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再三再四
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薄暗い照明。
窓の外から差し込む都会の淡光。
夢花はゴムの口を縛るとティッシュに包んで捨てた。そして、横たわる俺の顔を覗き込んできた。
「シャワー浴びる?」
「ごめん夢花…」
「ううん。気にしないで」
欲・即・射――。
俺は初めて泊るラブホテルの雰囲気に酔わされ夢花への即時攻勢で、儚く散っていた。
「夢花?」
「ん?」
「俺なんかで…」
「どういう意味?」
夢花は本当に、本当に、良い子だ。捻くれて、ドス黒い、俺みたいなのとは対称的に。
俺は夢花から視線を逸らす。テーブルに置かれた水色の下着は律儀に佇んでいた。
「俺なんか…」
「もう一回する?」
夢花が隣に寝そべり微笑んだ。まるで沈んでいく俺を救い上げるように、顔を掴まれた。
「俺なんかでいいの?」
「せっかくだから、限界までいってみよ?」
俺の言葉に応えることなく手を取った夢花が、自らの聖地へ雄指を誘う。
気が付けば自然。聖なる秘腔を蓋するように中指が双唇に埋まっていた。
夢花の顔を見つめた。確認が欲しかった。小さく頷き、瞳を閉じる夢花。
俺は優しく優しく、夢花の双唇を擦り出す。
ほんのり絡みつく愛の蜜を大切に大切に、なぞりながら。
「気持ちいいよ」
夢花の腕が俺の首にまわった。
全身で受け取る体温に、俺の鼓動が再び目覚める。
指は秘腔の中に潜り込んでいた。一度掘り下げたその聖道は、湿潤したまま俺を受け入れてくれる。
「どこが気持ちいい?」
「色々動かしてみて」
「……」
「あっ、いまのとこ」
二人で行う共同行為に感じるささやかな幸せ。俺はただ夢花のことを幸せにしたい。
遊んでいた左手は、互いの間をすり抜け夢花の胸に到達する。
硬度の上がっている突起を指で摘まむ。
「…っ。弥人だけズルい」
夢花が上体を離すと、俺の棒へと手を伸ばす。
「ッ…。夢花、出ちゃうって」
「今出したら3回戦確定だからね」
俺の頭は煩悩すらも解き放ち、ただ真っ白に塗り替えられていく。
これは二人の、二人だけの聖戯…。
******
「いいよ。弥人のやりたいようにして」
ベットの上で抱きしめ合う俺と夢花。火照った体を重ね、滑る素肌を撫で合っていた。
「だいすきホールドってのをやってみたいんだけど、いい?」
「うん、どういう感じにしたらいい?」
対面座位――。
最も愛し合ってると思える、究極の奥義。
「ここに乗ってみて」
「分かった」
「挿れられる?」
「あっそういうことね」
腰を浮かす夢花。位置を確かめるため俺の腹部に手を添えると、僅かな胸が寄る。
「夢花ちょっとストップ」
「ん?」
「両手こうしてみて」
「こう?」
俺の臍に向けて伸びる夢花の両手。伸びた腕の合間に集まる柔肉と背伸びする小さな突起。気が付けば、未熟な果実へ手を伸ばしていた。
「かわいい」
「もぅ、くすぐったい」
チロチロと指で突起を掠め撫で。まんざらでもない夢花はされるがままだった。
「すごい勃ってるじゃん」
「もぅ、やだ。恥ずかしいからだめ」
「恥ずかしいの?」
「恥ずかしいよ」
「じゃ、こうしようか」
夢花の両肘を押さえていた俺は、そのまま胸元に飛び込んだ。口の中に咥えこむ。ピクンと一瞬だけ跳ねる夢花。
「にぁっ」
小さな小さなお豆さん――。
将来その母体と同じく、懸命にミルクを生み出すであろう聖地。将来生まれてくる赤ちゃんには悪いが、今は、今だけは俺のものだ。
ジュルチュル……。
「あっ…ぁっ…」
俺は天空に飛び立たんとする夢花を必死で抑えながら舌で続ける。なおも強く、なおも激しく、そして優しく吸った。
夢花の振動と共に、俺は口を離す。糸が弧を描いて落ちた。
「おいしい」
「…もう、弥人…ずるい」
頬を膨らます夢花。攻守交替するかの如く、俺の棒を握ると腰を浮かせた。
「夢花?」
「もう我慢できない。弥人が悪いんだよ?」
「あッ…」
するりと落ちる夢花。滑らかに包まれる俺。先の対戦で感覚が薄れていたとはいえ、確かに感じる夢花の熱。
「どう?」
「気持ちいい」
「ほんと?」
「あぁ、優しくて、いい感じ」
「じゃぁ、ゆっくりやるね」
夢花は俺に腕をまわしてきた。俺も夢花を抱きしめ返す。優しくゆっくり腰をこねる夢花。
背中しか見えないはずなのに、なぜかとても幸せそうだ。夢花の腰遣いに合わせるように俺も動く。共鳴する鼓動。
「夢花…」
「なに?」
「俺、夢花のこと、一生大切にする」
「……」
「夢花のこと、大切にさせて欲しい」
「うん」
気持ちがいいとか、もはやそういう次元ではなかった。俺の心の中に芽生える想いと、夢花のそれとが混ざり合い、物語は残りの1ページ目を捲った。
「…ッイきそう」
「いいよ」
「ッ…はぁ…」
「弥人の…いっぱいちょうだい?」
