137 / 149
BACK TO THE OCEAN Chapter3
第21章 大海賊の娘【3】
しおりを挟む
「大きい灯台ねぇ……」
「ああ、そうだな」
ルーナと共に、僕は灯台の足元から頭を見上げる。
おそらく高さは三十メートルをゆうに越えているだろうか……そのてっぺんからは強い光が発され、光は黒く染まった海の方へ向かって、真っ直ぐと伸びている。
夜だからというのもあるのかもしれないが、その姿はどうにも物々しい、威圧感のようなものを、僕は見て感じ取った。
「では皆さん、参りましょう」
トライクから降りたロベルトは僕達を先導し、灯台の入り口である重い鉄の扉を、鈍い金属の音をたたせながら開ける。
すると扉の先には二つのルートがあり、一つが先の見通せない、暗闇に続く廊下であり、そしてもう一つが、この灯台の頂上へ上るための階段があった。
「こちらです」
だがロベルトは躊躇うことなく、頂上へ向かう階段を選び、それを上り始める。
僕達もロベルトに続き、階段を上っていくのだが、階段は螺旋状になっており、グルグルと永遠に上に伸びていた。
日も暮れて、灯台の内部も真っ暗になってしまっているのだが、足元を照らすのは所々にぶら下がっている白熱電球の淡い光のみであり、そのこともあって、見上げてみても視線の先には闇しか無く、最初の内は、一体どれほど上れば最上階に辿り着くのか、その見当すらもつけることができなかった。
永遠と続く階段を淡々と、ただひたすらに上り続け、足が重くなり始めたくらいになってやっとうっすらと、頂上が見えてきた。
しかしここで灯台守をしているってことは、テティさんはこの階段を毎日上っているってことだよな……そう考えると、かなりタフな女性であることは間違いないだろう。
僕の後ろを歩いている唯一の女性メンバーは、さっきから息をゼーゼー切らしているからな。
「おいルーナ、大丈夫か?」
後ろを振り返ると、ルーナは肩で息をしながら、手すりを持ってなんとか一歩を歩んでいるような、そんな状態になっていた。
「大丈夫……ダイジョウブだから……」
「本当かよ……」
その青ざめた表情を見れば、そうでないことを一目瞭然だが、しかしそれでも足を引っ張らないように、強がりを言ってみせるルーナ。
まあ、そう返されるだろうなとは思ってたけどね。
それからは、ルーナのペースに自然と合わせるようにゆっくりと階段を上っていき、頂上へ辿り着いたと同時に、彼女はその場にへたり込んでしまった。
「お疲れさん」
「はあ……はあ……へへ……ありがと……」
僕がポンと肩に手を置くと、ルーナは息を絶えず吸ったり吐いたりしていたが、その時だけニッコリと僅かに、僕に笑顔をくれた。
まったく……カワイイやつめ。
「フッ……女にはその階段、堪えるだろう? アタシも最初はそうだった。今じゃ
もうすっかり、慣れちまったけどね」
すると階段とは反対方向、海へ向かって強い光を放つ巨大な照明がある方向から、女性の声が聞こえてきた。
声のした方へ振り返ると、その女性は丁度照明台の真下の部分に胡坐をかいて座っており、体は海の方角へ向いていたため、僕からはその後ろ姿しか、今は確認することができなかった。
「テティさん、わたしです」
「その声は……もしかして、司厨長のロベルトか?」
「はい」
「フッ……数年振りね」
「ええ、お久しぶりです」
「あの二人はあの後も、事ある毎にここを訪れているが、アンタは一度も来なかったからね。聞いた話じゃ、テールタウンでハンバーガーを作ってるそうじゃないか」
「はい」
「儲かってるの?」
「それなりには」
「そうか……お前の料理は船上でも人気だったからな」
「恐縮です」
「フッ……その感じも相変わらずか……」
すると胡坐をかいていた女性はすっくとその場に立ち上がり、照明台の周りをぐるっと回って、僕達の真正面に腕を組んで、その姿を現した。
彼女は黒のボディスに白いレースブラウスを着用しており、レースブラウスからは薄っすらと下に着ている同色のキャミソールが見えている。
