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色女と美少女 後編
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「ちょっとちょっと、あんなにいい男がこんな邪な教会にいるのよ。こんなところにいたあのいい男の価値が下がっちゃうわよ。私達の拠点に連れて行かなくちゃ。どうしよう、目が合っちゃったかもしれない。それにしても、なんていい男なのかしら」
この女がまー君に見惚れてしまうのは仕方ないと思うけど、この女がバカ面でまー君を見ているのがとても我慢出来なかった。さっきから体を動かせなかったイライラもあったのだけれど、思いっきり後頭部を殴りつけたのだ。
私の右手には何の感触も残っていなかったのだけれど、この女の首から上も何も残っていなかった。
「あれ、その人はこの教会に来たお客さんじゃないの?」
「よくわからないけど、私を殺そうとしたんだよ」
「それは良くないな。でも、みさきが無事みたいで良かったよ」
「それがね。魔法ってやつで動けなくなってたんだよね。まー君は魔法って知ってる?」
「うーん、全然知らないけど、この教会のシスターなら何か知っているかもしれないから聞いてみようか?」
この女が何者なのかわからないけれど、私達の敵だと思うんだよね。敵じゃなかったとしても、襲ってきたんだから殺しても問題ないでしょ。私を殺そうとしたって事は、逆に私が殺したとしても文句を言うはずがないもんね。こいつの仲間が襲ってきたとしてもさ、私とまー君のためにたくさん死んでもらえるって事だし、それについては感謝しないといけないよね。
でも、他の人の死体は近所の人たちが処理してくれているんだけど、この女の死体だけは誰も近付こうとしないみたいね。頭が悪そうで、それがうつるのを心配しているからなのかな。それとも、こんなになっちゃってたら気持ち悪くて近付きたくないって気持ちになっちゃうかもね。それは仕方ないなって思うよ。
まー君と一緒にシスターを探しに行ったんだけど、私達の声を聞いたシスターは恐る恐ると言った感じで私達に話しかけてきた。
「ねえ、あの女は何もしないで帰ったのかしら?」
「帰ってはいないけど」
「この教会は聖なるものを退けるから大丈夫だと思うんだけど、中に入ってきたりはしていないわよね?」
「入口の所に立っているけど、中には入ってこれないと思うよ」
「あんまり長居してもらうのも悪いから帰ってもらえるように説得してもらえないかしら?」
「それは無理だと思うよ。だって、あの女の人はみさきが殺してくれたからね」
「そんなわけないでしょ。あの女は聖なる女神の一人なのよ。この世界でも三本の指に入るくらいの魔法使いなのよ。あなたがいくら強くたって、魔法に耐性を持たない私達一般人が叶う相手じゃないのよ。どうやって倒したって言うのよ?」
「えっと、あの女がまー君に見とれているすきに後ろから思いっきり殴っただけだけど」
「あの聖なる女神が見惚れるって、あんたは何者なのよ。聖なる女神を殴り殺すあんたも意味不明だわ」
「そんな事は今は良いんだけど、女神の事と魔法の事を僕たちに教えてもらってもいいかな?」
「そうね、私も詳しくは知らないんだけど、知っていることは全部教えるわ」
私は正直に言って魔法とか女神とかに興味は無かったのだけれど、さっきみたいな状況になったらマズいなと思って仕方なく聞くことにした。何も知らないという事は生きていくうえでもマイナスになってしまうと思うんだよね。この世界では前の世界よりも知らないことを無くすって事が重要だと思うし、それは今まで少しだけ見てきた事でも理解出来ているのだ。何も知らなければ私もまー君も今頃生きていなかったかもしれないけど、私達を殺せるって人がいるのかな。いてもいなくても良いけど、まー君との時間を邪魔だけはしないで欲しいな。
そんなこんなでこの世界の事を色々教えてもらう授業は二週間ほど続くことになるのだけれど、その中に私が知りたいことはそんなになかったような気がしてならなかった。もっと世界の核心に迫る事を聞きたかったんだけど、教えてもらえるのは基本的なこととこの世界の歴史や文化といったものであった。私達が前にいた世界ほど歴史があるわけではないみたいだし、産業革命的なものもまだないみたいだね。授業で習った蒸気機関とかなんとかの原理とか教えてあげたらこの世界の文明は著しく発展するのかもしれないけど、残念ながら私もまー君もそれらの名称や概要は知っていてもどういう原理で何をすればいいのかという事がわからないのだ。
もっとちゃんと勉強しておけば良かったかなって思ったりもするけど、この世界を発展させたところで私とまー君には何の影響もないんだし、この世界の人達のために私達が何かしてあげる必要もないと思うんだよね。何かしらのヒントならあげても良いと思うんだけど、そのヒントをどこの誰に教えると良いのかがわからずにいた。色んな人と会っているであろうシスターに教科書の知識を教えたところで正確に伝えることなんて出来るわけもないだろうし、本来なら成功して文明もどんどん発展して栄えていくはずだったのに、シスターの伝え方が下手すぎて間違った伝わり方をして失敗ばかりしてしまってやる気をそいでしまう可能性だってあったりするんだろうな。
この女がまー君に見惚れてしまうのは仕方ないと思うけど、この女がバカ面でまー君を見ているのがとても我慢出来なかった。さっきから体を動かせなかったイライラもあったのだけれど、思いっきり後頭部を殴りつけたのだ。
私の右手には何の感触も残っていなかったのだけれど、この女の首から上も何も残っていなかった。
「あれ、その人はこの教会に来たお客さんじゃないの?」
「よくわからないけど、私を殺そうとしたんだよ」
「それは良くないな。でも、みさきが無事みたいで良かったよ」
「それがね。魔法ってやつで動けなくなってたんだよね。まー君は魔法って知ってる?」
「うーん、全然知らないけど、この教会のシスターなら何か知っているかもしれないから聞いてみようか?」
この女が何者なのかわからないけれど、私達の敵だと思うんだよね。敵じゃなかったとしても、襲ってきたんだから殺しても問題ないでしょ。私を殺そうとしたって事は、逆に私が殺したとしても文句を言うはずがないもんね。こいつの仲間が襲ってきたとしてもさ、私とまー君のためにたくさん死んでもらえるって事だし、それについては感謝しないといけないよね。
でも、他の人の死体は近所の人たちが処理してくれているんだけど、この女の死体だけは誰も近付こうとしないみたいね。頭が悪そうで、それがうつるのを心配しているからなのかな。それとも、こんなになっちゃってたら気持ち悪くて近付きたくないって気持ちになっちゃうかもね。それは仕方ないなって思うよ。
まー君と一緒にシスターを探しに行ったんだけど、私達の声を聞いたシスターは恐る恐ると言った感じで私達に話しかけてきた。
「ねえ、あの女は何もしないで帰ったのかしら?」
「帰ってはいないけど」
「この教会は聖なるものを退けるから大丈夫だと思うんだけど、中に入ってきたりはしていないわよね?」
「入口の所に立っているけど、中には入ってこれないと思うよ」
「あんまり長居してもらうのも悪いから帰ってもらえるように説得してもらえないかしら?」
「それは無理だと思うよ。だって、あの女の人はみさきが殺してくれたからね」
「そんなわけないでしょ。あの女は聖なる女神の一人なのよ。この世界でも三本の指に入るくらいの魔法使いなのよ。あなたがいくら強くたって、魔法に耐性を持たない私達一般人が叶う相手じゃないのよ。どうやって倒したって言うのよ?」
「えっと、あの女がまー君に見とれているすきに後ろから思いっきり殴っただけだけど」
「あの聖なる女神が見惚れるって、あんたは何者なのよ。聖なる女神を殴り殺すあんたも意味不明だわ」
「そんな事は今は良いんだけど、女神の事と魔法の事を僕たちに教えてもらってもいいかな?」
「そうね、私も詳しくは知らないんだけど、知っていることは全部教えるわ」
私は正直に言って魔法とか女神とかに興味は無かったのだけれど、さっきみたいな状況になったらマズいなと思って仕方なく聞くことにした。何も知らないという事は生きていくうえでもマイナスになってしまうと思うんだよね。この世界では前の世界よりも知らないことを無くすって事が重要だと思うし、それは今まで少しだけ見てきた事でも理解出来ているのだ。何も知らなければ私もまー君も今頃生きていなかったかもしれないけど、私達を殺せるって人がいるのかな。いてもいなくても良いけど、まー君との時間を邪魔だけはしないで欲しいな。
そんなこんなでこの世界の事を色々教えてもらう授業は二週間ほど続くことになるのだけれど、その中に私が知りたいことはそんなになかったような気がしてならなかった。もっと世界の核心に迫る事を聞きたかったんだけど、教えてもらえるのは基本的なこととこの世界の歴史や文化といったものであった。私達が前にいた世界ほど歴史があるわけではないみたいだし、産業革命的なものもまだないみたいだね。授業で習った蒸気機関とかなんとかの原理とか教えてあげたらこの世界の文明は著しく発展するのかもしれないけど、残念ながら私もまー君もそれらの名称や概要は知っていてもどういう原理で何をすればいいのかという事がわからないのだ。
もっとちゃんと勉強しておけば良かったかなって思ったりもするけど、この世界を発展させたところで私とまー君には何の影響もないんだし、この世界の人達のために私達が何かしてあげる必要もないと思うんだよね。何かしらのヒントならあげても良いと思うんだけど、そのヒントをどこの誰に教えると良いのかがわからずにいた。色んな人と会っているであろうシスターに教科書の知識を教えたところで正確に伝えることなんて出来るわけもないだろうし、本来なら成功して文明もどんどん発展して栄えていくはずだったのに、シスターの伝え方が下手すぎて間違った伝わり方をして失敗ばかりしてしまってやる気をそいでしまう可能性だってあったりするんだろうな。
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