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疑似恋愛の章
昌晃君と愛華さんは付き合っていない
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このクラスの男子の中で一番モテるのは昌晃君だと思う。
飛鳥君はとてもいいやつではあるという事はみんな知っているのだが、言動がとても怪しく一般の人には理解出来ないことが多い。典型的な黙っていればいくらでもモテるタイプの人間だと思う。
正樹君も間違いなくモテると思うのだが、正樹君にはすでにみさきさんという相手がいるし、二人はもう結婚しているような感じなので誰も言い寄ったりはしない。友人の一人として頼ることはあったとしても、誰も異性として仲良くなろうとはしないのだ。
俺は妹の璃々からはカッコイイと言われることもあるのだけれど、他の女子からはそう言ったことを言われた記憶もない。誰かに意識されたことも無いと思うので、俺がモテることも無いと思う。
昌晃君は愛華さんと仲が良くていつも一緒にいることが多いのだが、二人が付き合っているのかと言えばそうではないらしい。周りはすでに付き合っていると思ってはいるのだけれど、本人たちは全くそういう関係ではなく学校以外で会うこともほとんどないと言っているのだ。
実際に何か外で集まる機会があったとしても、二人が一緒にいたところを見た記憶がないのだ。時々飛鳥君の家の畑仕事を手伝いに行くことがあるのだが、その時も昌晃君と愛華さんが揃っているところを見たことが無かったのだ。他のクラスメイトに聞いても同じ答えしか聞いたことが無かった。
「昌晃と愛華はどうして付き合ってないんだ?」
誰もが気になっていることを飛鳥君が何の脈略も無く尋ねていた。俺と正樹君と飛鳥君の三人で話していた時に、あの二人が付き合ってないのはどうしてなんだろうという話をしたばっかりなのだが、飛鳥君は何の躊躇もなくその疑問を口に出してしまったのだ。その事に慌てたのは俺と正樹君だけのはずなのだが、すぐ近くにいた沙緒莉さんと真弓さんも持っていたお茶を落とすくらいの驚きはあったようだ。
「どうして付き合ってないんだって言われてもね。向こうから付き合ってくれって言われたら考えなくもないけどさ、別に俺から何かしようってつもりはないんだよね」
「そのつもりがないのに、なんでこの前二年生の男がこの教室で暴れていた時にお前と愛華が一緒に戦ってたのはどういう事なんだ?」
「どういう事って言われてもな。飛鳥君と一緒で僕も愛華も違う世界に行ってたからとしか言いようが無いよ。僕たちが言った世界でも魔王ってのはいたけどさ、飛鳥君みたいな感じじゃなくてもっと普通の人だったよ。その辺にいるおじさんが魔法を使ってみたいな感じだったと思う。でも、それって本当の事だったのかずっと疑問だったんだよね。僕と愛華がたまたま同じ催眠術にかかって記憶を捏造されたのかもしれないって思ってたんだけどさ、この前フランソワーズさん達と一緒に二年生と戦って思ったんだよ。あの記憶は間違いなく本物だってね。だって、あの記憶にある動きがそのまんま出来たからね」
「吾輩よりも体のキレが凄かったもんな。お前たちは相手の攻撃をまともに受けてなかったし、怪我なんかもしてなかったからメイドたちとは違って争いに参加してない扱いにされてたもんな。強すぎるとそういう弊害もあるんだな」
「別に参加してない扱いにされたって困らないけどね。むしろ、僕たちみたいに一般の人は喧嘩に加わったって事がマイナスになると思うんだよね。フランソワーズさんとか飛鳥君みたいに将来どうなるのか決まってる人には関係ないかもしれないけど、僕みたいに一般の会社に入らないとやっていけないような人間は喧嘩したことがあるってのは大きなマイナスになっちゃうんだよ。あとで戦いに加わったのは間違いだったんじゃないかって反省してたもん」
なんでもそうなのだが、出来る人間は何でも謙遜するようだ。あれだけ強いのだからその道に進むことも考えればいいと思うのだが、プロの格闘家になるつもりはないそうだ。
「昌晃は吾輩よりも強いんだからプロの格闘家を目指してみたらどうなんだ。あれだけ強ければ楽に稼げそうなのに」
「別に僕は楽に稼ぎたいって思ってないからね。それにさ、ヒトを殴るのってあんまり好きじゃないんだよ。あの時はクラスのみんなに被害が及ばないためにはどうするのが一番いいのかって考えた結果ああなっただけだしね。向こうの人数が半分くらいだったら僕も愛華も戦いには加わってなかったと思うよ。いや、半分だったら加わってるかもしれないけど」
あれだけ楽しそうに戦っていたと思うのだが、昌晃君は人を殴るのがあまり好きじゃないらしい。思い返してみれば昌晃君も愛華さんもあまり殴らずに足を上手く使って攻撃をしていたような気がする。時々手でも攻撃はしていたと思うのだが、基本的には足か鞄で攻撃していたのだ。あの鞄は相手に当たるたびに良い音がしていたと思うのだけれど、何か硬いものでも入っていたのだろうか。
「そう言えば、あの時って昌晃君と愛華さんが使ってた鞄に何か特殊なものって入ってた?」
「え、なんでそう思ったの?」
「なんでって、鞄が当たった時に凄い音がしてたからだけど」
「将浩君は何でも気付くんだな。あの時は鞄にたまたま辞書が入ってたからね。愛華の鞄には料理本が何冊か入ってたと思うけど、たまたまそういう日だったってだけだよ」
昌晃君を疑うわけではないし、疑う理由もないので信じてはいるのだが、本当に二人そろってたまたまそういう日があるのだろうか。ちょっと気になって昌晃君の鞄を見せてもらったのだが、今日はたまたまペットボトルの水が二本入っていた。もしかして、移動中にトレーニングをしようとして重いモノを入れているだけなのでは。そんな新しい疑問が俺の頭の中にわいてきてしまったのだ。
「どっちにせよ昌晃も愛華もこのクラスのために頑張ってくれたという事には変わりないな。吾輩がもう少ししっかりしていれば二人の手を煩わせることも無かったのだがな。で、昌晃はどうして愛華と付き合おうと思わないのだ?」
「どうしてって言われてもね。僕からは何とも言えないよ。向こうがどう思ってるかもわからないし、あっちの世界でも色々あったからそういうのは良いかなって思うところもあるよね」
「その話し、詳しく聞きたいんだが。もしかしたら、吾輩と同じような経験をしていたかもしれないし、そうであれば今まで黙っていた理由も知りたいんだが」
「黙ってたわけじゃないんだよね。飛鳥君はずっと前から元魔王だって言ってたから覚えてたんだと思うけどさ、僕も愛華も思い出したって言うか、そうだったんだって知ったのがここ数日の事なんだよ。二年生が攻めてきた二日くらい前に学校で愛華と話している時になぜか頭に浮かんででね。愛華も同時に浮かんでいたらしく、色々な事を一瞬のうちに思い出したってわけ。その中には知りたくなかったこととかもあったんだけど、そうも言ってられないのでどういう事があったのか二人で確認してみたりしたんだよ」
「それと付き合わないというのが結びつかないのだが」
「僕も愛華もね、あっちの世界では付き合ったり結婚してたみたいなんだけど、何度もいろんな世界でそういう関係になっても次の場面ではどちらかが必ず死んでいたんだよ。それが現実ではなく夢の世界の出来事だったとしてもさ、決していい気持ちにはならないよね。僕も愛華もお互いが死んじゃう世界を何度も見てしまってるからさ、二人がこの世界でもそういう関係になったらどうなっちゃうんだろうって考えるんだよ。僕が死ぬのは構わないんだけど、そうなると愛華がどう思うのかなって考えちゃうしね」
「まあ、吾輩も似たような事を思う時はあるぞ。どんなに強くても魔王は倒されるべき存在であるからな。この世界ではそうではないという事を強く示してもらいたいと思ったことは何度もあるぞ」
昌晃君も飛鳥君も何となく落ち込んでいるように見えるのだが、全てがハッピーエンドと言うわけではないという事を学ぶことが出来た。
昌晃君の言う通りに二人が付き合うとどちらかが死ぬというのが絶対の決まりであれば付き合わないのが最善の答えだと思うのだけれど、その答えに逃げるのではなく二人にも幸せになってもらいたいと思っていた。
だって、天樹透たちと戦っていた二人の姿はどんな映画や絵画よりも美しく輝いて見えていたのだ。戦っている時も戦っていない時もお似合いの二人だと、俺は思っているのだ。
飛鳥君はとてもいいやつではあるという事はみんな知っているのだが、言動がとても怪しく一般の人には理解出来ないことが多い。典型的な黙っていればいくらでもモテるタイプの人間だと思う。
正樹君も間違いなくモテると思うのだが、正樹君にはすでにみさきさんという相手がいるし、二人はもう結婚しているような感じなので誰も言い寄ったりはしない。友人の一人として頼ることはあったとしても、誰も異性として仲良くなろうとはしないのだ。
俺は妹の璃々からはカッコイイと言われることもあるのだけれど、他の女子からはそう言ったことを言われた記憶もない。誰かに意識されたことも無いと思うので、俺がモテることも無いと思う。
昌晃君は愛華さんと仲が良くていつも一緒にいることが多いのだが、二人が付き合っているのかと言えばそうではないらしい。周りはすでに付き合っていると思ってはいるのだけれど、本人たちは全くそういう関係ではなく学校以外で会うこともほとんどないと言っているのだ。
実際に何か外で集まる機会があったとしても、二人が一緒にいたところを見た記憶がないのだ。時々飛鳥君の家の畑仕事を手伝いに行くことがあるのだが、その時も昌晃君と愛華さんが揃っているところを見たことが無かったのだ。他のクラスメイトに聞いても同じ答えしか聞いたことが無かった。
「昌晃と愛華はどうして付き合ってないんだ?」
誰もが気になっていることを飛鳥君が何の脈略も無く尋ねていた。俺と正樹君と飛鳥君の三人で話していた時に、あの二人が付き合ってないのはどうしてなんだろうという話をしたばっかりなのだが、飛鳥君は何の躊躇もなくその疑問を口に出してしまったのだ。その事に慌てたのは俺と正樹君だけのはずなのだが、すぐ近くにいた沙緒莉さんと真弓さんも持っていたお茶を落とすくらいの驚きはあったようだ。
「どうして付き合ってないんだって言われてもね。向こうから付き合ってくれって言われたら考えなくもないけどさ、別に俺から何かしようってつもりはないんだよね」
「そのつもりがないのに、なんでこの前二年生の男がこの教室で暴れていた時にお前と愛華が一緒に戦ってたのはどういう事なんだ?」
「どういう事って言われてもな。飛鳥君と一緒で僕も愛華も違う世界に行ってたからとしか言いようが無いよ。僕たちが言った世界でも魔王ってのはいたけどさ、飛鳥君みたいな感じじゃなくてもっと普通の人だったよ。その辺にいるおじさんが魔法を使ってみたいな感じだったと思う。でも、それって本当の事だったのかずっと疑問だったんだよね。僕と愛華がたまたま同じ催眠術にかかって記憶を捏造されたのかもしれないって思ってたんだけどさ、この前フランソワーズさん達と一緒に二年生と戦って思ったんだよ。あの記憶は間違いなく本物だってね。だって、あの記憶にある動きがそのまんま出来たからね」
「吾輩よりも体のキレが凄かったもんな。お前たちは相手の攻撃をまともに受けてなかったし、怪我なんかもしてなかったからメイドたちとは違って争いに参加してない扱いにされてたもんな。強すぎるとそういう弊害もあるんだな」
「別に参加してない扱いにされたって困らないけどね。むしろ、僕たちみたいに一般の人は喧嘩に加わったって事がマイナスになると思うんだよね。フランソワーズさんとか飛鳥君みたいに将来どうなるのか決まってる人には関係ないかもしれないけど、僕みたいに一般の会社に入らないとやっていけないような人間は喧嘩したことがあるってのは大きなマイナスになっちゃうんだよ。あとで戦いに加わったのは間違いだったんじゃないかって反省してたもん」
なんでもそうなのだが、出来る人間は何でも謙遜するようだ。あれだけ強いのだからその道に進むことも考えればいいと思うのだが、プロの格闘家になるつもりはないそうだ。
「昌晃は吾輩よりも強いんだからプロの格闘家を目指してみたらどうなんだ。あれだけ強ければ楽に稼げそうなのに」
「別に僕は楽に稼ぎたいって思ってないからね。それにさ、ヒトを殴るのってあんまり好きじゃないんだよ。あの時はクラスのみんなに被害が及ばないためにはどうするのが一番いいのかって考えた結果ああなっただけだしね。向こうの人数が半分くらいだったら僕も愛華も戦いには加わってなかったと思うよ。いや、半分だったら加わってるかもしれないけど」
あれだけ楽しそうに戦っていたと思うのだが、昌晃君は人を殴るのがあまり好きじゃないらしい。思い返してみれば昌晃君も愛華さんもあまり殴らずに足を上手く使って攻撃をしていたような気がする。時々手でも攻撃はしていたと思うのだが、基本的には足か鞄で攻撃していたのだ。あの鞄は相手に当たるたびに良い音がしていたと思うのだけれど、何か硬いものでも入っていたのだろうか。
「そう言えば、あの時って昌晃君と愛華さんが使ってた鞄に何か特殊なものって入ってた?」
「え、なんでそう思ったの?」
「なんでって、鞄が当たった時に凄い音がしてたからだけど」
「将浩君は何でも気付くんだな。あの時は鞄にたまたま辞書が入ってたからね。愛華の鞄には料理本が何冊か入ってたと思うけど、たまたまそういう日だったってだけだよ」
昌晃君を疑うわけではないし、疑う理由もないので信じてはいるのだが、本当に二人そろってたまたまそういう日があるのだろうか。ちょっと気になって昌晃君の鞄を見せてもらったのだが、今日はたまたまペットボトルの水が二本入っていた。もしかして、移動中にトレーニングをしようとして重いモノを入れているだけなのでは。そんな新しい疑問が俺の頭の中にわいてきてしまったのだ。
「どっちにせよ昌晃も愛華もこのクラスのために頑張ってくれたという事には変わりないな。吾輩がもう少ししっかりしていれば二人の手を煩わせることも無かったのだがな。で、昌晃はどうして愛華と付き合おうと思わないのだ?」
「どうしてって言われてもね。僕からは何とも言えないよ。向こうがどう思ってるかもわからないし、あっちの世界でも色々あったからそういうのは良いかなって思うところもあるよね」
「その話し、詳しく聞きたいんだが。もしかしたら、吾輩と同じような経験をしていたかもしれないし、そうであれば今まで黙っていた理由も知りたいんだが」
「黙ってたわけじゃないんだよね。飛鳥君はずっと前から元魔王だって言ってたから覚えてたんだと思うけどさ、僕も愛華も思い出したって言うか、そうだったんだって知ったのがここ数日の事なんだよ。二年生が攻めてきた二日くらい前に学校で愛華と話している時になぜか頭に浮かんででね。愛華も同時に浮かんでいたらしく、色々な事を一瞬のうちに思い出したってわけ。その中には知りたくなかったこととかもあったんだけど、そうも言ってられないのでどういう事があったのか二人で確認してみたりしたんだよ」
「それと付き合わないというのが結びつかないのだが」
「僕も愛華もね、あっちの世界では付き合ったり結婚してたみたいなんだけど、何度もいろんな世界でそういう関係になっても次の場面ではどちらかが必ず死んでいたんだよ。それが現実ではなく夢の世界の出来事だったとしてもさ、決していい気持ちにはならないよね。僕も愛華もお互いが死んじゃう世界を何度も見てしまってるからさ、二人がこの世界でもそういう関係になったらどうなっちゃうんだろうって考えるんだよ。僕が死ぬのは構わないんだけど、そうなると愛華がどう思うのかなって考えちゃうしね」
「まあ、吾輩も似たような事を思う時はあるぞ。どんなに強くても魔王は倒されるべき存在であるからな。この世界ではそうではないという事を強く示してもらいたいと思ったことは何度もあるぞ」
昌晃君も飛鳥君も何となく落ち込んでいるように見えるのだが、全てがハッピーエンドと言うわけではないという事を学ぶことが出来た。
昌晃君の言う通りに二人が付き合うとどちらかが死ぬというのが絶対の決まりであれば付き合わないのが最善の答えだと思うのだけれど、その答えに逃げるのではなく二人にも幸せになってもらいたいと思っていた。
だって、天樹透たちと戦っていた二人の姿はどんな映画や絵画よりも美しく輝いて見えていたのだ。戦っている時も戦っていない時もお似合いの二人だと、俺は思っているのだ。
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