62 / 116
11 公子様と隣国
4 親友との再会
しおりを挟む
「私もこんなに早く、リズちゃんに会えるとは思っていなかったよ! 完成まで、秘密にするんじゃなかったんですか?」
リズに抱きついたまま、ミミはアレクシスに視線を向ける。しかしアレクシスが返答するよりも先に、慌てた様子の商会長が声を上げた。
「こらっ……ミミ! まずは公子殿下に、ご挨拶が先だろう!」
「わー! ごめんなさい!」
ミミは慌ててリズから離れると、魔女の帽子を頭から脱ぎ、ほうきを持ちながらの魔女式挨拶をおこなった。
「大変、失礼いたしました! 公子様に、ご挨拶申しげます」
「こんにちは、ミミ。ここでは、気楽に接して構わないって言っただろう」
アレクシスがにこりと微笑むと、ミミは安心したように微笑む。
「この前、公子様が持たせてくれたクッキー、村のみんなでいただきました。とっても美味しかったです!」
「それは良かった。今日も帰りに、お土産を持っていってよ」
「わぁ、嬉しい! ねぇねぇ、リズちゃん。公子様ってとっても優しいね!」
アレクシスはリズの母だけではなく、親友とまで親しくなっていたようだ。
リズにとっては大切な両者が、リズに秘密で会っていたとなると嫉妬心を覚えてしまう。けれど、それがリズを喜ばせるための準備だったなら、気持ちを抑えるしかない。
(最近の私って、嫉妬深くなった気がする……)
魔女の森を出るまでのリズにとって人間関係とは、小説のストーリーが始まったと同時にお別れしなければならない人達ばかりで、リズもそのつもりで接してきた。
けれどアレクシスと出会い、火あぶりや逃亡生活をせずにすむ未来が見えてきたせいか、人付き合いに対しての欲が出てきたようだ。
「うん、アレクシスは優しくて、頼りになるお兄ちゃんなの」
リズがそう答えると、ミミはリズの手を取りながら、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「リズちゃんに、頼れる人ができて良かった。リズちゃんって何でも一人でしようとするから、おばさんと二人で心配していたんだよ」
ミミに指摘されて「そうかな?」とリズは首を傾げる。リズには常に、メルヒオールがいる。『人』ではないが、いつも協力し合ってきた相棒だ。
ただミミの言うとおり、他の魔女に頼ったことは今まで、あまりなかった気がする。小説のストーリーに巻き込まないようにしていたので、仕方ないことだ。
するとアレクシスが「そうだね」と、納得するようにうなずいた。
「リズに頼ってもらうまでには、結構苦労したよ」
アレクシスは、リズが逃げ出そうとした日のことを言っているのだろう。彼はリズに信用してもらうために、わざわざ魔女の森まで来て、リズの母にも丁寧な説明をしてくれたのだ。
今思えば、失礼な態度で拒否しようとしたリズに対して、アレクシスはそれでも手を差し伸べてくれる優しい人だった。もっと早くに気がつくべきだったと、リズは今更ながら反省する。
「あの時は、ごめんなさい……」
「リズが謝る必要はないよ。これからはどんなことがあっても、一番に僕を頼ってくれるよね?」
「うん……。アレクシスに頼りすぎて、自分では何もできない子になりそうで、怖いくらいだよ」
それくらい今のリズは、アレクシスに頼りきりだ。そのせいか、数日の留守番ですら、少し不安に感じているほど。
そんなリズの発言は、アレクシスにとっては満足なものだったようだ。
「聞いたかい? ミミ。僕の妹は、僕無しでは生きて行けないみたいだよ」
「お兄ちゃんの愛が伝わったようで、良かったですね、公子様!」
どうやらリズがいない場面でも、アレクシスの妹愛は炸裂していたようだ。親友にまで知られていることに、リズはとてつもなく恥ずかしくなった。
ミミがこの店へ出入りしている理由は、アレクシスから直々に「店長になってほしい」と頼まれたからだそうだ。表向きリズは、一年後には王太子と婚約して国から出て行く予定なので、リズの親友であるミミにお店を任せることにしたようだ。
リズは好きな時にここへ来て、薬作りや他の魔女達との交流を楽しむだけで良いのだとか。公女としてリズに負担がかからないよう、アレクシスは最大限に配慮してくれたようだ。
夕方までじっくりとお店について話した後、アレクシスはミミも誘ってリズ達を食事へと連れて行った。
ミミにとっては、貴族が利用するレストランは初めてだったようで、大はしゃぎでレストランを堪能していた。
「リズちゃん、どうしよう! これ美味しすぎて、感動が止まらないよ!」
「ふふ。ミミってば、さっきからそればっかり」
ミミは、先ほどから新しい料理が運ばれてくるたびに、感動しているようだ。魔女にとっては、一生食べることが無かったであろう料理ばかり出てくるので、リズも気持ちはわからないでもない。
