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ロリ巨乳なウサミとボーナスステージ 前編

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 勇者ヒトシとそのアシスタントであるウサミが俺に戦いを挑みに来たのだが、勇者ヒトシは先日話した時とはまるで様子が異なっていた。あの時は本当に勇者なのだろうかと思うようないでたちであったのだが、今は深い青色の鎧を身に纏ってまるで歴戦の勇者のようであった。
 アシスタントと紹介されたウサミは両手にそれぞれ全身が隠れそうな盾を装備しているのだが、服装は水色のロリータファッションであった。そのアンバランスさよりもその体型に俺は戸惑いを隠せているか自信が無かった。身長だけで言うと小学校低学年でもおかしくないように見えるのだが、その顔はモデルだと言われても信じられるくらい整っていて、その身長にはまるで似合わない巨大な胸が胸元のボタンを圧迫していたのだ。
 顔だけを見れば美人なのは間違いないのだが、身長と胸の大きさのバランスがおかしいこともあって、俺はウサミを見ているだけで少し不安な気持ちになってしまっていた。勇者ヒトシがどんなに強い勇者だったとしても俺には関係ないのだし、ここはウサミを徹底的に責めるべきなのだろう。それが勇者ヒトシの望みだとは思うのだが、今の勇者ヒトシの表情を見ているとそれは嘘だったのではないかと思えてしまっていた。

「あたしさ、こいつと戦うのなんか嫌なんだけど。ヒトシは勇者なんだしあたしを頼らないでこの魔王と戦いなよ」
「俺も出来るならそうしたいけどさ、俺って守りが全然だめだからウッチャンに頼らないとどうしようもないと思うんだよね。ほら、俺一人だったら前みたいに身動き取れなくなって死にかけるかもしれないからさ。俺って呪縛系の魔法に耐性が無いからウッチャンにどうにか守ってもらわないとな。俺はどうして呪縛系の魔法にだけ耐性が無いんだろうな。本当にそれだけが悩みなんだけど、呪縛系の魔法ってどうしてあんなに俺を苦しめるんだろう」
「ヒトシは昔から正座とかしても動けなくなったりしてたもんね。でも、それってたぶん関係無いと思うよ。ってか、そんなこと言ってたらあの魔王に呪縛系の魔法を使われちゃうかもしれないだろ。あんまり変なこと言ってないでさっさとやっちゃえよ。あたしは守るだけで攻撃はダメなんだからちゃんとしろよ」
「わかったよ。魔王アスモが呪縛系の魔法を使えなければいいんだけど、そんな事は俺にはわからない。だから、俺は全力で魔王アスモを叩き潰す」

 先ほどから呪縛系の魔法を使えと言われているように思えるのだけれど、俺は生憎と呪縛系の魔法なんて知らないのだ。女性を拘束する魔法はいくらでもあるのだけれど、勇者ヒトシは男性なのでそれを使うわけにはいかない。使ってもいいのだけれど、それを男勇者に使うというのは世間が許してはくれないだろう。
 この戦いもサキュバスとインキュバスのネットワークを利用して異世界中どこででも見ることが出来るのだが、俺が男勇者を縛るのが好きだと思われるのは心外だ。それに、勇者ヒトシもそのような醜態をさらしてしまってはこれからの先の人生が暗いものになってしまうだろう。
 俺は身長が低いのに巨大な胸を備えているウサミを見ていたので勇者ヒトシから視線を外していたのだが、物凄い速さで俺の前にやってきた勇者ヒトシは自分の体よりも大きな金属製のハンマーを振りかぶっていた。俺が勇者ヒトシの攻撃に気付いた時にはすでに俺の脳天にめがけてハンマーが振り下ろされていたのだが、俺はその場に残像を残して二歩後ろに下がっていた。一歩だけだったらつま先が潰れていたような気が下から二歩なのだ。

