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第二部
第六話 天才科学者と暴力女 ボーナスステージ後編
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簡単に勝負がついてしまっては面白くないと思いつつも、俺とこいつでは全く勝負にならないのも事実なわけであって、あまり長引かせるのも申し訳ないと思いながら俺は少しずつこいつの来ている服を切り刻んでいくことにした。
「おい、もう少し真面目に戦え。オレと真剣に勝負しろ」
心の中では俺と戦っても勝負にならないなんてことは理解しているだろう。それでも、彼女の中のプライドがそれを認めたくないのだ。そんな感じで俺を言葉で責めては来るものの、彼女の攻撃が俺に対して効果をあらわすことなんてなかったのだ。
「真剣に勝負をしたらどうなるかわかっているよな?」
俺がそう問いかけても彼女は視線を逸らすだけで答えてはくれない。自分でそれを認めるということは、俺との勝負に自ら負けを認めてしまうということがわかっているからだ。
俺とこいつの戦いは始まる前から決着なんてついていたようなものなのだが、それを認めたくない彼女に少しずつ理解して納得してもらおうと頑張ってはいると思う。俺は全神経を指先に集中して、肌に触れずに服を少しだけ切り裂くように魔力をコントロールしながら戦うことにしていたのだ。
こんな戦い方は初めてなので最初のうちは苦労もしてはいたのだけれど、思っていたよりも早く慣れてきたのでそこまで苦労することはなかった。
三賛斎リーフリーフの攻撃もある程度のパターンが決まっていたということもあって動きが読みやすいというのもあったのだろうが、数種類の攻撃パターンで勝負をつけてきたという強さが裏目に出てしまっていたのだろうな。もっと強い相手と日常的に戦って、戦いの中で新しい攻撃パターンを見つけるまでもなく勝ってきた、そんな彼女が俺との戦いの中でこれ以上成長することなんてないんだと思い知らされるような戦いであった。
「なあ、さっきからずっと同じパターンでやられてるぞ。もう少し攻め方に工夫をしてみたらどうだ?」
「うるさい。お前に言われなくたってわかってる。オレは絶対にお前の事も殺してやる」
「あんまり物騒なことを言うなよ。俺を殺すことなんてお前には無理だろ。攻撃もろくに当たらないし、当たったところで何の効果もないんだ。そんなお前がどうやって俺を殺すっていうんだよ」
「それはな、こうやって殺すんだよ」
攻撃が当たらないし当たったところで何のダメージも与えられないとわかっているのに攻撃をやめないのは凄い事だとは思うのだが、何の工夫もない攻撃にそこまで意味があるのだろうか。無駄な努力を続けるくらいだったらさっさと諦めて他の道を探したほうがためになるとは思う。今まで戦ってきた相手の中でもこの諦めの悪さは一二を争うくらい素晴らしいものだとは思うけど、それはただ単に意地っ張りなだけだともいえるのだろうな。
三賛斎リーフリーフの攻撃は少しずつ俺から離れていって、明らかな空振りが増えてきていたのも体だけではなく頭の方も疲労が溜まってきたという証なんだろう。こうなってくると避けること自体もかわいそうだとは思うけど、攻撃を食らうことで彼女の体にダメージを与えてしまうということも考えてしまうと、彼女の攻撃を受けるという事にも抵抗を感じてしまう。
そろそろ終わりにしようかと思って彼女の履いているズボンの腰の部分を切り落としたところ、そこに現れたのは攻撃的な彼女には似つかわしくない水色のフリルの付いたパンツであった。爽やかさを感じさせる色合いと可愛らしい感じが彼女にとてもよく似合っていると思うのだが、彼女が動くたびに濃い目の陰毛が見え隠れしているのが少女のような彼女の大人びた一面を表現しているように思えた。
