セラフィムの羽

瀬楽英津子

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〜恋慕 切なく、儚く、そして甘い

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「も……いい加減、しつこい、ってば……」

 首をねじりながら振り向く紀伊田の上気した頬を眺めながら、佐伯は、フェイスラインにかかった茶色い髪を指先で払い、その先にある赤く濡れた唇に顔を近付けた。

「んんんんっ……この馬鹿ッ、ひとの話、聞いてんのかよッ……」

 逃げようとする顔を振り向かせて唇を奪い、切なそうに歪んだ眉間を指先で撫でながら、前髪をすくい上げておでこの方へ優しく押し流す。
 かれこれ三十分以上、こうして、ベッドの上に紀伊田をうつ伏せに押さえつけ、後ろに挿入したまま、突き上げては止める動作を繰り返している。
 しつこくしている自覚はもちろんある。
 背中にぴったりと貼り付き、後ろから羽交締めにして突き上げ、堪えきれなくなったところで動きを止めて昂りを落ち着かせる。
 繰り返される寸止めに紀伊田の後ろの粘膜がビクビクと反応し、ヒダというヒダが佐伯の男根を侵食するかのように纏わりつく。この生煮えの状態がいかに辛いかは、行為の最中いつも悪態をついてばかりいる紀伊田が、珍しく枕に顔を埋めて声を殺して喘いでいる姿からも想像はつく。手負いの獣が息を潜めるように、紀伊田は、逃げ場を失った快楽に一人で悶々と耐えていた。

「こんな真似しやがって……あとでどうなるか覚えとけよ……」

「そりゃ怖いな……」

 紀伊田が息を吐くたび、形良く浮き出た背骨が密着した胸板の間で小さく震える。
 愛しい人と少しでも長く繋がっていたいと思うのは、男ならば当然の欲求だ。しかし今夜の佐伯は、それとは違う、狂おしいほどの欲望に支配されていた。
 紀伊田の様子がおかしいことは、松岡のマンションを出る前から気付いていた。
 紀伊田は佐伯より五つ歳上の三十一歳。年齢的には充分大人だが、歳のわりに無邪気で心が柔らかく、ヤクザ上がりとは思えないほど擦れていない。
 ようするに、素直。
 反抗しない、従順、という意味ではなく、心が真っ直ぐで嘘が無い。誰に対しても裏表なく明るく朗らかで、人目を引く上品な外見と好奇心旺盛な物怖じしない態度で、どんな相手にも堂々と立ち振る舞う。周りは紀伊田を、お調子者だの、八方美人だのと噂したが、それでも誰一人として紀伊田を嫌ったり利用したりしないのは、おそらく、紀伊田の持って生まれた人を和ませる雰囲気と、必要以上に他人に干渉しない絶妙な距離感だろう。
 干渉しないという事は、他人に自分の意見を押し付けないという事だ。紀伊田は、相手の考えを否定もしなければ、相手を自分の意見に従わせようともしない。ただ、相手を認め、側にいる。その、ともすれば空気に溶け込んでしまうような自然な振る舞いは、一緒にいる者の気持ちを和ませ、心を解きほぐした。
 紀伊田の側はとにかく居心地が良い。紀伊田といると絶対的な安心感に包まれる。いわば癒し。それだけに、佐伯は過敏にならざるを得なかった。
 側にいる心地良さを覚えてしまったら、もう二度と離れることは出来ない。
 紀伊田の外見を好きだった頃はまだ良かった。
 内面を好きになるというのはひどく厄介で、それこそ精神安定剤のように、決められた時間にきっちり摂取しなければ、精神のバランスを崩してしまう。
 佐伯にとって紀伊田は、側にいなければ、たちまち心がどうにかなってしまう、生きていく上で、無くてはならない大切な存在になっていた。
 それが、今、脅かされようとしていた。
 原因は、ハオラン。
 紀伊田の口からその名前を聞かされた時、佐伯は想像以上に動揺している自分に驚いた。
 紀伊田が石破組四代目組長の内藤圭吾を想い続けていることは知っている。紀伊田は、自分の想いが報われないことを知りながら、それでも内藤を好きな気持ちは変えられないと言った。
 佐伯は、それを承知の上で紀伊田の側にいることを選んだ。
 二番目であることも最初から解っていた。
 一番は内藤、二番目が自分。一番になりたい気持ちはもちろんあるが、自分の想いだけではどうにもならないことも解っている。
 だから、二番目で良いと思っていた。
 しかし、三番目でもいいかというとそれは違う。
 相手が内藤だから二番目に甘んじているのであって、他の男の下でも良いというわけではない。他の男に追い越されるなど想像しただけでハラワタが煮えくりかえる。内藤以外の誰かが自分の前に立ちはだかるなど、佐伯にとっては有ってはならないことだった。
 
