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第二部

最終話 栗鳥院家の悪い奴 感想戦

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「アスモ様って栗宮院うまなの事を助けに行くのかな?」
「一応助けにはいくんじゃないか。あれだけ言われて助けに行かなきゃ後で何されるかわからないって事みたいだしな」
「それで、栗宮院うまなってどこにいるのかわかったのかな。私は栗鳥院桔梗の言ってることをちゃんと聞いてなかったからわからないんだけど、あんたはしっかり聞いてたの?」
「そりゃ当然だろ。お前って本当に魔王アスモにしか興味ないんだよな」
「決まってるでしょ。なんで私があんな小娘とアスモ様のやってるところを見なくちゃいけないのよ。そんなのを見せられる私の立場になって考えて発言しなさいよね。私だって許されるんだったらアスモ様のところに行って前よりも成長した姿を見てほしいくらいなんだからね」
「お前の場合はそのまま返り討ちにあいそうだけどな。そんなどうでもいい話はちょっとここに置いといて、お前は栗鳥院桔梗の秘密結社で気になったこととかあったりするのか?」
「そりゃちょっとは気になるところもあったけどさ、そんな話って今必要なのかな?」
「今話しておかなかったらお前は栗鳥院桔梗に対して興味を持ってないから二度と話題にも上らないだろ。明日には栗鳥院桔梗の事も忘れてるだろうしな」
「それは仕方ないでしょ。私があんなのに興味を持つ方がおかしいと思うのよね。アスモ様があの女の事に興味を持っている感じだったのがちょっと引っかかるくらいで、ほかには何の興味も持てなかったくらいだわ」
「口ではそう言ってるけどさ、お前って栗鳥院桔梗についていろいろと調べてたよな。それは悪いことではないと思うけど、もう少し素直になってもいいと思うぞ」
「変な言いがかりはやめてほしいわ。私は別にあの女に対して興味なんて持ってないしそこまで詳しく調べたりなんてしてないわよ。秘密結社がいったい何を目的に結成されたものなのかもまだ調べきれてないし、あのおばあさん事務員の正体もわからないままなのよね。もしかして、あんたってその二つを知ってたりするの?」
「一応知ってはいるけど、そんなに詳しくは知らないぞ。軽く知ってる程度の知識で良ければ俺がお前に教えてやってもいいけど、それはお前があの女の事について知りたいって認めてくれたらな」
「何よその言い方。いつにもましてちょっと嫌な感じじゃない。でも、あんたがそんな風に言うんだったら知りたいって認めてもいいわよ。ただ、勘違いしないでほしいんだけど、私があの女に興味を持ってるのはあの女自身の事じゃなくて、アスモ様があの女の事を気になってるのはどうしてなのかって事なのよ。それがわかったのならアスモ様も私の事をもっともっと考えてくれるようになるかも知れないって思ったからよ。で、どっちから教えてくれるの?」
「栗鳥院桔梗の秘密結社の秘密から教えてやるよ。その方が老婆についての説明も簡単になるからな。栗鳥院桔梗の行動を見ててわかってると思うんだけど、あの女は実際にはそこまで弱いというわけでもないんだ。あいつが従えている男衆もあの女が実力で手に入れたんだからな。あの男たちはみんな栗鳥院桔梗と一対一で戦って負けたやつなんだぜ。勝負の方法はみんな違ったみたいだけど、どの勝負においても栗鳥院桔梗が圧倒的な力の差を見せつけて勝利したみたいだ。単純な殴り合いでも栗鳥院桔梗は負けなかったし、創作作業でも捜索作業でも栗鳥院桔梗が負けることは一回もなかったみたいだぜ。もっと言うと、魔王アスモが退治した魔物だって周りに与える被害を考えなければ栗鳥院桔梗でも倒せたとは思うぞ。ただ、その力を発揮してしまうとあの星の生態系がかなり狂ってしまう危険性がある感じの地形変動が起きてしまうところだったんだよな。あいつの力って発揮する範囲が大きければ威力もそれに比例して大きくなるとんでもない迷惑な力なんだよ。文字通り、世界を破壊することも出来ちゃう恐ろしい力なんだぜ」
「それは秘密結社の話と何か関係あるの?」
「関係あると言えば関係あるのかな。あの秘密結社の秘密って、栗鳥院桔梗の本当の力を隠すためにあるって事だからな。世界を壊すことの出来る力を持っている事を本人に隠すって意味なんだぜ」
「それが秘密って、意味わからないんだけど。私が思ってた秘密結社と全然違うんだけど」
「まあ、そういうもんだよ。で、魔王アスモにお茶を出したおばあさんってのは栗鳥院桔梗の力を使わせないための抑止力みたいなもんなんだよ。普段は人前に出ずに栗鳥院桔梗の障害になる相手を始末したり、力になってくれそうな相手の事は手厚くもてなしてくれたリスもするみたいなんだ。魔王アスモはかなり手厚くもてなされてたみたいだぞ」
「そう聞くと、そのおばあちゃんの方が秘密結社の一員ぽい感じだわ。で、そのおばあちゃんがアスモ様に出したお茶ってどんな秘密があるのかな。あんなにお茶を気に入ってるアスモ様なんて見たことなかったし、そっちの方が気になるのよね」
「さすがにお茶の種類まではわからないぞ。でも、見た感じ栗鳥院桔梗のいれていたお茶と同じものを使ってるっぽかったからいれ方の問題なんじゃないかな。詳しくは知らないけどな」
「肝心なところで役に立たないのね。でも、あの女とやってるアスモ様はそこまで満足してなかったように見えるから私としてはどうでもいいって思っちゃってるのよね」
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