますことになったのは、退社後、忘れ物を取りに戻った時だった。
『ん……ふ……』
オフィスのコピー機に寄りかかるように重なる、2つの影。
それは、まさしくその日も私をこっ酷く叱った杉村部長と、もうすぐ結婚するはずの城島さんだったのだ。
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