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第21話 【世界-内-存在】ならざる者
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――あんた、今どこよ? ああ、もう修道院は出たのね?
管制だった。
エラを乗せた馬は十メートルほど先、急な坂を苦しそうに首を振りながら歩いていた。
これだけ離れていれば弟子に会話は聞かれないだろう。
エラが乗っている馬は修道院から譲ってもらったのだった。
師匠が徒歩なのに弟子が馬に乗っているというのはどうなのかとは思うが、ただでさえ予定から遅れている。
足が遅いうえにすぐに休みたがるエラを歩かせたのではいつ目的地にたどり着けるかわからない。
「ああ、このペースで行けば日暮れまでには国境の関所を抜けられるだろう」
――急ぎなさいよね。まあ、あんたがそこにいてくれて良かった。
「何で?」
――また、修道女たちがお祈りしてるのよ。オーナー様からこっちに回されてきてるんだけど、あんたが絡んでいたらことだなって思ってね。でも、もう修道院にいないんなら大丈夫そうね。安心したー。
あいつら味をしめやがったな。
祈祷すれば何とかなると思ってんじゃねえのか?
まずは自分で何とかしろよ。
自助努力ってやつだよ。
おれは自ら助くる者を助く!
とはいえ、いったい何があったんだろう?
リーダーを失った傭兵団が戻ってくるとも思えないが……
「戻って対処しなければならないこと?」
――ううん。べつに放っておけばいいんじゃないかなあ。わけわかんないこと言ってるだけだから。ウチとしては管理人のあんたが絡んでさえいなきゃオッケー。
「何を願ってんだ、あの人たち?」
――わけわかんないのよ。あのね……女装修道女の魔の手から純朴な村娘の操が守られますようにって。ナニコレ? わかる?
「ナンダロー、ケントーモツカナイナー」
おれは冷や汗を流しながら即座に否定した。
院長は出発するときにソーセージとかチーズとか食糧を、持たせてくれた。
それらを包んでいたのは修道女の着るローブだった。
おれがそれに気づくと、院長は心得顔でおれにしか見えないようにウインクしてきた。
つまり、キャンペ女子修道院改め聖石板女子修道院では、歌う石板の伝説と一緒に変態天使の伝説まで手に入れたわけだ。
きっと末長く語り伝えられるのだろう、トホホ。
――あ、そうだ。忘れないうちに言っておくね。オーナー様が喜んでたわよ。管理人に礼を言っておいてくれって。ああいう派手なイベントでまた楽しませてほしいそうよ。
「それはシラフでのお言葉?」
――うん。少なくとも酔ってはいないみたいだった。
「オーナー様には受けたってこと? じゃあさ、おれの新しい基体のことだけど……自転を速めた分とかカミナリ代と一緒に経費に乗っけられないかな?」
――ああ、それね。それはムリ!
管制はできない理由も説明せずに通信を切断した。
まあ、これであの女子修道院とは縁が切れたと考えていいはずだ。
修道女たちの祈祷に悩まされることもなくなったとはいえ、おれにはまだ一つ気にかかることがあった。
歌う石板のことだ。――もう歌わなくなってしまったが。
あの石板にかけられていた魔法は、おれに解析できなかった。
現地住民の魔法が偶然に世界設定の限界を超えてしまうことも起きるのだ、と管制は言っていたが、おれは依然納得していなかった。
おれと同じ、【世界ー内ー存在】としてはあってはならないものの気配を感じる。
だが、何かまとまった答えを出すには手掛かりが少なすぎる。
肝心の石板が割れてしまってはもう、探索の糸は切れたと言ってもいいだろう。
残念だが、これ以上考えてもしかたのないことのようだった。
「うわっ、なに!」
エラの声に顔を上げた瞬間、眉間に衝撃が走った。
油断していた。
何かがおれの眉間を直撃したのだ。おれは真後ろへ吹っ飛ばされた。
ゴロゴロと坂を数メートルも転がり落ちた。
これが現地住民の普通の身体だったら、頭が割れて即死だったろう。
が、基体をなめちゃいけない。
これぐらいの衝撃で壊れるような物にローンが組めるかってんだ!