「マジかよ。完全に隙をついた攻撃だったじゃん。なんでヒトシって攻撃を当てるのが嫌なわけ?」
「当てるのが嫌なわけないじゃん。今まで俺が攻撃を外したことなんて無かったでしょ。俺が外したところをウッチャンが見たことあるって言うんだったらさ、いつだったか言ってごらんよ」
「え、あったと思うよ。ほら、あたしが幼稚園だった時にヒトシのおもちゃで遊んでたらヒトシが泣きながらあたしの事を殴ろうとしたじゃん。その時はあたしもちゃんと避けてたと思うよ」
「それって、こっちの世界に来る前でしょ。少なくても俺はこっちの世界に来てから一度も今のハンマー攻撃をミスったことなんてないもんね」
「こっちの世界の話限定だったんならあたしは見た事ないわ。でも、こっちの世界だけに限定するのって良くないと思うな」
「こっちの世界の話に決まってるじゃん。元の世界で俺は誰とも喧嘩すらしたことないんだよ。ウッチャンは良く俺に喧嘩を売って来てたけどさ、俺は一度だってそれを買ったことなんてないんだからね」
「あたしは別にヒトシに喧嘩を売ってたわけじゃないんだけどな。ヒトシが男として情けないから教育してあげようって思ってただけだし」
「そんな事頼んでないけど。俺がいつどこでそんな事を頼んだっていうのさ。言ってみなよ」
「そんなの知らないよ。覚えてないし。それよりもさ、あんた次の攻撃はどうしたのさ?」
「次の攻撃なんて無いよ。俺が出来る攻撃って相手の隙をついて不意打ちをする事だけなんだし、さっきの攻撃をよけられたって事はこれ以上何をしても無駄だって事だもん」
「無駄なわけないって、もう一回やってみたら当たるかもしれないじゃん。やってみなよ」
「じゃあさ、やってみるけど、ウッチャンが魔王アスモの気を引いててもらえるかな」
「気を引くって、どうやればいいのさ」
「さっきみたいにそのデカい胸を使ってアピールすればいいんじゃない」
「バ、バカ野郎。あたしがそんなこと出来るわけないだろ。大体、この魔王はいろんな女を抱いてきているんだぞ。今更あたしみたいなのがアピールしたところで効果なんてないだろう」
「いや、そんな事はないぞ。確かに俺はいろんな女を抱いてきてはいる。でもな、お前のような低身長で巨乳で顔が整ってるやつなんて見たことは無かったぞ」
「おい、ヒトシ聞いたか。この魔王は普通に会話が成立しているぞ。今まで見てきた魔王は自分が言いたいことだけ言って襲い掛かってきたって言うのによ、この魔王は普通にあたしたちの会話に入ってきたぞ。こんな事ってあるんだな」
「魔王アスモって映像で見た時も普通に会話してたでしょ。ウッチャンってどんな気持ちであの映像を見てたわけ?」
「あの映像って、恥ずかしいこと言わせんなよ。恥ずかしすぎて何か話してたかどうかなんて覚えてないって」
「ウッチャンがあの映像を見てた時は口が半開きだったもんね。でも、それって集中してたって事だよね?」
「集中って言うか、あんな風に気持ちよさそうに喘いでいるのって凄いなって思っただけだし。って言うか、この会話をしている間にさっさと攻撃しとけよ」
「ふふふ、残念だけどそれは出来ないね。だって、俺はいつの間にか魔王アスモの魔法で身動きが取れなくなってるからさ」
「お前はいったい何をやってるんだよ。本当に動けないのか?」
「一応手と足以外は動くよ。首だってこんな風に動くんだけどさ、俺の手足が完全にハンマーにくっついちゃって身動きが取れないんだ。この魔法ば武器を落とさないための魔法だと思うんだけど、それを勝手に俺にかけてるってのは良くないと思うな。それも、両手両足が一つのハンマーに固定されるって酷い話だと思わない?」
「酷い話だとは思うけどさ、一番ひどいのはお前の作戦のなさだよ。不意打ちが失敗した後の事を少しは考えておけって。それくらいしないとこれから先困ると思うぞ」
「以後気を付けるよ。いったんここは態勢を立て直すって事も考えてさ、ウッチャンだけでも逃げていいからね」
「そんな事は出来るかよ。一応ヒトシは勇者だし、あたしもこの世界で勇者ヒトシの盾となる存在としてやっているんだし、逃げるなんて真似出来るわけないだろ」

 熱い友情をまざまざと見せられているのだが、こう見た限りではウサミからヒトシに対して恋心というものは芽生えていなさそうだ。ヒトシからウサミに関してもなさそうだし、恋愛感情のないパートナーの方がこの世界では冒険もうまく行くのかもしれないな。
 俺はなんとなく勇者ヒトシを攻撃してみることにしたのだが、その攻撃はヒトシに届く前にウサミの盾によって弾かれてしまっていたのだ。今まで何かを殴った時に痛みを感じたことは無かったのだが、なぜか今のタイミングでは盾で弾かれた右の拳がジンジンとした痛みを感じていた。
 この世界に来てから一度目の戦闘は何もわからないまま終わっていたし、二回目以降の戦闘では俺が何か攻撃を食らうという事も無かったと思う。だが、久しぶりに感じる痛みは少しだけ生きている実感があって嬉しかったりもしたのだ。
 ただ、俺も黙って弾かれるだけでは面白くないので何度も何度も攻撃を繰り出してはいるのだが、その全てはウサミの盾によって弾かれてしまっていたのだ。タイミングをずらしても早さを変えても俺の拳は全て盾で弾かれていたのだ。

「ちょっと、そんなに何回も攻撃しないでよ。しつこすぎるって。ここらへんでちょっとだけ休憩入れとこうよ。ね、その方があなたの方も魔王っぽくていいでしょ」
「いや、魔王は戦闘中に休憩なんて入れないって。そもそも俺はお前たちから何一つとして攻撃をされていないからな」
「あたしは攻撃できないから仕方ないじゃん。ほら、攻撃して欲しかったらヒトシにかけてるやつ解きなよ」
「別に攻撃して欲しいとは思わないけど。ところで、お前はエッチの時もそんな風に受け身なのか?」
「バ、バカ野郎。そんな質問やめろ。お前がそう言う魔王だってのは忘れてなかったけど、今このタイミングでそんな事を聞くな」
「別のタイミングだったらよかったって事?」
「別にそう言う意味じゃないし。おい、そんな風にあたしのお尻を触るんじゃないよ。や、やめろって」

 俺は一瞬のうちにヒトシとウサミの間に入り込んでウサミの尻を思いっ切り揉みしだいてみた。揉まれているウサミも俺にお願いをしてきたヒトシもこの様子を見ている人達も俺が一番最初に尻を触るとはだれも思っていなかったに違いない。確かに大きい胸も気にはなるのだが、お尻もなかなか形が良くて触り心地も良いモノなのだ。
 ウサミは俺の方を振り向いていたのだが、その時の勢いを利用して思いっきり俺の事を盾で殴ろうとしてきたのだ。もちろん、それは俺に当たることも無かったのだが、不幸な事に俺の後ろに立っていたヒトシにもろに直撃してしまったのだ。手足が動かないように完全に固定されている状態で金属製の盾を思いっ切りぶつけられたヒトシであったが、まだかろうじて生きているようではあった。
 ヒトシを襲った衝撃は象すらも倒してしまいそうな威力があったように見えたのだが、同じく金属製のハンマーの柄に当たっていたこともあって全ての衝撃がヒトシに届くことは無かったようだ。それでもヒトシは苦悶の表情を浮かべて今にも倒れそうに見えるのだが、両手両足をハンマーに固定されているので動く事すらできずにいるのだ。

「嘘、あたしそんなつもりじゃないし。大丈夫だよね?」
「命に別状は無いと思うけど、ウッチャンは俺の事を置いて逃げていいから。魔王に捕まったら大変なことになっちゃうよ」
「大変な事ってなにさ、ヒトシを置いてくことの方が大変な事だよ。だから、早くその魔法を解いて逃げようよ」

 一応戦闘中ではあるのだけれど、ウサミは完全に俺に背を向けてヒトシを助けようと画策しているようではあった。二人の他に回復魔法が使えるものがいれば簡単に逃げることも出来たであろう。その方法はいたって単純で、ハンマーについている部分を切り落として離れてから回復させればいいのだ。ただ、この世界の人間で魔法だけを使って手足を再生させることが出来るものがどれくらいいるのかは知ったことではないのだが。
 後ろから見ていても横乳が見えるというのは凄い光景ではあるが、横乳よりも先にツンと張り出したお尻が俺の目を刺激してきた。思わずまた触ってしまいそうになっていたのだが、俺は普通に触るのではなく少しイジメてみたいという衝動に押し潰されそうになっていた。
 ウサミにとってふさわしい道具が何なのだろうと思いながらオモチャを作ってみたのだが、俺の手に握られていたのは大きな手の形をしたハンマーだった。ただ、その手の部分はクッション素材で出来ているようなので叩いてもそれほど痛みは感じることも無いのかもしれない。ただし、重量はそこそこあると思うので痛みではなく衝撃はありそうではあった。
 俺はそのハンマーでウサミの尻を叩いてみたのだが、叩かれたウサミはこちらをゆっくりと振り向いた。その表情はまるでもう一度お代わりを望んでいるような感じに受け取ることが出来た。その後も三度ほど叩いてみたのだが、叩くたびに俺の方へ切ないような嬉しいような視線を送ってきていたのであった。
 ウサミの表情を見ているヒトシも嬉しそうな顔をしているように見えたのは、気のせいではないはずだ。
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