「イカせて欲しければちゃんとお願いして下さい」
 
 汗ばむうなじに吸い付き、耳の穴に息を吐きかけるように囁いた。
 紀伊田の華奢な肩がビクンと跳ね、弾みで触れた髪が爽やかなシャンプーの残り香を漂わせる。
 髪の匂いも、汗の匂いも、肌の匂いも、溢れる蜜の匂いも、熱い昂りから吐き出される精液の青臭い匂いも、熱い吐息も甘い喘ぎも、紀伊田から吐き出されるものは全て自分が飲み込んでしまいたかった。紀伊田と触れ合うこの至福を、他の男に味わわせる気など佐伯には毛頭無かった。

「ほら、どうしたんです。早くお願いして下さいよ」
 
 紀伊田の太ももの上に座るように上体を起こし、形良く盛り上がったお尻を両手で鷲掴みにして横に開き、繋がった部分を露出させた。
 後ろから獣のように貫かれること自体羞恥に堪えないと、いつも耳の後ろまで真っ赤にして嫌がる紀伊田だったが、さんざん焦らされているせいか、今日はいつもより比較的大人しい。
 それでも、柔らかい双丘を更に広げて持ち上げると、枕の端をギュッと握り締めて憎々しげに背中を震わせた。

「……のヤロウ。ッ……調子に乗りやがって……んぁっ……」

「そんな怒らないで下さいよ。俺が欲しくて堪らないんでしょ? ほら。どうして欲しいかちゃんと言って下さい。」

「あぁっ……」

腰を前に突き出し、粘膜の奥の感じる部分に男根の先端を軽く押し付ける。
 激しく突く方が興奮するのだろうが、中の反応だけで言えば、一定のリズムで優しく押し付けるように当てた方が紀伊田の肉壁はより収縮する。
 下向きに角度を付けてゆっくりと押すと、まるで自ら吸い付き招き入れるように、紀伊田の熱い肉ヒダが佐伯の男根に隙間なく貼り付き奥へと飲み込んだ。

「ほら、いいでしょ? 早く言わないとまたギリギリで止めますよ?」

「やっ、だめっ……」

「何がダメなんです?」

「ぁあっ……だめ、止めんな……ッんぁ……も……う、動いて……早く……」

「しょうがないな。じゃあ、お願いされるのは我慢してあげます。その代わり、俺のこと、好きだ、って言って下さい」

「お前、何言って……あっ……」

「ほら、ちゃんと言って下さいよ。ねぇ、俺のこと好き? 紀伊田さん……」

 身悶え、縮こまった肩甲骨が動揺するかのようにピクリとこわばった。
 紀伊田は直ぐには答えず、横向きに伏せた顔を後ろにねじり、佐伯の方を振り返った。

「ンなこと言えるか、バカ……」

「どうして言えないんですか」

「言わなくたって解んだろ! でなきゃ誰がこんなことするか!」

 黙っていれば良家の御坊ちゃまにしか見えない涼しげな顔をこれ以上無いくらい意地悪そうに歪めて履き捨てると、紀伊田は、再び枕に耳を付け、辛そうに目を閉じた。
 紀伊田の赤らんだ目尻と震える睫毛を眺めながら、佐伯は小さく溜め息をついた。

「それぐらい言ってくれてもいいのに、ケチ……」

 お尻を掴む手を離し、お腹の下に回して膝を立たせながら引っ張り上げ、下半身だけを四つん這いにさせて尻を突き出させた。
 抗う紀伊田を、胴に腕を回してガッチリと抱き抱え、起き上がれないよう、手首を掴んで片腕を後ろ手に押さえ付け、そのまま乗り上げるように体重を掛けて挿入する。
 途端に、紀伊田が、弾かれたようにビクンと頭を起こした。

「やぁっ、あああぁあっ、あっ、ああ」

 紀伊田の身体を知り尽くした佐伯が狙いを見誤ることは無い。感じる場所をピンポイントで突かれ、紀伊田の口から、どうにも耐えられそうにないというような切ない喘ぎが次から次へと溢れ出る。
 表情が見たい気持ちを抑え、胴に回した手を下腹に伸ばしてペニスを握り、強めに扱き上げた。

「ひっ、あっん! さっ、触んなぁあぁんんっ」

 お預けを喰らったせいで敏感になっていた紀伊田のペニスは、佐伯がほんの少し扱き上げただけで、はち切れそうなほど硬く膨れ上がり、先っぽから卑猥な蜜をしたたらせた。

「もうこんなになって……。性格もこれくらい正直ならいいんだけど……」

「バカ……ッあぁ……んっ……」

 先の部分を握り、親指を曲げて先端の溝に当て、溢れる蜜を指先で伸ばすようにチョンチョンとつつく。
 指先が溝に触れるたび紀伊田がブルッと皮膚を波立たせる。
 指の腹を当てたままクルクルと円を描くように擦り回し、同じように腰を回して肉壁を掻き回した。

「あっ! ぃやぁっ! 離せっ! これ、マジでダメっ……あぁぁっ」

「どうして? 気持ち良いでしょ? ねぇ、紀伊田さん。俺とエッチするの好き?」

「バっ……カ……」

「俺のエッチ、好き? 俺のことは? 俺のことも好き?」

「あああぁぁぁっ、やっ、も、むり……あっぁぁンッ」

「言ってよ。俺のこと好き? 俺のことちゃんと好きでいてくれてる?」

 緩んで半開きになった紀伊田の唇が、好き、と動いたように見えた。
 確かめようと、後ろ手にした腕を離して紀伊田の背中に覆い被さり、横向きになった紀伊田の頬に唇を寄せた。

「俺のこと好き? 紀伊田さん」

 今度は、はっきり、「好き」と聞こえた。

「す……き、だから。も……イカせて……」

 目尻に溜まった涙を舌の先ですくい、瞼、耳たぶ、うなじ、と順番に口付け、羽交締めにして背中を反らせながら上体を起こした。
 しなやかにしなる背中に唇を付け、吸い付きながら腰を突き立てる。
 格好をつけている余裕はもう無かった。
 欲望のままに、佐伯は紀伊田を組み伏せ、執拗に腰を押し込み、回し、揺さぶった。
 絶頂を迎えてもなかなか昂りがおさまらず、何度も体位を変えて欲望をぶつけ、最後は紀伊田を膝の上に抱きかかえ、胸の中に掻き抱きながら全てを吐き出した。
 紀伊田がどれほど乱れていたかは言うまでもない。まるで追いすがるように、佐伯の背中に両腕を回してしっかりと抱き付き、紀伊田は、やっている間中ずっと愚図り泣くように喘ぎ続けていた。
 男と寝るのは紀伊田が初めてだったが、紀伊田は、佐伯がそれまで寝たどの女より佐伯を興奮させ、心身を深く満たした。
 身体の相性が良いのは間違いない。
 紀伊田もそれは同じ筈だが、歳上のプライドが邪魔をするのか、素直に認めようとはしなかった。
 佐伯の下で乱れれば乱れるほど、終わった後はいつも妙に不機嫌だった。

「まだ怒ってるんですか?」

 とくに今夜は、紀伊田にしては珍しく、佐伯の身体にキスマークを付けるほど夢中になっていたから尚更だ。自分のつけた印から目を逸らすように、紀伊田は、腕枕をする佐伯に背中を向けて身体をこわばらせていた。

「話しかけんな……」

「そうは言っても、ちゃんと中、綺麗にしないと後で困りますよ?」

「てめーのせいだろうが……」

「だから、俺が綺麗にしてあげよう、って言ってるんじゃないですか……」

 寝返りを打ち、紀伊田の背中に抱き付いて襟足に鼻先をすり寄せた。
 気が強い一方で、実は心根が優しく懐の広い紀伊田は、こうしてしおらしく甘えられるのに弱い。
 それを狙っての行動だったが、紀伊田の機嫌の悪さは佐伯の予想を遥かに上回り、たちまち、「離れろ!」と振り払われてしまった。

「何もしてもらわなくて結構。お前にはもう触られたくない」

「触られたくない、って。そんなオーバーな……」
 
「オーバーじゃない。お前とは当分セックスもしないからそのつもりでいろ」

 聞いた途端、佐伯は、自分でも戸惑うような激しい感情に襲われ息を飲んだ。
 ただの照れ隠しの八つ当たり。
 何度聞かされたか解らない、いつもは軽く流せる紀伊田の言葉がこんなにも胸に刺さるのは、まだ見ぬ相手への激しい嫉妬に他ならない。
 押し殺していた嫉妬という感情が、紀伊田の一言で炎を上げてしまった。燃え上がった炎は、怒りを抱き込み、佐伯の内側をみるみる焼き尽くす。
 泣きたいような、地団駄を踏みたくなるような拗ねた感情に押し上げられ、佐伯は堪らずベッドから飛び起きた。
 
