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第三章
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その日家に帰ってから自分が何をしていたのか思い出せない。ひたすら気持ち悪くて吐いた。その後寝てしまったりしたのだろう、。夏星から電話やメール某メッセージアプリのトークが大量に送られてきた。ごめんね、大丈夫?帰れた?スマホの画面を見るのも気持ち悪くて電源を切った。もう二度とつけたくない。
真瑞に会いたい。ただひたすらにそう思った。
「まなーまーな」
1階からお母さんが大声で呼んでいる。
なに?と言いながら1階に降りると夏星がいた。
「ほ.たるなんで、?」
「ごめんね。大丈夫?心配できちゃった」
いつもの夏星だった。まぁ昨日も夏星は夏星だった。
私がおかしいだけ、だった。
「上がって」
愛想のひとつもない声で言った。これ以外どうすることも出来ない。お母さんがごゆっくりと笑った。
きっと私と夏星の関係を勘違いしている。
勘違いしていない人などいないのだけれど。
「ほたる、、ほたる、ほた」
あぁ。何でこんなことになっているんだろう。
目を開けると汗をかいた夏星がいる。
まな。いつもの優しいだけの声で私を呼ぶ。
「なんで泣いてるの。俺が嫌なことしたみたいじゃん。」
私の目にキスをして涙を舐める。夏星は私が泣くといつもこれをした。いつもは止まる涙が今日は全然止まらないでむしろエスカレートした。
ほたる、ほたると何回も名前を呼んだ。
「真瑞に…会いたい。」
そういった途端夏星の腕の力が緩んだ。
そして笑顔でこういった
「まだ好きなの?真瑞のこと。」
「わかんないよ。だって真瑞はいないんだもん。生きてないんだよ。もう二度と会えないの」
夏星はらしくない声を上げて笑った。
「誰が死んだって決めたんだよ。生きてるよ。あいつは。」
生きてる?真瑞が?
「ほんとに?」
「うん。会いたい?真瑞に」
会いたい。どうしようもないくらい。
でも声が出なかった。必死に頷いた。
「そっか」
夏星に頭を撫でられる。
「なんで…なんで黙ってたの?
なんで夏星が生きてるって言ってくれなかったの?」
「あいつの意志だよ。警察にも言うなよ、捕まるから。」
意味がわからない。
「どこにいるの?真瑞はどこにいるの?」
「あいつに会いたい?ほんとに?」
「会いたいよ。会いたいに決まってるじゃん。
ずっと会いたかった。」
「会っても幸せにはなれないと思うよ?」
「そんなのなんでもいいよ。
真瑞に会えることが私の幸せなの。」
「わかったよ」
付いてきて。そう言われてきたのは昨日までいた夏星の家のマンションの隣の部屋だった。
部屋に入るとたくさんの機械があった。
奥には人が寝ていた。真瑞、だ。
沢山管がつながれていた。肌は真っ白だった。
生きてるとは思えなかった。
「ま…みず?」
「そうだよ。真瑞だよ。生きてるとは思えないでしょ?でもね生きてるんだよ。」
「そっか。生きてるのかぁ、、やっと、会えた
ずっとずっと会いたかった。」
真瑞に会いたい。ただひたすらにそう思った。
「まなーまーな」
1階からお母さんが大声で呼んでいる。
なに?と言いながら1階に降りると夏星がいた。
「ほ.たるなんで、?」
「ごめんね。大丈夫?心配できちゃった」
いつもの夏星だった。まぁ昨日も夏星は夏星だった。
私がおかしいだけ、だった。
「上がって」
愛想のひとつもない声で言った。これ以外どうすることも出来ない。お母さんがごゆっくりと笑った。
きっと私と夏星の関係を勘違いしている。
勘違いしていない人などいないのだけれど。
「ほたる、、ほたる、ほた」
あぁ。何でこんなことになっているんだろう。
目を開けると汗をかいた夏星がいる。
まな。いつもの優しいだけの声で私を呼ぶ。
「なんで泣いてるの。俺が嫌なことしたみたいじゃん。」
私の目にキスをして涙を舐める。夏星は私が泣くといつもこれをした。いつもは止まる涙が今日は全然止まらないでむしろエスカレートした。
ほたる、ほたると何回も名前を呼んだ。
「真瑞に…会いたい。」
そういった途端夏星の腕の力が緩んだ。
そして笑顔でこういった
「まだ好きなの?真瑞のこと。」
「わかんないよ。だって真瑞はいないんだもん。生きてないんだよ。もう二度と会えないの」
夏星はらしくない声を上げて笑った。
「誰が死んだって決めたんだよ。生きてるよ。あいつは。」
生きてる?真瑞が?
「ほんとに?」
「うん。会いたい?真瑞に」
会いたい。どうしようもないくらい。
でも声が出なかった。必死に頷いた。
「そっか」
夏星に頭を撫でられる。
「なんで…なんで黙ってたの?
なんで夏星が生きてるって言ってくれなかったの?」
「あいつの意志だよ。警察にも言うなよ、捕まるから。」
意味がわからない。
「どこにいるの?真瑞はどこにいるの?」
「あいつに会いたい?ほんとに?」
「会いたいよ。会いたいに決まってるじゃん。
ずっと会いたかった。」
「会っても幸せにはなれないと思うよ?」
「そんなのなんでもいいよ。
真瑞に会えることが私の幸せなの。」
「わかったよ」
付いてきて。そう言われてきたのは昨日までいた夏星の家のマンションの隣の部屋だった。
部屋に入るとたくさんの機械があった。
奥には人が寝ていた。真瑞、だ。
沢山管がつながれていた。肌は真っ白だった。
生きてるとは思えなかった。
「ま…みず?」
「そうだよ。真瑞だよ。生きてるとは思えないでしょ?でもね生きてるんだよ。」
「そっか。生きてるのかぁ、、やっと、会えた
ずっとずっと会いたかった。」
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