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離島編
第十話 忍さんとの約束
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私と目が合っているという事は、忍さんも私の姿を見えるようになったという事ですよね。ハッキリと目が合っているのを確認しあっていたのですが、私の事が見えるようになっても忍さんは動じることも無くじっと私を見つめていました
「あの、鵜崎先生の後ろにいる女の人って、鵜崎先生が言ってるヒナミさんですか?」
忍さんの質問に答えるかのように鵜崎先生は私の方へと顔を向けると、そのまま私と顔を見合わせたまま嬉しそうに答えていた。
「そうだよ。この子が幽霊のヒナミだよ。幽霊と言っても怖いことなんてないから安心してね」
「あ、はい。怖い感じとかしないんで大丈夫だと思います。でも、ヒナミさんの他に幽霊っていないんですかね。僕はもっと幽霊ってたくさんいるもんだと思ってました」
『そうそう、それなんですけど、私もこっちに来てからずっと気になってたんですよ。船から降りてこの島に誰かがいるのを目撃して以来、幽霊の姿を一切見てないんですよ。忍さんの住んでいる島にもこの島にも幽霊がいないんですけど、そんなのって普通じゃないですよね。隠れるにしたってその痕跡くらい残ってるものだと思いますし。でも、この島も向こうの島にも幽霊さんの姿も気配も感じないんです』
私が急に話しかけちゃったから忍さんは固まっちゃいました。やっぱり幽霊と会話するのって普通の人には違和感もあるのかもしれないですね。この前の楓さんの時は劇場で幽霊騒動があったから私が話しかけても戸惑ったりもしなかったと思うんですけど、忍さんはそこまで幽霊が身近にいるというわけでもなかったから困っちゃってるのかもしれないですね。この事を教訓にしてちょっと反省しないといけないですね。私が人間だったとして、姿が見えるようになった幽霊に急に話しかけられたら困っちゃうと思いますし。
「幽霊って普通に会話できるんですね。この感じだと、僕のお母さんもばあちゃんも普通に会話が出来たりするんですかね?」
「どうだろう。ヒナミはあれから忍さんの家族の幽霊ってみたのかな?」
私は島にやってきた時に見たっきりでそれ以降は幽霊の気配すら感じてないんですよね。この島にやってきた時も何も感じなかったですし、鳥居の中にいる人も幽霊とは何か違うような感じがするんですよ。かと言って生きている人とも思えないですし、変な感じです。
『私は船を下りた時に見ただけでそれ以降は誰にも会ってないですね。幽霊が全くいない土地ってのは初めてなんですけど、お墓とかってあっちの島にあったりするんですか?』
「お墓もお寺もこの辺にはないんです。鵜崎先生たちはフェリーに乗ってきたと思うんですけど、そのフェリーが着いた島にあるお寺でご先祖様たちを祀ってもらってるんですよ。この辺の離島の人達はみんなそんな感じですよ。島自体も小さくて人が住める場所も多くないんで、お墓を作ったりって事は難しいんですよね」
「そうなんだ。この鳥島は鳥居がいっぱいあるから島自体がお墓なのかと思ってたけど、そう言うのとも違うんだね。それに、鳥居はいっぱいあるのに神社が無いってのも不思議な話だよね」
「神社なら亀島にありますからね。神主さんは滅多にこっちまで来ないですけどね。神主さんが言ってましたけど、この鳥島は神社とは関係ないって言ってました。よくわからないんですけどね」
『それって、あの鳥居の中にいる人は神様ではないって事なんですかね。幽霊とも違うようですし、一体何者なんでしょうか?』
真白先生も忍さんも私が行った何気ない一言を聞いて思い出したのか、二人して鳥居の方を向いていました。鳥居の中にはまだあの人がいるのですが、さっきまでとは違ってこちらの方を見ずに背を向けるような格好でいます。忍さんが真白先生のモノを咥えていた姿を見たくなかったって事でしょうか。私も見たいとは思わないのでその気持ちはわかりますが、それでも気持ちよさそうにしている真白先生を見るのは好きなんですよね。
って、そんな事は関係ないですよね。あの人が誰なのか気になるんですけど、直接話しかけようにも反応が何も返ってこないのでどうすることも出来ないんです。真白先生の声も忍さんの声も届いていないようですし、鳥居の中をくぐっていってもなぜかあの人がいる場所には誰もいないんですよ。
外がら見ていると確かにいるというのに、中に入ると誰もいないんです。
『鳥居の中に入っても誰もいないですよ。そっちから見えます?』
「ヒナミの隣にいるのは見えるけど、お互いにすれ違ってる感じかも。ヒナミからは本当に見えないの?」
『誰もいないですし、気配もないです。真白先生と忍さんの姿は見えますけど、この中には誰もいないですね』
私は他の鳥居の中をくぐってみたのだけれど、鳥居の中にいる人と出会うことは無かった。くぐる順番を変えても、同じところから何度も出入りしても何も結果は変わりませんでした。
「そろそろじいちゃんが迎えに来ると思うんで船着き場まで戻りましょう」
「そうだね。帰りは俺がボートを漕いでみてもいいかな?」
「良いですけど、ちゃんと真っすぐ漕げます?」
「わかんないけど、やってみないとな」
「じゃあ、お願いしちゃいますね。あと、もう一つお願いしてもいいですか?」
「何かな?」
「明日なんですけど、じいちゃんが漁に出かけたらちゃんとしたエッチをしてもらってもいいですか?」
今回に限っては嫌なことがあるという予兆はありませんでした。いや、忍さんが口でしていたことを考えるとそうなる可能性もあると思ってたんですけど、こうしてみるとやっぱり男の子っぽく見える忍さんと真白先生がそう言うことをするとは思えなくなってたんですよね。
でも、忍さんも女の子なんですし、そう言うのにも興味を持つようなお年頃なんでしょう。それは理解出来ますけど、もう少し考えた方が良いような気もするんですよね。
真白先生は即答してたんですけど、本当に大丈夫でしょうか?
「あの、鵜崎先生の後ろにいる女の人って、鵜崎先生が言ってるヒナミさんですか?」
忍さんの質問に答えるかのように鵜崎先生は私の方へと顔を向けると、そのまま私と顔を見合わせたまま嬉しそうに答えていた。
「そうだよ。この子が幽霊のヒナミだよ。幽霊と言っても怖いことなんてないから安心してね」
「あ、はい。怖い感じとかしないんで大丈夫だと思います。でも、ヒナミさんの他に幽霊っていないんですかね。僕はもっと幽霊ってたくさんいるもんだと思ってました」
『そうそう、それなんですけど、私もこっちに来てからずっと気になってたんですよ。船から降りてこの島に誰かがいるのを目撃して以来、幽霊の姿を一切見てないんですよ。忍さんの住んでいる島にもこの島にも幽霊がいないんですけど、そんなのって普通じゃないですよね。隠れるにしたってその痕跡くらい残ってるものだと思いますし。でも、この島も向こうの島にも幽霊さんの姿も気配も感じないんです』
私が急に話しかけちゃったから忍さんは固まっちゃいました。やっぱり幽霊と会話するのって普通の人には違和感もあるのかもしれないですね。この前の楓さんの時は劇場で幽霊騒動があったから私が話しかけても戸惑ったりもしなかったと思うんですけど、忍さんはそこまで幽霊が身近にいるというわけでもなかったから困っちゃってるのかもしれないですね。この事を教訓にしてちょっと反省しないといけないですね。私が人間だったとして、姿が見えるようになった幽霊に急に話しかけられたら困っちゃうと思いますし。
「幽霊って普通に会話できるんですね。この感じだと、僕のお母さんもばあちゃんも普通に会話が出来たりするんですかね?」
「どうだろう。ヒナミはあれから忍さんの家族の幽霊ってみたのかな?」
私は島にやってきた時に見たっきりでそれ以降は幽霊の気配すら感じてないんですよね。この島にやってきた時も何も感じなかったですし、鳥居の中にいる人も幽霊とは何か違うような感じがするんですよ。かと言って生きている人とも思えないですし、変な感じです。
『私は船を下りた時に見ただけでそれ以降は誰にも会ってないですね。幽霊が全くいない土地ってのは初めてなんですけど、お墓とかってあっちの島にあったりするんですか?』
「お墓もお寺もこの辺にはないんです。鵜崎先生たちはフェリーに乗ってきたと思うんですけど、そのフェリーが着いた島にあるお寺でご先祖様たちを祀ってもらってるんですよ。この辺の離島の人達はみんなそんな感じですよ。島自体も小さくて人が住める場所も多くないんで、お墓を作ったりって事は難しいんですよね」
「そうなんだ。この鳥島は鳥居がいっぱいあるから島自体がお墓なのかと思ってたけど、そう言うのとも違うんだね。それに、鳥居はいっぱいあるのに神社が無いってのも不思議な話だよね」
「神社なら亀島にありますからね。神主さんは滅多にこっちまで来ないですけどね。神主さんが言ってましたけど、この鳥島は神社とは関係ないって言ってました。よくわからないんですけどね」
『それって、あの鳥居の中にいる人は神様ではないって事なんですかね。幽霊とも違うようですし、一体何者なんでしょうか?』
真白先生も忍さんも私が行った何気ない一言を聞いて思い出したのか、二人して鳥居の方を向いていました。鳥居の中にはまだあの人がいるのですが、さっきまでとは違ってこちらの方を見ずに背を向けるような格好でいます。忍さんが真白先生のモノを咥えていた姿を見たくなかったって事でしょうか。私も見たいとは思わないのでその気持ちはわかりますが、それでも気持ちよさそうにしている真白先生を見るのは好きなんですよね。
って、そんな事は関係ないですよね。あの人が誰なのか気になるんですけど、直接話しかけようにも反応が何も返ってこないのでどうすることも出来ないんです。真白先生の声も忍さんの声も届いていないようですし、鳥居の中をくぐっていってもなぜかあの人がいる場所には誰もいないんですよ。
外がら見ていると確かにいるというのに、中に入ると誰もいないんです。
『鳥居の中に入っても誰もいないですよ。そっちから見えます?』
「ヒナミの隣にいるのは見えるけど、お互いにすれ違ってる感じかも。ヒナミからは本当に見えないの?」
『誰もいないですし、気配もないです。真白先生と忍さんの姿は見えますけど、この中には誰もいないですね』
私は他の鳥居の中をくぐってみたのだけれど、鳥居の中にいる人と出会うことは無かった。くぐる順番を変えても、同じところから何度も出入りしても何も結果は変わりませんでした。
「そろそろじいちゃんが迎えに来ると思うんで船着き場まで戻りましょう」
「そうだね。帰りは俺がボートを漕いでみてもいいかな?」
「良いですけど、ちゃんと真っすぐ漕げます?」
「わかんないけど、やってみないとな」
「じゃあ、お願いしちゃいますね。あと、もう一つお願いしてもいいですか?」
「何かな?」
「明日なんですけど、じいちゃんが漁に出かけたらちゃんとしたエッチをしてもらってもいいですか?」
今回に限っては嫌なことがあるという予兆はありませんでした。いや、忍さんが口でしていたことを考えるとそうなる可能性もあると思ってたんですけど、こうしてみるとやっぱり男の子っぽく見える忍さんと真白先生がそう言うことをするとは思えなくなってたんですよね。
でも、忍さんも女の子なんですし、そう言うのにも興味を持つようなお年頃なんでしょう。それは理解出来ますけど、もう少し考えた方が良いような気もするんですよね。
真白先生は即答してたんですけど、本当に大丈夫でしょうか?
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