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御曹司の甘い嫉妬

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 互いの吐息をも飲み込んで、噛みつくようなキスを交わしながら、ベッドに倒れ込んだ。スプリングがきしむ音、豪さんが私の顔の横に手をつく気配、鼻孔びこうをくすぐる甘い匂い。それら全てが私の期待を高まらせて、全身の熱が高まっていく。

 豪さんは、そんな私の癖を知り尽くしている。微笑みながら私の首筋にキスを落とすと、太腿や腰を優しく撫でて、パジャマのボタンを外していく。露わになる肌に、ふっと息を吹きかけられた。

「んっ」
「力、抜いて」
「やぁ……わざとっ」
「さすが、分かってるね」

 耳元で囁かれることに、私は弱い。手で味わうかのように肌に触れられ、耳朶みみたぶまれると、それだけで下腹部がうずいた。もっと触って欲しい。めちゃくちゃに追い詰められたってかまわない。

 豪さんの手が胸に到達し、乳房をやわやわと揉まれると同時に、肩の一点がぴりっと痛む。手の動きに集中し過ぎて気付かなかったけれど、豪さんがその部分に口づけていた。今までにないような痛みにびっくりしていると、唇が離れたそこには、赤い痕ができていた。

 初めてつけられた所有印。豪さんが独占欲を表した証拠なのだと思うと、喜んでしまう。

「キスマークだ……」
「あ、ごめん! 仕事の時、困るよね……」

 我に返ったように、豪さんが慌てて痕を撫でたけれど、もちろんそんなことで消えはしない。どうしよう、と焦る豪さんが可愛くて、私は笑ながら首を横に振った。

「大丈夫だよ。服で隠れるから」
「ほんと、ごめん。無意識だった……これから先は気を付ける」
「私にしか見えないところなら、つけていいよ?」
「……え?」

 つけていいよ、じゃなくて、つけてほしいと素直に言えばよかったのに。キスマークの数だけ、豪さんに愛されているような気分になれる――そんなにも強欲なことを考えていた。豪さんはちょっと困ったように笑って、唇に軽くキスをくれた後、愛撫を再開する。

「じゃあ、他の男には絶対に見せないところにつけようか」
「えっ……な、ひゃっ」

 いいことを思いついたとでも言いたげな豪さんが、私の両脚をぐいっと開き、肩に掛けた。そのまま、太腿の際どいところにちゅ、ちゅと吸いついていく。その度に甘い痛みが皮膚に残っていくのに、くすぐったい。

 あと少しずれれば、もっと気持ちいいところに触れられそうだ。誘われるように、腰を動かしてしまった。けれど豪さんは、私が動かないように両脚をがっちりと掴んで固定する。思惑は、全て見透かされていた。

「あっ、やっ」
「これくらいかな」
「や……やめないで」
「もう沢山つけたよ。あとは、どうしてほしいの?」
「う……」

 ベッドに入ってからほんの数分しか経っていないというのに、長い時間焦らされたように感じた。腰を揺らせば、秘所からくちゅっと微かな水音が聞こえてきて、豪さんがにやりと口角を上げる。意地悪なその表情に、羞恥心を駆り立てられた。正直に答えなければ、きっと先に進めないだろう。
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