「それはどういう意味です!」

 紀伊田は、いつもとは違う佐伯の反応に面食らったように目を丸めた。

「お前、なにいきなりキレてんの?」

「答えて下さい。俺とはセックスしない、って、じゃあ誰とセックスするつもりなんですか!」

「はぁ?」

「セフレとは別れたって言ってましたよね。他に気になるヤツでもいるんですか! この前言ってたあの若い男ですか!」

 今度は紀伊田が飛び起きた。

「ちょっと待て。何でそんな話になるんだよ!」

「嫌なんですよ!」

 事実関係も確かめず、一方的に決めつけ、怒りをぶつける。
 子供じみているという自覚はもちろんあった。しかし、叫び出したくなるような感情は抑えることが出来なかった。
 背中を丸め、お腹の上に溜まったシーツを拳の中に握り締め、佐伯はギッと奥歯を噛み締めた。

「俺は、そいつが紀伊田さんの周りをチョロチョロするのが嫌なんです! 紀伊田さんは、『俺はおまけだ』って言ったけど、たとえ紀伊田さん狙いじゃ無かったとしても、俺は、紀伊田さんの周りにそいつがいること自体が嫌なんです! そいつが紀伊田の視界の中にいるだなんて、想像しただけで頭に来る!」

「だから、何でそんな話になってんだ。だいたい、そいつがいつ俺の周りをチョロチョロしたんだよ。そいつとはあれきり一度も会ってねーわ!」

「でも、亜也人くんが……」

 瞬間、紀伊田の瞳に鋭い光が走った。

「何で亜也ちゃんが出てくんの? 亜也ちゃんがどうかした?」

 低い声に、警戒するような鋭い視線。今までとは違う紀伊田の反応に、佐伯は、たちまち我に返った。
 警戒というより威嚇。息をも飲み込ませる威圧感に、紀伊田がやはり純粋なカタギではないことを思い知らされる。紀伊田の異変は、熱く滾った佐伯の頭を冷やすには充分だった。
 蛇に睨まれたカエルのように、佐伯はおどおどと口を開いた。

「今日、松岡さんのところで亜也人くんのメールを見て……。そしたら、そいつの名前が表示されたから、それで……」

「亜也ちゃんのメールに? あいつから?」

「ええ。さんずいへんに告げる『浩』に、自然の『然』、それでハオランと読むんです。その漢字が亜也人くんの着信画面に表示されてたんです、だから俺、てっきり亜也人くんがハオランと繋がってて、もちろん紀伊田さんとも交流があるのかと……」

 ハオランという発音に、紀伊田の眉間が険しく歪む。思い悩むように伏せられた瞼が緊張に痙攣し、密度の濃い睫毛を小刻みに瞬かせた。

「交流なんて無いよ。そんなことよりハオランの奴、亜也ちゃんに何の用だ……」

「さすがに文面までは……。でも、亜也人くん嬉しそうだったから、悪い用件では無いでしょう。あまり感情を表さない子があそこまで喜ぶんだから、遊びかデートのお誘いか……」

「デート? 松岡さんがいるのに、そんなわけ無いだろう!」

 ムキになる紀伊田が恨めしく、佐伯はそっぽを向くように紀伊田から視線を外した。

「紀伊田さんは認めたくないでしょうけど、可能性が無いわけじゃないですよ。松岡さんと亜也人くん、親子ほど歳離れてるし、亜也人くんだって同じ年頃の方が話しやすいことだってあります」

「そんなの絶対にダメだ!」

「どうして紀伊田さんがムキになるんです! その、ハオラン、って奴がそんなに好きなんですか?」

 紀伊田の顔がグニャリと曲がり、怒っているのか笑っているのか解らないような形を浮かべて固まった。
 
「まだ、そんなこと言ってんのか。お前、バカじゃないのか?」

 話にならないとばかり溜め息をつくと、紀伊田は、腰に纏わり付いたシーツを剥ぎ取り、ベッドから滑り降りて急ぎ足で扉に向かった。
 佐伯は慌てて後を追った。
 紀伊田は、呼び止める声に振り向きもしないでベッドルームを後にすると、リビングのソファーに放り投げたままになっていたスマホを拾い、操作しながらダイニングテーブルの椅子に座った。
 
「どこに連絡するつもりですか?」

 聞かなくとも、背後から覗き見たスマホの表示画面で既に相手は解っていた。
 紀伊田は、佐伯が今二番目に聞きたくない名前の人物に連絡しようとしていた。
 しかし、指先がコールボタンを押すのを躊躇っていることも解っていた。
 佐伯は、名前を表示させたままその先を進めようとしない紀伊田の憂いを帯びた背中をそっと撫でた。