下にはボディスと同じ黒のカーゴパンツを着用し、全体的に白黒でまとまっているので、そこにアクセントを付け足すためなのか、首には黄色のスカーフを巻いており、そして頭には、彼女が元海賊であることを象徴する(という意味で着用しているかどうかは分からないが)黒茶のパイレーツハットを被っていた。
おそらく彼女がそうなのだろう……大海賊の一人娘、テティ・ロジャース。
色っぽい女性だが、しかしその立ち姿にはどこか、風格が漂っていた。
「それで……久々に顔を合わせに来たかと思ったら、こんな時間に、こんな大所帯で乗り込んできて……何用だい?」
「単刀直入に御用件だけをお伝えしますと、この方たちは今、バルマシア大陸へ向かうための船乗りを探しているそうで、是非テティさんに彼らの船渡しをしていただきたく思い、ここへやって参りました」
「ほう……久々にツラを見せたかと思ったら、見ず知らずの人間共の足になれと?」
「……はい」
「フッ……クックッ……アタシも随分コケにされちまったもんだねぇ。それとも、アンタの面の皮が厚くなっただけか、ロベルト?」
テティは薄く口で笑いながらも、しかし目だけは笑っていなかった。
「勿論あなただけをというわけではありません。あなたが海に出るのなら、わたしも共に向かいます」
するとロベルトは、そのテティの鋭い視線に屈すること無く言い返し、その言葉を聞いた彼女は「ほう」と少しだけ感心をしているようだった。
「昔は無口で有名だったのに、そんな口説き文句も言えるようになったみたいだな?」
「…………」
「フッ……まあいい。時間潰しに話くらいなら聞いてやっても」
「ありがとうございます」
ロベルトは店で僕達にしたように、深々とテティに頭を下げる。
とりあえずこれで、交渉はできるということだな……しかしまさか、ロベルトさんも一緒に着いて来てくれることになるとは思ってもみなかったけど。
まあそれも、僕達が彼女を口説き落とせたらの話なんだけどな。
「話を始める前にロジャース殿、これは我々からの心ばかりの品だが、どうぞ受け取ってはくれまいか?」
そう言ってマジスターが彼女に差し出したのは、先程煙草の専門店で購入したドライシガーだった。
「ドライシガーか……丁度切らしていたからありがたい。しかし贈り物にプレミアムでは無く、ドライをあえて選んだのは、ロベルトの入れ知恵か?」
「うむ……そうだ」
「フッ……やっぱりね。しかもクバナ産……こんなドンピシャでアタシの好みを、見ず知らずの人間が買って来れるわけないがないからな」
テティはフッと鼻で笑い、マジスターからドライシガーを受け取ると、早速箱を開けて一本シガーを取り出し、ポケットに入れていたオイルライターでそれに火を付け、吸い始めた。
「すぅ……ふぅ……アンタ、名前は?」
白煙を吐きながら、テティはマジスターに名を尋ねる。
「アトス・マジスターだ」
「ふうん……マジスターさんか。それであなた達はどういう目的で、バルマシア大陸へ渡るつもり? 勿論、観光では無いんでしょ?」
「カッカッ、観光なら旅客船を使えば良いからな。わざわざ優秀な航海士殿に船頭を頼む必要もあるまい」
「フッ……で? 目的は?」
「うむ……ミネルウェールスの王子が今、練磨大臣によって乗っ取られた国を取り戻すため、傭兵を集めておる。わしらはその革命勢力に加担するのが目的だ」
「ほう……革命ね。すぅ……ふぅ……」
テティは動揺することも無く、かといって協力的な態度をとることも無く、ゆっくりと、じっくりと話を聞きながらドライシガーを吸い、煙を吐く。
その姿はどこか色っぽく、大人の女性の感じが出ており……こう比べるのもなんだが、ルーナには無い妖艶な雰囲気を醸し出していた。
「なによ?」
その時僕はふと、息切れを解消し、僕の隣に立っていたルーナへと視線を向けてしまっていた。
「いや、なんでも」
「?」
ルーナは眉をしかめて、首を傾げていたが、それ以上追究してくることは無かった。
