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アイドル編
第十話 死神と言われましても
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いくら出来損ないとはいえ死神と話し合う事で解決なんて出来るもんなんでしょうか。もしかしたら、真白先生がもっているお札とか水晶を使えばどうにかなるのかもしれないですけど、それを使っちゃうと私も一緒にいなくなっちゃうと思うんですよね。私としてはもう少しこの世界に残って真白先生と一緒に過ごしたいんですけど、この人達に憑りついているのが死神だとしたら早めに対処しないと大変なことになっちゃいますよね。
『たぶんなんですけど、真白先生がもってるお札とか使って死神をどうにかした方が良いと思うんですよ。早めにやっちゃわないとここだけの問題じゃなくなるかもしれないですよ』
「ヒナミの言う通りなんだろうけどさ、それをやっちゃうとヒナミも消えちゃうかもしれないだろ。俺にはそんな事出来ないよ」
『でも、それしか方法はないと思うんですよね。私のワガママで先延ばしにするのは良くないと思うんですよ。このままだとここに来てるお客さんにも悪影響を及ぼすかもしれないですし、そこまで時間が経っちゃうと死神の出来損ないから普通の死神になっちゃうかもしれないですよ』
「そこまで成長することは無いと思うけど、そうなったら紗雪でも手こずっちゃうかもしれないんだよな。ヒナミはどれくらいでその死神が成長すると思う?」
『ニタニタした顔で死神さんが教えてくれたんですけど、次のライブで目標に到達できそうだって話みたいです』
「ヒナミは死神と会話出来てるの?」
『会話は出来ないですよ。私たちが話してる内容について向こうも二人で話してるみたいなんでそれを勝手に聞いてるだけです。真白先生のせいで支配人さんから命の分け前を貰えなくなったって怒ってますよ』
「俺が何かしたっけ?」
『良く言いますね。真白先生は支配人さんに自分の精液を飲ませたじゃないですか。そのせいで今までこの人達の攻撃に無防備で無抵抗だった支配人さんに何も出来なくなったって怒ってますよ。真白先生の事を殺そうとしたみたいなんですけど、諦めたみたいです。真白先生に流れる鵜崎の血がこの人達を無力化してるみたいですよ』
「じゃあ、俺がここに居ればその死神は何も出来ないって事か。それがわかったとしても、根本的な解決にはならないよな。どうしたらいいもんかな」
『あの、一つ気になることがあるんで聞きますけど。私の声はその人に聞こえていないとは思うんですけど、真白先生の声って普通に聞こえてますよね?』
「え、その人って」
真白先生は慌てた様子で顔を横に向けたのだが、そこに立っているアイドルの子を確認すると本気で驚いてしまったようで言葉も出ずに固まってしまっていた。この様子だと、支配人さんが出て行った時に一緒にこのアイドルの子も出て行ったのだと勘違いしてしまってるんだな。真白先生はたまにこういう事をするので気を付けて欲しいんですけど、私の事しか見てないって思うと気を付けて欲しくないという思いもわいたりするんですよね。
「あの、さっきから死神とか言ってますけど、この劇場には死神がいるって事なんですか?」
「聞こえちゃったならしょうがないか。他の人には言わないで欲しいんだけど、この劇場には死神に近いものが憑りついているんだよ。私の話を聞いてくれないんで目的が何なのかわからないんだけど、あまりいい事をしようとしているとは思えないんだよね」
「でも、鵜崎先生ならその死神をどうにかすることも出来るんですよね?」
「まあ、やろうと思えば出来ないことは無いんだけど、それをやるにはちょっとリスクもあるんだよね。もしかしたら、この仕事も今回で終わってしまう可能性もあるからね」
「鵜崎先生の力を全部使って死神を撃退するって事ですか?」
「いや、そうじゃなくて。信じてもらえるかはわからないけど、私は君が思っているほど凄い能力者ではないんだよ。実は、私を助けてくれている幽霊の協力者がいるんだ。なんて言ったら君は信用したりするのかな」
「なるほど。それでさっきから鵜崎先生の他に女性の声も聞こえていたんですね。私は鵜崎先生って腹話術もするのかなって思ってましたけど、そう言うことだったんですね。勘違いしなくて済んで良かったです」
という事は、私の声も聞こえてたって事ですよね。普通に聞こえてないと思ってたんですけど、ちょっとまずい事言っちゃってるかもしれないですね。いや、普通に聞かれちゃまずい事言っちゃってますよね。幸いなことに姿は見えてないようですし、このまましばらく黙ってることにしましょうか。
アイドルの子は私が近くにいるという事には気付いていないようなので姿は見えてないと思うんです。でも、一生懸命に私を見ようといろんなところを見てるのは何だか申し訳ない気持ちになってしまいますよね。私の声が聞こえていたという事は私の事を認知してくれているという事ですもんね。
「鵜崎の血が死神に対して抑止力になるみたいなことを言ってたじゃないですか。その時に楓さんの事も話してたと思うんですけど、鵜崎先生は楓さんに飲ませたって本当なんですか?」
「それは支配人さんに聞いてもらうってことで良いかな。なんにせよ、私の中に流れる血が幽霊たちにとって良くないものであるという事は間違いないんじゃないかな。少なくとも、私に悪意を向けてくるものに対しては効果的だと思うよ」
「本当かどうかわからないって事ですよね。でも、楓さんは今まで感じてすらいなかった幽霊の存在にも気付いているようですし、鵜崎先生のモノを私にも飲ませてもらってもいいですか?」
この人は急に何を言い出すんでしょうか。そんな事を現役のアイドルの子がするなんてありえないですよ。絶対にダメだという事を強く押し出さないと死神とは別の問題も出てきてしまうんじゃないですかね。万が一、その事が外に漏れてしまうとこの人は普通にアイドル活動を続けることなんて出来なくなっちゃうんじゃないですかね。
『たぶんなんですけど、真白先生がもってるお札とか使って死神をどうにかした方が良いと思うんですよ。早めにやっちゃわないとここだけの問題じゃなくなるかもしれないですよ』
「ヒナミの言う通りなんだろうけどさ、それをやっちゃうとヒナミも消えちゃうかもしれないだろ。俺にはそんな事出来ないよ」
『でも、それしか方法はないと思うんですよね。私のワガママで先延ばしにするのは良くないと思うんですよ。このままだとここに来てるお客さんにも悪影響を及ぼすかもしれないですし、そこまで時間が経っちゃうと死神の出来損ないから普通の死神になっちゃうかもしれないですよ』
「そこまで成長することは無いと思うけど、そうなったら紗雪でも手こずっちゃうかもしれないんだよな。ヒナミはどれくらいでその死神が成長すると思う?」
『ニタニタした顔で死神さんが教えてくれたんですけど、次のライブで目標に到達できそうだって話みたいです』
「ヒナミは死神と会話出来てるの?」
『会話は出来ないですよ。私たちが話してる内容について向こうも二人で話してるみたいなんでそれを勝手に聞いてるだけです。真白先生のせいで支配人さんから命の分け前を貰えなくなったって怒ってますよ』
「俺が何かしたっけ?」
『良く言いますね。真白先生は支配人さんに自分の精液を飲ませたじゃないですか。そのせいで今までこの人達の攻撃に無防備で無抵抗だった支配人さんに何も出来なくなったって怒ってますよ。真白先生の事を殺そうとしたみたいなんですけど、諦めたみたいです。真白先生に流れる鵜崎の血がこの人達を無力化してるみたいですよ』
「じゃあ、俺がここに居ればその死神は何も出来ないって事か。それがわかったとしても、根本的な解決にはならないよな。どうしたらいいもんかな」
『あの、一つ気になることがあるんで聞きますけど。私の声はその人に聞こえていないとは思うんですけど、真白先生の声って普通に聞こえてますよね?』
「え、その人って」
真白先生は慌てた様子で顔を横に向けたのだが、そこに立っているアイドルの子を確認すると本気で驚いてしまったようで言葉も出ずに固まってしまっていた。この様子だと、支配人さんが出て行った時に一緒にこのアイドルの子も出て行ったのだと勘違いしてしまってるんだな。真白先生はたまにこういう事をするので気を付けて欲しいんですけど、私の事しか見てないって思うと気を付けて欲しくないという思いもわいたりするんですよね。
「あの、さっきから死神とか言ってますけど、この劇場には死神がいるって事なんですか?」
「聞こえちゃったならしょうがないか。他の人には言わないで欲しいんだけど、この劇場には死神に近いものが憑りついているんだよ。私の話を聞いてくれないんで目的が何なのかわからないんだけど、あまりいい事をしようとしているとは思えないんだよね」
「でも、鵜崎先生ならその死神をどうにかすることも出来るんですよね?」
「まあ、やろうと思えば出来ないことは無いんだけど、それをやるにはちょっとリスクもあるんだよね。もしかしたら、この仕事も今回で終わってしまう可能性もあるからね」
「鵜崎先生の力を全部使って死神を撃退するって事ですか?」
「いや、そうじゃなくて。信じてもらえるかはわからないけど、私は君が思っているほど凄い能力者ではないんだよ。実は、私を助けてくれている幽霊の協力者がいるんだ。なんて言ったら君は信用したりするのかな」
「なるほど。それでさっきから鵜崎先生の他に女性の声も聞こえていたんですね。私は鵜崎先生って腹話術もするのかなって思ってましたけど、そう言うことだったんですね。勘違いしなくて済んで良かったです」
という事は、私の声も聞こえてたって事ですよね。普通に聞こえてないと思ってたんですけど、ちょっとまずい事言っちゃってるかもしれないですね。いや、普通に聞かれちゃまずい事言っちゃってますよね。幸いなことに姿は見えてないようですし、このまましばらく黙ってることにしましょうか。
アイドルの子は私が近くにいるという事には気付いていないようなので姿は見えてないと思うんです。でも、一生懸命に私を見ようといろんなところを見てるのは何だか申し訳ない気持ちになってしまいますよね。私の声が聞こえていたという事は私の事を認知してくれているという事ですもんね。
「鵜崎の血が死神に対して抑止力になるみたいなことを言ってたじゃないですか。その時に楓さんの事も話してたと思うんですけど、鵜崎先生は楓さんに飲ませたって本当なんですか?」
「それは支配人さんに聞いてもらうってことで良いかな。なんにせよ、私の中に流れる血が幽霊たちにとって良くないものであるという事は間違いないんじゃないかな。少なくとも、私に悪意を向けてくるものに対しては効果的だと思うよ」
「本当かどうかわからないって事ですよね。でも、楓さんは今まで感じてすらいなかった幽霊の存在にも気付いているようですし、鵜崎先生のモノを私にも飲ませてもらってもいいですか?」
この人は急に何を言い出すんでしょうか。そんな事を現役のアイドルの子がするなんてありえないですよ。絶対にダメだという事を強く押し出さないと死神とは別の問題も出てきてしまうんじゃないですかね。万が一、その事が外に漏れてしまうとこの人は普通にアイドル活動を続けることなんて出来なくなっちゃうんじゃないですかね。
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