上 下
7 / 8

神鹿狼奈

しおりを挟む
車に乗り私を連れ私の家から三十分、今は河上君の家のリビングのソファーでゆっくりしている。
「それにしても立派な家だね」
「安藤さんの家と比べたら狭いけどね」
「マンションでこの広さは見たことない」
「そう?」
「安藤様飲み物はいかがですか?」
「ああ、お構いなく」
「これから此処で暮らすんだから遠慮するな」
「そうですよ、安藤様の好みを把握することも私の仕事ですので」
「そうなんだ、じゃあ何にしようかな?」
「大体の物は揃っていますので何なりとお申し付けください。」
「じゃあココアで」
「かしこましりました」
河上君の家はマンションだが二階になってるしリビングはめちゃめちゃ広いしそれにお風呂が露天風呂まである家賃を聞くのが怖いくらいに立派な家だった
「それで、お父さんと何話してこうなった訳?」
「話す前に説明するとサマエルは知ってるか?」
「まあニュースでみる程度には」
「そうか、簡潔に話すと安藤さんの親父さんから聞くには闇サイトでADグループを狙ってる情報が出回っていてその中でも一番狙われてるのが安藤さんを殺すか誘拐するって仕事が最高報酬になってる訳だ」
また私の知らない所で事が運んでるしそれに生きてく上でどんどんスケールが広がってる
「そうなんだ、護衛って事?」
「そういうことだ」
「それでサマエルとどう言う関係があるの?」
「その仕事を主導に動いてるのがサマエルでマラクにも情報が出回っている」
「だからってここまでしなくても」
「サマエルは今世界で起きてる殺しや誘拐事件の四割の事件に関わっていると言われているマラクを含めて世界最高の犯罪集団だ」
「半分近くに関わってるってやばいじゃん」
「実際事件になってないケースもあるから世界で起こっている事件は全てサマエルいやマラクが起こしている」
「マラクってサマエルとは違うんだよね?」
「ああ、サマエルに入れない多くの若者がマラクと呼ばれている、まあ実際マラクからサマエルに昇格するやつもいるけどな。でもそういう若者が世界中にいるということだ」
「なんでそんなことになるの?」
「自分の怒りの捌け口が分からなかったり人を殺すことで自分を保つ奴もいたりそう言う人を殺さないと分からないような快楽に溺れる奴が多い」
「頭おかしいんじゃないの?」
「まあそうだけど一番の理由は神鹿狼奈の影響が大きいな」
「神鹿狼奈?」
「知らないのか?」
「いや、名前程度は知ってるけど」
「神鹿はサマエルのトップだ」
「そうなんだ」
「サマエルの犯罪を考えているのが神鹿だ」
「じゃあその神鹿って人が世界で起きてる事件の半分近くに関わってるって
事?」
「そう言う事になる」
「なんで警察は逮捕しないの?」
「逮捕するにもそれを世間は許さないだろう」
「なんで?」
「仮に逮捕したとしてもマラクが神鹿を解放する為に一斉に暴れだしたりしたら世界は終わる」
「そっか」
「まあそんな連中に命狙われるんだ」
急に河上君が笑い出したので失礼な人だなと思った
「ちょっと笑い事じゃないでしょ」
「こんな状況だからな、笑って生きてかないといかんだろ」
「ココアです」
高坂さんがココアを持って来てくれた
「あ、ありがとうございます」
「すいません、この人こう言う人なんです」
「おい、人を人でなしみたいに言うな」
「事実でしょ?」
「俺は善人には優しく敬意を持って接することができる仏だ」
「そもそも仏様は人じゃないじゃないでしょ」
なんだか意外と楽しそうに暮らせそうだと思えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

【完結】嗤われた王女は婚約破棄を言い渡す

干野ワニ
恋愛
「ニクラス・アールベック侯爵令息。貴方との婚約は、本日をもって破棄します」 応接室で婚約者と向かい合いながら、わたくしは、そう静かに告げました。 もう無理をしてまで、愛を囁いてくれる必要などないのです。 わたくしは、貴方の本音を知ってしまったのですから――。

あなたなんて大嫌い

みおな
恋愛
 私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。  そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。  そうですか。 私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。  私はあなたのお財布ではありません。 あなたなんて大嫌い。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...