「ああ、そうだな」
ルーナと共に、僕は灯台の足元から頭を見上げる。
おそらく高さは三十メートルをゆうに越えているだろうか……そのてっぺんからは強い光が発され、光は黒く染まった海の方へ向かって、真っ直ぐと伸びている。
夜だからというのもあるのかもしれないが、その姿はどうにも物々しい、威圧感のようなものを、僕は見て感じ取った。
「では皆さん、参りましょう」
トライクから降りたロベルトは僕達を先導し、灯台の入り口である重い鉄の扉を、鈍い金属の音をたたせながら開ける。
すると扉の先には二つのルートがあり、一つが先の見通せない、暗闇に続く廊下であり、そしてもう一つが、この灯台の頂上へ上るための階段があった。
「こちらです」
だがロベルトは躊躇うことなく、頂上へ向かう階段を選び、それを上り始める。
僕達もロベルトに続き、階段を上っていくのだが、階段は螺旋状になっており、グルグルと永遠に上に伸びていた。
日も暮れて、灯台の内部も真っ暗になってしまっているのだが、足元を照らすのは所々にぶら下がっている白熱電球の淡い光のみであり、そのこともあって、見上げてみても視線の先には闇しか無く、最初の内は、一体どれほど上れば最上階に辿り着くのか、その見当すらもつけることができなかった。
永遠と続く階段を淡々と、ただひたすらに上り続け、足が重くなり始めたくらいになってやっとうっすらと、頂上が見えてきた。
しかしここで灯台守をしているってことは、テティさんはこの階段を毎日上っているってことだよな……そう考えると、かなりタフな女性であることは間違いないだろう。
僕の後ろを歩いている唯一の女性メンバーは、さっきから息をゼーゼー切らしているからな。
「おいルーナ、大丈夫か?」
後ろを振り返ると、ルーナは肩で息をしながら、手すりを持ってなんとか一歩を歩んでいるような、そんな状態になっていた。
「大丈夫……ダイジョウブだから……」
「本当かよ……」
その青ざめた表情を見れば、そうでないことを一目瞭然だが、しかしそれでも足を引っ張らないように、強がりを言ってみせるルーナ。
まあ、そう返されるだろうなとは思ってたけどね。
それからは、ルーナのペースに自然と合わせるようにゆっくりと階段を上っていき、頂上へ辿り着いたと同時に、彼女はその場にへたり込んでしまった。
「お疲れさん」
「はあ……はあ……へへ……ありがと……」
僕がポンと肩に手を置くと、ルーナは息を絶えず吸ったり吐いたりしていたが、その時だけニッコリと僅かに、僕に笑顔をくれた。
まったく……カワイイやつめ。
「フッ……女にはその階段、堪えるだろう? アタシも最初はそうだった。今じゃ
もうすっかり、慣れちまったけどね」
すると階段とは反対方向、海へ向かって強い光を放つ巨大な照明がある方向から、女性の声が聞こえてきた。
声のした方へ振り返ると、その女性は丁度照明台の真下の部分に胡坐をかいて座っており、体は海の方角へ向いていたため、僕からはその後ろ姿しか、今は確認することができなかった。
「テティさん、わたしです」
「その声は……もしかして、司厨長のロベルトか?」
「はい」
「フッ……数年振りね」
「ええ、お久しぶりです」
「あの二人はあの後も、事ある毎にここを訪れているが、アンタは一度も来なかったからね。聞いた話じゃ、テールタウンでハンバーガーを作ってるそうじゃないか」
「はい」
「儲かってるの?」
「それなりには」
「そうか……お前の料理は船上でも人気だったからな」
「恐縮です」
「フッ……その感じも相変わらずか……」
すると胡坐をかいていた女性はすっくとその場に立ち上がり、照明台の周りをぐるっと回って、僕達の真正面に腕を組んで、その姿を現した。
彼女は黒のボディスに白いレースブラウスを着用しており、レースブラウスからは薄っすらと下に着ている同色のキャミソールが見えている。
