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悪魔狩り
悪魔狩り 第十七話
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野城圭重の見ている夢を見る装置はイザーちゃんがどこかの世界から連れてきたと言う魔法使いの科学者の力を借りることによって難なく完成したのだった。
他の世界から人を連れてくるという事だけでも反則だと思うのだが、誰もその事を指摘しないというのも闇が深いことのように感じていた。
夢の世界にも俺たちが登場しているようだが、俺たちの姿や役割は現実の物とは少しずれているように思えた。俺の知っている瑠璃は勉強を教える時にあんなに甘えた声なんて出していないと思うし、愛華ちゃんもあそこまでボディタッチが多いとは思えなかった。
野城圭重の創り出している世界の出来事だから仕方ないと言えばそうなるのだけど、そんな風に考えているのかと思うとこれからの付き合いを考えた方が良いような気がするものだ。
「お姉ちゃんと愛華ばっかりで私やうまなちゃんは全然出てこないよね。柘榴がいないのは避けられているからだと思うんだけど、うまなちゃんが全然出てこないのは何か違和感があるよね」
「圭重先輩は私の事を避けてるって事なのかな。それでもいいんだけど、何か悪いことをしてしまったのかって気になっちゃうかも」
「そんなの気にしなくてもいいんじゃないかしら。コレにそんなつもりはないと思うけど、私と親戚だって事で無意識のうちに避けてしまってるのかもしれないわよ。私は昔からコレに避けられてきたわけだし、うまなちゃんも私と同じようにコレから避けられてるだけだと思うわ」
瑠璃と愛華ちゃんは見慣れない自分の姿に戸惑っているのかいつもとは違って少し落ち着きが無いように見える。
自分が思っている自分と他人が見ている自分が同じではないという事はよくあることかもしれないが、野城圭重が想像している瑠璃と愛華ちゃんはあまりにも現実の二人とかけ離れているようにしか見えない。
もしかしたら、俺の知らないところで二人はあの夢の中に出てきているときのような行動をしているのかもしれないが、戸惑っているところを見るとあんな風に接しているとは思えないな。
「それにしても、圭重先輩は何で瑠璃先生と愛華の夢を見てるんだろうね。夢に悪魔が出てくるとか言ってたけど、愛華も瑠璃先生も悪魔って感じじゃないと思うんだけど」
「そうだよね。私も愛華とお姉ちゃんは悪魔って感じはしないと思うんだよね。私たちの中だったら、お姉ちゃんが一番悪魔とは遠い存在だと思うな。私も愛華も柘榴も悪魔っぽいところはあるかもしれないけど、うまなちゃんはそこまで悪魔っぽくはないと思うんだ」
「でも、うまなちゃんは時々小悪魔っぽいことをするときはあるわよね。ほら、まだ小学生だった時に水鉄砲をもって私たちを追いかけまわしてたり、花火で攻撃してきたりしてきたことがあるもんね」
大人しく見えるうまなちゃんにもそんな時代があったのかと思ったのだが、うまなちゃんはそういったことを覚えていないのかキョトンとした顔で柘榴ちゃんとイザーちゃんの顔を交互に見ていた。
「そんな時代があったかもね。あの時のうまなちゃんは人が困っている時は助けてやりなさいって言われていたことを勘違いしていて、困っている人がいないなら困らせてから助ければいいって思ってたって言ってたよ。誰も困ってないなら困っている人を作ればいいって思ったんじゃないかな」
「え、私そんなことしてたの?」
「してたわね。私だけじゃなく、私の両親もあなたには随分と困らされていたわ。命にかかわるようなことはなかったんで良かったけど、アレは少し面倒だったわね」
「ごめんなさい。全然何も覚えてないよ」
「あの時のうまなちゃんは必死だったから覚えていないのかもね。柘榴も逃げるのに必死だったとは思うけど、午彪は結構深刻な被害を受けていたような気がするわ」
午彪さんがごくまれに見せる警戒しているのは何か見えないものに対してなのではなく、うまなちゃんが何かしてこないかという事なのだろうか。それなりに時間は経っているからなのかそこまで深刻な感じではないのだが、何度か怯えているような表情を見ていたことがあったことを思い出していた。
「あ、圭重の夢にうまなちゃんが出てきたよ。いつもと変わらないうまなちゃんに見えるけど、なんであのうまなちゃんは牛のぬいぐるみを持ってるんだろ。あんなぬいぐるみ持ってたことなんてあったっけ?」
「動物のぬいぐるみはいくつか持ってた記憶があるけど、あんなに大きいぬいぐるみを持ってたことはないかも。あんなに大きいぬいぐるみの事なんて忘れるとは思えないし、みんなも見たことないよね?」
みんな揃って首を横に振っていた。
俺と瑠璃はうまなちゃんの過去を知らないので当然反応はしていない。他の人達と違って俺たち兄妹とうまなちゃんとの付き合いが始まったのは最近なのだが、あんな風に自分よりも大きいぬいぐるみを引きずっている姿は違和感しかなかった。
「何で瑠璃先生や愛華は爽やかな感じなのに、私はぬいぐるみを引きずって半笑いになってるんだろう。あんな風にしたこと一度もないと思うんだけど」
「私もあんな感じのうまなちゃんを見たことなんて無いけど、圭重からはあんな感じに見えてるのかもね。なんでぬいぐるみなのかわからないけど、うまなちゃんと言えば牛って事なのかな。でも、牛って言いたくなるほど胸が大きいわけでもないのに、不思議だよね」