おれはすぐに起き上がった。
痛覚を遮断して眉間の痛みを感じないようにすると、視覚と聴覚を増幅して周囲の気配を探った。
飛礫か?
この世界にも火薬と爆弾はあるが、銃器は存在しない。
そういう設定なのだ。
もしも、銃器が発明されそうなことがあれば、そのときは管理人が行って全力で邪魔をする。
そうやって科学技術の発展に歯止めをかけるのも、おれたち管理人の務めだった。
東に、高い塔の上から重い振り子を吊るしてこの星の自転を確かめようとする者あれば、見えない力で振り子をつついて止める。
西に、エンドウマメを植えて遺伝を明らかにしようとする者あれば、遺伝子を書き換えて全部しわくちゃの豆にする。
いろいろと大変なのですよ、管理人というのは。
いずれにせよ、おれたちの仕事はオーナー様次第。
聞いた話じゃ、科学を止めておく世界だったはずなのに、途中でオーナー様の気が変わったところがあるらしい。
その頃、現地じゃ天才科学者が宗教裁判中で、突然無罪放免にするわけにもいかないし、どうするんだと協議した結果、一応有罪なんだけど、「それでもウチの星は回ってるから、オッケー?」なんてその被告に言わせて帳尻を合わせたんだそうだ。
裏でどれほど管理人が苦労したことか。
もっとも、この世界でオーナー様の気が変わって銃規制が解除されたなら、それは管理人であるおれにまず第一に知らされるはず。
(おい、起き上がったぞ。はずれたんじゃないか?)
(いや、確かに手応えはあった)
街道わきに生えている樹の上から声が聞こえた。
こんもりと茂った葉の陰に隠れて姿は見えないが、このキーキー声はゴブリンにちがいない。
おれは樹の上へ跳躍した。
狙っていた相手が突然目の前に現れたゴブリンたちの驚愕ったらなかった。
一匹は腰を抜かして木の枝から落ちた。
残っていた一匹の手に飛礫投擲用の縄が握られていた。
おれはそいつの首根っこを掴むと、そいつが腰に差していた短剣を抜いた。
ジタバタするゴブリンの頬を短剣の先でつついておれの顔に注目させると、短剣の刃を前歯で噛み折ってみせた。
「誰に頼まれた? 『八月軒』か?」
顔を背けて答えようとしないゴブリンの頸を掴む手に力をくわえる。
グゲゲゲゲ。
変な声を出してゴブリンが首を振った。
「『八月軒』じゃないのか? じゃあ、誰だ?」
そりゃ高級レストランの店主が直接ゴブリンに依頼するというのは考えづらい。
誰かに依頼させたんだろう。
しかし、それにしても手回しが良すぎないか?
まるで初めから「ヴンターデルフの猟犬団」のことなどアテにしていなかったようだ。
「ふぎゃー、師匠!」
下を見ると、落っこちたゴブリンが短剣を抜いて、馬上のエラに飛びついている。
なるほど。それで人質を取ったつもりか。
おれの中で何かが、プチンッ、と音を立てて切れた。
おれの〈生ける調味料〉に手を出して、タダですむと思うなよ。
おれは首ッ玉を掴んでいたゴブリンを、エラにしがみついているもう一匹に向かって、思いっきり投げつけた。
最近コントロールには自信のあるおれだ。
ゴツンッ!
キュー!
二匹がまとまって地面に転がり落ちた。
何だろね、たいていこの大きさの連中はまいるときには「キュー」って言うね。
河童とかさ。
あれは組合か何かで決まっているのかね?
