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アイドル編
第十六話 楓さんが積極的過ぎます
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楓さんは私の事を優しく掴んでいるのだけれど、その手と視線からは私を絶対に逃がしてはくれないという力強さを感じていた。
「最初はみんな緊張しちゃうと思うけど、私がちゃんと優しく教えてあげるから安心してくれていいからね。ほら、こうしてヒナミちゃんの事に触れられるのは私しかいないんだけど、絶対に乱暴なことはしないって約束するから安心してくれていいからね」
楓さんの言葉に嘘はないんだろうけど、何となくまだ怖い感じがぬぐえなかった。こうして神に優しく触れられるのは嫌いではないんだけど、その真っすぐな目の奥がいったい何を見ているのかという事を考えてしまうと素直に喜べずにいた。
『ちょっと待ってくださいよ。私は別に楓さんに何かしてもらおうとか考えてないですから。だから、そんなに触らなくても大丈夫ですって』
「そんな風に拒まれると悲しくなっちゃうな。私はヒナミちゃんが今まで感じてこれなかった事をしてあげたいって思っただけなんだけどな。ほら、今まではヒナミちゃんは真白先生がしてるエッチな事を見てるだけだったんだろうし、自分で何も出来ずに見ているだけだったらストレスだけじゃなくて欲求も溜まっちゃってると思うんだよね。それを少しでも解消してあげたいなって思ってるだけなんだけど」
『そんなの溜まってないですって。だから、そんな事を考えるよりも楓さんの劇場の問題を解決するための話し合いをしましょうよ』
「それも大事だけどさ、今はヒナミちゃんを気持ち良くさせることが出来るかどうかって事の方が重要じゃないかな。あの劇場に起きている幽霊の問題は正直に言っちゃえばお金で解決出来ると思うんだよ。今は社長が海外に業務提携先を探しに行ってるんだけど、それが上手くいってまとまったお金が入ってくれば真白先生の実家の人にも頼めると思うんだよね。そうしたらさ、全部丸く収まっちゃうと思うんだ。だから、今はそんな事を考える前にヒナミちゃんが気持ち良くなれるかどうかを確かめるのが先決なんだよ。で、その可愛い服を脱いだらどんな下着をつけてるのか見ちゃおうかな」
楓さんは私の着ているシャツを脱がそうとしてきたので抵抗しているのだけれど、不思議なことに私の意思通りにちゃんと抵抗出来ている。今までは自分の体にも触れることが出来なかったのだけれど、なぜか今は自分の着ている服を押さえながら楓さんの腕も一緒に押さえることが出来ている。
「そんなに抵抗しなくても大丈夫だって。見るだけだからさ。見ただけで何もしないって」
『その目は絶対に嘘をついている目ですよ。見るだけじゃ終わらなくて徐々に要求がエスカレートしていく人の目です。先月も真白先生が似たようなことを言って最終的にはお客さんの体を堪能してましたからね。私はそんなウソに騙されたりなんてしないんですから』
「私はそんな事しないって。本当に見てるだけで大丈夫なんだって。でも、ヒナミちゃんが見られるだけじゃ嫌だって言うんだったらその希望にはこたえるけどさ。だから、見せてくれてもいいんだよ」
なんでだろう。今の楓さんと真白先生は同じ考えの人間なのかなと思うくらい行動が似ている。となると、私がいつまでも拒んでいると真白先生みたいに諦めてくれるのかもしれないな。
『本当にそう言うのはいいですから。私の事に興味を持ってくれるのは嬉しいですけど、今は少しでも劇場の幽霊さん達をどうにか出来る方法があるかどうかについて考えましょうよ』
「だからね。それについて確かめたいことがあるんでヒナミちゃんに協力してもらいたいんだよ」
あれ、急に真面目なトーンになったんですけど、これって私の方がおかしいみたいな空気になるんじゃないですか。そんなことは無いと思うんですけど、楓さんはさっきまでのセクハラ気味な感じではなくて真面目で落ち着いた感じになってるんです。
「私はね、真白先生とエッチをたくさんしてこの体にいっぱい真白先生の精液を注いでもらったんだよ。それはヒナミちゃんもお風呂で聞いててわかってると思うけど、あえて言わせてもらうね。最初は私も真白先生の精液を飲んだくらいで霊感が備わるなんて思ってなかったんだけどさ、実際に幽霊の声が聞こえたりうっすらと姿を認識することが出来るようになったりしてきて驚いたんだよ。その今ヒナミちゃんが座っているベッドで真白先生とエッチをしてよりその力が強くなってさ、こうしてヒナミちゃんの事をちゃんと見ることが出来てお話もすることが出来るようになって、お互いに触れることも出来るようになったんだよ。それってさ、たぶん真白先生に会う前の私に言っても信じることは無いと思うんだ。こうして体験した今だからこそ信じることが出来るって話だと思うんだよね。だから、その経験をいかして劇場に憑りついている無数の幽霊をどうにかするために私はもっと幽霊とやりあえる力を付ける必要があると思うんだよ。その為にはさ、もっともっと幽霊の事を知らないといけないと思うんだけど、その為にはヒナミちゃんの協力がどうしても必要なんだ。今までずっと何にも触れることが出来ずに見ているだけだったヒナミちゃんにとってはいきなり触れられるのとか怖いかもしれないけど、私が安心して触れられる幽霊はヒナミちゃんしかいないんだ。もちろん、ヒナミちゃんが嫌だって思うんだったら私は無理強いなんて出来ないけどさ、幽霊について何も知らない私が実際に幽霊であるヒナミちゃんに触れることで何かを学ぶことも出来るんじゃないかって思うんだよね。ヒナミちゃんには触られるのって嫌なことかもしれないけどさ、私たちのためにも力を貸してもらえたら嬉しいって思うんだ。ねえ、協力してもらう事って、大丈夫かな?」
私が出来ることなんて幽霊の行動を真白先生に伝えることくらいだと思ってたんですけど、楓さんは真白先生と違って私に触れることが出来るみたいなんで他の幽霊に触れることも出来るのかもしれないですね。
そうなると真白先生には出来ないことも出来るんじゃないかって思うんですけど、普通の人である楓さんにそこまで負担をかけさせて良いものなのでしょうか。もしかしたら、その事で真白先生が鵜崎家の人達に怒られたりするんじゃないでしょうか。そうなってしまうと、その原因を作った私の事を問答無用で成仏させてしまう可能性だってあるんですよね。
鵜崎家の人達は基本的には私の事を快く思ってないと思いますし、真白先生が嫌になればすぐにでも成仏させられてしまうと思うんですよね。でも、楓さんの真っすぐな目を見ているとそうなってしまってもいいのではないかって思えてしまうんですよね。全く不思議なものです。
『わかりました。私に出来ることだったら協力します。でも、あんまり変なことはしないでくださいね』
「ありがとう。じゃあ、よろしくね。真白先生にはヒナミちゃんにどんな変化があったか細かく観察してもらわないとね」
『ちょっと待ってください。真白先生に見られるってのは聞いてないんですけど』
「真白先生は見てるだけだから大丈夫だって。それにさ、ちゃんと記録を取っておかないと劇場の幽霊の対処法も見つからないと思うしね」
「最初はみんな緊張しちゃうと思うけど、私がちゃんと優しく教えてあげるから安心してくれていいからね。ほら、こうしてヒナミちゃんの事に触れられるのは私しかいないんだけど、絶対に乱暴なことはしないって約束するから安心してくれていいからね」
楓さんの言葉に嘘はないんだろうけど、何となくまだ怖い感じがぬぐえなかった。こうして神に優しく触れられるのは嫌いではないんだけど、その真っすぐな目の奥がいったい何を見ているのかという事を考えてしまうと素直に喜べずにいた。
『ちょっと待ってくださいよ。私は別に楓さんに何かしてもらおうとか考えてないですから。だから、そんなに触らなくても大丈夫ですって』
「そんな風に拒まれると悲しくなっちゃうな。私はヒナミちゃんが今まで感じてこれなかった事をしてあげたいって思っただけなんだけどな。ほら、今まではヒナミちゃんは真白先生がしてるエッチな事を見てるだけだったんだろうし、自分で何も出来ずに見ているだけだったらストレスだけじゃなくて欲求も溜まっちゃってると思うんだよね。それを少しでも解消してあげたいなって思ってるだけなんだけど」
『そんなの溜まってないですって。だから、そんな事を考えるよりも楓さんの劇場の問題を解決するための話し合いをしましょうよ』
「それも大事だけどさ、今はヒナミちゃんを気持ち良くさせることが出来るかどうかって事の方が重要じゃないかな。あの劇場に起きている幽霊の問題は正直に言っちゃえばお金で解決出来ると思うんだよ。今は社長が海外に業務提携先を探しに行ってるんだけど、それが上手くいってまとまったお金が入ってくれば真白先生の実家の人にも頼めると思うんだよね。そうしたらさ、全部丸く収まっちゃうと思うんだ。だから、今はそんな事を考える前にヒナミちゃんが気持ち良くなれるかどうかを確かめるのが先決なんだよ。で、その可愛い服を脱いだらどんな下着をつけてるのか見ちゃおうかな」
楓さんは私の着ているシャツを脱がそうとしてきたので抵抗しているのだけれど、不思議なことに私の意思通りにちゃんと抵抗出来ている。今までは自分の体にも触れることが出来なかったのだけれど、なぜか今は自分の着ている服を押さえながら楓さんの腕も一緒に押さえることが出来ている。
「そんなに抵抗しなくても大丈夫だって。見るだけだからさ。見ただけで何もしないって」
『その目は絶対に嘘をついている目ですよ。見るだけじゃ終わらなくて徐々に要求がエスカレートしていく人の目です。先月も真白先生が似たようなことを言って最終的にはお客さんの体を堪能してましたからね。私はそんなウソに騙されたりなんてしないんですから』
「私はそんな事しないって。本当に見てるだけで大丈夫なんだって。でも、ヒナミちゃんが見られるだけじゃ嫌だって言うんだったらその希望にはこたえるけどさ。だから、見せてくれてもいいんだよ」
なんでだろう。今の楓さんと真白先生は同じ考えの人間なのかなと思うくらい行動が似ている。となると、私がいつまでも拒んでいると真白先生みたいに諦めてくれるのかもしれないな。
『本当にそう言うのはいいですから。私の事に興味を持ってくれるのは嬉しいですけど、今は少しでも劇場の幽霊さん達をどうにか出来る方法があるかどうかについて考えましょうよ』
「だからね。それについて確かめたいことがあるんでヒナミちゃんに協力してもらいたいんだよ」
あれ、急に真面目なトーンになったんですけど、これって私の方がおかしいみたいな空気になるんじゃないですか。そんなことは無いと思うんですけど、楓さんはさっきまでのセクハラ気味な感じではなくて真面目で落ち着いた感じになってるんです。
「私はね、真白先生とエッチをたくさんしてこの体にいっぱい真白先生の精液を注いでもらったんだよ。それはヒナミちゃんもお風呂で聞いててわかってると思うけど、あえて言わせてもらうね。最初は私も真白先生の精液を飲んだくらいで霊感が備わるなんて思ってなかったんだけどさ、実際に幽霊の声が聞こえたりうっすらと姿を認識することが出来るようになったりしてきて驚いたんだよ。その今ヒナミちゃんが座っているベッドで真白先生とエッチをしてよりその力が強くなってさ、こうしてヒナミちゃんの事をちゃんと見ることが出来てお話もすることが出来るようになって、お互いに触れることも出来るようになったんだよ。それってさ、たぶん真白先生に会う前の私に言っても信じることは無いと思うんだ。こうして体験した今だからこそ信じることが出来るって話だと思うんだよね。だから、その経験をいかして劇場に憑りついている無数の幽霊をどうにかするために私はもっと幽霊とやりあえる力を付ける必要があると思うんだよ。その為にはさ、もっともっと幽霊の事を知らないといけないと思うんだけど、その為にはヒナミちゃんの協力がどうしても必要なんだ。今までずっと何にも触れることが出来ずに見ているだけだったヒナミちゃんにとってはいきなり触れられるのとか怖いかもしれないけど、私が安心して触れられる幽霊はヒナミちゃんしかいないんだ。もちろん、ヒナミちゃんが嫌だって思うんだったら私は無理強いなんて出来ないけどさ、幽霊について何も知らない私が実際に幽霊であるヒナミちゃんに触れることで何かを学ぶことも出来るんじゃないかって思うんだよね。ヒナミちゃんには触られるのって嫌なことかもしれないけどさ、私たちのためにも力を貸してもらえたら嬉しいって思うんだ。ねえ、協力してもらう事って、大丈夫かな?」
私が出来ることなんて幽霊の行動を真白先生に伝えることくらいだと思ってたんですけど、楓さんは真白先生と違って私に触れることが出来るみたいなんで他の幽霊に触れることも出来るのかもしれないですね。
そうなると真白先生には出来ないことも出来るんじゃないかって思うんですけど、普通の人である楓さんにそこまで負担をかけさせて良いものなのでしょうか。もしかしたら、その事で真白先生が鵜崎家の人達に怒られたりするんじゃないでしょうか。そうなってしまうと、その原因を作った私の事を問答無用で成仏させてしまう可能性だってあるんですよね。
鵜崎家の人達は基本的には私の事を快く思ってないと思いますし、真白先生が嫌になればすぐにでも成仏させられてしまうと思うんですよね。でも、楓さんの真っすぐな目を見ているとそうなってしまってもいいのではないかって思えてしまうんですよね。全く不思議なものです。
『わかりました。私に出来ることだったら協力します。でも、あんまり変なことはしないでくださいね』
「ありがとう。じゃあ、よろしくね。真白先生にはヒナミちゃんにどんな変化があったか細かく観察してもらわないとね」
『ちょっと待ってください。真白先生に見られるってのは聞いてないんですけど』
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