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昼寝よりも
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――しかし。
昼食後、鬼灯の部屋に戻るかと思いきや、連れて来られたのは屋敷の庭園。六花のいた国では見たことのない煌びやかな植物が生え揃い、それらを眺めて楽しんでいたのも束の間のこと。一角に、木造の小屋が目の前に現れた。
小屋と言っても六花が住まわせてもらっている部屋ほどの広さはあり、床は畳で、草履を脱いで上がれるようになっている。机や押し入れがあるところを見ると、休憩所として使われるようだ。
「いいところですね。空気も澄んでいるし、花の甘い香りがする」
「うん。ここからも庭園を見回せるから、来客をもてなすこともあるよ」
ここで昼寝をするのだろうか、と六花が思った矢先。鬼灯は六花をぎゅっと後ろから抱きしめた。そしてそのまま、優しく畳の上に寝かせたのだ。
「……え?」
六花の顔を覗き込んでいる鬼灯は、目を細め、頬を紅潮させている。昼食前までに見ていた表情と、寸分も違わない。次の瞬間、六花はなぜか、鬼灯に組み伏せられていた。
「鬼灯さん、お昼寝をするのでは……?」
「食べた後すぐに寝ると、太っちゃうから。それに、美鶴に邪魔されてしまったから、続きがしたいんだ」
「つ、続き!?」
あれで終わりではなかった。少しだけ、鬼灯を怖いと思ってしまったあの瞬間を思い出し、六花は肩を揺らす。それに気付いた鬼灯は、六花の頬を撫でて一度深呼吸をした。
「もうさっきみたいに、強引なことはしないから。明日と明後日、触れられない分……今日触れたいんだ」
「鬼灯さん……」
「怖くなったり、嫌だったりしたら、全力で殴っていいよ。だから、お願い」
これで断れるほど、六花は強い心臓の持ち主ではなかった。綺麗な瞳にじっと見つめられて、胸がきゅっとなる。不完全燃焼だったのは六花も同じだ。奥が疼き始める。
六花が頷くと、鬼灯は目を細めた。そのまま六花の帯を緩め、前を開けさせる。裾を暴いて足を露出させると、六花を抱きしめてその胡坐の上へと乗せた。
「わ、わ。重くないですか?」
「全然重くないよ、これくらい」
六花が慣れていないことに微笑を浮かべた鬼灯は、美鶴が再度結ってくれた蝶々結びを惜しげもなく解いた。また美鶴に謝らなければならない、と六花は申し訳なく思いながらも、この先の展開に胸を躍らせる。秘所が濡れていくのを感じた。
鬼灯の手は、六花の太腿を撫で、すぐに中心へと伸びていこうとする。六花は慌ててその手を掴んだ。
「あ、ま……まだ待ってください……」
「どうしたの?」
足を触られただけなのに、もう蜜が滴っている。先程の熱が残っているから仕方ないのかもしれないが、淫乱だと思われたくない。そんな願いが頭を過ったのだ。
だが、鬼灯には分かってしまったらしい。嗅覚か、聴覚かが優れているのか。六花が身じろぎした途端に「あ」と声を上げて、嬉しそうに微笑んだ。
「恥ずかしがらなくていいのに。期待して濡れたんだ?」
「やっ……ごめんなさい」
「謝らなくていいよ。兄貴がそういうの喜ぶから、あんまり兄貴の前で言っちゃだめだからね?」
「……?」
羽琉の話をされても、六花にはよく分からない。気を逸らされた間に、鬼灯は秘所に触れた。水音を立てながら蜜を指に擦りつけ、二本の指をゆっくりと潜らせてくる。
「あっ……ああっ!」
「俺に掴まってて」
やり場が分からず床についていた手を、六花は鬼灯の肩に回した。快感に耐えるようにぎゅっと力を入れても、鬼灯は痛がるどころか笑っている。空いた手で乳房を露わにすると、鬼灯は再びその中心に吸いついた。
「や、転がしちゃ……あんっ」
「ん。ナカが締まった……」
膣壁をほぐしていた指は、奥を求めて徐々に前後する動きを速めていく。それと連動するように、胸の蕾を舐めたり舌で転がされたりすれば――ぐちゃぐちゃと、あり得ないほど大きな音が秘所から聞こえ始めた。六花の快感が高まっている。
「一回、イク? それとも、挿れていい?」
「あっ、んっ、わ、分からないっ……」
「このまま指がいい? それとも、もっと太いのがいい?」
六花の思考はほとんど働かなくなっている。ぼーっとして、鬼灯の言ったことをなんとなく反芻しながら、本能のままに手を伸ばした。
「こっちが……いいです」
「っ! 六花っ……」
六花が鬼灯の硬くなったそれを着物の上から撫でると、鬼灯の頭に獣耳が現れた。彼も強く興奮している証拠だ。
すっかりぐずぐずになった秘所から指が引き抜かれ、鬼灯が懐から薄い包みを取り出す。
「ひぅっ……」
「六花、数秒待って」