おれはのびている二匹を木の根元に縛りつけた。
「こいつら、どうすんですか?」
「どうしたい?」
エラはゴブリンたちの前にしゃがみこんでいた。
立っているおれを見上げて微笑んだ。
「逃がしてやりましょう。こんなゴブリンでも、親兄弟や子どもがいると思うんです」
へえ、意外に優しいところもある弟子じゃないか。
「いいのかい?」
「ええ、師匠、お願いだから、逃がしてやって」
「まあ、おまえがそこまで言うなら逃がしてやってもいいが――」
「それであとを追けて巣をつきとめます。巣穴に油を注ぎ込んで火をつけてやりましょう。ひひひ、このエラ・ルーツ・ノルデンショルトに手を出したのですよ。その代償として、一族郎党根絶やしにしてやるのです、ひーっ、ひっひっひっ」
……うん、そんなとこだと思ったよ。
おれはゴブリンたちをひっぱたいて起こした。
二匹両方にさっきと同じ質問を繰り返す。
どちらも「八月軒」と聞いてもピンとこないらしい。
「おれたちはノッポの薬屋にあんたを殺ってくれと頼まれたんだ」
「それでハーフエルフの娘を連れてこいって言われたのか?」
ゴブリンは首を振った。
「ハーフエルフの娘のことなんか聞いてない」
「エー、あたしのことを聞いてないってどういうこと?」
キレ気味にエラが突っかかる。どんなことでも自分が中心じゃないと気がすまないんだな。
「こいつのことを聞いてないのか? じゃあ、どうやっておれを見つけたんだ?」
「チョッキのポケットを見てくれ」
おれはゴブリンの汚いチョッキのポケットを探った。
そこにあった物におれは愕然とした。
「すっごーい。師匠、そっくりですよ。いくら払えばこんなの描いてもらえるんですかねー」
エラはおれの手の中にある物を見て感心していた。
そりゃそっくりだろう。おまえが今見ているのは「写真」というのだ。
もちろん、この世界にあってはならない物――オーパーツだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【予告】次回「第22話 トンガリ耳の秘密」 お楽しみに。
感想をいただけるとうれしいです。
管制だった。
エラを乗せた馬は十メートルほど先、急な坂を苦しそうに首を振りながら歩いていた。
これだけ離れていれば弟子に会話は聞かれないだろう。
エラが乗っている馬は修道院から譲ってもらったのだった。
師匠が徒歩なのに弟子が馬に乗っているというのはどうなのかとは思うが、ただでさえ予定から遅れている。
足が遅いうえにすぐに休みたがるエラを歩かせたのではいつ目的地にたどり着けるかわからない。
「ああ、このペースで行けば日暮れまでには国境の関所を抜けられるだろう」
――急ぎなさいよね。まあ、あんたがそこにいてくれて良かった。
「何で?」
――また、修道女たちがお祈りしてるのよ。オーナー様からこっちに回されてきてるんだけど、あんたが絡んでいたらことだなって思ってね。でも、もう修道院にいないんなら大丈夫そうね。安心したー。
あいつら味をしめやがったな。
祈祷すれば何とかなると思ってんじゃねえのか?
まずは自分で何とかしろよ。
自助努力ってやつだよ。
おれは自ら助くる者を助く!
とはいえ、いったい何があったんだろう?
リーダーを失った傭兵団が戻ってくるとも思えないが……
「戻って対処しなければならないこと?」
――ううん。べつに放っておけばいいんじゃないかなあ。わけわかんないこと言ってるだけだから。ウチとしては管理人のあんたが絡んでさえいなきゃオッケー。
「何を願ってんだ、あの人たち?」
――わけわかんないのよ。あのね……女装修道女の魔の手から純朴な村娘の操が守られますようにって。ナニコレ? わかる?
