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誰かの熱が欲しかった
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「暁宏に抱かれることを想像しながら、自分のをさわってたのかな」
「……はい」
秀一郎は動きを止める。朔哉を抱きしめ、くちづけをした。
「ふ、う……ん、んっ、ん……」
「……ん。朔哉くん。きみは本当に抵抗しないね。暁宏に抱かれたいのに、俺が相手でいいのかな?」
「はい、わたくしは西川家の執事です。……求められれば足を開くのが、生まれながらのしきたりです。秀一郎さま。わたくしたちは初めて抱かれるときに交わす言葉がございます」
秀一郎の頬に両手を添え、唇を重ねた。
唇で秀一郎の唇を挟んでから、ゆっくりと舌を入れる。できるだけ、丁寧に動かした。
「……この日が来るのをお待ちしておりました」
「朔哉くん……いくら掟とはいえ、そこまで言っちゃだめだ。本気にしちゃうから」
触れ合うだけのキスを交わしてから、秀一郎は朔哉の髪を梳いた。
「雪弥さんの忘れ形見がいると知ったから、もう俺は戻れない。きみの初めてが欲しくてたまらない……許してくれ」
朔哉は何も言わず、力強く秀一郎を抱きしめた。
それが答えだった。
朔哉は腰を浮かせて、カマーバンドを外した。パンツのホックを外したら、秀一郎が掴んで引き下ろした。靴も脱がせて、ソックスと共にすべてベッドの下に落とす。
秀一郎が朔哉のスペンサージャケットとシャツを脱がせた。はだけていたバスローブを脱ぐ。
ふたりは下着越しに抱き合った。上半身は素肌で触れ合う。
朔哉は息を吐いた。温もりに包まれていると、このまま眠りたくなる。いまは亡き父や母の肌も、こんなに温かったのだろうか。
朔哉は秀一郎の腕のなかでおとなしくなった。秀一郎は朔哉の頭をゆっくりと撫でる。
「朔哉くん、まだ寝ないでね。もう少し俺のしたいこと、させて。ね?」
「はい」
秀一郎の手が、朔哉の下着にふれた。焦らすような秀一郎の動きにも感じてしまう。
「……あ、う、ん――ん……」
中の形を浮き上がらせるように、人差し指、中指、薬指を動かしていく。
朔哉の素直なそこは、ゆるやかな動きにもはっきりと反応を示した。
徐々に硬くなる様を、秀一郎は観察するように見つめている。羞恥に身を捩りたくなるが、秀一郎は朔哉の腰をしっかり掴んでいた。
「いい?」
「はい……え? いや、待って……ん、あ、ああ」
下着越しに、秀一郎が朔哉のそこを食む。下着を脱がせてもいいのかという問いかけだと思っていたのに。
下腹部に秀一郎の息がかかる。熱を感じる。
「あ、ん……ん、あつ、い……」
直に咥えられているように思えてきて、朔哉は淫らな声を放った。逃れようと腰を動かしているのに、秀一郎の顔に下半身を押しつけてしまう。
「ん、いや……あ」
秀一郎は唇で朔哉の形を味わっている。
「ねえ、朔哉くん。なにかつけてる? ここ、いい香りがする」
「は、はい……こういう夜は、躯を清めたあとに……」
「雪弥さんのとは違うね。もっと甘い」
「ええ……香りは、執事ごとに異なります。外見や体臭に合わせて調合されたものです……。ん……あ! しゅ、う、いちろ……う、さま……! それは……」
秀一郎は大きく口を開けて、朔哉のものを含んだ。下着越しとはいえ、匂いを嗅がれて躯が火照ってくる。
「ああ……少しずつ汗が混じってきた。もっと弄れば、男臭く匂ってくるだろうな……朔哉くんの本当の匂いだ……」
秀一郎が朔哉の下着に手をかけた。
もっとも恥ずかしいところを他人に見られる……朔哉はきつく目を閉じた。
「朔哉くんはちゃんと男の子だね。元気になってる」
「……うっ、あ……あ、ん、ん」
「んー、声は感じてるけど……緊張してる?」
朔哉は片手でシーツを掴んだまま、頷いた。朔哉のそこは秀一郎の手によって硬く育っていくが、完全には勃ちあがらない。
自分の喘ぎ声が信じられないほど、甘い。
秀一郎の胸板に反対の手を添えた。秀一郎の肌も汗ばんでいる。
「朔哉くん。ねえ、目を開けて?」
「ん、はい……あ、ああ……」
目が合うと、秀一郎は自らの唇を舐めている。その顔は、眺めていると震えが来るほど、色気があった。
「やっぱり。見つめられて弄られた方が気持ちいいよね?」
「ああ、はい。ん……く、う……」
