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鈴木美波編
悩める鈴木さんと金髪少女と先生 第10話(全14話)
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「最初のうちは何となく返事していたんだけど、おばあちゃんの家に遊びに行ったときに返事をしなかったら面倒になっちゃって返さなくなっちゃった」
「おばあちゃんの家に行ったのって夏休み始まってわりとすぐじゃなかった?」
「うん、そうだったかもしれない」
岡本君は鈴木さんが返事を返していない間にも何度かメールを送ってきていたらしいが、サッカー部の合宿が始まるとメールが来なくなったらしい。
合宿が終わってからは何度か短めのメールが届いたそうだが、鈴木さんはやはり返事を返さないでいた。
それでもめげない岡本君は新学期が始まると登校途中の鈴木さんに声をかけて、もう一度告白させてほしいと告白してきたらしい。
鈴木さんは特に好きな人がいるわけでもないのだが、彼氏が欲しいわけでもなく、今のように自分のペースで過ごしてソフィアさん達と遊ぶことの方が優先らしい。
「どうやって断ったら岡本先輩は完全に諦めてくれますかね?」
「うーん、話を聞いている限りだけど、岡本君は答えを欲しがる人なのかもね。ソフィアさんだったらどうする?」
「私ですか?私はその先輩の事知らないけど、美波ちゃんみたいに無視はしないでメールしちゃうかも。でも、美波ちゃんはメールの返事くれない事あるから先輩の気持ちもわかっちゃうかも」
「ソフィーにはわりと早めに返してるつもりだったんだけど、携帯ってあんまり見る機会無いから遅くなってたかも。ごめんね」
この二人は何かとスキンシップを取る傾向があるのだが、今回は鈴木さんがソフィアさんを後ろから抱きしめていた。
齋藤さんがこの場にいたとしたら、写真を撮っていたのかもしれない。
そんなことを思っていると、グラウンドから金属音が聞こえてきた。
「美波ちゃん、あの先輩がまた打ったのかもしれないよ。見てみようよ」
ソフィアさんが後ろから抱き着いてきている鈴木さんにそう言うと、二人は手を繋いで窓の方に向かっていった。
僕はぬるくなっていたお茶を一気に飲み干すと、急須に新しくお湯を注いで熱々のお茶を淹れた。
その間にも何度か金属音が響いていたのだが、どうやら今日は暑いせいでピッチャーも調子が出ていないようだった。
「私って、自分の事をカッコイイって思ってる人苦手なんですよね。先生は思ってなさそうだけど、あんまり好きなタイプでもないし」
鈴木さんの発言は少し思うところがあったけど、それに同調しているソフィアさんの事もきになってしまう。
「アリスが言っていたけど、マサ君先生って意外と紳士的なところもあるらしいよ。私にとってはオタクな人って印象しかないんだけどさ」
その辺は否定し難いんでそのままにしておこう。
「そんなことあるかな?普通だと思うよ」
小学生の時から知っている子たちなので、大体の事は知っているつもりでも、最近の事となるとほとんど知らないかもしれない。
学校以外ではみんなと会う機会も少なくなっているし、こちらから積極的に会いに行くことは昔からなかったと思う。
外の景色を眺めてみると、陸上部の人達が集団になって走っていた。
サッカー部と野球部は相変わらず野球の試合なのか練習なのかわからない事をしていた。
ソフィアさんがお菓子の入っている引き出しを開けたと同時に、金属音が校庭に響いていた。
「おばあちゃんの家に行ったのって夏休み始まってわりとすぐじゃなかった?」
「うん、そうだったかもしれない」
岡本君は鈴木さんが返事を返していない間にも何度かメールを送ってきていたらしいが、サッカー部の合宿が始まるとメールが来なくなったらしい。
合宿が終わってからは何度か短めのメールが届いたそうだが、鈴木さんはやはり返事を返さないでいた。
それでもめげない岡本君は新学期が始まると登校途中の鈴木さんに声をかけて、もう一度告白させてほしいと告白してきたらしい。
鈴木さんは特に好きな人がいるわけでもないのだが、彼氏が欲しいわけでもなく、今のように自分のペースで過ごしてソフィアさん達と遊ぶことの方が優先らしい。
「どうやって断ったら岡本先輩は完全に諦めてくれますかね?」
「うーん、話を聞いている限りだけど、岡本君は答えを欲しがる人なのかもね。ソフィアさんだったらどうする?」
「私ですか?私はその先輩の事知らないけど、美波ちゃんみたいに無視はしないでメールしちゃうかも。でも、美波ちゃんはメールの返事くれない事あるから先輩の気持ちもわかっちゃうかも」
「ソフィーにはわりと早めに返してるつもりだったんだけど、携帯ってあんまり見る機会無いから遅くなってたかも。ごめんね」
この二人は何かとスキンシップを取る傾向があるのだが、今回は鈴木さんがソフィアさんを後ろから抱きしめていた。
齋藤さんがこの場にいたとしたら、写真を撮っていたのかもしれない。
そんなことを思っていると、グラウンドから金属音が聞こえてきた。
「美波ちゃん、あの先輩がまた打ったのかもしれないよ。見てみようよ」
ソフィアさんが後ろから抱き着いてきている鈴木さんにそう言うと、二人は手を繋いで窓の方に向かっていった。
僕はぬるくなっていたお茶を一気に飲み干すと、急須に新しくお湯を注いで熱々のお茶を淹れた。
その間にも何度か金属音が響いていたのだが、どうやら今日は暑いせいでピッチャーも調子が出ていないようだった。
「私って、自分の事をカッコイイって思ってる人苦手なんですよね。先生は思ってなさそうだけど、あんまり好きなタイプでもないし」
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外の景色を眺めてみると、陸上部の人達が集団になって走っていた。
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