「ナンダロー、ケントーモツカナイナー」
おれは冷や汗を流しながら即座に否定した。
院長は出発するときにソーセージとかチーズとか食糧を、持たせてくれた。
それらを包んでいたのは修道女の着るローブだった。
おれがそれに気づくと、院長は心得顔でおれにしか見えないようにウインクしてきた。
つまり、キャンペ女子修道院改め聖石板女子修道院では、歌う石板の伝説と一緒に変態天使の伝説まで手に入れたわけだ。
きっと末長く語り伝えられるのだろう、トホホ。
――あ、そうだ。忘れないうちに言っておくね。オーナー様が喜んでたわよ。管理人に礼を言っておいてくれって。ああいう派手なイベントでまた楽しませてほしいそうよ。
「それはシラフでのお言葉?」
――うん。少なくとも酔ってはいないみたいだった。
「オーナー様には受けたってこと? じゃあさ、おれの新しい基体のことだけど……自転を速めた分とかカミナリ代と一緒に経費に乗っけられないかな?」
――ああ、それね。それはムリ!
管制はできない理由も説明せずに通信を切断した。
まあ、これであの女子修道院とは縁が切れたと考えていいはずだ。
修道女たちの祈祷に悩まされることもなくなったとはいえ、おれにはまだ一つ気にかかることがあった。
歌う石板のことだ。――もう歌わなくなってしまったが。
あの石板にかけられていた魔法は、おれに解析できなかった。
現地住民の魔法が偶然に世界設定の限界を超えてしまうことも起きるのだ、と管制は言っていたが、おれは依然納得していなかった。
おれと同じ、【世界ー内ー存在】としてはあってはならないものの気配を感じる。
だが、何かまとまった答えを出すには手掛かりが少なすぎる。
肝心の石板が割れてしまってはもう、探索の糸は切れたと言ってもいいだろう。
残念だが、これ以上考えてもしかたのないことのようだった。
「うわっ、なに!」
エラの声に顔を上げた瞬間、眉間に衝撃が走った。
油断していた。
何かがおれの眉間を直撃したのだ。おれは真後ろへ吹っ飛ばされた。
ゴロゴロと坂を数メートルも転がり落ちた。
これが現地住民の普通の身体だったら、頭が割れて即死だったろう。
が、基体をなめちゃいけない。
これぐらいの衝撃で壊れるような物にローンが組めるかってんだ!
おれはすぐに起き上がった。
痛覚を遮断して眉間の痛みを感じないようにすると、視覚と聴覚を増幅して周囲の気配を探った。
飛礫か?
この世界にも火薬と爆弾はあるが、銃器は存在しない。
そういう設定なのだ。
もしも、銃器が発明されそうなことがあれば、そのときは管理人が行って全力で邪魔をする。
そうやって科学技術の発展に歯止めをかけるのも、おれたち管理人の務めだった。
東に、高い塔の上から重い振り子を吊るしてこの星の自転を確かめようとする者あれば、見えない力で振り子をつついて止める。
西に、エンドウマメを植えて遺伝を明らかにしようとする者あれば、遺伝子を書き換えて全部しわくちゃの豆にする。
いろいろと大変なのですよ、管理人というのは。
いずれにせよ、おれたちの仕事はオーナー様次第。
聞いた話じゃ、科学を止めておく世界だったはずなのに、途中でオーナー様の気が変わったところがあるらしい。
その頃、現地じゃ天才科学者が宗教裁判中で、突然無罪放免にするわけにもいかないし、どうするんだと協議した結果、一応有罪なんだけど、「それでもウチの星は回ってるから、オッケー?」なんてその被告に言わせて帳尻を合わせたんだそうだ。
裏でどれほど管理人が苦労したことか。
もっとも、この世界でオーナー様の気が変わって銃規制が解除されたなら、それは管理人であるおれにまず第一に知らされるはず。
(おい、起き上がったぞ。はずれたんじゃないか?)