パンツが丸出しになったことで恥ずかしそうにしていた彼女もほんの少しだけ俺がパンツに見とれていたことを見逃すはずもなく、攻撃方法がパンチ主体のモノから蹴りを織り交ぜるスタイルに変更になっていた。ただ、そんな蹴りも俺にとっては何の痛みも感じない程度のモノではあったのだ。
「お前って、意外と毛が濃いんだな。可愛らしい顔してギャップがあるな」
「うるさい。黙れ。本当にお前を殺す」
強い言葉とは裏腹に先ほどよりも洗練された攻撃に変化してるのに驚いていた。さっきまではその場その場で出来ることをしているといった感じの攻撃だったのに、今では俺の動きを誘導するようにわざと空振りをして次の攻撃につなげようとしているのが見て取れる。
敵ではあるが思わぬ成長を見せてくれたことに感動を覚え始めてはいたのだが、圧倒的な戦闘力の差があるのは覆せない事実である。いくら攻撃が当たるようになったところで俺に対しては何の意味もない行動でしかないというのも事実なのである。
そろそろ終わらせてあげようと思って残り一枚となったシャツを切り裂くと、そこにはオレンジ色の小さめのブラジャーが出現した。胸の大きさと合っていないからなのか押しつぶされ気味の胸は苦しそうにも見えてしまう。ちゃんと自分に合ったサイズの方が苦しくなさそうでいいと思うのだが、何か理由があるのかもしれないな。
「お前のそのブラジャーって合ってないんじゃないか?」
「うるさい。別に上下揃えないといけない決まりとかないだろ」
「それもあるんだが、そうじゃなくてさ。大きさが全然合ってないと思うんだが」
「それも別にお前に関係ないだろ」
「まあ、関係はないな。でも、そんなに小さいのをつけると苦しくないのか?」
「オレにはこれで良いんだよ。こっちの方が胸が邪魔しなくて戦いやすいんだよ」
「動きの邪魔になるんだったら、スポーツブラとかサラシで固定すればいいんじゃないか?」
「そんなの、可愛くないだろ」
何とも女の子らしい返事が返ってきたのは意外だったが、あんなに恨みがましい顔で漂っていた青い人魂が変化しているのも意外だった。
三賛斎リーフリーフの肌面積の露出に比例するように人魂は青から赤へと変わっていき、その表情も恨みがましいモノからいやらしい感じに変わってきたのであった。
「おい、もう少し真面目に戦え。オレと真剣に勝負しろ」
心の中では俺と戦っても勝負にならないなんてことは理解しているだろう。それでも、彼女の中のプライドがそれを認めたくないのだ。そんな感じで俺を言葉で責めては来るものの、彼女の攻撃が俺に対して効果をあらわすことなんてなかったのだ。
「真剣に勝負をしたらどうなるかわかっているよな?」
俺がそう問いかけても彼女は視線を逸らすだけで答えてはくれない。自分でそれを認めるということは、俺との勝負に自ら負けを認めてしまうということがわかっているからだ。
俺とこいつの戦いは始まる前から決着なんてついていたようなものなのだが、それを認めたくない彼女に少しずつ理解して納得してもらおうと頑張ってはいると思う。俺は全神経を指先に集中して、肌に触れずに服を少しだけ切り裂くように魔力をコントロールしながら戦うことにしていたのだ。
こんな戦い方は初めてなので最初のうちは苦労もしてはいたのだけれど、思っていたよりも早く慣れてきたのでそこまで苦労することはなかった。
三賛斎リーフリーフの攻撃もある程度のパターンが決まっていたということもあって動きが読みやすいというのもあったのだろうが、数種類の攻撃パターンで勝負をつけてきたという強さが裏目に出てしまっていたのだろうな。もっと強い相手と日常的に戦って、戦いの中で新しい攻撃パターンを見つけるまでもなく勝ってきた、そんな彼女が俺との戦いの中でこれ以上成長することなんてないんだと思い知らされるような戦いであった。
「なあ、さっきからずっと同じパターンでやられてるぞ。もう少し攻め方に工夫をしてみたらどうだ?」
「うるさい。お前に言われなくたってわかってる。オレは絶対にお前の事も殺してやる」
「あんまり物騒なことを言うなよ。俺を殺すことなんてお前には無理だろ。攻撃もろくに当たらないし、当たったところで何の効果もないんだ。そんなお前がどうやって俺を殺すっていうんだよ」
「それはな、こうやって殺すんだよ」
攻撃が当たらないし当たったところで何のダメージも与えられないとわかっているのに攻撃をやめないのは凄い事だとは思うのだが、何の工夫もない攻撃にそこまで意味があるのだろうか。無駄な努力を続けるくらいだったらさっさと諦めて他の道を探したほうがためになるとは思う。今まで戦ってきた相手の中でもこの諦めの悪さは一二を争うくらい素晴らしいものだとは思うけど、それはただ単に意地っ張りなだけだともいえるのだろうな。
三賛斎リーフリーフの攻撃は少しずつ俺から離れていって、明らかな空振りが増えてきていたのも体だけではなく頭の方も疲労が溜まってきたという証なんだろう。こうなってくると避けること自体もかわいそうだとは思うけど、攻撃を食らうことで彼女の体にダメージを与えてしまうということも考えてしまうと、彼女の攻撃を受けるという事にも抵抗を感じてしまう。
そろそろ終わりにしようかと思って彼女の履いているズボンの腰の部分を切り落としたところ、そこに現れたのは攻撃的な彼女には似つかわしくない水色のフリルの付いたパンツであった。爽やかさを感じさせる色合いと可愛らしい感じが彼女にとてもよく似合っていると思うのだが、彼女が動くたびに濃い目の陰毛が見え隠れしているのが少女のような彼女の大人びた一面を表現しているように思えた。
パンツが丸出しになったことで恥ずかしそうにしていた彼女もほんの少しだけ俺がパンツに見とれていたことを見逃すはずもなく、攻撃方法がパンチ主体のモノから蹴りを織り交ぜるスタイルに変更になっていた。ただ、そんな蹴りも俺にとっては何の痛みも感じない程度のモノではあったのだ。
「お前って、意外と毛が濃いんだな。可愛らしい顔してギャップがあるな」
「うるさい。黙れ。本当にお前を殺す」
強い言葉とは裏腹に先ほどよりも洗練された攻撃に変化してるのに驚いていた。さっきまではその場その場で出来ることをしているといった感じの攻撃だったのに、今では俺の動きを誘導するようにわざと空振りをして次の攻撃につなげようとしているのが見て取れる。
敵ではあるが思わぬ成長を見せてくれたことに感動を覚え始めてはいたのだが、圧倒的な戦闘力の差があるのは覆せない事実である。いくら攻撃が当たるようになったところで俺に対しては何の意味もない行動でしかないというのも事実なのである。
そろそろ終わらせてあげようと思って残り一枚となったシャツを切り裂くと、そこにはオレンジ色の小さめのブラジャーが出現した。胸の大きさと合っていないからなのか押しつぶされ気味の胸は苦しそうにも見えてしまう。ちゃんと自分に合ったサイズの方が苦しくなさそうでいいと思うのだが、何か理由があるのかもしれないな。
「お前のそのブラジャーって合ってないんじゃないか?」
「うるさい。別に上下揃えないといけない決まりとかないだろ」
「それもあるんだが、そうじゃなくてさ。大きさが全然合ってないと思うんだが」
「それも別にお前に関係ないだろ」
「まあ、関係はないな。でも、そんなに小さいのをつけると苦しくないのか?」
「オレにはこれで良いんだよ。こっちの方が胸が邪魔しなくて戦いやすいんだよ」
「動きの邪魔になるんだったら、スポーツブラとかサラシで固定すればいいんじゃないか?」
「そんなの、可愛くないだろ」
何とも女の子らしい返事が返ってきたのは意外だったが、あんなに恨みがましい顔で漂っていた青い人魂が変化しているのも意外だった。
三賛斎リーフリーフの肌面積の露出に比例するように人魂は青から赤へと変わっていき、その表情も恨みがましいモノからいやらしい感じに変わってきたのであった。
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