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白ギャル黒ギャル戦争
おじぞうさん
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学校から歩いて帰ることが多くなってきたのは私に友達が出来たからだろう。
お父さんもお母さんも私に友達が出来たことを喜んでくれていたのでアルバイトがない時は友達と遊んでから帰っておいでと言ってくれるようになっていた。清澄さんも愛華ちゃんも私に友達が出来たことを喜んでくれていた。零楼館でアルバイトをするようになってから私の人生は大きく変わったと思う。今までも小さな変化はいくつかあったと思うんだけど、私に友達が出来るようになるとは自分でも考えもしなかったのだ。
「うまなちゃんってお父さんもお母さんも有名人だから苦労する事とかもあったりするんでしょ?」
「まあ、それなりにはあったかも。詩織ちゃんたちが私と仲良くしてくれるようになる魔で誰ともこうして遊んだりしたことなかったからね。やっぱり私のお父さんとお母さんのことが気になって話しかけづらかったりしたのかな?」
「何となく話しかけない方が良いのかなって思ってたところはあるかも。私たちもうまなちゃんと仲良くなってみたいなって気持ちはあったんだけど、話しかけちゃいけないって勝手に思っちゃってたんだ。茉子も友紀も本当は仲良くしてみたかったんだって」
「それなら気軽に話しかけてくれてもよかったのに。でも、私も話しかけられたらどうしようって思う事もあったし、そういったのが自然と出てたのかもしれないね。なんか、ごめんね」
「ううん、こっちのほうこそごめんね」
茉子ちゃんも友紀ちゃんも今日は用事があるとかで別々に帰ってしまったのでこうして私は詩織ちゃんと二人で歩いていた。いつもと変わらない道を一緒にいることが多くなった詩織ちゃんと二人で歩いている。今までも何度か二人だけで行動したこともあったはずなのに、何かいつもと違うような感じがしていた。ちゃんと友達になってから初めて二人だけで歩いているから緊張しているのかな。
「うまなちゃんも見える人なのかな?」
「見える人?」
「ほら、うまなちゃんのパパもママも有名な霊能力者でしょ。そんな二人の娘だからうまなちゃんもそういうのが見えちゃうのかなって思ってね」
「そういう事か。残念だけど、私はそういうのが見えないんだ。何となく誰かがいるような気配を感じることは何回かあったけど、姿を見たことも声を聴いたことも一度もないんだよ。お父さんもお母さんもその方が良いって言ってくれるんだけど、私としてはお父さんたちと同じものを見てみたいって気持ちはあるんだけどね」
「色々大変そうだね。そう言えば、うまなちゃんがバイトしている写真館って古い建物だよね。やっぱりそういうところって幽霊とか出たりするのかな?」
「嘘か本当かわからないけど、カメラマンのお姉さんがあの建物を守ってる幽霊がいるって言ってたな。幽霊に襲われた時で家に帰れないときはこっちにおいでって言ってくれてるんだよ。でも、幽霊に襲われることなんて無いと思うけどね」
その後も零楼館の話をしてみたり、平日は愛華ちゃんが撮った写真から良さそうなものをピックアップするという話をしていた。そんなに写真を撮っているんだとしたら、心霊写真とかもあるのかと聞かれたのだけれど、私は零楼館で心霊写真を見たことが一度もないのであった。
「ソレだけ写真を撮っているのに心霊写真が無いってのも不思議だね」
「確かに。心霊写真とか割と撮れるって聞いてるんだけど、一度も見てないのは不思議かも。もしかしたら、カメラマンさんがそういうのを写さないようにしてたりして」
「それはあるかもね。お化け写真館のカメラマンならそれくらい出来そうかも」
「お化け写真館?」
私も知らなかったのだけど、零楼館は一部ではお化け写真館と呼ばれているらしい。
と言っても、建物が古く少しだけ怪しい感じに見えるからそう呼ばれているだけで実際に何かお化けが出るという話は聞いたことがない。小学生の時にクラスの誰かがお化け写真館で家族写真を撮ったという事を言っていたような気もするけれど、それが正しい記憶なのか私にはわからない。
「うまなちゃんが働いてるところをお化け写真館なんて言ってごめんね」
「ううん、私は気にしてないよ。社長さんもカメラマンさんもそんな感じの事を言っていたような気もするんだけど、お化けなんて見たことないんだ。いたとしても私には見えないだろうけどね」
その後も二人で零楼館について色々と話していた。
詩織ちゃんも零楼館で写真を撮ったことが何度かあるそうなのだ。昔からある写真館なので親子三代で写真を撮っている家族も多いと聞いていたので意外ではなかったけど、私は零楼館で写真を撮ったことが無かったからこんなに身近に写真を撮ったことがある人がいるとは思わなかった。
カメラマンさんは何人かいるので愛華ちゃんが撮ったわけではないと思うんだけど、いつか私の友達の事を愛華ちゃんが撮る日も来るのかなと考えてみたりもした。
「お化けで思い出したんだけど、この辺りにお地蔵さんが四つあるのって知ってた?」
「全然知らないかも。この辺りはあんまり来たことなかったかも」
「私もこの辺来るの初めてなんだよ。どこにお地蔵さんがあるのかも分かってないんだけど、私の彼の話だとこの辺りのはずなんだよ。お地蔵さんが四か所の交差点にいるらしいんだけど、人によっては見つけられない人もいるみたいなんだけど、私とうまなちゃんは見つけられない人なのかもしれないね」
そう言われると見つけてみたいという気持ちになってしまうものだ。
私も詩織ちゃんも一生懸命にお地蔵さんを探してみたのだけれど、残念なことに見つけることは出来なかった。
詩織ちゃんが見せてくれたスマホの写真にはこの辺りだと思われる交差点のそばに佇むお地蔵さんの姿がハッキリと写し出されていた。
こんなにわかりやすい写真があるにもかかわらず、私たちはその場所を見つけることも出来なかったのだ。
「これ以上探してると帰りが遅くなっちゃいそうだね。今日は諦めてまた今度探してみようよ。その時は茉子と友紀も誘うから。それと、うまなちゃんが嫌じゃなかったら私の彼氏も呼んでいいかな?」
あの時に見たちょっと軽そうな男の人と一緒に行動するのは少し怖かった。でも、詩織ちゃんの彼氏なんだったら怖くないかもしれない。友達も出来た私は今までと違う行動をとって交友関係を広げるのも大事なことなんじゃないかと思った。
「うん、彼氏さんが嫌じゃないんだったら一緒に探すのも有りだと思うよ」
「良かった。私の彼氏ってちょっと軽そうに見えるけど良い奴だからさ。うまなちゃんも仲良くなれると思うけど、私の彼氏だから好きになっちゃダメだからね」
お父さんもお母さんも私に友達が出来たことを喜んでくれていたのでアルバイトがない時は友達と遊んでから帰っておいでと言ってくれるようになっていた。清澄さんも愛華ちゃんも私に友達が出来たことを喜んでくれていた。零楼館でアルバイトをするようになってから私の人生は大きく変わったと思う。今までも小さな変化はいくつかあったと思うんだけど、私に友達が出来るようになるとは自分でも考えもしなかったのだ。
「うまなちゃんってお父さんもお母さんも有名人だから苦労する事とかもあったりするんでしょ?」
「まあ、それなりにはあったかも。詩織ちゃんたちが私と仲良くしてくれるようになる魔で誰ともこうして遊んだりしたことなかったからね。やっぱり私のお父さんとお母さんのことが気になって話しかけづらかったりしたのかな?」
「何となく話しかけない方が良いのかなって思ってたところはあるかも。私たちもうまなちゃんと仲良くなってみたいなって気持ちはあったんだけど、話しかけちゃいけないって勝手に思っちゃってたんだ。茉子も友紀も本当は仲良くしてみたかったんだって」
「それなら気軽に話しかけてくれてもよかったのに。でも、私も話しかけられたらどうしようって思う事もあったし、そういったのが自然と出てたのかもしれないね。なんか、ごめんね」
「ううん、こっちのほうこそごめんね」
茉子ちゃんも友紀ちゃんも今日は用事があるとかで別々に帰ってしまったのでこうして私は詩織ちゃんと二人で歩いていた。いつもと変わらない道を一緒にいることが多くなった詩織ちゃんと二人で歩いている。今までも何度か二人だけで行動したこともあったはずなのに、何かいつもと違うような感じがしていた。ちゃんと友達になってから初めて二人だけで歩いているから緊張しているのかな。
「うまなちゃんも見える人なのかな?」
「見える人?」
「ほら、うまなちゃんのパパもママも有名な霊能力者でしょ。そんな二人の娘だからうまなちゃんもそういうのが見えちゃうのかなって思ってね」
「そういう事か。残念だけど、私はそういうのが見えないんだ。何となく誰かがいるような気配を感じることは何回かあったけど、姿を見たことも声を聴いたことも一度もないんだよ。お父さんもお母さんもその方が良いって言ってくれるんだけど、私としてはお父さんたちと同じものを見てみたいって気持ちはあるんだけどね」
「色々大変そうだね。そう言えば、うまなちゃんがバイトしている写真館って古い建物だよね。やっぱりそういうところって幽霊とか出たりするのかな?」
「嘘か本当かわからないけど、カメラマンのお姉さんがあの建物を守ってる幽霊がいるって言ってたな。幽霊に襲われた時で家に帰れないときはこっちにおいでって言ってくれてるんだよ。でも、幽霊に襲われることなんて無いと思うけどね」
その後も零楼館の話をしてみたり、平日は愛華ちゃんが撮った写真から良さそうなものをピックアップするという話をしていた。そんなに写真を撮っているんだとしたら、心霊写真とかもあるのかと聞かれたのだけれど、私は零楼館で心霊写真を見たことが一度もないのであった。
「ソレだけ写真を撮っているのに心霊写真が無いってのも不思議だね」
「確かに。心霊写真とか割と撮れるって聞いてるんだけど、一度も見てないのは不思議かも。もしかしたら、カメラマンさんがそういうのを写さないようにしてたりして」
「それはあるかもね。お化け写真館のカメラマンならそれくらい出来そうかも」
「お化け写真館?」
私も知らなかったのだけど、零楼館は一部ではお化け写真館と呼ばれているらしい。
と言っても、建物が古く少しだけ怪しい感じに見えるからそう呼ばれているだけで実際に何かお化けが出るという話は聞いたことがない。小学生の時にクラスの誰かがお化け写真館で家族写真を撮ったという事を言っていたような気もするけれど、それが正しい記憶なのか私にはわからない。
「うまなちゃんが働いてるところをお化け写真館なんて言ってごめんね」
「ううん、私は気にしてないよ。社長さんもカメラマンさんもそんな感じの事を言っていたような気もするんだけど、お化けなんて見たことないんだ。いたとしても私には見えないだろうけどね」
その後も二人で零楼館について色々と話していた。
詩織ちゃんも零楼館で写真を撮ったことが何度かあるそうなのだ。昔からある写真館なので親子三代で写真を撮っている家族も多いと聞いていたので意外ではなかったけど、私は零楼館で写真を撮ったことが無かったからこんなに身近に写真を撮ったことがある人がいるとは思わなかった。
カメラマンさんは何人かいるので愛華ちゃんが撮ったわけではないと思うんだけど、いつか私の友達の事を愛華ちゃんが撮る日も来るのかなと考えてみたりもした。
「お化けで思い出したんだけど、この辺りにお地蔵さんが四つあるのって知ってた?」
「全然知らないかも。この辺りはあんまり来たことなかったかも」
「私もこの辺来るの初めてなんだよ。どこにお地蔵さんがあるのかも分かってないんだけど、私の彼の話だとこの辺りのはずなんだよ。お地蔵さんが四か所の交差点にいるらしいんだけど、人によっては見つけられない人もいるみたいなんだけど、私とうまなちゃんは見つけられない人なのかもしれないね」
そう言われると見つけてみたいという気持ちになってしまうものだ。
私も詩織ちゃんも一生懸命にお地蔵さんを探してみたのだけれど、残念なことに見つけることは出来なかった。
詩織ちゃんが見せてくれたスマホの写真にはこの辺りだと思われる交差点のそばに佇むお地蔵さんの姿がハッキリと写し出されていた。
こんなにわかりやすい写真があるにもかかわらず、私たちはその場所を見つけることも出来なかったのだ。
「これ以上探してると帰りが遅くなっちゃいそうだね。今日は諦めてまた今度探してみようよ。その時は茉子と友紀も誘うから。それと、うまなちゃんが嫌じゃなかったら私の彼氏も呼んでいいかな?」
あの時に見たちょっと軽そうな男の人と一緒に行動するのは少し怖かった。でも、詩織ちゃんの彼氏なんだったら怖くないかもしれない。友達も出来た私は今までと違う行動をとって交友関係を広げるのも大事なことなんじゃないかと思った。
「うん、彼氏さんが嫌じゃないんだったら一緒に探すのも有りだと思うよ」
「良かった。私の彼氏ってちょっと軽そうに見えるけど良い奴だからさ。うまなちゃんも仲良くなれると思うけど、私の彼氏だから好きになっちゃダメだからね」
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