(いや、確かに手応えはあった)
街道わきに生えている樹の上から声が聞こえた。
こんもりと茂った葉の陰に隠れて姿は見えないが、このキーキー声はゴブリンにちがいない。
おれは樹の上へ跳躍した。
狙っていた相手が突然目の前に現れたゴブリンたちの驚愕ったらなかった。
一匹は腰を抜かして木の枝から落ちた。
残っていた一匹の手に飛礫投擲用の縄が握られていた。
おれはそいつの首根っこを掴むと、そいつが腰に差していた短剣を抜いた。
ジタバタするゴブリンの頬を短剣の先でつついておれの顔に注目させると、短剣の刃を前歯で噛み折ってみせた。
「誰に頼まれた? 『八月軒』か?」
顔を背けて答えようとしないゴブリンの頸を掴む手に力をくわえる。
グゲゲゲゲ。
変な声を出してゴブリンが首を振った。
「『八月軒』じゃないのか? じゃあ、誰だ?」
そりゃ高級レストランの店主が直接ゴブリンに依頼するというのは考えづらい。
誰かに依頼させたんだろう。
しかし、それにしても手回しが良すぎないか?
まるで初めから「ヴンターデルフの猟犬団」のことなどアテにしていなかったようだ。
「ふぎゃー、師匠!」
下を見ると、落っこちたゴブリンが短剣を抜いて、馬上のエラに飛びついている。
なるほど。それで人質を取ったつもりか。
おれの中で何かが、プチンッ、と音を立てて切れた。
おれの〈生ける調味料〉に手を出して、タダですむと思うなよ。
おれは首ッ玉を掴んでいたゴブリンを、エラにしがみついているもう一匹に向かって、思いっきり投げつけた。
最近コントロールには自信のあるおれだ。
ゴツンッ!
キュー!
二匹がまとまって地面に転がり落ちた。
何だろね、たいていこの大きさの連中はまいるときには「キュー」って言うね。
河童とかさ。
あれは組合か何かで決まっているのかね?
おれはのびている二匹を木の根元に縛りつけた。
「こいつら、どうすんですか?」
「どうしたい?」
エラはゴブリンたちの前にしゃがみこんでいた。
立っているおれを見上げて微笑んだ。
「逃がしてやりましょう。こんなゴブリンでも、親兄弟や子どもがいると思うんです」
へえ、意外に優しいところもある弟子じゃないか。
「いいのかい?」
「ええ、師匠、お願いだから、逃がしてやって」
「まあ、おまえがそこまで言うなら逃がしてやってもいいが――」
「それであとを追けて巣をつきとめます。巣穴に油を注ぎ込んで火をつけてやりましょう。ひひひ、このエラ・ルーツ・ノルデンショルトに手を出したのですよ。その代償として、一族郎党根絶やしにしてやるのです、ひーっ、ひっひっひっ」
……うん、そんなとこだと思ったよ。
おれはゴブリンたちをひっぱたいて起こした。
二匹両方にさっきと同じ質問を繰り返す。
どちらも「八月軒」と聞いてもピンとこないらしい。
「おれたちはノッポの薬屋にあんたを殺ってくれと頼まれたんだ」
「それでハーフエルフの娘を連れてこいって言われたのか?」
ゴブリンは首を振った。
「ハーフエルフの娘のことなんか聞いてない」
「エー、あたしのことを聞いてないってどういうこと?」
キレ気味にエラが突っかかる。どんなことでも自分が中心じゃないと気がすまないんだな。
「こいつのことを聞いてないのか? じゃあ、どうやっておれを見つけたんだ?」
「チョッキのポケットを見てくれ」
おれはゴブリンの汚いチョッキのポケットを探った。
そこにあった物におれは愕然とした。
「すっごーい。師匠、そっくりですよ。いくら払えばこんなの描いてもらえるんですかねー」
エラはおれの手の中にある物を見て感心していた。
そりゃそっくりだろう。おまえが今見ているのは「写真」というのだ。
もちろん、この世界にあってはならない物――オーパーツだ。
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