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困難を乗り越える覚悟

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 豪さんの部屋には、先程来た時よりも、ひんやりとした冷気がたちこめていて肌寒い。照明を点けず、豪さんは迷いなくベッドに直行して、私を抱きしめたまま倒れ込んだ。私はといえば、今からまた触れられるという期待のあまり、すでに肌を火照らせてしまっている。

「寧々」
「豪さん……あったかい……」

 豪さんが私の頬を撫でる。それだけで身体がぴくぴくと反応してしまうくらい、快感を教え込まれてしまった。私も豪さんに手を伸ばすと、大きな手がそれを絡め取る。指と指の間が擦れて、心地いい。

「俺、風呂入ってきたよ」
「え……なに? あっ!」
「さっきの、してくれる?」
「う、うんっ」

 車の中でできなかったことを、ここでしてほしいと豪さんがねだっている。私は身体を起こし、仰向けに寝転ぶ豪さんの膝の上へとまたがった。でも、この後はどう動けばいいのか。

 顔を近付けるにしても、このままだと体勢がキツいし、もっと後ろに下がったら、ベッドを降りなくちゃならない。車の中のように、豪さんが座ってくれたらやりやすいのに。困った私は、動きを止めた。

「えっと……どうしたらいいのかな」
「ははっ」

 豪さんは、私が戸惑っているのを笑いながら観察していた。からかっている。むっとして、豪さんの腕を引っ張って起こそうとしたら、逆に私が引っ張られてしまい、豪さんの上に乗っかった。はにかむ豪さんの顔が、近くにある。

「ちょっと、もう!」
「ごめん。可愛いなあ……ほんと」

 豪さんの熱くなったものが、互いの服越しでお尻に当たる。まだ触っていないのに、豪さんも期待して待っているのだろうか。私は腰を揺らし、それにわざとお尻を擦り寄せながら、ねだった。

「豪さん、教えて……?」
「……っ! 俺が動くから、待って」
「うん」

 豪さんが身体を起こし、ベッドの上に座りながら脚を軽く開いた。これなら、私もベッドから降りなくて済む。

 私は豪さんのズボンを下にずらし、下着の上からそこに触れてみた。既に熱を持っているけれど、まだ硬くなりきってはいない。どうしたら気持ちいいのだろうか。下を向いていると豪さんの顔が見えないから、反応が分からない。

 自分なりに考えて、優しく上下にさすってみることにした。形を確かめるように少しだけ握ってみると、頭上で豪さんの吐息が聞こえた。

「豪さん、どう?」
「ん……くすぐったい」
「えっ。気持ちよくない?」
「いや。寧々に触られてると思うだけで、すごく興奮する」
「ほんと?」
「うん」

 その言葉の通り、何度かさすっていると、それは芯を持って反り返ってきた。ドキドキして、私は唾を飲み込む。思い切って下着を脱がすと、今まで直視を避けてきた生々しいそれが、私の前に現れた。

 いつもこれが私を貫いているのだ。私の下腹部が、勝手に反応して熱くなった。
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