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アイドル編
第十二話 明里さんは知っているようです
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今日の練習に参加していたアイドルの人達は明里さんを含めて四人だった。
その中で霊感がある人は明里さんの他にもう一人いるのだけれど、私の事をちゃんと認識できている人は誰もいなかった。明里さんも支配人の楓さんも私の姿は見えていないし、声もハッキリと聞き取れてはいないようなんだよね。私の事を認識できているのは真白先生と鵜崎家の人達だけみたいなんだけど、それって何か理由があったりするのかな。
「劇場の中にたくさんの幽霊がいるというのは分かったんですけど、その幽霊たちって何が目的で集まってるんですか?」
私が知っている限りではあの幽霊さん達はアイドルさんたちの踊りや歌を見たいという思いで集まっている。自分が死んでしまっているという事を認識している幽霊さんもいれば、自分が死んでしまっているという事に気付いていない幽霊さんもいるのだけど、その両者に共通して言えることは、みんな生前にはアイドルが好きだったという事なのだ。
真白先生が依頼を受けているこの人達の事を知っている幽霊さんは誰もいないのだけれど、あの幽霊さん達にとって誰が歌って踊っているのかというのは重要ではなくて、歌って踊っている人を見ることが出来るというのが重要になってくるのだ。幽霊さん達には踊って歌っているのが自分たちの知っている人かどうかすら認識できてい内という事がほとんどなのであるからね。
「幽霊をどうにかすることが出来たら劇場にもっと人を呼べるようになるって事でいいんですよね」
「そう言う風に考えてもらっても良いと思うよ。今は会場のいろんな場所に幽霊がたくさんいる状況なんだけどさ、霊感のない人でもそう言うのは何となく感じることが出来るんだよ。君達の事務所にいるアイドルや社員の中にも霊感のある人はいるかもしれないけど、そのほとんどは幽霊なんて見ることも出来ない人ばかりだと思うんだよね。そんな人でも、あの劇場はちょっと変な感じがするとか嫌な空気が漂っているって思う事もあると思うよ。もちろん、見に来ている人の中にもそう言うのを感じる人はいるんだろうし、ハッキリと見えていない人の方が何でそういう風に感じたのか気になっていろんな人に言ってしまう事も多くなっちゃうと思うんだよね。世の中はやっぱり見えない人の方が多いわけで、そういう人達が何人も何人も噂をする事でより幽霊の集まりやすい場所になってしまうという事はよくある話なんだよ」
「それって、病は気から。みたいな風に聞こえますね。実際にそう言うことって他の場所とかでもあったりするんですか?」
「割とよくある話だと思うよ。君達にわかりやすい例を出すとすると、自殺の名所と呼ばれているところがそうだと思うよ。さすがにそこまであの劇場が良くない感じになっているとは思わないけど、このままだったらそうなってしまう可能性もあると思うんだよね」
「どうしてウチの劇場がそんな風になっちゃってるんですか。何か理由でもあるんですか?」
どうしてそんな風になっているのかというと、アイドルさんのすぐそばにいた女性の幽霊の仕業なのだ。あの女性の幽霊は人生に絶望して若くして自ら命を絶ったのだが、自分が無くなった時と同じくらいの年齢の女性が多くの男性にチヤホヤされているのを妬んでいるからなのだ。その腹いせに多くの幽霊を集めてあの劇場を悪い気で満たそうとしているだけの話なのだ。
あの劇場がある場所の近くにたまたま住んでいたというだけで、あの劇場にもアイドルの子たちにもあの事務所にもなんの恨みも持っていないただの八つ当たりでしかない。そんな理由なので真白先生が説得しようとしても聞く耳なんて持っていないのだ。そもそも、あの女性の幽霊は誰かの話を聞くつもりなんて全くもっていないのだ。
「それって、通り魔みたいなもんですよね。せっかく社長をはじめとするみんなが頑張って劇場を用意してくれたって言うのに、こんな事でダメになるなんて納得できないですよ。鵜崎先生と楓さんで何とか出来ないんですか?」
