恋愛アプリを使ってみたら幼馴染と両想いになれました

釧路太郎

文字の大きさ
3 / 71
恋愛コミュニケーション

第三話

しおりを挟む
「山口ってさ、奥谷の事って好きなの?」
「何の冗談かわからないけど、私が奥谷を好きだってどうしてそう思ったのかな。そういうのって迷惑なんだけど」
「迷惑とかじゃなくて、奥谷の事が好きなのか答えろって言ってるんだよ」
「奥谷って昔から知ってるせいなのか、弟しか見てないんだよね。いや、どっちかって言うと人懐っこいペットみたいな感じかも。ペットとして見たら好きかもしれないけど、奥谷はペットじゃないから好きじゃないってことだと思うよ。この答えで満足かな」
「お前はふざけてんのか。それとも私をなめてるってことなのか。どっちでもいいんだけどさ、その態度は良くないと思うんだけど、私になんか文句でもあるっていうの?」
「そりゃ文句の一つや二つくらいあるでしょ。いきなり奥谷のこと好きなのかって聞いてくるとか意味わかんないし、答えたら答えたで逆切れされるし。あ、もしかして西森って奥谷のこと好きなの?」
「は、私がなんで奥谷の事を好きにならなきゃいけないんだよ。奥谷の事が好きなのは歩と茜だよ」
「へえ、渡辺と吉井は奥谷の事が好きなんだ。それならいい事を教えてあげるよ。奥谷って眼鏡をかけてる女の子が好きらしいよ。あ、二人は眼鏡かけてないから関係なかったかな」
「お前、いい加減しろよ。あんまり調子に乗っていると痛い目を見るぞ」
「ちょっと、みんな見てるからやめなよ。亜紀が私達のために山口に聞いてくれているのはわかるんだけどさ、もうすぐ授業も始まっちゃうしそれくらいにしとこうよ」
「そうだよ。亜紀はちょっと熱くなりすぎだよ。早坂先生ももうすぐ来ると思うし席に戻ろうよ。私も歩もそんなに気にしてないから大丈夫だって」
「授業終わったら面かせよ。逃げんなよ」
「なんで私がお前らに付き合わなきゃいけないんだよ。用があるんなら放課後じゃなくて学校が始まる前の朝の方がいいんだけど」
「何勝手なこと言ってんだよ。こういうのって放課後にやるって決まってるだろ。いいから授業終わったらすぐそこにある公園で待ってろよ」
「放課後は用事があるから無理だって言ってるだろ。お前は少し相手の事を思いやった方がいいぞ。渡辺も吉井もお前のそういう暴走するところに困ってるみたいだけど、自分ではそういうの感じないわけ?」
「は、何言ってんだよ。そんなわけないだろ。な?」
「私らの事はもういいからさ、チャイムなったし席に戻らないとダメだって」
「そうだよ。山口の事なんていいからさ。問題起こしたら大変なことになっちゃうし落ち着こうよ」
「ああ、そうだな。放課後に近所の公園で待ってるから逃げんなよ」
「だから、放課後は用事があるって言ってるだろ。お前は人の話を理解する能力が無いのかよ。そんなんだから国語の簡単なテストでも赤点とっちゃうんじゃないかな。渡辺も吉井も赤点とってないのに一人だけ赤点って恥ずかしいやつだな」
「はあ、そんなの今は関係ないだろ。マジムカついたわ。ここで今からやってやろうか?」
「こら、もう授業は始まっているんだから早く席につきなさい。何か揉めていることがあるなら先生が両方の話を聞いてあげるから後で職員室に来なさい」
「いや、大丈夫です。先生には迷惑かけませんから」