跳ねる腰を秀一郎に押さえつけらる。
質量が増していく朔哉の部分を秀一郎は丹念に攻めていく。
「ここは俺が触ってるから、朔哉くんは両手で自分の胸を弄ってごらん」
「はい。ん! あ、ん……あ、あ……」
教えられるまま、胸の突起にふれた。
「あ……ん、ああ!」
腰と背筋に痺れるような刺激が走る。耐えられなくて、背が反り返る。腿を閉じようとした。
「あ……申し訳ありません!」
悶えて、秀一郎の顔を太腿で挟んでしまった。慌てて、朔哉は両足を開いた。
「そそるなあ。その仕草……」
「秀一郎さま……お願いですから、もう……」
「一回イかせたかったんだけど……ちょっと待ってね、朔哉くん」
秀一郎は自らの指を舐めた。朔哉の片脚を自分の肩に乗せる。
「い、いた……く、うう……」
朔哉の窄まりに秀一郎の指が入っていく。
周りを撫でていたかと思うと、すぐに指が増やされ中へと進んでいく。
「う、ん、ん……」
「ああ……ごめん、ちょっと余裕なくなってきた……」
「ん……だ、大丈夫です。男ですから……乱暴に抱かれても、壊れません」
「朔哉くんって煽るの上手いよね。悪い。もっと優しくしたいのに……」
「秀一郎さま。秀一郎さまは、とても優しいですよ」
息を弾ませながら、朔哉は秀一郎の背中に腕を回した。
「思うままに……僕を抱いて。僕は人形じゃない。誰かの熱がずっと欲しかった……」
自然と自らのことを、『僕』と呼んでいた。
「初めてなのに……こんなに大切にされて、僕は嬉しいです。ありがとうございます。だから……お願いします。秀一郎さま」
秀一郎が朔哉の腰を抱え直した。下着をくつろげると、充分に硬くなった己を朔哉の窄まりに充てがう。
「あ、あ……」
「さ、さく、やくん……力を、抜いて……」
「はい……あ、ん……うっ、んん……あ、ああ」
朔哉は、自分の躯が徐々に秀一郎を受け入れる様子を眺めた。赤く色づいた朔哉のそこが、褐色の昂りを咥え込んでいく。
秀一郎は朔哉の反応を見ながら、朔哉の中に押し入ってくる。
「ああ……はあ、ああ……」
すべてが入る頃には、朔哉は喘ぎながら脱力していた。両腕が秀一郎の背中から滑り落ちる。
充溢感ある秀一郎のものが躯に埋め込まれて、腰が重い。苦しくて、軽い目眩までした。
「はあ……いいよ、朔哉くんのなか。熱くて……くっ、ん、んーー」
「……はい」
秀一郎は動きを止める。朔哉を抱きしめ、くちづけをした。
「ふ、う……ん、んっ、ん……」
「……ん。朔哉くん。きみは本当に抵抗しないね。暁宏に抱かれたいのに、俺が相手でいいのかな?」
「はい、わたくしは西川家の執事です。……求められれば足を開くのが、生まれながらのしきたりです。秀一郎さま。わたくしたちは初めて抱かれるときに交わす言葉がございます」
秀一郎の頬に両手を添え、唇を重ねた。
唇で秀一郎の唇を挟んでから、ゆっくりと舌を入れる。できるだけ、丁寧に動かした。
「……この日が来るのをお待ちしておりました」
「朔哉くん……いくら掟とはいえ、そこまで言っちゃだめだ。本気にしちゃうから」
触れ合うだけのキスを交わしてから、秀一郎は朔哉の髪を梳いた。
「雪弥さんの忘れ形見がいると知ったから、もう俺は戻れない。きみの初めてが欲しくてたまらない……許してくれ」
朔哉は何も言わず、力強く秀一郎を抱きしめた。
それが答えだった。
朔哉は腰を浮かせて、カマーバンドを外した。パンツのホックを外したら、秀一郎が掴んで引き下ろした。靴も脱がせて、ソックスと共にすべてベッドの下に落とす。
秀一郎が朔哉のスペンサージャケットとシャツを脱がせた。はだけていたバスローブを脱ぐ。
ふたりは下着越しに抱き合った。上半身は素肌で触れ合う。
朔哉は息を吐いた。温もりに包まれていると、このまま眠りたくなる。いまは亡き父や母の肌も、こんなに温かったのだろうか。
朔哉は秀一郎の腕のなかでおとなしくなった。秀一郎は朔哉の頭をゆっくりと撫でる。
「朔哉くん、まだ寝ないでね。もう少し俺のしたいこと、させて。ね?」
「はい」
秀一郎の手が、朔哉の下着にふれた。焦らすような秀一郎の動きにも感じてしまう。
「……あ、う、ん――ん……」
中の形を浮き上がらせるように、人差し指、中指、薬指を動かしていく。
朔哉の素直なそこは、ゆるやかな動きにもはっきりと反応を示した。
徐々に硬くなる様を、秀一郎は観察するように見つめている。羞恥に身を捩りたくなるが、秀一郎は朔哉の腰をしっかり掴んでいた。