「紀伊田さん。どうしてこの人に連絡するんですか?」

 紀伊田の身体がビクリと震えるのが背中に当てた手のひらから伝わる。
 紀伊田の動揺を手のひらに受け止めながら、佐伯は、後ろから腕を回して紀伊田の震える肩を抱き、スマホを握りしめたまま固まる手の上に自分の手を重ね包む込むように握りながら耳元で囁いた。

「どうしてなのか俺にわけを教えてください。亜也人くんのところにハオランから連絡があったことを教えたのはこの俺です。俺には知る権利がある」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 こんなにも長い間笑っていられるのだということを、亜也人は、十八歳の春にして初めて知った。

インペリアルガーラホテル、最上階のスイートルーム。
 ディナー時のホテルは、前に来た時とガラリと雰囲気を変え、楽しげな活気に満ち溢れていた。
 ロビーを抜け、カフェラウンジのベーカリーから漂うパンの焼ける香ばしい匂いを嗅ぎながら、エレベーターホールに向かい最上階を目指す。
 花の香りのする廊下を進み、重厚なドアの前に立ちチャイムを鳴らすと、ものの数秒でドアが開き、瞼がくっつきそうなほど目を細めて笑う浩然が現れた。

「やっと来た! 朝からずっと待ってたんだ。ほら、早く中に入れよ」

 通された部屋は、前回来た時と同じ部屋とは思えないほど様変わりしていて、亜也人は、別の部屋に迷い込んだような錯覚に陥った。
 まず、壁一面に、前は無かった大きなスクリーン。十人ぐらい座れそうなソファーセットにはDVDや雑誌が積み置かれ、ローテーブルの上には、食べきれないほどのオードブルとお菓子が所狭しと並べられている。
 程よい空調とリラックス効果のあるネイチャー系のBGM。
 ほのかに香るのはアロマオイルだろうか。部屋の入り口に置かれた加湿器から立ち昇る白い霧が、爽やかな草原の匂いを振りまきながら鼻腔をくすぐる。
 一目見ただけで歓迎されていると解る室内に、亜也人はただ圧倒されていた。
 すぐには実感できず、入り口に棒立ちになったまま、呆けたように部屋を見渡す。
 勧められるままソファーに腰を下ろすと、テーブルに用意されたサンドイッチやお菓子やらを「食べろ、食べろ」と浩然に勧められ、その、こぼれるような笑顔に、亜也人はようやく嬉しさを実感した。
 浩然は、瞳をくるくる動かしながら亜也人にあれこれ世話を焼き、亜也人が笑うと、細長い目を薄い三日月形に曲げ、頬をキュッと高く引き上げて笑った。
 もてなされている自分より、もてなしている浩然の方がよっぽどはしゃいでいるように見える。
 浩然の満面の笑みを見ていると、まるで、お前と一緒にいるのが楽しくて仕方ない、と言われているようで、亜也人は、鼻の奥がツンとくるような嬉しさを覚えた。
 吉祥もこんなふうに楽しそうにしてくれたら。
 ふと思い、ダメだダメだ、思いを振り払う。
 折角の楽しい雰囲気を、自分のちっぽけな感傷で台無しにしたくは無い。
 亜也人は、隣ではしゃぐ浩然のにこやかに上がる目尻を見ながら、山のように差し出された食べ物の中からチョコレートを選んで口の中に放り込んだ。
 
「それ、あんまり甘くなくて旨いだろ? ほらこれも食えよ。なぁ、このDVD見たことある? アニメもあるぜ? あ、そうだ、これこれ。お前、ゲーム好き? 対戦ゲームとかやる?」

 騒がしくせっかちではあるものの、浩然のリズムの良い話し口調とコロコロと変わる表情は、亜也人の心を和ませ、口元がムズムズするような楽しさを引き出した。
 気を抜くと顔がニヤついてしまいそうで、亜也人は、込み上げてくる笑い出したいような気持ちを奥歯で噛み締めた。
 浩然は、ソファーの上のゲームソフトを取っ替え引っ替え手に取りながら、一人で押し問答を繰り広げていた。
 
「なぁ、格闘系とシューティング系どっちが良い? 待てよ、こっちのホラーにすっか。てか、お前、怖いの平気? あー、でも、このRPGも捨てがたいな~」

 正直、ゲームをするより浩然を見ていたほうがよっぽど楽しい。
 知らない間に、亜也人の目は浩然に釘付けになっていた。
 それでも長年染み付いた警戒心は簡単には解けず、テーブルの上のスナックを取ろうとした浩然の手が偶然膝に当たった瞬間、亜也人は反射的に身体を逸らしていた。

