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輝く龍に会いました。
悪女と呼ばれた高校生
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「おはよー!」
「おはよーゆりえー!」
友達同士が挨拶をし合う中、教室の窓際の机で一人で読書をする。
朝7時には学校にいて、勉強したり、こうして読書に耽ったりする。
別に陰気なワケじゃないよ?
友達がいないだけ。
「わ…また本読んでるよ?」
「ホントだ…
そういえば、昨日ミキちゃんの彼氏と一緒にいたよ、あの子」
「えっ!?
またそういう感じ!?」
「そうなんじゃない?
ホント、人の彼氏取るとかサイテー」
クスクス…そうやって笑う女の子たち。
「…ふぅ」
よく言う。
あたしは背をもたれて窓に目を移した。
その彼氏に告白してフラれてたのは誰ですか?
友達の彼氏取ろうとして失敗したのはあなたでしょーに。
あたしだって…好きで告白されてる訳じゃない。
誰が誰と付き合っていようが、あたしには関係ないけど、なんで話したこともほとんどない人にコクられて、サイテーなんて言われなくちゃいけないの?
ちゃんとフッても、毎回悪口言われるこっちの身にもなってよ。
てか、そんな浮気性の彼氏とかロクなやつじゃないよ?
早く別れることをオススメします。
勝手に巻き込まないで。
そんな感じで、あたしの朝は始まる。
「飛鳥ちゃん、あのさ…
初めて見た時から…」
「ごめんパス」
1人廊下を歩きながら、目合わせずに告白をスルーした。
「えっ、ちょっ……」
通り過ぎてくあたしに、彼は手を伸ばそうとしていたが、もうとっくに距離を開けている。
「あ、フラれてやんの!山下!」
「どんまい!
あいつ誰とも付き合わないらしいし、お前には無理無理♪」
「てか、あいつのどこがいいんだよ。
男弄んでるって噂だぜ?」
…誰よ、そんな噂立てるやつ。
ほんの少し後ろを振り返れば、男の子がいつの間にか3人に増えている。
あ、あいつ…
この前コクってきたやつだ。
髪の毛をツンツンに上に立てたそいつは、あたしをバカにしたような顔で笑ってる。
この前は顔を真っ赤にしてコクってきたくせに。
「だ、だよなー!
あの子異常だもんなー!」
なんて、もう既にコクってきた男の子も笑ってる。
ショックを受けてるようには見えない。
そう見えないようにしているのかもだけど。
赤い顔で、たった数秒でフラれた組の仲間入りを果たした。
男って、ホント信じられない。
好きだった人の、悪口を言って、自分を慰める。
あたしは結局、ホントに好きだった人じゃないってこと。
ただの流行、ってこと。
みんなに、遊ばれてるだけ。
あたしは価値のない人間だ。
容姿だって、正直大して可愛くないし、男の子を意識したことないからフェロモンだって、出てるわけない。
ただ物珍しいのか、人はあたしに言い寄ってくる。
そして、それはいい結果を生まない。
気付かないうちに、あたしは孤立した。
誰とも馴れ合おうともしなかったから、当然でもある。
裏で「悪女」と呼ばれるようになったことで、ますます人の注目を浴びるようになった。
そうしていつしか、誰とも関わらない、鑑賞用の鈴堂 飛鳥が出来上がっていった。
「おはよーゆりえー!」
友達同士が挨拶をし合う中、教室の窓際の机で一人で読書をする。
朝7時には学校にいて、勉強したり、こうして読書に耽ったりする。
別に陰気なワケじゃないよ?
友達がいないだけ。
「わ…また本読んでるよ?」
「ホントだ…
そういえば、昨日ミキちゃんの彼氏と一緒にいたよ、あの子」
「えっ!?
またそういう感じ!?」
「そうなんじゃない?
ホント、人の彼氏取るとかサイテー」
クスクス…そうやって笑う女の子たち。
「…ふぅ」
よく言う。
あたしは背をもたれて窓に目を移した。
その彼氏に告白してフラれてたのは誰ですか?
友達の彼氏取ろうとして失敗したのはあなたでしょーに。
あたしだって…好きで告白されてる訳じゃない。
誰が誰と付き合っていようが、あたしには関係ないけど、なんで話したこともほとんどない人にコクられて、サイテーなんて言われなくちゃいけないの?
ちゃんとフッても、毎回悪口言われるこっちの身にもなってよ。
てか、そんな浮気性の彼氏とかロクなやつじゃないよ?
早く別れることをオススメします。
勝手に巻き込まないで。
そんな感じで、あたしの朝は始まる。
「飛鳥ちゃん、あのさ…
初めて見た時から…」
「ごめんパス」
1人廊下を歩きながら、目合わせずに告白をスルーした。
「えっ、ちょっ……」
通り過ぎてくあたしに、彼は手を伸ばそうとしていたが、もうとっくに距離を開けている。
「あ、フラれてやんの!山下!」
「どんまい!
あいつ誰とも付き合わないらしいし、お前には無理無理♪」
「てか、あいつのどこがいいんだよ。
男弄んでるって噂だぜ?」
…誰よ、そんな噂立てるやつ。
ほんの少し後ろを振り返れば、男の子がいつの間にか3人に増えている。
あ、あいつ…
この前コクってきたやつだ。
髪の毛をツンツンに上に立てたそいつは、あたしをバカにしたような顔で笑ってる。
この前は顔を真っ赤にしてコクってきたくせに。
「だ、だよなー!
あの子異常だもんなー!」
なんて、もう既にコクってきた男の子も笑ってる。
ショックを受けてるようには見えない。
そう見えないようにしているのかもだけど。
赤い顔で、たった数秒でフラれた組の仲間入りを果たした。
男って、ホント信じられない。
好きだった人の、悪口を言って、自分を慰める。
あたしは結局、ホントに好きだった人じゃないってこと。
ただの流行、ってこと。
みんなに、遊ばれてるだけ。
あたしは価値のない人間だ。
容姿だって、正直大して可愛くないし、男の子を意識したことないからフェロモンだって、出てるわけない。
ただ物珍しいのか、人はあたしに言い寄ってくる。
そして、それはいい結果を生まない。
気付かないうちに、あたしは孤立した。
誰とも馴れ合おうともしなかったから、当然でもある。
裏で「悪女」と呼ばれるようになったことで、ますます人の注目を浴びるようになった。
そうしていつしか、誰とも関わらない、鑑賞用の鈴堂 飛鳥が出来上がっていった。
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