「…愛してる、夢花ッ」
「私も愛してるよ…弥人」
窓の外から差し込む都会の淡光。
夢花はゴムの口を縛るとティッシュに包んで捨てた。そして、横たわる俺の顔を覗き込んできた。
「シャワー浴びる?」
「ごめん夢花…」
「ううん。気にしないで」
欲・即・射――。
俺は初めて泊るラブホテルの雰囲気に酔わされ夢花への即時攻勢で、儚く散っていた。
「夢花?」
「ん?」
「俺なんかで…」
「どういう意味?」
夢花は本当に、本当に、良い子だ。捻くれて、ドス黒い、俺みたいなのとは対称的に。
俺は夢花から視線を逸らす。テーブルに置かれた水色の下着は律儀に佇んでいた。
「俺なんか…」
「もう一回する?」
夢花が隣に寝そべり微笑んだ。まるで沈んでいく俺を救い上げるように、顔を掴まれた。
「俺なんかでいいの?」
「せっかくだから、限界までいってみよ?」
俺の言葉に応えることなく手を取った夢花が、自らの聖地へ雄指を誘う。
気が付けば自然。聖なる秘腔を蓋するように中指が双唇に埋まっていた。
夢花の顔を見つめた。確認が欲しかった。小さく頷き、瞳を閉じる夢花。
俺は優しく優しく、夢花の双唇を擦り出す。
ほんのり絡みつく愛の蜜を大切に大切に、なぞりながら。
「気持ちいいよ」
夢花の腕が俺の首にまわった。
全身で受け取る体温に、俺の鼓動が再び目覚める。
指は秘腔の中に潜り込んでいた。一度掘り下げたその聖道は、湿潤したまま俺を受け入れてくれる。
「どこが気持ちいい?」
「色々動かしてみて」
「……」
「あっ、いまのとこ」
二人で行う共同行為に感じるささやかな幸せ。俺はただ夢花のことを幸せにしたい。
遊んでいた左手は、互いの間をすり抜け夢花の胸に到達する。
硬度の上がっている突起を指で摘まむ。
「…っ。弥人だけズルい」
夢花が上体を離すと、俺の棒へと手を伸ばす。
「ッ…。夢花、出ちゃうって」
「今出したら3回戦確定だからね」
俺の頭は煩悩すらも解き放ち、ただ真っ白に塗り替えられていく。
これは二人の、二人だけの聖戯…。
******
「いいよ。弥人のやりたいようにして」
ベットの上で抱きしめ合う俺と夢花。火照った体を重ね、滑る素肌を撫で合っていた。
「だいすきホールドってのをやってみたいんだけど、いい?」
「うん、どういう感じにしたらいい?」
対面座位――。
最も愛し合ってると思える、究極の奥義。
「ここに乗ってみて」
「分かった」
「挿れられる?」
「あっそういうことね」
腰を浮かす夢花。位置を確かめるため俺の腹部に手を添えると、僅かな胸が寄る。
「夢花ちょっとストップ」
「ん?」
「両手こうしてみて」
「こう?」
俺の臍に向けて伸びる夢花の両手。伸びた腕の合間に集まる柔肉と背伸びする小さな突起。気が付けば、未熟な果実へ手を伸ばしていた。
「かわいい」
「もぅ、くすぐったい」
チロチロと指で突起を掠め撫で。まんざらでもない夢花はされるがままだった。
「すごい勃ってるじゃん」
「もぅ、やだ。恥ずかしいからだめ」
「恥ずかしいの?」
「恥ずかしいよ」
「じゃ、こうしようか」
夢花の両肘を押さえていた俺は、そのまま胸元に飛び込んだ。口の中に咥えこむ。ピクンと一瞬だけ跳ねる夢花。
「にぁっ」
小さな小さなお豆さん――。
将来その母体と同じく、懸命にミルクを生み出すであろう聖地。将来生まれてくる赤ちゃんには悪いが、今は、今だけは俺のものだ。
ジュルチュル……。
「あっ…ぁっ…」
俺は天空に飛び立たんとする夢花を必死で抑えながら舌で続ける。なおも強く、なおも激しく、そして優しく吸った。
夢花の振動と共に、俺は口を離す。糸が弧を描いて落ちた。
「おいしい」
「…もう、弥人…ずるい」
頬を膨らます夢花。攻守交替するかの如く、俺の棒を握ると腰を浮かせた。
「夢花?」
「もう我慢できない。弥人が悪いんだよ?」
「あッ…」
するりと落ちる夢花。滑らかに包まれる俺。先の対戦で感覚が薄れていたとはいえ、確かに感じる夢花の熱。
「どう?」
「気持ちいい」
「ほんと?」
「あぁ、優しくて、いい感じ」
「じゃぁ、ゆっくりやるね」
夢花は俺に腕をまわしてきた。俺も夢花を抱きしめ返す。優しくゆっくり腰をこねる夢花。
背中しか見えないはずなのに、なぜかとても幸せそうだ。夢花の腰遣いに合わせるように俺も動く。共鳴する鼓動。
「夢花…」
「なに?」
「俺、夢花のこと、一生大切にする」
「……」
「夢花のこと、大切にさせて欲しい」
「うん」
気持ちがいいとか、もはやそういう次元ではなかった。俺の心の中に芽生える想いと、夢花のそれとが混ざり合い、物語は残りの1ページ目を捲った。
「…ッイきそう」
「いいよ」
「ッ…はぁ…」
「弥人の…いっぱいちょうだい?」
「…愛してる、夢花ッ」
「私も愛してるよ…弥人」
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