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鮮血姫バハラとボーナスステージ 中編

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 勇者バハラの鍛え上げられた肉体はその見た目の力強さとは違ってとても敏感なものだった。脇腹に俺の指先が少し触れただけでも体に力が入っているのがわかるのだが、それは勇者バハラが弱いところを見せたくないという意地の表れなのだろう。
 そんな勇者バハラを攻略するために俺は色々な部分を直接触れて確かめてみることにした。もちろん、勇者バハラにはそんな事をするなんて一言も言ってはいないのだが、近くに置いてある鏡越しに俺を見つめる勇者バハラの目は不安よりも期待の方が大きいような、俺の行動を受け入れようとどこか安心感を持っている慈愛に満ちているようにも思えていた。
 鏡越しに視線を合わせようとすると勇者バハラは俺から視線を外すのだが、俺が勇者バハラの顔をじっと見ていると、俺の事が気になった勇者バハラと目が合うのだ。そんな事を何度も繰り返していると、勇者バハラは俺の方を向かなくはなったのだが、その代わりに目線ではなく手を使って俺の行動を確認するようになっていた。勇者バハラは俺の手や頭に触れることで一つの安心を得ているように俺は感じていた。
 鍛えてあるのだから少し乱暴にしてもいいのだろうと思って力を入れてみようと思ったのだが、俺の体はその事を拒んでどんなに力を入れたとしても指先は繊細に動いていた。勇者バハラは優しくされる方が好きなのだろう。今にして思えば、全身を鎧で覆っていたこともそれを無言で表現していたという事なのかもしれない。

「お前は痛くされるのが好きじゃないんだな。優しく触れられるのが好きなんだな」
「俺は痛いのは好きじゃないです。でも、優しくされたことなんて無いからわからない。みんな勇者である俺に接する時は負けない様にって強く鍛えられていたし、そんな風に優しく触られたことなんて無いです」
「小さい時からそうなのか?」
「俺はこっちの世界に来る前の事は覚えてないんです。他の勇者はみんな昔の記憶があるみたいなんだけど、俺にはそれが無いんです。どうしてかはわからないけど、俺は勇者としての記憶しかもってないん、です。俺は勇者だけど、貰った鎧の性質上やっていることは魔王とそんなに変わらない、いや、魔王以上に殺戮を繰り返してきたと思います。でも、俺はそれが正しいことだと思ってやってます。そんな俺に優しくしてくれる人なんて今まで誰もいませんでした。他の勇者もどこかの国の王子様も敵対する魔王も、みんな俺に対しては好戦的で乱暴でした。俺がそうなんだからそうされても仕方ないと思うんですけど、なんで魔王アスモさんはそんな俺にこんなに優しくしてくれるんですか?」
「どうしてって言われてもな。お前はこの世界で多くの魔物や他の勇者を殺してたよな。それは俺を倒すために必要な事だったんだって知ってるし、お前が奪った命はまた別の形で蘇るわけなんだからかけがえのないモノってわけでもないんだよな。この世界の命の重みって俺が元々暮らしていた世界とは比べ物にならないくらい軽いんだよな。お前に殺された魔物の中にも俺と仲良くしていた奴はいたんだけど、そいつが殺されたからって別に特別お前を憎むとかないわけだし、その辺は俺も感情が希薄なだけなのかもな。俺もお前たちみたいな勇者を数多く殺してきたんだからさ、お前に俺の配下の魔物を殺されたところで怒るってのは違うだろ。そんなわけで、俺がお前を憎く思っていないというのはそういうところなんじゃないかな」
「その考えはなんとなくわかるんだけど、それと俺に優しくしてくれるのが繋がらないんですが」
「お前に優しくすることに理由なんて無いだろ。大体、お前は血にまみれた勇者だったとしても、その前に一人の女性なんだから優しくするのは当たり前だろ。今まで優しくされていなかったって事の方が俺には不思議でならないんだが」
「ちょっと待ってください、俺みたいな野蛮で筋肉質な勇者も女だって言ってくれるんですか?」
「そりゃそうだろ。というか、どこからどう見てもお前は女だろ。ほら、いくら鍛えたってお前の体には女性らしいところも残ってるじゃないか」