下にはボディスと同じ黒のカーゴパンツを着用し、全体的に白黒でまとまっているので、そこにアクセントを付け足すためなのか、首には黄色のスカーフを巻いており、そして頭には、彼女が元海賊であることを象徴する(という意味で着用しているかどうかは分からないが)黒茶のパイレーツハットを被っていた。
おそらく彼女がそうなのだろう……大海賊の一人娘、テティ・ロジャース。
色っぽい女性だが、しかしその立ち姿にはどこか、風格が漂っていた。
「それで……久々に顔を合わせに来たかと思ったら、こんな時間に、こんな大所帯で乗り込んできて……何用だい?」
「単刀直入に御用件だけをお伝えしますと、この方たちは今、バルマシア大陸へ向かうための船乗りを探しているそうで、是非テティさんに彼らの船渡しをしていただきたく思い、ここへやって参りました」
「ほう……久々にツラを見せたかと思ったら、見ず知らずの人間共の足になれと?」
「……はい」
「フッ……クックッ……アタシも随分コケにされちまったもんだねぇ。それとも、アンタの面の皮が厚くなっただけか、ロベルト?」
テティは薄く口で笑いながらも、しかし目だけは笑っていなかった。
「勿論あなただけをというわけではありません。あなたが海に出るのなら、わたしも共に向かいます」
するとロベルトは、そのテティの鋭い視線に屈すること無く言い返し、その言葉を聞いた彼女は「ほう」と少しだけ感心をしているようだった。
「昔は無口で有名だったのに、そんな口説き文句も言えるようになったみたいだな?」
「…………」
「フッ……まあいい。時間潰しに話くらいなら聞いてやっても」
「ありがとうございます」
ロベルトは店で僕達にしたように、深々とテティに頭を下げる。
とりあえずこれで、交渉はできるということだな……しかしまさか、ロベルトさんも一緒に着いて来てくれることになるとは思ってもみなかったけど。
まあそれも、僕達が彼女を口説き落とせたらの話なんだけどな。
「話を始める前にロジャース殿、これは我々からの心ばかりの品だが、どうぞ受け取ってはくれまいか?」
そう言ってマジスターが彼女に差し出したのは、先程煙草の専門店で購入したドライシガーだった。
「ドライシガーか……丁度切らしていたからありがたい。しかし贈り物にプレミアムでは無く、ドライをあえて選んだのは、ロベルトの入れ知恵か?」
「うむ……そうだ」
「フッ……やっぱりね。しかもクバナ産……こんなドンピシャでアタシの好みを、見ず知らずの人間が買って来れるわけないがないからな」
テティはフッと鼻で笑い、マジスターからドライシガーを受け取ると、早速箱を開けて一本シガーを取り出し、ポケットに入れていたオイルライターでそれに火を付け、吸い始めた。
「すぅ……ふぅ……アンタ、名前は?」
白煙を吐きながら、テティはマジスターに名を尋ねる。
「アトス・マジスターだ」
「ふうん……マジスターさんか。それであなた達はどういう目的で、バルマシア大陸へ渡るつもり? 勿論、観光では無いんでしょ?」
「カッカッ、観光なら旅客船を使えば良いからな。わざわざ優秀な航海士殿に船頭を頼む必要もあるまい」
「フッ……で? 目的は?」
「うむ……ミネルウェールスの王子が今、練磨大臣によって乗っ取られた国を取り戻すため、傭兵を集めておる。わしらはその革命勢力に加担するのが目的だ」
「ほう……革命ね。すぅ……ふぅ……」
テティは動揺することも無く、かといって協力的な態度をとることも無く、ゆっくりと、じっくりと話を聞きながらドライシガーを吸い、煙を吐く。
その姿はどこか色っぽく、大人の女性の感じが出ており……こう比べるのもなんだが、ルーナには無い妖艶な雰囲気を醸し出していた。
「なによ?」
その時僕はふと、息切れを解消し、僕の隣に立っていたルーナへと視線を向けてしまっていた。
「いや、なんでも」
「?」
ルーナは眉をしかめて、首を傾げていたが、それ以上追究してくることは無かった。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる