【改訂版】ヤンデレ彼女×サイコパス彼氏≒異世界最強カップル

釧路太郎

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シスターと私達 中編

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「あ、おはようございます。皆さんは大変疲れていらっしゃるようで、ずいぶんとお休みになられていたようですね。目隠しをしたままなので何もわからないとは思いますが、これから皆さんにいくつか質問をしたいと思います。もう少ししたら目隠しは外しますのでご安心くださいね。とりあえず、最初の質問です。あなた方の拠点はどちらにあるのですか?」
「は、そんなの教えるわけないだろ。仲間を売ることはこの業界じゃご法度だぜ」
「そう言うと思っていましたよ。いや、そうじゃなきゃ困るんです。僕は前々からやってみたいことがありまして、それに付き合ってもらえると嬉しいです。だから、簡単に仲間を売るようなことはしないでくださいね。あなたが起きる前にちょっとだけお仲間の方に同じことを聞いてみたんですけど、その方は一切喋ることなく死んでしまいました。力加減ってすごく難しいんだなって学ぶことが出来たんですけど、完全に理解したわけではないので勢い余って殺してしまったらごめんなさいね。でも、あなたもきっと仲間を売ったりはしないんだから、死ぬんでしょうね。お願いだから簡単に死なないでくださいね」
「てめえ、俺たちの仲間を殺したらどうなるかわかってて言ってんのか?」
「いいえ、何もわかりませんが」
「化け物みたいなシスターから何も聞いてないのか?」
「聞いてないですけど」
「良いかよく聞け。俺たちはこの街だけじゃなくこの国のいたるところに仲間がいるんだ。その仲間たちは血よりも濃い絆で結ばれた関係なんだ。そんな俺たちを一人でも殺してみろ。そんな事をしたやつは家族だけじゃなく親戚一同まとめて同じ目に遭わせてやるからよ」
「そんな事をいまさら言われても困るんですけど。それに、僕の家族も親戚もこの世界にはいないからどうだっていい事だね」
「そうか、てめえは別の世界から来たってやつか。いいぞいいぞ、俺たちのボスはてめえらみたいな他の世界から来たやつを探しているんだ。お前の連れの女はちょっと幼すぎるけどボスのモノにするには申し分ないと思うぜ。今すぐ俺らを解放してくれたらその女に免じてお前の両手と両足を切り落とすことで許してやるぜ。命までは取らないから安心しろよ。さあ、今すぐこの縄をほどけ」
「はあ、縛られているのにそれだけ強がりを言えるのは大したもんだよ。この中で一番偉いのってあんたじゃないだろ?」
「ああ、俺が一番に決まってるだろ。大体おめえみたいなガキがこうして話していることだっておかしいんだ。いいか、よく聞けよ。俺たちが連絡も無しに戻ってないってことは何かあったって思うわけだ。そうなると、俺たちの仲間が様子を見にここにやってくる。つまり、お前らは今頃俺らの仲間に囲まれて身動き一つとれない状態ってことだよ。俺が捕まってどれくらい時間が経っているかわからないけれど、もう謝っても許してもらえないレベルになってるんじゃないかな」
「言いたいことはそれだけかな?」
「それだけってどういうことだ?」
「他に言い残すことは無いかなって聞いているんだよね」
「てめえは何が言いてえんだ?」
「本当はさ、君たちにどこに隠れているのか聞こうと思っていたんだけど、向こうから来てくれるって言うんならその必要も無くなったよね。でもさ、本当に君たちを助けに来るのか心配になっちゃうな。僕は君たちが考えを改めて正直になんでも言ってくれるのを期待しちゃうけど、きっと君たちはその期待に応えてはくれないんだろうね。でもいいんだ。僕はそんな君たちが本当に固い絆で結ばれているって信じているからさ」
「おい、てめえはさっきから何を言っているんだ?」
「それは後からのお楽しみさ。じゃあ、ここから先はみさきに頑張ってもらおうかな。さっき言った通りよろしく頼むよ。シスターさんもお願いしますね」
「うん、まー君のためにも頑張るね」
「私も出来る限りの事はするわ。あなたたちを信じているからね。私の神もあなた方を祝福してくれるわよ」

 まー君がこれから地下室で何をするのかは聞いていないし聞くことも無いんだけど、そんな事を気にする必要はないんだよね。だって、私はまー君にお願いされたことをちゃんとやり遂げないといけないんだからね。
 でもさ、あの人たちの仲間って本当にやってくるのかな?
 やってきたとしても、ちゃんとみんな始末することが出来るか心配だな。

「そうだ、今度は手加減しなくていいからね。多少なら街を壊してもシスターが何とかしてくれるからさ」
「ちょっと、私は壊れたものを直すことなんて出来ないわよ」
「直接直さなくても他の人に説明してくれるだけでもいいからさ」
「それなら任せてよね」
「みさきも無理しないでね」
「うん、まー君もあんまり無茶しないでね」

 私は足取りも軽く階段を駆け上がった。地下にいたせいでわからなかったけれど、もう完全に日は落ちているようだった。誰かがつけてくれた蝋燭と松明の灯りは少し心もとなく感じてしまったけれど、揺らめく炎を見ていると不思議と心が落ち着いていたのだ。
 この落ち着いた気持ちでちゃんと戦えるといいな。
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