けれど、リズには前世の記憶があるので、貴族の食事は「久しぶりに美味しいものを食べられた」という意味の感動だった。ミミにとっては、それを遥かに超える感動なのだろう。
「いずれは、自分達でもここへ来られるくらいには、稼げるようにするから、期待していて」
「本当ですか! 私、公子様に一生ついていきます!」
アレクシスがそう言うのなら、魔女達はこれから先、貧困にあえぐ必要はなくなるのだろう。彼はリズだけではなく、魔女全体を救うつもりでいる。公子として国民に優しさを向ける彼の姿は、とても素敵だ。
そんな兄を見つめていたリズは、なぜか心臓が忙しなく動くと思いながら食事を終えた。
アレクシスが持たせたケーキの箱を大切そうに抱えたミミが、ほうきで帰っていくのを見送ったリズ達は、馬車で公宮への帰路についた。
「アレクシス、今日は本当にありがとう。アレクシスがいない間は、ミミと一緒にお店のことを考えていたら、あっという間に過ぎちゃいそう」
「それなら良かった。リズに泣いて引き止められてしまったら、僕はなす術がないから」
「ちょっ……。そんなことしないよ。子供じゃないんだから」
アレクシスにとってリズは、幼い子供として映っているのではないか。リズは時々、そんな疑問すら感じるほどアレクシスは過保護だ。
リズが頬を膨らませて抗議すると、向かい側でローラントが笑いをこらえるように微笑んでいる。
「それにしても、ミミさんは元気で明るいお方でしたね」
「そうでしょう。ミミと一緒にいると、暗い気持ちなんて吹き飛んじゃうんだよ」
「わかります。あのお方を見ていると、些細な悩みなど馬鹿らしく思えてしまいますね」
悩みが多そうなローラントにとっては、ミミのような子はそのように見えるようだ。
リズが「もしかして」と思っていると、アレクシスがニヤリと微笑む。
「ローラントは、ミミが気に入ったようだね。君もいい歳だし、そろそろ結婚でも考えてみたら?」
「お気遣い感謝いたします。ですが俺には、心に決めた女性がおりますので。殿下こそ、国を思うのでしたらそろそろ、政略結婚をお決めになる時期ではございませんか?」
「僕は結婚だけは、自分のためにしようと思っているんだ。愛するあの子以外には考えられないよ」
(わぁ……。二人とも、想い人がいたなんて……!)
小説ではヒロイン以外で、二人に想い人はいなかったはずだ。またも小説とは違う展開を見つけたリズは、嬉しくなって二人に問いかける。
「ねぇねぇ。二人の想い人ってどんな人? よければ、協力するよ!」
二人には日頃からお世話になっているので、今こそ恩返しするチャンス。リズはそう意気込みながら、二人を交互に見つめる。
しかしアレクシスとローラントは、同時に大きなため息をついた。
リズに抱きついたまま、ミミはアレクシスに視線を向ける。しかしアレクシスが返答するよりも先に、慌てた様子の商会長が声を上げた。
「こらっ……ミミ! まずは公子殿下に、ご挨拶が先だろう!」
「わー! ごめんなさい!」
ミミは慌ててリズから離れると、魔女の帽子を頭から脱ぎ、ほうきを持ちながらの魔女式挨拶をおこなった。
「大変、失礼いたしました! 公子様に、ご挨拶申しげます」
「こんにちは、ミミ。ここでは、気楽に接して構わないって言っただろう」
アレクシスがにこりと微笑むと、ミミは安心したように微笑む。
「この前、公子様が持たせてくれたクッキー、村のみんなでいただきました。とっても美味しかったです!」
「それは良かった。今日も帰りに、お土産を持っていってよ」
「わぁ、嬉しい! ねぇねぇ、リズちゃん。公子様ってとっても優しいね!」
アレクシスはリズの母だけではなく、親友とまで親しくなっていたようだ。
リズにとっては大切な両者が、リズに秘密で会っていたとなると嫉妬心を覚えてしまう。けれど、それがリズを喜ばせるための準備だったなら、気持ちを抑えるしかない。
(最近の私って、嫉妬深くなった気がする……)
魔女の森を出るまでのリズにとって人間関係とは、小説のストーリーが始まったと同時にお別れしなければならない人達ばかりで、リズもそのつもりで接してきた。
けれどアレクシスと出会い、火あぶりや逃亡生活をせずにすむ未来が見えてきたせいか、人付き合いに対しての欲が出てきたようだ。
「うん、アレクシスは優しくて、頼りになるお兄ちゃんなの」
リズがそう答えると、ミミはリズの手を取りながら、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「リズちゃんに、頼れる人ができて良かった。リズちゃんって何でも一人でしようとするから、おばさんと二人で心配していたんだよ」
ミミに指摘されて「そうかな?」とリズは首を傾げる。リズには常に、メルヒオールがいる。『人』ではないが、いつも協力し合ってきた相棒だ。