「わっ! なに。どした!」

 たかが膝が触れたぐらいで大袈裟に身体を仰け反らせて逃げる亜也人を、浩然は、不思議なものでも見るような目で見詰め、しかし直ぐに宥めるように笑った。

「何もしねぇからそんな怖がんなよ」

 亜也人は、申し訳なさで、泣きたい気持ちになった。

「ごめん。浩然が変なことするとか思ってるわけじゃないんだ……」

 浩然は、

「解ってっから、いちいち謝んな」

 言いながら、スナック菓子の袋を手に取り、亜也人と少し距離を開けた位置に座り直した。

「お前、こんな嫌がってんのに何であんな仕事してんの? 別に、お前がそういう仕事してるからって偏見ないけど、そんな嫌なら辞めちまえばいいじゃんか……」

「そういうわけには行かないよ……」

「借金か……」

 それもあるが、なんとなく辞められないという思いがいつも漠然とあった。
 そもそも『辞めたい』などと言う権利が自分にあるのか。
 望む望まないに関わらず、周りはいつも自分にそれを求める。
 断る選択肢など無いと思っていた。

「仕方ない……」

 いつの間にか、言葉が吐息のように漏れていた。
 聞き取れないほど小さな声だったが、浩然は直ぐに反応した。

「仕方ない、って、何が、仕方ないんだ! 嫌なことさせれて何で黙ってる!」

 亜也人は返答に迷った。浩然は、押し黙る亜也人を咎めるように見、黙っていられないとばかり身を乗り出した。

「お前、嫌なんだろ? 嫌なら断りゃいいじゃねーか」

「ダメだよ。俺一人の問題じゃないんだ」

「どういう意味だ」

 松岡の顔が脳裏をかすめた。
 暗く沈んだ顔だ。
 最後に笑顔を見たのはいつだっただろう。それすらも思い出せないほど、最近の松岡はいつもどこか塞ぎがちで、亜也人が脳裏に思い浮かべる時でさえ重苦しい影を纏っていた。
 これ以上、松岡の顔を曇らせたくは無い。
 松岡は、亜也人に、内藤の手から逃がし自由にしてやりたいと言った。それが自分の一番の願いである、だから言う通りにして欲しい、と言った。
 自由になるのがどういうことなのかはよく解らないが、松岡が望むなら言う通りにしようと亜也人は思った。それが松岡の役に立てる唯一の方法のようにも思えた。
 亜也人は、自分を食い入るように見詰める浩然を、姿勢を正して、真っ直ぐ見つめ返した。

「俺が断ると困る人がいるんだ……」

「親か? まさかお前、親の借金返すために?」

「違うよ。借金は全部俺のせい。だから自分で何とかするしか無いんだ……」

「亜也人……」

「そんな顔しないで。何も永遠に続くわけじゃない。借金さえ返せば……」

 すると、

「いくらなんだ!」

 言い終わらないうちに食い付き気味に言われ、亜也人は目を丸めた。
 浩然は、ひどく焦っているようだった。

「いくらなんだ、って聞いてんだよ! 

 あまりの迫力に、亜也人は、身体を押さえつけられているわけでもないのに身動き出来なくなっていた。
 浩然は、肩を竦める亜也人に構わず更に詰め寄った。

「金を返せばいいんだろ? 俺が返すよ。金ならクソ親父が死ぬほど持ってんだ。どうせ人様に言えないようなことをして稼いだ汚い金だ。少しくらいぶん取ったって構やしねぇ!」

「いきなり何を……」

「俺が返す!」

 亜也人は完全に面食らっていた。
 会ったばかりの人間にどうしてここまでするのかが解らない。
 身体欲しさにお金を積まれたことは何度もある。金をやるから今の男と別れて俺のところへ来いと言われたことも一度や二度ではない。しかし、浩然はそういう男たちとは違う。浩然は亜也人を性的な目で見ていない。それが解っているだけに、亜也人は浩然の行動が不可解だった。
 亜也人の気持ちを知ってか知らずか、浩然は、凛とした目ヂカラのある瞳を、意を決するように鋭く光らせた。

「借金は俺が返すからあんな仕事もう辞めろ。あんな仕事、お前に向いて無い。そんぐらい自分で解んだろ!」

 まるで遠い過去の記憶を思い巡らせるように、浩然は、キツく尖らせた目を何処を見るわけでもなく部屋の一点に向け、思い詰めたように眉を顰めた。

「向いてねぇことするとロクなことになんねーんだよ。母さんも、やりたくないのに嫌々仕事してた。飲めねぇ酒をあんなに飲んだのも、酒で気を紛らわそうとしてたのさ。
 いつもベロンベロンに酔って、ゲェゲェ吐いて……。俺、ガキだったけど、こんなことしてたらいつか母さんが死んじまうような気がして、仕事辞めて、って言ったんだ。
 そしたら母さん、『仕方ない』って泣きそうな声で言ったんだよ。『他に取り柄が無いから』『自分にはこれしか無いから仕方ない』って。もちろん、お前は俺の母さんじゃないし、母さんみたいに死んじまう、ってわけじゃないよ。でも、嫌がってんの知ってて知らん顔すんのは違うだろ。こうして出会ったのも何かの縁だ。なぁ、頼むから何かさせてくれよ。金ならあるんだ。俺の金を使ってくれよ! なぁ、亜也人!」

 浩然の申し出は、亜也人にとっては現実味の無い夢物語のようなものだったが、それでも自分を気遣ってくれる浩然の気持ちは嬉しかった。
 亜也人は、鼻の奥まで込み上げた熱いものをギリギリで堪え、無理に口角を上げて微笑んだ。
 浩然は、亜也人の内面を見透かしたように口を尖らせた。

「言っとくが、ハッタリじゃねぇよ。俺の親父が経済界のドンだって話はしたよな? 俺はそいつの後継者なんだ。
 親父は俺には何も言わねぇ。あいつらは血の繋がりを何より重んじる。俺はあいつの血を引く唯一の人間なんだ。だから俺の機嫌を取るためなら金ぐらいポンと出す。
 この前だって、お前、何も叱られなかっただろ? 俺が騙してすり替わったの知ってるくせに、何事も無かったような顔してるんだ。俺に嫌われるのが怖えぇのさ。
 だから何も心配いらねぇ。借金返せばお前は自由だし、お前の親だって助かんだろ」

 正確には、親、ではなく、恋人。
 確かに借金が無くなれば、内藤の仕事を引き受けなくて済む。もう、他の男に抱かれることも無い。松岡を苦しめることも無い。
 何より、松岡がずっと言っていた、『お前を自由にしてやる』という願いが叶う。
 そうすればまた笑ってくれるだろうか。
 松岡の、苦悩に歪んだ顔を思い浮かべながら、亜也人は、漏れそうになった言葉を飲み込んだ。
 もう松岡の辛そうな顔は見たくない。
 しかし、そのために関係の無い浩然を利用してもいいのだろうか。
 二つの思いがひしめき合い、亜也人の胸を締め付ける。
 返事を求める浩然のすがるような目が、亜也人の気持ちを揺さぶり、思考を麻痺させた。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「こんなものを俺に聞かせてどうするつもりだ……」

 再生を終えたボイスレコーダーの終了画面を見ながら、松岡は、挑むような目で自分を睨む佐伯を睨み返した。

「上手く伝わらないといけないので、聞いてもらった方が早いと思いまして」

「紀伊田は知ってるのか」

「知りません。多分」

「隠し撮りか。お前に隠し撮りされるなんてアイツも調査員失格だな……」

 佐伯から連絡があったのは、日付をとうに過ぎた明け方近くのことだった。
 非常識な時間の突然の電話に、松岡は、紀伊田の身に何か起こったのかと慌てて電話に飛びついた。
 紀伊田が、亜也人の家庭教師の佐伯と半同棲中であることは知っている。
 目立たないようで、実は各方面に多くの隠れファンを持つ紀伊田がトラブルに巻き込まれる可能性は低かったが、佐伯との痴話喧嘩の果てにとんでもない行動に出る可能性は高かった。
 刃傷沙汰にでもなったのかと肝を冷やしたが、佐伯はいたって冷静だった。
 紀伊田さんの様子が気になる。亜也人くんにも多分関係している、と佐伯は言った。

『会ってお話がしたいんです。出来れば二人きりで』

 佐伯のただならぬ雰囲気に、松岡は、必ず時間を取ると約束した。
 外で会うことも考えたが、立っているだけで目立つ松岡は、結構な場所で面が割れている。
 仕方なく、亜也人が仕事に出掛ける日、ホテルへ送った後、亜也人が仕事を終えて車に戻るまでの間を利用して佐伯と会うことにした。
 連絡を受けた三日後、亜也人に仕事の依頼があり、松岡は佐伯に会った。
 客は、前回、亜也人に何もしなかったチャイニーズ。内藤の話しでは、好色家として名を轟かせたのは過去の話しで、最近は、セックスよりも若い麗人との交流を楽しんでいるという。
 だからといって今回も何もされないという保証は無かったが、犯される不安が無いぶん、亜也人の様子も落ち着いていた。
 この様子なら少しくらい抜けても大丈夫だろうと思われた。
 亜也人を見送ると、松岡は、待ち合わせ場所である最寄駅に向かい、佐伯を拾って、ファミリーレストランに移動した。
 駐車場に車を停めると、佐伯は早速切り出した。

『まずはこれを聴いて下さい』

 差し出されたのはボイスレコーダーだった。
 再生ボタンを押すとすぐに聞き覚えのある紀伊田の声が響いた。
 取り敢えず最後まで聴いてから話しをしようと、松岡は黙って音声に耳を澄ませた。
 
「こんなことしたくなかったんですけど、紀伊田さん、何も話してくれないから…… 」

 佐伯は、半ば八つ当たりのように、松岡を睨み付けていた。
 佐伯は、話している言葉は解るものの、内容がさっぱり解らない。亜也人にも関係のある話しなので松岡なら理解出来るかも知れないと助けを求めたようだった。
 痴話喧嘩なら早々に引き上げようと思っていたが、紀伊田の声色から、そういう類いのものでないことは直ぐに解った。

「相手は誰なんだ」

 佐伯は、口の端を不機嫌そうに歪め、投げやりな様子で松岡から視線を逸らした。

「内藤さんです」

 松岡は、そうか、と答えた。

「驚かないんですか?」

 相手が内藤だということは聞かなくても解っていた。
 紀伊田がこんなふうに感情を剥き出しにする相手は内藤以外にあり得ない。
 会話の中に出てきた“フェニックス”という名前も決定的だった。
 紀伊田は、フェニックスがどういう団体で、何をしているか説明しろと内藤に詰め寄ってた。
 フェニックスは、今、内藤が立ち上げようとしている銃の密造事業とは切っても切れない関係にあり、内藤は、そのフェニックスを通じて、実弾と実弾製造に必要なパーツやノウハウを手に入れようとしていた。
 その親玉だと噂されているのが王静(ワンシン)で、亜也人の今夜の客だった。
 二人の会話のやり取りから、紀伊田の電話の相手が内藤であることは間違い無かった。
 しかし、紀伊田がこの件にここまで首を突っ込む理由と、紀伊田の口から出た、“ハオラン”という言葉には全く心当たりが無かった。

「ハオラン、って何なんだ……」

 松岡は知らぬ間に声に出していた。
 視線を感じて目線を上げると、直ぐに佐伯の物言いたげな視線にぶつかった。

「お前、何か知ってるのか?」

 答えを聞くまでもなく、佐伯はゆっくり口を開いた。

「王浩然(ワンハオラン)、上海スターリーグループ会長、王静(ワンシン)の息子です」

「王静(ワンシン)の息子? どうして紀伊田が王静(ワンシン)の息子を知ってるんだ」

「正確には、紀伊田さんともう一人……亜也人くんが知ってます」

「亜也人が?!」

 予想外の返答に動揺する松岡を尻目に、佐伯は、運転席に座る松岡に真っ直ぐ向き直り、意思の強そうな目をキリリと正した。

「ハオランは亜也人くんの友達なんです。連絡を取り合ってるところを見たから間違いありません」

「ちょいと待ってくれ。一体いつの間にそんなことに」

「俺も詳しいことは解りません。ただ、この件で紀伊田さんが妙な動きをしてるのは確かです。本当はこんな告げ口みたいな真似したく無かったんですが、俺、紀伊田さんのことが心配で……。何か変なことに巻き込まれてるんじゃないかと思ったら、いても立ってもいられなくて……」

 佐伯の訴えは、残念ながら、松岡の耳には半分も入っていなかった。
 松岡の頭の中は亜也人で一杯になっていた。
 ワンハオラン。
 王静(ワンシン)の息子。
 亜也人の友達。
 どう考えても繋がらないものが繋がってしまった。
 違和感が得体の知れない恐ろしさとなって全身を駆け巡る。
 焦りを振り払うように、松岡は、ハンドルを切り、アクセルを踏んだ。
 途中で佐伯を降ろし、そこから更にスピードを上げて亜也人のいるホテルへと車を飛ばす。
 心臓がバタバタと騒ぎ、松岡の呼吸と感情を乱した。

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