「何とかと言われてもね。問題の霊を強制的に除霊することは出来るんだけど、それをやってしまうと私がこれからこの業界でやっていくだけの力が残るかわからないんだよ。今までは話し合いで解決出来るような相手ばっかりだったんで何とかなってきたけど、こちらの話を聞いてもらえないんじゃどうすることも出来ないんだよね」
「楓さんは鵜崎先生から力を分けてもらったって言ってましたけど、その力をもっと強くしたら鵜崎先生とは違う方法で除霊とか出来るようになるんじゃないですかね。その事で霊能力を失うとしても、楓さんには必要のない力なんですし無くなっても問題ないと思うんですけど。どうですか?」
「私としては劇場のために役に立てるんだったら嬉しいと思うよ。でも、本当にそんな事が可能なのかって思いはあるのよね。真白先生から力を頂けたとして、劇場の幽霊をどうにか出来るのかわからないし」
「そうかもしれないですけど、やってみる価値はあると思いますよ。このままだと何もしないで無抵抗のまま朽ちていくだけだと思いますし、何もしないよりはやってみた方が良いと思いますもん。それに、楓さんは欲求不満みたいな気がするんですよね。鵜崎先生の事をモノ欲しそうな目で見ているって私は気付いてますからね」
支配人さんの楓さんはアイドルの明里さんの言葉を聞いて恥ずかしくなったのかうつむいてしまった。表情は見えないのだけれど、少しだけ見えている耳が真っ赤になっているのが見えたので、今は凄く恥ずかしい気持ちになっているんだろうな。
でも、だからと言って真白先生とエッチな事をしないわけではないだろうし、この流れだと確実にエッチな事をしてしまうんだろうな。
全て解決してからその報酬として体で支払ってもらう事になってるのに、こんなにつまみ食いみたいなことをしていいのかな。真白先生はその事についてどう思っているんだろうって思って見てたんだけど、あの表情は冷静を装ってはいても内心ではラッキーって思ってる感じだよね。
これからまた真白先生がエッチをしているところを見せられると思うと憂鬱だよ。さっきみたいに途中で終わるなんてことも無いだろうし、気持ちよさそうにしている姿を見ると羨ましくなっちゃうんだよね。私もいつか真白先生にお相手してもらいたいんだけどね。
その中で霊感がある人は明里さんの他にもう一人いるのだけれど、私の事をちゃんと認識できている人は誰もいなかった。明里さんも支配人の楓さんも私の姿は見えていないし、声もハッキリと聞き取れてはいないようなんだよね。私の事を認識できているのは真白先生と鵜崎家の人達だけみたいなんだけど、それって何か理由があったりするのかな。
「劇場の中にたくさんの幽霊がいるというのは分かったんですけど、その幽霊たちって何が目的で集まってるんですか?」
私が知っている限りではあの幽霊さん達はアイドルさんたちの踊りや歌を見たいという思いで集まっている。自分が死んでしまっているという事を認識している幽霊さんもいれば、自分が死んでしまっているという事に気付いていない幽霊さんもいるのだけど、その両者に共通して言えることは、みんな生前にはアイドルが好きだったという事なのだ。
真白先生が依頼を受けているこの人達の事を知っている幽霊さんは誰もいないのだけれど、あの幽霊さん達にとって誰が歌って踊っているのかというのは重要ではなくて、歌って踊っている人を見ることが出来るというのが重要になってくるのだ。幽霊さん達には踊って歌っているのが自分たちの知っている人かどうかすら認識できてい内という事がほとんどなのであるからね。
「幽霊をどうにかすることが出来たら劇場にもっと人を呼べるようになるって事でいいんですよね」
「そう言う風に考えてもらっても良いと思うよ。今は会場のいろんな場所に幽霊がたくさんいる状況なんだけどさ、霊感のない人でもそう言うのは何となく感じることが出来るんだよ。君達の事務所にいるアイドルや社員の中にも霊感のある人はいるかもしれないけど、そのほとんどは幽霊なんて見ることも出来ない人ばかりだと思うんだよね。そんな人でも、あの劇場はちょっと変な感じがするとか嫌な空気が漂っているって思う事もあると思うよ。もちろん、見に来ている人の中にもそう言うのを感じる人はいるんだろうし、ハッキリと見えていない人の方が何でそういう風に感じたのか気になっていろんな人に言ってしまう事も多くなっちゃうと思うんだよね。世の中はやっぱり見えない人の方が多いわけで、そういう人達が何人も何人も噂をする事でより幽霊の集まりやすい場所になってしまうという事はよくある話なんだよ」
