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おパンツ戦争
第52話 ピンクのおパンツ
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イザーは水色のおパンツを手に取っている工藤珠希を見て嬉しさが隠し切れないのかニヤニヤが止まらずにいつもよりも口元が緩んでいた。あっけに取られている工藤珠希を見てイザーは終始嬉しそうにしているのだが、それを見ている栗宮院うまなは少し不満そうであった。
「ほら、珠希ちゃんの綺麗な肌には水色のおパンツが良く似合ってるでしょ。こんなに可愛らしいんだから似合わないはずが無いと思ってたんだよね。ほら、このままこのおパンツに穿き替えてきていいんだよ」
「ごめん。本当に意味が分からなくて引いてるんだけど。イザーちゃんはボクにこれを穿かせようと思ってるって事?」
「そうだよ。珠希ちゃんだってこんなに可愛いおパンツを穿きたいって思ってるんじゃないかな?」
「全然思ってないけど。確かにこのおパンツは可愛いなって思うけど、ボクが穿きたいとは思わないかな」
「そんな悲しいこと言わないでよ。珠希ちゃんの小振りだけどプリッとしたお尻にこの可愛らしいおパンツがとってもよく似合うと思うからさ。さあ、さあ、さあ、このまま穿いてきちゃっていいんだからさ」
イザーの激しい圧にも負けずに自分の意志を曲げない工藤珠希。普通の人であればイザーにここまで言われてしまうとその気が無くても穿き替えてしまうと思うのだが、芯の強い乙女である工藤珠希はそんな言葉には惑わされなかったのだ。
どこまでも続くと思われたイザーの攻めが一瞬だけ止まった隙を見逃さずに助け舟を出したのは外ならぬ栗宮院うまなであった。普段は仲の良い二人が袂を分けてしまった原因がこんなことだとは思いたくない工藤珠希の考えをよそに、イザーと栗宮院うまなの喧嘩の原因はとてもくだらないものであったのだ。
「優しい珠希ちゃんがこんなに嫌がるなんて、普通じゃちょっと考えられないよね。私は今までいろいろな珠希ちゃんを見てきたけど、ここまであからさまに拒絶反応を示している珠希ちゃんなんて見たことなかったよ。そういう意味でも、イザーちゃんって特別な人なんだって思うよ。みんなだってそう思ってるんじゃないかな」
「はあ、そんなのうまなちゃんの主観が入ってるだけなんじゃないですか? 珠希ちゃんは口では嫌がってるそぶりを見せてるけど、今にもおパンツを穿き替えようとしてますけど?」
「いや、ボクはおパンツを穿き替えようとなんてしてないけど」
この場にいる全員の視線を一身に受けてしまった工藤珠希はイザーの言葉を慌てて否定していた。
実際に穿き替えようとはしている様子もなかったので誰もイザーの言葉を信じる事は無かったけれど、栗宮院うまなだけは本気で心配していたのか額に汗を浮かべて少しだけ呼吸が荒くなっていた。
もちろん、そんな栗宮院うまなの姿を見逃すようなイザーではないのである。
「あれ、うまなちゃんって何か凄く焦ってるみたいだけど、それってやっぱり私の選んだおパンツの方が珠希ちゃんに似合うってのに気付いてるからなのかな?」
「べ、別にそんなんじゃないし。水色のおパンツも珠希ちゃんが穿けば可愛いかもしれないけれど、それ以上に私が選んだピンクのおパンツの方が似合うんだもん。珠希ちゃんの透き通るような肌をより引き立てるのはこのピンクのおパンツだし。ちょっとだけ背伸びした大人なピンクのおパンツで珠希ちゃんの魅力は今以上に発揮されちゃうんだよ」
「ちょっと待って、そんなに大人っぽいおパンツなんてどこで買ったの?」
「別にどこで買ったかなんて関係ないでしょ。イザーちゃんこそどこで買ったのよ?」
「私は愛華ちゃんに頼んでネット通販で買ってもらったけど」
「へえ、愛華ちゃんに買ってもらったんだ。イザーちゃんはネット通販なんて使いこなせないと思うからおかしいなとは思ったんだけど、愛華ちゃんに頼んでるんだね。そう言えば、イザーちゃんって最近はレジスタンスの人達とすっごく仲もいいし、そんな姿もサキュバス界でもちょっとした噂になってるんだよね。あ、なんで愛華ちゃんがイザーちゃんの味方になってるのか何となくわかっちゃった」
「噂ってどういう事?」
「あくまで噂だけど、イザーちゃんが太郎ちゃんと手を組んでサキュバスとレジスタンスの新しい世界を作ろうとしてるんじゃないかってね。それはそれで面白そうだとは思うけど、私達とレジスタンスのみんなは根本的なところで仲良く出来ないんじゃないかなって思うんだよね。お互いに相手を知れば知るほど、交わらない部分が多くなっていくような気がしているんだよ」
「同じサキュバスでもこうして趣味が合わないのに、種族が違えばそういう面も多くなるかもしれないとはもうよ。でも、私は別に太郎ちゃんと手を組んでどうにかしようなんて思ってないんだけど」
「大丈夫。私もその噂は信じてないから。イザーちゃんも太郎ちゃんも自分が一番頂点に立って何かやろうってタイプじゃないもんね。だって、今の二人はいつでもそれが出来るのにやってないんだもんね」
「ぶっちゃけ、私も太郎ちゃんもこの世界くらいだったらいつでも征服することが出来ると思う。でも、自分の甥通りに何でも出来る世界なんて興味ないし」
「私、イザーちゃんのそういう考えが好きだよ。誰よりも強くて誰にでも命令できるのに、相手の自主性に任せてくれるところとか好きだよ。今だって珠希ちゃんに無理やりその水色のおパンツを穿かせることだって出来るのに、珠希ちゃんが自分から穿こうとするまで見守ってるもんね。でも、私が用意したこのピンクのおパンツの方が可愛いと思うんだけどな」
栗宮院うまなが手に持って広げたピンクのおパンツは水色のおパンツに比べて布面積が少なくサイド部分も紐が結ばれているだけになっていた。ただ、布面積は少ないなりにも可愛らしいリボンの装飾なども施されているので工藤珠希はちょっとだけ可愛いなと思ってしまった。
工藤珠希が見せたその表情からすべてを察したイザーは明らかにテンションが下がっていて、今まで誰も見たことが無いくらい落ち込んでいたのであった。
「ほら、珠希ちゃんの綺麗な肌には水色のおパンツが良く似合ってるでしょ。こんなに可愛らしいんだから似合わないはずが無いと思ってたんだよね。ほら、このままこのおパンツに穿き替えてきていいんだよ」
「ごめん。本当に意味が分からなくて引いてるんだけど。イザーちゃんはボクにこれを穿かせようと思ってるって事?」
「そうだよ。珠希ちゃんだってこんなに可愛いおパンツを穿きたいって思ってるんじゃないかな?」
「全然思ってないけど。確かにこのおパンツは可愛いなって思うけど、ボクが穿きたいとは思わないかな」
「そんな悲しいこと言わないでよ。珠希ちゃんの小振りだけどプリッとしたお尻にこの可愛らしいおパンツがとってもよく似合うと思うからさ。さあ、さあ、さあ、このまま穿いてきちゃっていいんだからさ」
イザーの激しい圧にも負けずに自分の意志を曲げない工藤珠希。普通の人であればイザーにここまで言われてしまうとその気が無くても穿き替えてしまうと思うのだが、芯の強い乙女である工藤珠希はそんな言葉には惑わされなかったのだ。
どこまでも続くと思われたイザーの攻めが一瞬だけ止まった隙を見逃さずに助け舟を出したのは外ならぬ栗宮院うまなであった。普段は仲の良い二人が袂を分けてしまった原因がこんなことだとは思いたくない工藤珠希の考えをよそに、イザーと栗宮院うまなの喧嘩の原因はとてもくだらないものであったのだ。
「優しい珠希ちゃんがこんなに嫌がるなんて、普通じゃちょっと考えられないよね。私は今までいろいろな珠希ちゃんを見てきたけど、ここまであからさまに拒絶反応を示している珠希ちゃんなんて見たことなかったよ。そういう意味でも、イザーちゃんって特別な人なんだって思うよ。みんなだってそう思ってるんじゃないかな」
「はあ、そんなのうまなちゃんの主観が入ってるだけなんじゃないですか? 珠希ちゃんは口では嫌がってるそぶりを見せてるけど、今にもおパンツを穿き替えようとしてますけど?」
「いや、ボクはおパンツを穿き替えようとなんてしてないけど」
この場にいる全員の視線を一身に受けてしまった工藤珠希はイザーの言葉を慌てて否定していた。
実際に穿き替えようとはしている様子もなかったので誰もイザーの言葉を信じる事は無かったけれど、栗宮院うまなだけは本気で心配していたのか額に汗を浮かべて少しだけ呼吸が荒くなっていた。
もちろん、そんな栗宮院うまなの姿を見逃すようなイザーではないのである。
「あれ、うまなちゃんって何か凄く焦ってるみたいだけど、それってやっぱり私の選んだおパンツの方が珠希ちゃんに似合うってのに気付いてるからなのかな?」
「べ、別にそんなんじゃないし。水色のおパンツも珠希ちゃんが穿けば可愛いかもしれないけれど、それ以上に私が選んだピンクのおパンツの方が似合うんだもん。珠希ちゃんの透き通るような肌をより引き立てるのはこのピンクのおパンツだし。ちょっとだけ背伸びした大人なピンクのおパンツで珠希ちゃんの魅力は今以上に発揮されちゃうんだよ」
「ちょっと待って、そんなに大人っぽいおパンツなんてどこで買ったの?」
「別にどこで買ったかなんて関係ないでしょ。イザーちゃんこそどこで買ったのよ?」
「私は愛華ちゃんに頼んでネット通販で買ってもらったけど」
「へえ、愛華ちゃんに買ってもらったんだ。イザーちゃんはネット通販なんて使いこなせないと思うからおかしいなとは思ったんだけど、愛華ちゃんに頼んでるんだね。そう言えば、イザーちゃんって最近はレジスタンスの人達とすっごく仲もいいし、そんな姿もサキュバス界でもちょっとした噂になってるんだよね。あ、なんで愛華ちゃんがイザーちゃんの味方になってるのか何となくわかっちゃった」
「噂ってどういう事?」
「あくまで噂だけど、イザーちゃんが太郎ちゃんと手を組んでサキュバスとレジスタンスの新しい世界を作ろうとしてるんじゃないかってね。それはそれで面白そうだとは思うけど、私達とレジスタンスのみんなは根本的なところで仲良く出来ないんじゃないかなって思うんだよね。お互いに相手を知れば知るほど、交わらない部分が多くなっていくような気がしているんだよ」
「同じサキュバスでもこうして趣味が合わないのに、種族が違えばそういう面も多くなるかもしれないとはもうよ。でも、私は別に太郎ちゃんと手を組んでどうにかしようなんて思ってないんだけど」
「大丈夫。私もその噂は信じてないから。イザーちゃんも太郎ちゃんも自分が一番頂点に立って何かやろうってタイプじゃないもんね。だって、今の二人はいつでもそれが出来るのにやってないんだもんね」
「ぶっちゃけ、私も太郎ちゃんもこの世界くらいだったらいつでも征服することが出来ると思う。でも、自分の甥通りに何でも出来る世界なんて興味ないし」
「私、イザーちゃんのそういう考えが好きだよ。誰よりも強くて誰にでも命令できるのに、相手の自主性に任せてくれるところとか好きだよ。今だって珠希ちゃんに無理やりその水色のおパンツを穿かせることだって出来るのに、珠希ちゃんが自分から穿こうとするまで見守ってるもんね。でも、私が用意したこのピンクのおパンツの方が可愛いと思うんだけどな」
栗宮院うまなが手に持って広げたピンクのおパンツは水色のおパンツに比べて布面積が少なくサイド部分も紐が結ばれているだけになっていた。ただ、布面積は少ないなりにも可愛らしいリボンの装飾なども施されているので工藤珠希はちょっとだけ可愛いなと思ってしまった。
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