 俺は両手で同時に左右の乳房を包み込んで中央に寄せると、先端にある乳首を左右順番に優しく舐めてみた。触れるか触れないか微妙な距離感を保ちながら何度か舐めていると、勇者バハラは手足をピンと伸ばして舐められる感触を味わっているのだった。
 小さすぎず大きすぎないちょうどいい大きさの乳房なので左右の乳首同士が触れ合うということは無いのだが、順番に舐めることに苦労するということは無かったのだ。そして、左乳首を舐めている時よりも右乳首を舐めている時の方が手足に力が入っているのがわかったので、俺は右乳首を少し長めに舐めることにしたのだ。

「俺の、事を女扱い、してくれるって、う、嬉しいけど、あんまり、そんなとこ、舐めなくても、いいから。いいからって、舐めなくても、いいって、いいのに」

 勇者バハラは照れているのか、俺に言葉を伝えようとしているのだが、俺の舌が勇者バハラの乳首に触れるたびにその言葉が途切れていた。触れるか触れないかのギリギリのはずなのだが、勇者バハラは物凄く感度が高いのだろうか。俺は下がどうなっているのか確かめてみたくなったのだ。右手を乳房から離して少しずつ下へ移動させていったのだが、勇者バハラのヘソを右手が越えた辺りで腹筋と太ももに力が入っていった。どうやら、勇者バハラの股は俺の右手の侵入を拒むようだ。

「そ、そこはダメです。触っちゃダメです。汚いですから。ダメですって」
「汚いなんてことは無いと思うけど、最近は綺麗に洗ってないって事なのかな。でも、そんなに汚いって思うんだったら洗ってあげようか?」
「そんな事ないです。ちゃんと毎日お風呂に入ってます。洗ってます。でも、触るのはダメです」
「どうしてダメだっていうのかな?」
「だって、恥ずかしいんですもん」
「何が恥ずかしいのかな。別に変なものがついているわけでもないし生えている毛だって綺麗だと思うけど」
「そんなこと言わないでください。俺だって恥ずかしいんですよ。それに、そっちに触ってくれなくても、おっぱいだけでも気持ち良いんです。だから、大丈夫なんですよ」
「そうだよな。無理やりされるのは好きじゃないんだもんな。じゃあ、無理やりなんてやめてお前が好きなところを責めてやるからさ、好きなところを言ってごらん」
「えっと、好きなところと言われても、困っちゃいますね」

 勇者バハラが自分の触れて欲しいところを考えた瞬間、彼女の腹筋と足の力が緩んだのを俺は見逃すはずもなかった。ほんの少しの隙間があれば俺の右手は大丈夫だし、右手が股の間に入ってしまえば指が勇者バハラの中に入ることだって可能なのだ。
 慌てて力を入れ直す勇者バハラではあったが、時すでに遅く俺の中指は指先だけ勇者バハラの中に入っていたのだった。特別濡れているというわけでもなかったのだが、俺の指先はしっとりとした肉感を十分に感じ取っていたのだ。

「ちょっと、やめて下さい。そこはダメだって言ったのに、もう、ダメだって言ったのに」「大丈夫、汚くなんて無いよ。ここからじゃ見えないけど、綺麗だと思うからさ」
「そういう問題じゃないの。手をどけてください。ダメだって言ってるんだから、手をどけてください」
「じゃあ、手じゃなければいいんだね?」
「え、え?」

 俺は中指の代わりに作り出しておいたローターを当ててあげた。スイッチを入れていないので勇者バハラはまだ指が触れていると思っているようなのだが、スイッチを入れて弱めに動かしてみると、今までになかったような反応が返ってきた。

「あ、ああ、ああああああ、ダメ、ダメ、ダメですって。ああ、ああああ、振動が、振動が、ダメダメ、ダメです、ダメです、ダメダメダメダメ、だめですって、ああああ、あああ、あああああ。変に、変になっちゃう、おかしく、おかしくなっちゃううう」