ただミミの言うとおり、他の魔女に頼ったことは今まで、あまりなかった気がする。小説のストーリーに巻き込まないようにしていたので、仕方ないことだ。
するとアレクシスが「そうだね」と、納得するようにうなずいた。
「リズに頼ってもらうまでには、結構苦労したよ」
アレクシスは、リズが逃げ出そうとした日のことを言っているのだろう。彼はリズに信用してもらうために、わざわざ魔女の森まで来て、リズの母にも丁寧な説明をしてくれたのだ。
今思えば、失礼な態度で拒否しようとしたリズに対して、アレクシスはそれでも手を差し伸べてくれる優しい人だった。もっと早くに気がつくべきだったと、リズは今更ながら反省する。
「あの時は、ごめんなさい……」
「リズが謝る必要はないよ。これからはどんなことがあっても、一番に僕を頼ってくれるよね?」
「うん……。アレクシスに頼りすぎて、自分では何もできない子になりそうで、怖いくらいだよ」
それくらい今のリズは、アレクシスに頼りきりだ。そのせいか、数日の留守番ですら、少し不安に感じているほど。
そんなリズの発言は、アレクシスにとっては満足なものだったようだ。
「聞いたかい? ミミ。僕の妹は、僕無しでは生きて行けないみたいだよ」
「お兄ちゃんの愛が伝わったようで、良かったですね、公子様!」
どうやらリズがいない場面でも、アレクシスの妹愛は炸裂していたようだ。親友にまで知られていることに、リズはとてつもなく恥ずかしくなった。
ミミがこの店へ出入りしている理由は、アレクシスから直々に「店長になってほしい」と頼まれたからだそうだ。表向きリズは、一年後には王太子と婚約して国から出て行く予定なので、リズの親友であるミミにお店を任せることにしたようだ。
リズは好きな時にここへ来て、薬作りや他の魔女達との交流を楽しむだけで良いのだとか。公女としてリズに負担がかからないよう、アレクシスは最大限に配慮してくれたようだ。
夕方までじっくりとお店について話した後、アレクシスはミミも誘ってリズ達を食事へと連れて行った。
ミミにとっては、貴族が利用するレストランは初めてだったようで、大はしゃぎでレストランを堪能していた。
「リズちゃん、どうしよう! これ美味しすぎて、感動が止まらないよ!」
「ふふ。ミミってば、さっきからそればっかり」
ミミは、先ほどから新しい料理が運ばれてくるたびに、感動しているようだ。魔女にとっては、一生食べることが無かったであろう料理ばかり出てくるので、リズも気持ちはわからないでもない。
けれど、リズには前世の記憶があるので、貴族の食事は「久しぶりに美味しいものを食べられた」という意味の感動だった。ミミにとっては、それを遥かに超える感動なのだろう。
「いずれは、自分達でもここへ来られるくらいには、稼げるようにするから、期待していて」
「本当ですか! 私、公子様に一生ついていきます!」
アレクシスがそう言うのなら、魔女達はこれから先、貧困にあえぐ必要はなくなるのだろう。彼はリズだけではなく、魔女全体を救うつもりでいる。公子として国民に優しさを向ける彼の姿は、とても素敵だ。
そんな兄を見つめていたリズは、なぜか心臓が忙しなく動くと思いながら食事を終えた。
アレクシスが持たせたケーキの箱を大切そうに抱えたミミが、ほうきで帰っていくのを見送ったリズ達は、馬車で公宮への帰路についた。
「アレクシス、今日は本当にありがとう。アレクシスがいない間は、ミミと一緒にお店のことを考えていたら、あっという間に過ぎちゃいそう」
「それなら良かった。リズに泣いて引き止められてしまったら、僕はなす術がないから」
「ちょっ……。そんなことしないよ。子供じゃないんだから」
アレクシスにとってリズは、幼い子供として映っているのではないか。リズは時々、そんな疑問すら感じるほどアレクシスは過保護だ。
リズが頬を膨らませて抗議すると、向かい側でローラントが笑いをこらえるように微笑んでいる。
「それにしても、ミミさんは元気で明るいお方でしたね」
「そうでしょう。ミミと一緒にいると、暗い気持ちなんて吹き飛んじゃうんだよ」
「わかります。あのお方を見ていると、些細な悩みなど馬鹿らしく思えてしまいますね」
悩みが多そうなローラントにとっては、ミミのような子はそのように見えるようだ。
リズが「もしかして」と思っていると、アレクシスがニヤリと微笑む。
「ローラントは、ミミが気に入ったようだね。君もいい歳だし、そろそろ結婚でも考えてみたら?」
「お気遣い感謝いたします。ですが俺には、心に決めた女性がおりますので。殿下こそ、国を思うのでしたらそろそろ、政略結婚をお決めになる時期ではございませんか?」
「僕は結婚だけは、自分のためにしようと思っているんだ。愛するあの子以外には考えられないよ」
(わぁ……。二人とも、想い人がいたなんて……!)
小説ではヒロイン以外で、二人に想い人はいなかったはずだ。またも小説とは違う展開を見つけたリズは、嬉しくなって二人に問いかける。
「ねぇねぇ。二人の想い人ってどんな人? よければ、協力するよ!」
二人には日頃からお世話になっているので、今こそ恩返しするチャンス。リズはそう意気込みながら、二人を交互に見つめる。
しかしアレクシスとローラントは、同時に大きなため息をついた。
10
お気に入りに追加
486
あなたにおすすめの小説
愛されたくて悪役令嬢になりました ~前世も今もあなただけです~
miyoko
恋愛
前世で大地震に巻き込まれて、本当はおじいちゃんと一緒に天国へ行くはずだった真理。そこに天国でお仕事中?という色々と規格外の真理のおばあちゃんが現れて、真理は、おばあちゃんから素敵な恋をしてねとチャンスをもらうことに。その場所がなんと、両親が作った乙女ゲームの世界!そこには真理の大好きなアーサー様がいるのだけど、モブキャラのアーサー様の情報は少なくて、いつも悪役令嬢のそばにいるってことしか分からない。そこであえて悪役令嬢に転生することにした真理ことマリーは、十五年間そのことをすっかり忘れて悪役令嬢まっしぐら?前世では体が不自由だったせいか……健康な体を手に入れたマリー(真理)はカエルを捕まえたり、令嬢らしからぬ一面もあって……。明日はデビュタントなのに……。いい加減、思い出しなさい!しびれを切らしたおばあちゃんが・思い出させてくれたけど、間に合うのかしら……。
※初めての作品です。設定ゆるく、誤字脱字もあると思います。気にいっていただけたらポチッと投票頂けると嬉しいですm(_ _)m

モブはモブらしく生きたいのですっ!
このの
恋愛
公爵令嬢のローゼリアはある日前世の記憶を思い出す
そして自分は友人が好きだった乙女ゲームのたった一文しか出てこないモブだと知る!
「私は死にたくない!そして、ヒロインちゃんの恋愛を影から見ていたい!」
死亡フラグを無事折って、身分、容姿を隠し、学園に行こう!
そんなモブライフをするはずが…?
「あれ?攻略対象者の皆様、ナゼ私の所に?」
ご都合主義です。初めての投稿なので、修正バンバンします!
感想めっちゃ募集中です!
他の作品も是非見てね!

ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

【完結済】平凡令嬢はぼんやり令息の世話をしたくない
天知 カナイ
恋愛
【完結済 全24話】ヘイデン侯爵の嫡男ロレアントは容姿端麗、頭脳明晰、魔法力に満ちた超優良物件だ。周りの貴族子女はこぞって彼に近づきたがる。だが、ロレアントの傍でいつも世話を焼いているのは、見た目も地味でとりたてて特長もないリオ―チェだ。ロレアントは全てにおいて秀でているが、少し生活能力が薄く、いつもぼんやりとしている。国都にあるタウンハウスが隣だった縁で幼馴染として育ったのだが、ロレアントの母が亡くなる時「ロレンはぼんやりしているから、リオが面倒見てあげてね」と頼んだので、律義にリオ―チェはそれを守り何くれとなくロレアントの世話をしていた。
だが、それが気にくわない人々はたくさんいて様々にリオ―チェに対し嫌がらせをしてくる。だんだんそれに疲れてきたリオーチェは‥。

【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない
櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。
手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。
大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。
成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで?
歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった!
出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。
騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる?
5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。
ハッピーエンドです。
完結しています。
小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる