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第50話 様々な考え
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今週の課題はサキュバスと一緒にサウナで整うというものだったのだが、まだ強制課題になっていないので工藤珠希は当然その課題を無視することにした。今週と来週は無理に課題をこなす必要が無いので少しだけ気は楽なのだが、出来ることなら次の課題は達成可能なものにしてほしいと思っていた。
「珠希ちゃんと一緒にサウナとか楽しそうだなって思ったんだけど、やっぱり今週はパスするんだね」
「サウナはちょっと厳しいかな。熱いのとか苦手だし、整うってのもイマイチよくわからないんだよね。ドラマで見てた時は気持ちよさそうだなって思ったんだけど、ちょっと前に言った銭湯のサウナが熱すぎて三分も入っていられなかったんだよ」
「私らサキュバスはあんまり気候に左右されないから気持ちいいなって思うけど、珠希ちゃんは熱いのダメなんだね」
「程よい熱さだったらボクも耐えることは出来ると思うんだけど、わざわざ熱いところに行って耐えようとは思わないかも。って言うか、耐性があるんだったら整うことできないでしょ。この課題って絶対に無理なやつだったんじゃないの?」
「その可能性はあるかもしれないね。うまなちゃんの自供も撮影してあるし、私と愛華ちゃんで抗議してくるよ。上手くいったら強制課題が一週間先送りになるかもしれないよ」
そう言い残して栗鳥院柘榴と鈴木愛華は全てをすっ飛ばして理事長室へと向かって行った。二人の抗議がどのような実を結ぶのか気になる所ではあるが、工藤珠希としては目立たずひそかに行動することが出来ればいいと思っているのだ。
二人が自分のために行動してくれているというのは嬉しいことではあるのだが、あまり目立つようなことはしてほしくないというのも本音なのである。
「あんなに張り切っちゃって、二人とも頑張るね。うまなちゃんの失言があったからだと思うけど、うまなちゃんは二人を追いかけなくても大丈夫なの?」
「今から追いかけたところであの二人の行動を助けることになりかねないからな。ここは成り行きに任せて大人しくしておくことにするよ。何をやっても悪い方向へ進む時って、自分が一番楽な場所で一番いい時間を過ごしておくのが肝心じゃないかな」
「言いたいことはわかるけど、それってちょっとあきらめが早すぎるような気もするな。うまなちゃんって私が太郎ちゃんを助けに行く前とちょっと感じ変わった?」
「そんな事無いと思うよ。私はいつもと同じ可愛いうまなちゃんだよ」
栗宮院うまなの可愛らしさアピールを無視したイザーと工藤珠希は次の授業に向けて準備を始めていた。
二人が急に冷静になったことで栗宮院うまなは少し戸惑いを見せていたのだが、すぐに彼女も冷静さを取り戻して二人と同じように次の授業の準備を始めていた。
準備と言っても自分のやりたいことを自由に行うことが出来る自習の時間なので特にすることもないのだけれど、みんなそれぞれちゃんとしているという事をアピールするかのように教科書やノートを出して大人しく自分の席に座って待っているのであった。
栗鳥院柘榴と鈴木愛華は片岡瑠璃先生が教室に入ってきた時にもまだ戻ってきていなかったのだが、二人が何をしているのか片岡瑠璃先生は知っていたみたいで二人については無断欠席扱いにはならないようだ。
「珠希ちゃんはサキュバスの人達と仲が良いみたいだけど、危機感とかはない感じなのかな?」
「学校にいる時はあんまり感じてないかな。それでも、学校の中とは言え時々危ないかもって思う時もあるんだけどね。でも、一番危ないかもしれないって思うのは学校にいる時じゃなくて家にいる時だったりするんだよね。その辺に普通にいる学外のサキュバスに対して危ないかもって思ったことはあるよ。襲われたりとかはないんだけど、ボクを人質にしてうまなちゃんたちに圧力をかけようとしているって感じる時は何回かあったかな。そんな時はイザーちゃんか太郎が助けてくれてるんだけど、なんで二人はボクのピンチに駆けつけてくれることが多いんだろう?」
「それって、イザーちゃんと太郎さんが珠希ちゃんのことを見守ってるからなんじゃないかな。サキュバスであるイザーちゃんが出来るのはおかしいことでもないと思うんだけど、普通の人間だと思われる太郎さんがイザーちゃんと同じことが出来るってのはちょっと違和感があるよね」
「違和感があるかもしれないけど、俺としては太郎ってのは何か危険な感じがしてならないんだよな。みんなはそう感じてないかもしれないけど、俺にはその名前を聞くだけでも恐ろしい相手なんじゃないかなって少しずつ感じてきてるんだよ。実際に会えばそんな事もないかもしれないけど、何かイヤな予感がしてるんだよな」
「それって、太郎さんがあんたと同じ男だからって事じゃないよね?」
「そんな理由ではない。うまく言葉に出来ないんだけど、何かとんでもなく危険な感じがしてるんだよ」
「男に対する嫉妬とかみっともないよ。あんただってそれなりに整った見た目なんだからそこまで自分の事を過小評価しなくてもいいと思うよ。ここの人達に好かれるような見た目じゃないかもしれないけど、この広い宇宙を探せばあんたの事を好きだって言う女だっているはずだからね」
「そういう意味で言ってるわけじゃないんだけど。それにさ、そんな言い方だとクリームパイだって俺とそんなに見た目変わらんのだと思うんだが」
「あんたって本当にバカね。男と女では同じ見た目だとしても受ける印象が違うのよ。あんまり変なこと言ってないで真面目に勉強してなさいよ」
「珠希ちゃんと一緒にサウナとか楽しそうだなって思ったんだけど、やっぱり今週はパスするんだね」
「サウナはちょっと厳しいかな。熱いのとか苦手だし、整うってのもイマイチよくわからないんだよね。ドラマで見てた時は気持ちよさそうだなって思ったんだけど、ちょっと前に言った銭湯のサウナが熱すぎて三分も入っていられなかったんだよ」
「私らサキュバスはあんまり気候に左右されないから気持ちいいなって思うけど、珠希ちゃんは熱いのダメなんだね」
「程よい熱さだったらボクも耐えることは出来ると思うんだけど、わざわざ熱いところに行って耐えようとは思わないかも。って言うか、耐性があるんだったら整うことできないでしょ。この課題って絶対に無理なやつだったんじゃないの?」
「その可能性はあるかもしれないね。うまなちゃんの自供も撮影してあるし、私と愛華ちゃんで抗議してくるよ。上手くいったら強制課題が一週間先送りになるかもしれないよ」
そう言い残して栗鳥院柘榴と鈴木愛華は全てをすっ飛ばして理事長室へと向かって行った。二人の抗議がどのような実を結ぶのか気になる所ではあるが、工藤珠希としては目立たずひそかに行動することが出来ればいいと思っているのだ。
二人が自分のために行動してくれているというのは嬉しいことではあるのだが、あまり目立つようなことはしてほしくないというのも本音なのである。
「あんなに張り切っちゃって、二人とも頑張るね。うまなちゃんの失言があったからだと思うけど、うまなちゃんは二人を追いかけなくても大丈夫なの?」
「今から追いかけたところであの二人の行動を助けることになりかねないからな。ここは成り行きに任せて大人しくしておくことにするよ。何をやっても悪い方向へ進む時って、自分が一番楽な場所で一番いい時間を過ごしておくのが肝心じゃないかな」
「言いたいことはわかるけど、それってちょっとあきらめが早すぎるような気もするな。うまなちゃんって私が太郎ちゃんを助けに行く前とちょっと感じ変わった?」
「そんな事無いと思うよ。私はいつもと同じ可愛いうまなちゃんだよ」
栗宮院うまなの可愛らしさアピールを無視したイザーと工藤珠希は次の授業に向けて準備を始めていた。
二人が急に冷静になったことで栗宮院うまなは少し戸惑いを見せていたのだが、すぐに彼女も冷静さを取り戻して二人と同じように次の授業の準備を始めていた。
準備と言っても自分のやりたいことを自由に行うことが出来る自習の時間なので特にすることもないのだけれど、みんなそれぞれちゃんとしているという事をアピールするかのように教科書やノートを出して大人しく自分の席に座って待っているのであった。
栗鳥院柘榴と鈴木愛華は片岡瑠璃先生が教室に入ってきた時にもまだ戻ってきていなかったのだが、二人が何をしているのか片岡瑠璃先生は知っていたみたいで二人については無断欠席扱いにはならないようだ。
「珠希ちゃんはサキュバスの人達と仲が良いみたいだけど、危機感とかはない感じなのかな?」
「学校にいる時はあんまり感じてないかな。それでも、学校の中とは言え時々危ないかもって思う時もあるんだけどね。でも、一番危ないかもしれないって思うのは学校にいる時じゃなくて家にいる時だったりするんだよね。その辺に普通にいる学外のサキュバスに対して危ないかもって思ったことはあるよ。襲われたりとかはないんだけど、ボクを人質にしてうまなちゃんたちに圧力をかけようとしているって感じる時は何回かあったかな。そんな時はイザーちゃんか太郎が助けてくれてるんだけど、なんで二人はボクのピンチに駆けつけてくれることが多いんだろう?」
「それって、イザーちゃんと太郎さんが珠希ちゃんのことを見守ってるからなんじゃないかな。サキュバスであるイザーちゃんが出来るのはおかしいことでもないと思うんだけど、普通の人間だと思われる太郎さんがイザーちゃんと同じことが出来るってのはちょっと違和感があるよね」
「違和感があるかもしれないけど、俺としては太郎ってのは何か危険な感じがしてならないんだよな。みんなはそう感じてないかもしれないけど、俺にはその名前を聞くだけでも恐ろしい相手なんじゃないかなって少しずつ感じてきてるんだよ。実際に会えばそんな事もないかもしれないけど、何かイヤな予感がしてるんだよな」
「それって、太郎さんがあんたと同じ男だからって事じゃないよね?」
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