 ローターの強度は一番弱いままなのだが、勇者バハラの両手はシーツをがっしりと掴んで離さない。その両手にはうっすらと血管が浮かんでいた。足も真っすぐに伸びて力が入っているのだが、その両足は先程とは違って閉じようとはせずに真っすぐに伸びていた。つま先も力が入って握られているのだが、手とは違ってシーツを掴むようなことは無かった。
 腹筋も先ほど以上に固くなっているようなのだが、腰が若干浮いているという事もあって戦っていた時以上に力が入っているように見えている。そもそも、戦っている時にここまで力を入れると動けなくなりそうではあるのだが、今は命をかけた戦いではないので関係ないだろう。
 時間にして五分も経っていないような気はするのだが、勇者バハラの息は完全に上がっていて俺に抵抗する力もないように見えた。

「あまり刺激が強くない方がいいみたいなんで、次は俺が直接舐めてあげようかな」
「え、それはダメです。絶対にダメです」

 勇者バハラは足に力を入れて閉じようとはしているのだが、先程と違って俺を退けるほどの力は入っていなかった。俺は少しだけ強引に勇者バハラの股を開くと、そこにはしっとりと濡れたピンク色の空間が目に飛び込んできた。
 ローターも少しだけ濡れているようで艶々と輝いていたのだが、わずかに粘度があるようにも思えた液体は想像よりもずっとサラサラとしていたのだった。それを確かめた俺がゆっくりと顔を近付けると、勇者バハラは俺の頭を両手で押さえて最後の抵抗を見せてきた。もちろん、俺の事を全力で押さえることなんて出来ないのだが、それでも勇者バハラは俺に抗っていたのだ。

「ダメですって。そこはまだ駄目ですって」
「まだ駄目って、後なら良いって事?」
「はい、後ならいいです」
「あとって、いつ?」
「五分後とか、ですかね」
「どうして五分後なの?」
「時間はなんとなくです」
「何となくって、何か理由でもあるの?」
「理由って言うか、その、先にして欲しいことが、あるんです」
「先にして欲しいことって?」

 ここに来て勇者バハラからお願いをされるとは思っていなかった俺はいったん顔を上げて勇者バハラを見つめた。勇者バハラは俺の顔を一瞬確認するとそのまま視線を外していた。鏡越しでも目が合わないように勇者バハラはしていたのだが、俺から見える勇者バハラの表情は覚悟を決めたようにも見えていた。

「あの、俺と、して欲しいことが、あるんです」
「して欲しいことって何か言ってもらえるかな?」
「恥ずかしいけど、先にして欲しいなって、思ってて」
「何をして欲しいのかな?」
「その、俺と、キスしてください」
「キス?」
「はい、俺と、キスしてください」
「別にいいけど、どうして?」
「おっぱいは先に舐められちゃったけど、そこよりも先にキスして欲しいなって、思って。キスより先に、そこを舐められるのって、どうなんだろうなって思ったって言うか、気になっちゃって、ファーストキスよりも先にそこを舐められるのって、普通じゃないんじゃないかなって思うんです、よ」
「ファーストキス、なの?」
「……。はい」

 勇者バハラは俺の頭から手を離すと、その両手で顔を覆っていた。少しだけ見えるその顔は耳まで真っ赤になっていたのだが、その言動が俺にはとても可愛らしく見えていた。俺は顔を勇者バハラの股から離して体を動かして勇者バハラの横に添い寝をするように移動した。
 近くで見ると勇者バハラの顔が赤いのは分かったのだが、俺と戦っていた時のように不自然なくらい真っ赤なのではなくほんのりと紅潮した濃いピンク色のようにも見えていた。が、俺が隣に移動してきた事を感じた勇者バハラは俺の方に顔を向けて、顔を隠していた両手をそっと外していた。
 相変わらず俺と目を合わせようとはしないのだが、俺から顔を背けようとはしていないので期待はしているようではあった。そんな勇者バハラを俺はいつまでも見ていたいと思っていたのだが、勇者バハラは時々確かめるように俺に視線を送ってはまた逸らしていたのだ。
 おそらく、俺は今までに無いくらい優しい目をしていたと思うのだが、そんな俺を見てくる勇者バハラと視線が合う時間が増えていった時、勇者バハラは俺を抱き寄せて唇が触れあいそうな距離まで近付いてきたのだ。

「ねえ、俺が可愛くないからって、意地悪しないでください」
「お前は可愛いと思うよ」
「嘘でも嬉しいです。でも、キス……して欲しいな」
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