寵愛の檻

枳 雨那

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破瓜の痛み

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 キスの方に意識が向いたせいか、抱きしめられている安心感が勝ったせいか。それとも、私の中が慣れてきたのか。おーちゃんと繋がっているところの感覚が分からなくなってきた。麻痺したのかもしれない。

「んむっ……ごしゅじ、さまっ……」
「胡蝶? どう?」
「だいじょ、ぶ……です……」
「分かった。動くよ?」

 おーちゃんが私の腰を掴み、途中だったそれを、より奥へと進めてきた。お腹の中いっぱいに、熱くて硬いものが埋まっていく。

「あっ……ああっ」
「う……ぁっ、全部、はいったよ……」
「ほんと?」
「うん」

 至近距離にあるおーちゃんの顔が、悦楽に歪む。眉間に皺を寄せ、軽く目を閉じた後に艶っぽい笑みを浮かべた。

 綺麗な顔だ。容姿端麗で成績優秀、儚げな雰囲気が似合うおーちゃんは、たくさんの女の子に好かれるのに、どうして私にこだわるのだろう。

「僕は、胡蝶が欲しい」
「え?」
「『どうして私なの?』って顔をしてたから、答えたよ」
「す、すごい。な、なんでもお見通し……」

 おーちゃんが笑いながら私の頭を撫でた。温かい手のひらに触れられると、心が解かされそうだ。

「ねえ、胡蝶。『ご主人様』と敬語はもういいから、また『朧』って呼んで?」
「……うん。朧」
「はあ……素直で可愛い。絶対に、千里のところにはやらない」

 こうしておーちゃんが見せる独占欲は、今までは怖くてたまらなかった。それが今は、私を求めるが故だからということが分かって、絆されてきているようだ。

 少し、嬉しいと思ってしまうのだから。

「胡蝶、好きだよ」
「んっ……あっ……」

 ゆるゆると、おーちゃんが腰を動かし始めた。私の中がきつく絡みつき、その動きを僅かに阻む。鈍い痛みが私を襲うけれど、おーちゃんも同じように辛そうだ。

「大丈夫? 痛いよね」
「んうっ……だ、いじょぶ……」
「僕のために我慢してくれてるの? 優しいね、胡蝶は」

 そう言って、おーちゃんは私の胸を手でまさぐり、あちこちにキスを落とした。その間に、硬く尖った先端を指で転がし、ぐりぐりと押し潰す。お腹の中が苦しいのに、私は更にそこを締めつけたようだ。おーちゃんが低く呻いた。

「っ……最高だ。なかも、とろとろになってきたよ」
「うそっ……やっ、あっ、あんっ」
「胡蝶も慣れてきたね」

 おーちゃんが乳首に吸い付き、腰を前後に動かしながら弄った。結合部からは蜜が零れ、おーちゃんが抜き挿しすると、ぐちゅぐちゅっと卑猥な音が響く。奥を突かれ、痛みとともに快感が身体を駆け抜けていった。

「ああっ、なんかっ……奥はっ……だめっ」
「変な感じする?」
「うんっ……」
「初めてだし、中でイクのは難しいかな……」

 おーちゃんはじっと私の様子を見ながら、どこが感じるかを試しているようだ。私の反応がいいところだけを見極めつつ、繋がったところのすぐ上、ぷっくりと膨れた芽を指で撫でた。

「ひゃあっ! やんっ……だめぇっ!」
「胡蝶の『だめ』は、『気持ちいい』だもんね?」
「いやっ、おぼろっ」
「うん。感じてくれて嬉しいよ」

 こりこりと芽を刺激され、中をおーちゃんのもので擦られたら、頭の中が靄のかかったように白くなってきた。限界が近い、と自分でも分かる。

「おぼろっ……きちゃっ……イクっ」
「いいよ。僕ので感じて?」

 私が手を伸ばすと、おーちゃんは空いた手でそれを取って指を絡めてくれた。そのまま私を追い詰めるように、動きを激しくしていく。

「ああっ、や、やあぁぁっ!」
「……っ」

 きゅうきゅうにおーちゃんのものを締めつけ、私は全身を痙攣させてすぐ脱力した。薄い膜越しに、おーちゃんが熱い欲を吐き出したのが分かった。
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