「それって、病は気から。みたいな風に聞こえますね。実際にそう言うことって他の場所とかでもあったりするんですか?」
「割とよくある話だと思うよ。君達にわかりやすい例を出すとすると、自殺の名所と呼ばれているところがそうだと思うよ。さすがにそこまであの劇場が良くない感じになっているとは思わないけど、このままだったらそうなってしまう可能性もあると思うんだよね」
「どうしてウチの劇場がそんな風になっちゃってるんですか。何か理由でもあるんですか?」
どうしてそんな風になっているのかというと、アイドルさんのすぐそばにいた女性の幽霊の仕業なのだ。あの女性の幽霊は人生に絶望して若くして自ら命を絶ったのだが、自分が無くなった時と同じくらいの年齢の女性が多くの男性にチヤホヤされているのを妬んでいるからなのだ。その腹いせに多くの幽霊を集めてあの劇場を悪い気で満たそうとしているだけの話なのだ。
あの劇場がある場所の近くにたまたま住んでいたというだけで、あの劇場にもアイドルの子たちにもあの事務所にもなんの恨みも持っていないただの八つ当たりでしかない。そんな理由なので真白先生が説得しようとしても聞く耳なんて持っていないのだ。そもそも、あの女性の幽霊は誰かの話を聞くつもりなんて全くもっていないのだ。
「それって、通り魔みたいなもんですよね。せっかく社長をはじめとするみんなが頑張って劇場を用意してくれたって言うのに、こんな事でダメになるなんて納得できないですよ。鵜崎先生と楓さんで何とか出来ないんですか?」
「何とかと言われてもね。問題の霊を強制的に除霊することは出来るんだけど、それをやってしまうと私がこれからこの業界でやっていくだけの力が残るかわからないんだよ。今までは話し合いで解決出来るような相手ばっかりだったんで何とかなってきたけど、こちらの話を聞いてもらえないんじゃどうすることも出来ないんだよね」
「楓さんは鵜崎先生から力を分けてもらったって言ってましたけど、その力をもっと強くしたら鵜崎先生とは違う方法で除霊とか出来るようになるんじゃないですかね。その事で霊能力を失うとしても、楓さんには必要のない力なんですし無くなっても問題ないと思うんですけど。どうですか?」
「私としては劇場のために役に立てるんだったら嬉しいと思うよ。でも、本当にそんな事が可能なのかって思いはあるのよね。真白先生から力を頂けたとして、劇場の幽霊をどうにか出来るのかわからないし」
「そうかもしれないですけど、やってみる価値はあると思いますよ。このままだと何もしないで無抵抗のまま朽ちていくだけだと思いますし、何もしないよりはやってみた方が良いと思いますもん。それに、楓さんは欲求不満みたいな気がするんですよね。鵜崎先生の事をモノ欲しそうな目で見ているって私は気付いてますからね」
支配人さんの楓さんはアイドルの明里さんの言葉を聞いて恥ずかしくなったのかうつむいてしまった。表情は見えないのだけれど、少しだけ見えている耳が真っ赤になっているのが見えたので、今は凄く恥ずかしい気持ちになっているんだろうな。
でも、だからと言って真白先生とエッチな事をしないわけではないだろうし、この流れだと確実にエッチな事をしてしまうんだろうな。
全て解決してからその報酬として体で支払ってもらう事になってるのに、こんなにつまみ食いみたいなことをしていいのかな。真白先生はその事についてどう思っているんだろうって思って見てたんだけど、あの表情は冷静を装ってはいても内心ではラッキーって思ってる感じだよね。
これからまた真白先生がエッチをしているところを見せられると思うと憂鬱だよ。さっきみたいに途中で終わるなんてことも無いだろうし、気持ちよさそうにしている姿を見ると羨ましくなっちゃうんだよね。私もいつか真白先生にお相手してもらいたいんだけどね。
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