イザーちゃんは自分の事を棚に上げてそんな事を言っているが、うまなちゃんはそれを聞いて夢の世界にいるうまなちゃんと同じような表情を浮かべていた。
他の世界から人を連れてくるという事だけでも反則だと思うのだが、誰もその事を指摘しないというのも闇が深いことのように感じていた。
夢の世界にも俺たちが登場しているようだが、俺たちの姿や役割は現実の物とは少しずれているように思えた。俺の知っている瑠璃は勉強を教える時にあんなに甘えた声なんて出していないと思うし、愛華ちゃんもあそこまでボディタッチが多いとは思えなかった。
野城圭重の創り出している世界の出来事だから仕方ないと言えばそうなるのだけど、そんな風に考えているのかと思うとこれからの付き合いを考えた方が良いような気がするものだ。
「お姉ちゃんと愛華ばっかりで私やうまなちゃんは全然出てこないよね。柘榴がいないのは避けられているからだと思うんだけど、うまなちゃんが全然出てこないのは何か違和感があるよね」
「圭重先輩は私の事を避けてるって事なのかな。それでもいいんだけど、何か悪いことをしてしまったのかって気になっちゃうかも」
「そんなの気にしなくてもいいんじゃないかしら。コレにそんなつもりはないと思うけど、私と親戚だって事で無意識のうちに避けてしまってるのかもしれないわよ。私は昔からコレに避けられてきたわけだし、うまなちゃんも私と同じようにコレから避けられてるだけだと思うわ」
瑠璃と愛華ちゃんは見慣れない自分の姿に戸惑っているのかいつもとは違って少し落ち着きが無いように見える。
自分が思っている自分と他人が見ている自分が同じではないという事はよくあることかもしれないが、野城圭重が想像している瑠璃と愛華ちゃんはあまりにも現実の二人とかけ離れているようにしか見えない。
もしかしたら、俺の知らないところで二人はあの夢の中に出てきているときのような行動をしているのかもしれないが、戸惑っているところを見るとあんな風に接しているとは思えないな。
「それにしても、圭重先輩は何で瑠璃先生と愛華の夢を見てるんだろうね。夢に悪魔が出てくるとか言ってたけど、愛華も瑠璃先生も悪魔って感じじゃないと思うんだけど」
「そうだよね。私も愛華とお姉ちゃんは悪魔って感じはしないと思うんだよね。私たちの中だったら、お姉ちゃんが一番悪魔とは遠い存在だと思うな。私も愛華も柘榴も悪魔っぽいところはあるかもしれないけど、うまなちゃんはそこまで悪魔っぽくはないと思うんだ」
「でも、うまなちゃんは時々小悪魔っぽいことをするときはあるわよね。ほら、まだ小学生だった時に水鉄砲をもって私たちを追いかけまわしてたり、花火で攻撃してきたりしてきたことがあるもんね」
大人しく見えるうまなちゃんにもそんな時代があったのかと思ったのだが、うまなちゃんはそういったことを覚えていないのかキョトンとした顔で柘榴ちゃんとイザーちゃんの顔を交互に見ていた。
「そんな時代があったかもね。あの時のうまなちゃんは人が困っている時は助けてやりなさいって言われていたことを勘違いしていて、困っている人がいないなら困らせてから助ければいいって思ってたって言ってたよ。誰も困ってないなら困っている人を作ればいいって思ったんじゃないかな」
「え、私そんなことしてたの?」
「してたわね。私だけじゃなく、私の両親もあなたには随分と困らされていたわ。命にかかわるようなことはなかったんで良かったけど、アレは少し面倒だったわね」
「ごめんなさい。全然何も覚えてないよ」
「あの時のうまなちゃんは必死だったから覚えていないのかもね。柘榴も逃げるのに必死だったとは思うけど、午彪は結構深刻な被害を受けていたような気がするわ」
午彪さんがごくまれに見せる警戒しているのは何か見えないものに対してなのではなく、うまなちゃんが何かしてこないかという事なのだろうか。それなりに時間は経っているからなのかそこまで深刻な感じではないのだが、何度か怯えているような表情を見ていたことがあったことを思い出していた。
「あ、圭重の夢にうまなちゃんが出てきたよ。いつもと変わらないうまなちゃんに見えるけど、なんであのうまなちゃんは牛のぬいぐるみを持ってるんだろ。あんなぬいぐるみ持ってたことなんてあったっけ?」
「動物のぬいぐるみはいくつか持ってた記憶があるけど、あんなに大きいぬいぐるみを持ってたことはないかも。あんなに大きいぬいぐるみの事なんて忘れるとは思えないし、みんなも見たことないよね?」
みんな揃って首を横に振っていた。
俺と瑠璃はうまなちゃんの過去を知らないので当然反応はしていない。他の人達と違って俺たち兄妹とうまなちゃんとの付き合いが始まったのは最近なのだが、あんな風に自分よりも大きいぬいぐるみを引きずっている姿は違和感しかなかった。
「何で瑠璃先生や愛華は爽やかな感じなのに、私はぬいぐるみを引きずって半笑いになってるんだろう。あんな風にしたこと一度もないと思うんだけど」
「私もあんな感じのうまなちゃんを見たことなんて無いけど、圭重からはあんな感じに見えてるのかもね。なんでぬいぐるみなのかわからないけど、うまなちゃんと言えば牛って事なのかな。でも、牛って言いたくなるほど胸が大きいわけでもないのに、不思議だよね」
イザーちゃんは自分の事を棚に上げてそんな事を言っているが、うまなちゃんはそれを聞いて夢の世界にいるうまなちゃんと同じような表情を浮かべていた。
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