「いい?」
「はい……え? いや、待って……ん、あ、ああ」
下着越しに、秀一郎が朔哉のそこを食む。下着を脱がせてもいいのかという問いかけだと思っていたのに。
下腹部に秀一郎の息がかかる。熱を感じる。
「あ、ん……ん、あつ、い……」
直に咥えられているように思えてきて、朔哉は淫らな声を放った。逃れようと腰を動かしているのに、秀一郎の顔に下半身を押しつけてしまう。
「ん、いや……あ」
秀一郎は唇で朔哉の形を味わっている。
「ねえ、朔哉くん。なにかつけてる? ここ、いい香りがする」
「は、はい……こういう夜は、躯を清めたあとに……」
「雪弥さんのとは違うね。もっと甘い」
「ええ……香りは、執事ごとに異なります。外見や体臭に合わせて調合されたものです……。ん……あ! しゅ、う、いちろ……う、さま……! それは……」
秀一郎は大きく口を開けて、朔哉のものを含んだ。下着越しとはいえ、匂いを嗅がれて躯が火照ってくる。
「ああ……少しずつ汗が混じってきた。もっと弄れば、男臭く匂ってくるだろうな……朔哉くんの本当の匂いだ……」
秀一郎が朔哉の下着に手をかけた。
もっとも恥ずかしいところを他人に見られる……朔哉はきつく目を閉じた。
「朔哉くんはちゃんと男の子だね。元気になってる」
「……うっ、あ……あ、ん、ん」
「んー、声は感じてるけど……緊張してる?」
朔哉は片手でシーツを掴んだまま、頷いた。朔哉のそこは秀一郎の手によって硬く育っていくが、完全には勃ちあがらない。
自分の喘ぎ声が信じられないほど、甘い。
秀一郎の胸板に反対の手を添えた。秀一郎の肌も汗ばんでいる。
「朔哉くん。ねえ、目を開けて?」
「ん、はい……あ、ああ……」
目が合うと、秀一郎は自らの唇を舐めている。その顔は、眺めていると震えが来るほど、色気があった。
「やっぱり。見つめられて弄られた方が気持ちいいよね?」
「ああ、はい。ん……く、う……」
跳ねる腰を秀一郎に押さえつけらる。
質量が増していく朔哉の部分を秀一郎は丹念に攻めていく。
「ここは俺が触ってるから、朔哉くんは両手で自分の胸を弄ってごらん」
「はい。ん! あ、ん……あ、あ……」
教えられるまま、胸の突起にふれた。
「あ……ん、ああ!」
腰と背筋に痺れるような刺激が走る。耐えられなくて、背が反り返る。腿を閉じようとした。
「あ……申し訳ありません!」
悶えて、秀一郎の顔を太腿で挟んでしまった。慌てて、朔哉は両足を開いた。
「そそるなあ。その仕草……」
「秀一郎さま……お願いですから、もう……」
「一回イかせたかったんだけど……ちょっと待ってね、朔哉くん」
秀一郎は自らの指を舐めた。朔哉の片脚を自分の肩に乗せる。
「い、いた……く、うう……」
朔哉の窄まりに秀一郎の指が入っていく。
周りを撫でていたかと思うと、すぐに指が増やされ中へと進んでいく。
「う、ん、ん……」
「ああ……ごめん、ちょっと余裕なくなってきた……」
「ん……だ、大丈夫です。男ですから……乱暴に抱かれても、壊れません」
「朔哉くんって煽るの上手いよね。悪い。もっと優しくしたいのに……」
「秀一郎さま。秀一郎さまは、とても優しいですよ」
息を弾ませながら、朔哉は秀一郎の背中に腕を回した。
「思うままに……僕を抱いて。僕は人形じゃない。誰かの熱がずっと欲しかった……」
自然と自らのことを、『僕』と呼んでいた。
「初めてなのに……こんなに大切にされて、僕は嬉しいです。ありがとうございます。だから……お願いします。秀一郎さま」
秀一郎が朔哉の腰を抱え直した。下着をくつろげると、充分に硬くなった己を朔哉の窄まりに充てがう。
「あ、あ……」
「さ、さく、やくん……力を、抜いて……」
「はい……あ、ん……うっ、んん……あ、ああ」
朔哉は、自分の躯が徐々に秀一郎を受け入れる様子を眺めた。赤く色づいた朔哉のそこが、褐色の昂りを咥え込んでいく。
秀一郎は朔哉の反応を見ながら、朔哉の中に押し入ってくる。
「ああ……はあ、ああ……」
すべてが入る頃には、朔哉は喘ぎながら脱力していた。両腕が秀一郎の背中から滑り落ちる。
充溢感ある秀一郎のものが躯に埋め込まれて、腰が重い。苦しくて、軽い目眩までした。
「はあ……いいよ、朔哉くんのなか。熱くて……くっ、ん、んーー」
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