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第二部
第五話 天才科学者と助手 ボーナスステージ中編
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青海青梅の家で飼っている猫は人懐っこい性格なのか俺の足にすり寄ってからぴょんと俺の膝の上に乗ってきた。頭を撫でようと手を伸ばすと軽く威嚇されてしまったのだが、小さい動物も小さい子供も相手をするときはいつも苦労していたの思い出した。
そういえば、紐畔亭羊仗も小さい子供のように見えたのだけど、本当にあの子が天才科学者なのだろうか。
「すいません。魔王さんが座ってるところってメトさんがいつも寝てる場所なんですよ。そんなわけで、ちょっと隣にずれてもらってもいいですか?」
「そういう事だったのね。それだったらすぐによけることにするよ」
俺を威嚇している猫のメトさんを優しく持ち上げてから少し隣に移動してみた。メトさんは俺が座っていた場所の匂いを嗅いでから当然のように丸くなって目を閉じていたのだ。人間でも動物でもいつもの場所というのものが決まっていて、そこじゃないと落ち着かないということもあるんだろうな。俺は世界中のどの場所でも気にしたことなんてないのだが、それは俺がこの世界の支配者だと思っているからなのかもしれない。
「メトさん気持ちよさそうに寝てますね。私が間違って座った時とかは私の匂いが気になるのかすぐに横にならないで体を超す地理つけていたりするんですけどね。私って臭かったりしますか?」
青海青梅は俺に向かって腕を上げて近づいてきた。ノースリーブなので脇が全開になっているのだけど、特別臭いとは思わなかった。というよりも、なんで脇の匂いをかがせようと思ったのだろう。その行動の意味を俺は理解することが出来なかった。
「別に臭くはないけどさ、なんで脇の匂いをかがせたの?」
「なんでって、臭かったら困るから確認してもらったんですよ。こういうのって自分じゃわからない微妙な匂いとかあるじゃないですか。そういうのがあったら嫌だなって思ったんです」
「その気持ちはわかるけどさ、普通の感覚だったら脇の匂いとか嗅がれるの嫌じゃないの?」
「嫌ですよ。当り前じゃないですか。私は自分のわきの匂いをかがせて喜ぶような変態じゃないですから。その言い方はちょっと失礼だと思いますよ」
なんでだろう。俺はこの人の怒りのスイッチの入り方がわからない。自分から嗅がせようとして怒り出すのはちょっと違うんじゃないかなとは思う。俺だって別にそういうところの匂いを嗅ぐのが好きなわけじゃない。たまたま嗅いでしまうのはありだと思うし、嗅がれてしまったことに気付いて恥ずかしくなって顔を赤く染めているのもありだと思う。
自分から嗅がせてきた青海青梅はそのどちらの要件を満たしていない新しいタイプの人間だと思う。普通はそんなことなんて出来ないと思うのだけど、この女はそんなことも平然とやってのける凄い人間だと思う。
「臭くないってわかったら安心ですね」
「安心って何?」
俺の言葉よりも早く青海青梅は俺の足の上に乗ってきた。隣に急に現れた飼い主である青海青梅の事を怪訝そうな顔で見ているメトさんはすぐに顔を背けるとそれっきりこちらの方を振り向くことはなかった。
「私って羊仗先生に何かあっても困らないように毎日色んなところを鍛えているんですよ。魔王さんって多分そんなトレーニングとかしてないと思うんですけど、もう少ししたら私のトレーニングに付き合てもらってもいいですか?」
「それは別にいいんだけど、なんで俺の膝の上に青海青梅が座ってるの?」
「なんでって、ここが私の定位置だからですよ。それ以外に理由なんてないでしょう。魔王さんってやっぱり空気読めないところありますよね。いや、この場合は空気を呼んであえて私の場所に座るという作戦だったりするのかもしれないですね。やはり、知略で世界を支配してきただけの事はありますね。魔王の恐ろしさの片りんというものを目の当たりにしてしまったような気分になってます」
「そんなんで魔王の恐ろしさを語られるとは意外だな。そんなに恐ろしい事なんてしてないと思うけど。というか、なんで俺は君の家に招待されてるんだっけ?」
「なんでって、それは決まってるじゃないですか。羊仗先生には魔王さんの相手なんて出来ないですからね。その代りに私が魔王さんの事をどうにかしちゃうってわけなんです。色々と調べさせてもらいますからね。魔王さんの強さの秘密を知って羊仗先生に報告するんですから。おっと、今更逃げようとしたって無駄ですよ。この家は私の許可がないと出られないようになってるんですからね。そうですね、何か決まり事をクリア出来たら出ることが出来るってことにしましょうか。その方が魔王さん的にも楽しめていいと思いますよね」
「別にそれでもいいけど、君が出す条件を俺がクリア出来ないなんて事はないと思うんだけどな。そんなに難しい事なんて君に考えることなんて出来ないでしょ」
「そんな事ないと思いますよ。こうして私が簡単に魔王さんの上に乗ることが出来たのってどうしてだと思います。普通だったら素直にのせたりなんてしないと思うんですけど、どうして魔王さんは私を拒んだりしなかったんでしょうね。それは、この部屋では私が何でも中心で尊重されるように作られているからです」
「そうなんだ。で、俺は何をすればいいのかな?」
「ちょっと待ってくださいね。魔王さんの苦手分野というのはちょっと調べても出てこないので諦めるとして、私の得意分野で勝負することにしましょう。ずるいとか言わないでくださいね。じゃあ、道具を使わないで自分の体だけで私の事をイカせてみてくださいよ。それが出来たらこの部屋から出てもいいですからね」
