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魔界の住人と僕ら 前編
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「あんたたちは魔法を使えるようになるかわからないけど、魔法に対する耐性を付けとかないと大変よね。魔法耐性が全く無い状態じゃあいつらの拠点に乗り込んだってやられちゃうだけだもんね」
「僕らは拠点に乗り込んだりはしないよ。向こうからくる分には相手をしてあげてもいいんだけど、こっちから乗り込んでいく理由もないでしょ」
「何言ってんのよ。あんたたちはもうすでに宣戦布告しているようなもんなのよ。戦力が整っているならまだしも、あんたたちって私達しか味方がいないじゃない。そんな状況であいつらと戦う事なんて無理よ。無駄に死人が出るだけだわ」
「そうだろうね。みさきの話を聞いただけでも、魔法がどんなに厄介なモノかってのはわかるんだけどさ、それがあるからってわけじゃないけれど、僕たちはわざわざあいつらの相手をしてあげる理由だって無いんじゃないかな。どっちかって言うと、シスターたちがあいつらを目の敵にしてるってだけなんじゃないの?」
「ホント、あんたって痛いところを突くわね。そうなのよ。私達が信じる神はあいつらとは別の神なのよ。あいつらは自分たちの信じる神以外は邪悪な存在って思っているのよね。あいつらの共通認識として、同じ神を信じている者は種族が違ったとしても仲間だと認めているし、それ以外の神を信じている者は全て敵なのよ。信仰の自由ってのはあいつらにとっては、神を信じるか信じないかの自由なのよ。信じないっていうのはそれほど珍しい価値観ではなんだけど、私達みたいに全く別の神を信じているのは問題視しているのよね。私達の言い分なんて全くお構いなしで、自分たちの都合だけを押し付けてくるそんな神なんて信じたくないのよ。でも、あいつらってほとんどの大国を味方につけているし、それに伴って世界各地に点在する大富豪も支援者に名を連ねているのよ。それに、人間だけじゃない異形の怪物や魔物、天使なんかで構成されている軍隊も持っているのよ。あんたの彼女と戦った女はその中でもとりわけヤバいやつだったのよ。人間なのに神に近い存在で天使や魔物を超える魔力を持っている恐ろしい女神の一人だったのよ。女神ってのは自分たちでそう言っているんじゃなくて、外野である私達や支援者が勝手に言っているのよ。神に近い存在の女だから女神ってね。でも、あいつらにとっての神はたった一人しか存在していないらしいし、神の名をかたるものは全て詐欺師と思えって感じだから、女神って呼ばれるのは好きじゃないみたいよ。だから、あの人たちは色女って自分たちの事を呼んでるわね。なんでも、それぞれに決まった色の魔力が備わっているのに由来するらしいんだけど、そんな事はどうでもいいのよ。あの女みたいに強いのがまだまだ何人も控えているのよ。そんな奴らを敵に回してこのまま無事に暮らしていけると思っているの?」
「いや、そんなこと言われてもさ、僕たちはシスターたちと違ってあいつらと敵対するつもりはないし、勝手に向こうから襲ってきただけなんだよね。だから、僕たちは故意に戦闘を始めたんじゃないってわかってくれたらどうにかなるでしょ」
「どうにもなんないわよ。あんたたちが二人で女神を殺したのは紛れもない事実なのよ。その事はもう世界中に知れ渡っていると思うし、どうやったって逃げられないわよ。もう、腹をくくって、男らしく決断しちゃいなさいよ。それに、私達と一緒にルシファー様の復活を待ちましょうよ」
「今、ルシファーって言った?」
「言ったけど、それがどうかしたの?」
「いや、ルシファーってみさきが強くなるきっかけを作ったやつと同じ名前なんだけど」
「どこにでもいる名前じゃないし、あなたたちの世界にいるルシファーと私達の信じているルシファー様が同じ存在なのかはわからないけど、同じ名前の存在を認識しているもの通し仲良くやっていきましょうよ」
「僕にはあんまり関係ない話なんだけどね。みさきだって、あんまりいい思い出が無いんじゃないかな」
「それってどういうことよ」
「僕もみさきから聞いた話なんで間違っているかもしれないけど、僕たちがこの世界に来る前にみさきの家族がミカエルって天使に殺されたらしいんだけど、その後にミカエルがみさきをルシファーに会わせてからみさきが急に強くなったって言っていたよ。どういう理屈なのか知らなけど、僕と再会した時には素手で家を解体できるくらいには強くなってたからね」
「その強さの尺度は意味が分からないけど、みさきちゃんがルシファー様とかかわりがあるなんて聞いてないわよ。それだったら話が早いわ、この教会の地下室が拷問部屋になっているのは私の趣味じゃないってのは理解してると思うけど、あの装置を使って生贄として死体を捧げることによってルシファー様に繋がることが出来るのよ。ここ数年は上手くルシファー様に繋がることは無かったけど、配下の魔王とか魔神に繋がることは出来るのよね。もっとも、そのためには強い魔力を持っていたものの死体が必要なのよ。あの女神は十分にその要件を満たしてくれると思うけど、試してみる気はあるかしら?」
「試したところで何かが変わるのかな?」
「ええ、この世界で魔法を使うために必要な事がいくつかあるんだけど、それをまとめてすっ飛ばして魔法を使えるようになる可能性があるのよ」
「僕らは拠点に乗り込んだりはしないよ。向こうからくる分には相手をしてあげてもいいんだけど、こっちから乗り込んでいく理由もないでしょ」
「何言ってんのよ。あんたたちはもうすでに宣戦布告しているようなもんなのよ。戦力が整っているならまだしも、あんたたちって私達しか味方がいないじゃない。そんな状況であいつらと戦う事なんて無理よ。無駄に死人が出るだけだわ」
「そうだろうね。みさきの話を聞いただけでも、魔法がどんなに厄介なモノかってのはわかるんだけどさ、それがあるからってわけじゃないけれど、僕たちはわざわざあいつらの相手をしてあげる理由だって無いんじゃないかな。どっちかって言うと、シスターたちがあいつらを目の敵にしてるってだけなんじゃないの?」
「ホント、あんたって痛いところを突くわね。そうなのよ。私達が信じる神はあいつらとは別の神なのよ。あいつらは自分たちの信じる神以外は邪悪な存在って思っているのよね。あいつらの共通認識として、同じ神を信じている者は種族が違ったとしても仲間だと認めているし、それ以外の神を信じている者は全て敵なのよ。信仰の自由ってのはあいつらにとっては、神を信じるか信じないかの自由なのよ。信じないっていうのはそれほど珍しい価値観ではなんだけど、私達みたいに全く別の神を信じているのは問題視しているのよね。私達の言い分なんて全くお構いなしで、自分たちの都合だけを押し付けてくるそんな神なんて信じたくないのよ。でも、あいつらってほとんどの大国を味方につけているし、それに伴って世界各地に点在する大富豪も支援者に名を連ねているのよ。それに、人間だけじゃない異形の怪物や魔物、天使なんかで構成されている軍隊も持っているのよ。あんたの彼女と戦った女はその中でもとりわけヤバいやつだったのよ。人間なのに神に近い存在で天使や魔物を超える魔力を持っている恐ろしい女神の一人だったのよ。女神ってのは自分たちでそう言っているんじゃなくて、外野である私達や支援者が勝手に言っているのよ。神に近い存在の女だから女神ってね。でも、あいつらにとっての神はたった一人しか存在していないらしいし、神の名をかたるものは全て詐欺師と思えって感じだから、女神って呼ばれるのは好きじゃないみたいよ。だから、あの人たちは色女って自分たちの事を呼んでるわね。なんでも、それぞれに決まった色の魔力が備わっているのに由来するらしいんだけど、そんな事はどうでもいいのよ。あの女みたいに強いのがまだまだ何人も控えているのよ。そんな奴らを敵に回してこのまま無事に暮らしていけると思っているの?」
「いや、そんなこと言われてもさ、僕たちはシスターたちと違ってあいつらと敵対するつもりはないし、勝手に向こうから襲ってきただけなんだよね。だから、僕たちは故意に戦闘を始めたんじゃないってわかってくれたらどうにかなるでしょ」
「どうにもなんないわよ。あんたたちが二人で女神を殺したのは紛れもない事実なのよ。その事はもう世界中に知れ渡っていると思うし、どうやったって逃げられないわよ。もう、腹をくくって、男らしく決断しちゃいなさいよ。それに、私達と一緒にルシファー様の復活を待ちましょうよ」
「今、ルシファーって言った?」
「言ったけど、それがどうかしたの?」
「いや、ルシファーってみさきが強くなるきっかけを作ったやつと同じ名前なんだけど」
「どこにでもいる名前じゃないし、あなたたちの世界にいるルシファーと私達の信じているルシファー様が同じ存在なのかはわからないけど、同じ名前の存在を認識しているもの通し仲良くやっていきましょうよ」
「僕にはあんまり関係ない話なんだけどね。みさきだって、あんまりいい思い出が無いんじゃないかな」
「それってどういうことよ」
「僕もみさきから聞いた話なんで間違っているかもしれないけど、僕たちがこの世界に来る前にみさきの家族がミカエルって天使に殺されたらしいんだけど、その後にミカエルがみさきをルシファーに会わせてからみさきが急に強くなったって言っていたよ。どういう理屈なのか知らなけど、僕と再会した時には素手で家を解体できるくらいには強くなってたからね」
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「試したところで何かが変わるのかな?」
「ええ、この世界で魔法を使うために必要な事がいくつかあるんだけど、それをまとめてすっ飛ばして魔法を使えるようになる可能性があるのよ」
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