 うーん、もう少し亜紀ちゃんには頑張ってもらいたかったんだけど、山口って意外とメンタル強いのかもね。あんな風に亜紀ちゃんに言い寄られたら私だったら泣いちゃってたかもしれないな。それにしても、山口が放課後に何か用事があるって何なのか気になるな。どうせろくでもない事なんだろうけど、もしかしたら逃げる口実なだけかもしれないよね。それはそれでいいんだけど、問題は奥谷君が今のやり取りを見てどう思ったかってことなんだと思うんだけど、亜紀ちゃんはそれを全く考えていないように見えるんだよな。そんなんだから毎回赤点ぎりぎりの成績しか取れないんじゃないかって思っちゃうよね。
 それにしても、早坂先生がもう少し遅く来ていたら山口はどんな目に遭っていたのか想像もつかないな。暴力ってことは無いと思うけど、本当に痛い目を見ちゃうかもしれないね。亜紀ちゃんは精神的に追い詰めるとかできそうにないけど、歩ちゃんと茜ちゃんは案外そういうの得意かもしれないよね。でもさ、私の方が上手に出来るんじゃないかなって常々思っていたりするんだよね。

 今日の授業が全て終わっていたので、あとはホームルームが終われば帰れるんだけど、亜紀ちゃんは授業の合間の短い休みでも山口を公園に誘ってるんだ。でも、山口はそれに一向に乗ろとせずに早朝なら予定もないし言ってもいいみたいなことを言ってるよ。
 どうしても放課後にしたい亜紀ちゃんと、時間はどうでもいいと思ってる山口の言い合いはいつまでも終わるそぶりを見せなかったんだけど、さすがに今回は亜紀ちゃんが折れちゃうんじゃないかな。亜紀ちゃんは単純で頭も悪いんだけど、山口の意見を取り入れることに決まってしまった。

「山口さんと亜紀ちゃんの戦いってどういう風になるんだろうね。本当に戦うのかわからないけど、亜紀ちゃんはきっと手加減しちゃうんだろうな。山口さんはそれでも亜紀ちゃんに負けそうだけどね」
「そうだよね。ウチも普通に喧嘩したら亜紀が勝つと思うけど山口って無駄に頭がいいから何か仕掛けてくるかもしれないよ」
「その準備で忙しいのかもしれないってことなのか。亜紀ちゃんにこの事を伝えた方がいいかもね」

 それにしても、亜紀ちゃんが話しかけてたせいで奥谷君が山口に話しかけに行ったじゃん。クラスにみんないるあの状況で派手にやり過ぎなんだよな。亜紀ちゃんってちょっと感情的になることが多いし、私はそれがあんまり得意じゃないから恫喝的な事はしない方がいいんじゃないかなって思っちゃうよね。

「それにしてもさ、早朝が良いって言ってたけど何時の予定なんだろうね?」
「あれ、時間は決めてないんだっけ?」
「私らが見てた時は決めてなかったと思うけど、そんなに早くから本当に山口さんはやってくるのかな?」
「そりゃ、やってくるでしょ。あんだけ自分で言っといて山口さんが来なかったら大変だよ。それと、私は亜紀ちゃんがやりすぎないように見届けに行こうかとは思っているよ」
「おお、私は朝が苦手だから見に行くのはやめておくことにするよ」
「本当はウチも行きたいんだけど、亜梨沙と一緒で朝が苦手だからやめておくよ」
「わかった。亜梨沙ちゃんも梓ちゃんも山口さんが怪我をしないように祈っておいてね」

 翌日早朝

 学校近くの公園で待っている西森亜紀と渡辺歩と吉井茜。そして、少し離れた場所から見守っている私がいるわけなんだけど、八時を過ぎても山口はやってこなかった。
 ぎりぎりまで待とうとしていたみたいだけれど、亜紀ちゃんは慌ててパンを食べだして教室へと向かっていった。
 教室について中へ入ると、私達の事をあざ笑っているような表情の山口がそこにいたのだ。亜紀ちゃんは当然のように怒っているし、普段は大人しい歩ちゃんと茜ちゃんも怒っているのだ。それは当然と言えば当然なのだが、私も待ちぼうけを食らってしまったので山口に対しては怒り以外の感情は見当たらなかったのだった。

「本当に朝からあんな場所にいてご苦労な事ですね」

 山口が言ったその一言は私達四人を怒らせることになってしまったのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...