そんな簡単なことでいいのかと思ってしまったが、何か裏がありそうだなと思ってしまった。こいつが俺の事を何も知らないわけはないし、俺が今までどんなことをしてきたのかも知っているはずだ。それなのに、俺にそんなことを挑んでくるなんて何を考えているのだろうと思ってしまったのだ。
そういえば、紐畔亭羊仗も小さい子供のように見えたのだけど、本当にあの子が天才科学者なのだろうか。
「すいません。魔王さんが座ってるところってメトさんがいつも寝てる場所なんですよ。そんなわけで、ちょっと隣にずれてもらってもいいですか?」
「そういう事だったのね。それだったらすぐによけることにするよ」
俺を威嚇している猫のメトさんを優しく持ち上げてから少し隣に移動してみた。メトさんは俺が座っていた場所の匂いを嗅いでから当然のように丸くなって目を閉じていたのだ。人間でも動物でもいつもの場所というのものが決まっていて、そこじゃないと落ち着かないということもあるんだろうな。俺は世界中のどの場所でも気にしたことなんてないのだが、それは俺がこの世界の支配者だと思っているからなのかもしれない。
「メトさん気持ちよさそうに寝てますね。私が間違って座った時とかは私の匂いが気になるのかすぐに横にならないで体を超す地理つけていたりするんですけどね。私って臭かったりしますか?」
青海青梅は俺に向かって腕を上げて近づいてきた。ノースリーブなので脇が全開になっているのだけど、特別臭いとは思わなかった。というよりも、なんで脇の匂いをかがせようと思ったのだろう。その行動の意味を俺は理解することが出来なかった。
「別に臭くはないけどさ、なんで脇の匂いをかがせたの?」
「なんでって、臭かったら困るから確認してもらったんですよ。こういうのって自分じゃわからない微妙な匂いとかあるじゃないですか。そういうのがあったら嫌だなって思ったんです」
「その気持ちはわかるけどさ、普通の感覚だったら脇の匂いとか嗅がれるの嫌じゃないの?」
「嫌ですよ。当り前じゃないですか。私は自分のわきの匂いをかがせて喜ぶような変態じゃないですから。その言い方はちょっと失礼だと思いますよ」
なんでだろう。俺はこの人の怒りのスイッチの入り方がわからない。自分から嗅がせようとして怒り出すのはちょっと違うんじゃないかなとは思う。俺だって別にそういうところの匂いを嗅ぐのが好きなわけじゃない。たまたま嗅いでしまうのはありだと思うし、嗅がれてしまったことに気付いて恥ずかしくなって顔を赤く染めているのもありだと思う。
自分から嗅がせてきた青海青梅はそのどちらの要件を満たしていない新しいタイプの人間だと思う。普通はそんなことなんて出来ないと思うのだけど、この女はそんなことも平然とやってのける凄い人間だと思う。
「臭くないってわかったら安心ですね」
「安心って何?」
俺の言葉よりも早く青海青梅は俺の足の上に乗ってきた。隣に急に現れた飼い主である青海青梅の事を怪訝そうな顔で見ているメトさんはすぐに顔を背けるとそれっきりこちらの方を振り向くことはなかった。
「私って羊仗先生に何かあっても困らないように毎日色んなところを鍛えているんですよ。魔王さんって多分そんなトレーニングとかしてないと思うんですけど、もう少ししたら私のトレーニングに付き合てもらってもいいですか?」
「それは別にいいんだけど、なんで俺の膝の上に青海青梅が座ってるの?」
「なんでって、ここが私の定位置だからですよ。それ以外に理由なんてないでしょう。魔王さんってやっぱり空気読めないところありますよね。いや、この場合は空気を呼んであえて私の場所に座るという作戦だったりするのかもしれないですね。やはり、知略で世界を支配してきただけの事はありますね。魔王の恐ろしさの片りんというものを目の当たりにしてしまったような気分になってます」
「そんなんで魔王の恐ろしさを語られるとは意外だな。そんなに恐ろしい事なんてしてないと思うけど。というか、なんで俺は君の家に招待されてるんだっけ?」
「なんでって、それは決まってるじゃないですか。羊仗先生には魔王さんの相手なんて出来ないですからね。その代りに私が魔王さんの事をどうにかしちゃうってわけなんです。色々と調べさせてもらいますからね。魔王さんの強さの秘密を知って羊仗先生に報告するんですから。おっと、今更逃げようとしたって無駄ですよ。この家は私の許可がないと出られないようになってるんですからね。そうですね、何か決まり事をクリア出来たら出ることが出来るってことにしましょうか。その方が魔王さん的にも楽しめていいと思いますよね」
「別にそれでもいいけど、君が出す条件を俺がクリア出来ないなんて事はないと思うんだけどな。そんなに難しい事なんて君に考えることなんて出来ないでしょ」
「そんな事ないと思いますよ。こうして私が簡単に魔王さんの上に乗ることが出来たのってどうしてだと思います。普通だったら素直にのせたりなんてしないと思うんですけど、どうして魔王さんは私を拒んだりしなかったんでしょうね。それは、この部屋では私が何でも中心で尊重されるように作られているからです」
「そうなんだ。で、俺は何をすればいいのかな?」
「ちょっと待ってくださいね。魔王さんの苦手分野というのはちょっと調べても出てこないので諦めるとして、私の得意分野で勝負することにしましょう。ずるいとか言わないでくださいね。じゃあ、道具を使わないで自分の体だけで私の事をイカせてみてくださいよ。それが出来たらこの部屋から出てもいいですからね」
そんな簡単なことでいいのかと思ってしまったが、何か裏がありそうだなと思ってしまった。こいつが俺の事を何も知らないわけはないし、俺が今までどんなことをしてきたのかも知っているはずだ。それなのに、俺にそんなことを挑んでくるなんて何を考えているのだろうと思ってしまったのだ。
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