彼はもどかしそうにそれを破ると着物をずらして手早く装着し、猛った熱杭を六花にあてがった。
昼食後、鬼灯の部屋に戻るかと思いきや、連れて来られたのは屋敷の庭園。六花のいた国では見たことのない煌びやかな植物が生え揃い、それらを眺めて楽しんでいたのも束の間のこと。一角に、木造の小屋が目の前に現れた。
小屋と言っても六花が住まわせてもらっている部屋ほどの広さはあり、床は畳で、草履を脱いで上がれるようになっている。机や押し入れがあるところを見ると、休憩所として使われるようだ。
「いいところですね。空気も澄んでいるし、花の甘い香りがする」
「うん。ここからも庭園を見回せるから、来客をもてなすこともあるよ」
ここで昼寝をするのだろうか、と六花が思った矢先。鬼灯は六花をぎゅっと後ろから抱きしめた。そしてそのまま、優しく畳の上に寝かせたのだ。
「……え?」
六花の顔を覗き込んでいる鬼灯は、目を細め、頬を紅潮させている。昼食前までに見ていた表情と、寸分も違わない。次の瞬間、六花はなぜか、鬼灯に組み伏せられていた。
「鬼灯さん、お昼寝をするのでは……?」
「食べた後すぐに寝ると、太っちゃうから。それに、美鶴に邪魔されてしまったから、続きがしたいんだ」
「つ、続き!?」
あれで終わりではなかった。少しだけ、鬼灯を怖いと思ってしまったあの瞬間を思い出し、六花は肩を揺らす。それに気付いた鬼灯は、六花の頬を撫でて一度深呼吸をした。
「もうさっきみたいに、強引なことはしないから。明日と明後日、触れられない分……今日触れたいんだ」
「鬼灯さん……」
「怖くなったり、嫌だったりしたら、全力で殴っていいよ。だから、お願い」
これで断れるほど、六花は強い心臓の持ち主ではなかった。綺麗な瞳にじっと見つめられて、胸がきゅっとなる。不完全燃焼だったのは六花も同じだ。奥が疼き始める。
六花が頷くと、鬼灯は目を細めた。そのまま六花の帯を緩め、前を開けさせる。裾を暴いて足を露出させると、六花を抱きしめてその胡坐の上へと乗せた。
「わ、わ。重くないですか?」
「全然重くないよ、これくらい」
六花が慣れていないことに微笑を浮かべた鬼灯は、美鶴が再度結ってくれた蝶々結びを惜しげもなく解いた。また美鶴に謝らなければならない、と六花は申し訳なく思いながらも、この先の展開に胸を躍らせる。秘所が濡れていくのを感じた。
鬼灯の手は、六花の太腿を撫で、すぐに中心へと伸びていこうとする。六花は慌ててその手を掴んだ。
「あ、ま……まだ待ってください……」
「どうしたの?」
足を触られただけなのに、もう蜜が滴っている。先程の熱が残っているから仕方ないのかもしれないが、淫乱だと思われたくない。そんな願いが頭を過ったのだ。
だが、鬼灯には分かってしまったらしい。嗅覚か、聴覚かが優れているのか。六花が身じろぎした途端に「あ」と声を上げて、嬉しそうに微笑んだ。
「恥ずかしがらなくていいのに。期待して濡れたんだ?」
「やっ……ごめんなさい」
「謝らなくていいよ。兄貴がそういうの喜ぶから、あんまり兄貴の前で言っちゃだめだからね?」
「……?」
羽琉の話をされても、六花にはよく分からない。気を逸らされた間に、鬼灯は秘所に触れた。水音を立てながら蜜を指に擦りつけ、二本の指をゆっくりと潜らせてくる。
「あっ……ああっ!」
「俺に掴まってて」
やり場が分からず床についていた手を、六花は鬼灯の肩に回した。快感に耐えるようにぎゅっと力を入れても、鬼灯は痛がるどころか笑っている。空いた手で乳房を露わにすると、鬼灯は再びその中心に吸いついた。
「や、転がしちゃ……あんっ」
「ん。ナカが締まった……」
膣壁をほぐしていた指は、奥を求めて徐々に前後する動きを速めていく。それと連動するように、胸の蕾を舐めたり舌で転がされたりすれば――ぐちゃぐちゃと、あり得ないほど大きな音が秘所から聞こえ始めた。六花の快感が高まっている。
「一回、イク? それとも、挿れていい?」
「あっ、んっ、わ、分からないっ……」
「このまま指がいい? それとも、もっと太いのがいい?」
六花の思考はほとんど働かなくなっている。ぼーっとして、鬼灯の言ったことをなんとなく反芻しながら、本能のままに手を伸ばした。
「こっちが……いいです」
「っ! 六花っ……」
六花が鬼灯の硬くなったそれを着物の上から撫でると、鬼灯の頭に獣耳が現れた。彼も強く興奮している証拠だ。
すっかりぐずぐずになった秘所から指が引き抜かれ、鬼灯が懐から薄い包みを取り出す。
「ひぅっ……」
「六花、数秒待って」
彼はもどかしそうにそれを破ると着物をずらして手早く装着し、猛った熱杭を六花にあてがった。
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